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第十二章
第十話 ロッククライミングをしたくないからといって、俺を取り合うな!
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俺たちは合成獣キメーラの背中に乗り、天空龍スリシオのいる岩山に向かっていた。
次第に塔のように聳え立つ岩山が大きくなってくる。伝龍の住処が近付いている証拠だ。
それから体感で十分は経っただろうか、目的地の岩山に辿り着いた。
遠くから見ると、塔のような形をしていたが、地面に触れている部分は傾斜になっている。
例えるなら、砂の山を作って棒を突き刺し、砂山を削って棒を倒した人の負けと言う遊びを子どもの頃にしていたが、あれに似ている。
左右が抉れた岩山だからこそ、遠くからは塔のように見えたのだ。
「キメちゃん。あともう少しだけ頑張ってねぇ。それじゃあ今からこの岩山を登るけど、上の方はほぼ垂直だから落とされないようにしてねぇ!」
ベッキーが振り落とされないように注意を促す。すると、俺の体に腕を回しているエリーザ姫の締め付ける力が増した。
それにより、彼女の豊満な胸が背中に当たり、別の意味で心臓の鼓動が早鐘を打つ。
エリーザ姫の胸の柔らかさが服越しに伝わってくるけど、ここは平常心を保たなければ。
なるべく意識しないようにしながら、握っているキメーラの毛に力を入れる。
「それじゃぁ、キメちゃん。レッツゴーよ」
ベッキーが右腕を上に突き出すと、合成獣は岩山を登って行く。
高度が上がる度に傾斜がキツくなり、約一分後にはほぼ垂直となった。
俺たちは振り落とされないようにしながら、キメーラに岩山を登ってもらう。
しかし、頂上まであと十メートルくらいのところでモンスターに異変が起きた。
大きな窪みができている場所の中に合成獣が入ると、そこから動こうとはしなかった。
「ど、どうしちゃったの! キメちゃん!」
『クーン、クーン、クーン』
犬が主人に甘えるときのような鳴き声を出し、尻尾の蛇を獅子の体の内側に入れている。
俺に怯えたときと同じだ。
「多分、ここまで来てこれ以上は上がりたくないと思ったのだろうな。モンスターは人間よりも相手の強さには敏感だ。上にいるのが自分よりも数段格上だと判断したから、怖気付いたのだろう」
キメーラの反応を見て言ってみたが、おそらく間違いではない。こいつは本能的にこれ以上登ることが危険だと判断したのだ。
「これ以上、無理強いさせたら可哀想ですわ。こうなったら、残りはわたくしたちで登る必要がありますわね。もちろん、わたくしはリュシアン王子の背中におんぶさせてもらいますが」
「それはダメです!」
「そうよ。次はあたしがリュシアンにおんぶしてもらう番なんだから!」
エリーザ姫の提案に、ユリヤとテレーゼが反対する。
「なんだ? ベッキーやセシリオさんの背に乗るのが嫌なのか?」
「当たり前です」
「あたしに触れていいのはリュシアンだけなんだから」
「リュシアン王子以外の殿方に触れるのは、王族として禁止事項です。今決めましたわ」
冗談で言ったつもりだったのに、三人は真剣な表情で訴えてくる。
チラッとセシリオさんたちを見たが、二人とも肩を落として落ち込んでいた。
なんか済みません。
「なら、全員がロッククライミングをするしかないわねぇ。残り十メートルくらいだし、できないことはないでしょう?」
「嫌よ。あたしの手がゴツくなったら歌姫として終わるわ。あたしはリュシアンにおんぶしてもらう」
「わたくしだって王族としてそんなことをしては、お父様に怒られてしまいますわ。王女らしく、リュシアン王子におんぶしてもらいます」
「二人ほど強くは言いませんが、私もできることならリュシアンさんにおんぶしてもらいたいです」
ベッキーの提案を三人は拒否する。
こうなっては、他の方法を考えるしかないな。何かないだろうか。
思考を巡らせていると、あるアイディアが思い浮かぶ。
この方法なら上手く行くかもしれない。だけど、俺の持っている属性玉では威力として不十分だ。水ではなく、氷の属性玉なら上手くいく可能性が高かったのだけどなぁ?
「リュシアンさん、その顔何か閃きましたよね。良い方法を思いついたのですか?」
「え? よく分かったな。俺の表情だけで閃いたことに気付くとは、すごいじゃないか」
「ま、まぁ。リュシアンさんのことはいつも見ていますので。えへへ」
若干頬を朱に染め、ユリヤは照れる。
俺、彼女からそんなに見られていたのか。何か見張られるようなことをしてしまったのだろうか。
何かなかっただろうかと記憶を辿るも、確証となるものが思い付かない。
「リュシアンなら、あたしも毎日見ているわよ」
「わたくしだってお二人に負けないくらい見ていますわよ」
なぜか急にテレーゼとエリーザ姫が張り合い、三人は睨み合った。
何張り合っているんだよ。
「リュシアン、何か思い付いたのだよな。話してくれないか」
「そ、そうですね。一応教えますけど、でも必要な属性玉を持っていないのですよ」
セシリオさんに促され、俺は閃いたことを彼に教える。
「あ、氷の属性玉なら、私持っていますよ。リュシアンさんにプレゼントしようと思って、隣町まで行ってこっそり作っていたのです」
ユリヤがポーチに手突っ込むと、白乳色の球体を俺に手渡す。
これは間違いなく、氷の属性玉だ。
「ありがとう。でもなんで隣町までわざわざ行ったんだ? 知り合いでもいるのか?」
「いえ、単純にベルトラムさんに近付きたくなかっただけです」
彼女の言葉に苦笑いを浮かべてしまった。
自業自得とはいえ、ここまで女の子たちから嫌われるなんて。
鞘から太刀を抜き、水の属性玉と氷の属性玉を入れ替える。
そして先に炎の属性玉に意識を集中させて炎を生み、岩山を熱する。続いて氷の属性玉に意識を集中させて熱した岩を凍らせた。
この二つを交互に繰り返すと、岩の一部が砂へと変わり崩れ落ちる。
「よし、上手く風化してくれたか」
考えていたどおりにことが進んでくれて、安堵する。
風化には大きく分けて水の凍結によるもの、気温の変化によるもの、植物によるもの、風によるものの四種類がある。
その中で俺は気温を選んだ。
気温による風化は、日中太陽の熱によって温度が上昇し、夜間は冷却されることでおきるのだが、それを属性玉の力で再現した。
火球の熱と氷の冷却を繰り返すことで、岩石を作っている鉱物も膨張や収縮を繰り返す。この際、鉱物の種類によって膨張や収縮の割合が異なるため、鉱物同士の間にずれが生じる。これによりヒビが入り、崩れて土や砂になったのだ。
「この調子で階段を作っていこう」
うまい具合にピンポイントで風化させ、一部分の岩を砂に変えて階段を作っていく。
「さすがリュシアンさんです」
「こんなことを思いつくなんてリュシアンは天才ね!」
「こんな方法で階段を作るなんて発想すらなかったですわ。本当にリュシアン王子は凄すぎです」
「いやーん! リュシアンちゃん素敵! 思わず襲って、あなたのお尻の処女をいただきたくなるわぁ」
「属性玉をこんな風に使うなんて。お前はやっぱり凄い腕前をしているな。完全に俺を超えているだろう。Lランクのハンターになれる素質を持っている」
俺の荒技に、みんなが絶賛してくれた。
一人、身の危険を感じるようなことを言わなかったか?
妙に寒気を感じつつも、俺は二つの属性玉を使い分け、頂上への道を作っていく。
次第に塔のように聳え立つ岩山が大きくなってくる。伝龍の住処が近付いている証拠だ。
それから体感で十分は経っただろうか、目的地の岩山に辿り着いた。
遠くから見ると、塔のような形をしていたが、地面に触れている部分は傾斜になっている。
例えるなら、砂の山を作って棒を突き刺し、砂山を削って棒を倒した人の負けと言う遊びを子どもの頃にしていたが、あれに似ている。
左右が抉れた岩山だからこそ、遠くからは塔のように見えたのだ。
「キメちゃん。あともう少しだけ頑張ってねぇ。それじゃあ今からこの岩山を登るけど、上の方はほぼ垂直だから落とされないようにしてねぇ!」
ベッキーが振り落とされないように注意を促す。すると、俺の体に腕を回しているエリーザ姫の締め付ける力が増した。
それにより、彼女の豊満な胸が背中に当たり、別の意味で心臓の鼓動が早鐘を打つ。
エリーザ姫の胸の柔らかさが服越しに伝わってくるけど、ここは平常心を保たなければ。
なるべく意識しないようにしながら、握っているキメーラの毛に力を入れる。
「それじゃぁ、キメちゃん。レッツゴーよ」
ベッキーが右腕を上に突き出すと、合成獣は岩山を登って行く。
高度が上がる度に傾斜がキツくなり、約一分後にはほぼ垂直となった。
俺たちは振り落とされないようにしながら、キメーラに岩山を登ってもらう。
しかし、頂上まであと十メートルくらいのところでモンスターに異変が起きた。
大きな窪みができている場所の中に合成獣が入ると、そこから動こうとはしなかった。
「ど、どうしちゃったの! キメちゃん!」
『クーン、クーン、クーン』
犬が主人に甘えるときのような鳴き声を出し、尻尾の蛇を獅子の体の内側に入れている。
俺に怯えたときと同じだ。
「多分、ここまで来てこれ以上は上がりたくないと思ったのだろうな。モンスターは人間よりも相手の強さには敏感だ。上にいるのが自分よりも数段格上だと判断したから、怖気付いたのだろう」
キメーラの反応を見て言ってみたが、おそらく間違いではない。こいつは本能的にこれ以上登ることが危険だと判断したのだ。
「これ以上、無理強いさせたら可哀想ですわ。こうなったら、残りはわたくしたちで登る必要がありますわね。もちろん、わたくしはリュシアン王子の背中におんぶさせてもらいますが」
「それはダメです!」
「そうよ。次はあたしがリュシアンにおんぶしてもらう番なんだから!」
エリーザ姫の提案に、ユリヤとテレーゼが反対する。
「なんだ? ベッキーやセシリオさんの背に乗るのが嫌なのか?」
「当たり前です」
「あたしに触れていいのはリュシアンだけなんだから」
「リュシアン王子以外の殿方に触れるのは、王族として禁止事項です。今決めましたわ」
冗談で言ったつもりだったのに、三人は真剣な表情で訴えてくる。
チラッとセシリオさんたちを見たが、二人とも肩を落として落ち込んでいた。
なんか済みません。
「なら、全員がロッククライミングをするしかないわねぇ。残り十メートルくらいだし、できないことはないでしょう?」
「嫌よ。あたしの手がゴツくなったら歌姫として終わるわ。あたしはリュシアンにおんぶしてもらう」
「わたくしだって王族としてそんなことをしては、お父様に怒られてしまいますわ。王女らしく、リュシアン王子におんぶしてもらいます」
「二人ほど強くは言いませんが、私もできることならリュシアンさんにおんぶしてもらいたいです」
ベッキーの提案を三人は拒否する。
こうなっては、他の方法を考えるしかないな。何かないだろうか。
思考を巡らせていると、あるアイディアが思い浮かぶ。
この方法なら上手く行くかもしれない。だけど、俺の持っている属性玉では威力として不十分だ。水ではなく、氷の属性玉なら上手くいく可能性が高かったのだけどなぁ?
「リュシアンさん、その顔何か閃きましたよね。良い方法を思いついたのですか?」
「え? よく分かったな。俺の表情だけで閃いたことに気付くとは、すごいじゃないか」
「ま、まぁ。リュシアンさんのことはいつも見ていますので。えへへ」
若干頬を朱に染め、ユリヤは照れる。
俺、彼女からそんなに見られていたのか。何か見張られるようなことをしてしまったのだろうか。
何かなかっただろうかと記憶を辿るも、確証となるものが思い付かない。
「リュシアンなら、あたしも毎日見ているわよ」
「わたくしだってお二人に負けないくらい見ていますわよ」
なぜか急にテレーゼとエリーザ姫が張り合い、三人は睨み合った。
何張り合っているんだよ。
「リュシアン、何か思い付いたのだよな。話してくれないか」
「そ、そうですね。一応教えますけど、でも必要な属性玉を持っていないのですよ」
セシリオさんに促され、俺は閃いたことを彼に教える。
「あ、氷の属性玉なら、私持っていますよ。リュシアンさんにプレゼントしようと思って、隣町まで行ってこっそり作っていたのです」
ユリヤがポーチに手突っ込むと、白乳色の球体を俺に手渡す。
これは間違いなく、氷の属性玉だ。
「ありがとう。でもなんで隣町までわざわざ行ったんだ? 知り合いでもいるのか?」
「いえ、単純にベルトラムさんに近付きたくなかっただけです」
彼女の言葉に苦笑いを浮かべてしまった。
自業自得とはいえ、ここまで女の子たちから嫌われるなんて。
鞘から太刀を抜き、水の属性玉と氷の属性玉を入れ替える。
そして先に炎の属性玉に意識を集中させて炎を生み、岩山を熱する。続いて氷の属性玉に意識を集中させて熱した岩を凍らせた。
この二つを交互に繰り返すと、岩の一部が砂へと変わり崩れ落ちる。
「よし、上手く風化してくれたか」
考えていたどおりにことが進んでくれて、安堵する。
風化には大きく分けて水の凍結によるもの、気温の変化によるもの、植物によるもの、風によるものの四種類がある。
その中で俺は気温を選んだ。
気温による風化は、日中太陽の熱によって温度が上昇し、夜間は冷却されることでおきるのだが、それを属性玉の力で再現した。
火球の熱と氷の冷却を繰り返すことで、岩石を作っている鉱物も膨張や収縮を繰り返す。この際、鉱物の種類によって膨張や収縮の割合が異なるため、鉱物同士の間にずれが生じる。これによりヒビが入り、崩れて土や砂になったのだ。
「この調子で階段を作っていこう」
うまい具合にピンポイントで風化させ、一部分の岩を砂に変えて階段を作っていく。
「さすがリュシアンさんです」
「こんなことを思いつくなんてリュシアンは天才ね!」
「こんな方法で階段を作るなんて発想すらなかったですわ。本当にリュシアン王子は凄すぎです」
「いやーん! リュシアンちゃん素敵! 思わず襲って、あなたのお尻の処女をいただきたくなるわぁ」
「属性玉をこんな風に使うなんて。お前はやっぱり凄い腕前をしているな。完全に俺を超えているだろう。Lランクのハンターになれる素質を持っている」
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