111 / 171
第十章
第十三話 わたくしの代わりにリュシアンがざまぁしてくれますわ
しおりを挟む
~ヴィクトーリア視点~
ワタクシことヴィクトーリアは、壁越しに座って蹲っていました。
地下牢にいると時間の流れがわかりません。周辺は薄暗く、当然ながら陽も当たらない。なので、今が昼なのか、それとも夜なのかが判断ができません。
あれからどのくらいの時が経ったのでしょうか?
時間を気にしていると足音が聞こえ、野盗の頭が鉄格子の前に来ました。
「グッドアフタヌーン! ご機嫌はいかがかしら? お嬢様」
どうやら今は昼のようですわね。お腹の空腹具合から、まだ一日は経過していないようです。
ご機嫌が良いわけがないでしょうがと言いたいところですが、今はそのような元気もありません。
「反応してくれないなんて何だか寂しいわね。まぁ、いいわ。救世主様が迎えに来てくれたわよ」
迎えに来た? 処刑しに来たの間違いではなくて? 救世主と言うのは肉体から魂の解放をすると言う意味での救世主ってことですわよね。
そう思いながらも、俯かせていた顔を上げます。すると、ワタクシは大きく目を見開きました。
「リュシアン!」
野盗の頭の隣に居たのは、ユリヤとの勝負の末に手に入れた使用人でした。
彼の存在に驚き、咄嗟に立ち上がるとリュシアンに駆け寄ります。
「リュシアン、どうしてここに!」
「ヴィクトーリアお嬢様を助けに来ました。ボブが屋敷に戻って俺に教えてくれたのです」
褐色のハゲの名前を聞き、再び驚かされます。
「ボブは! ボブは生きていますの!」
「はい。直ぐに治療を施しましたので、命に別状はないです」
ボブが生きている。その言葉を聞き、一つの不安要素がなくなったわたくしはホッとしました。
「感動の再会の最中に悪いのだけど、早くここから出ましょう。何だか嫌な予感がするわ」
野盗の頭が早くここから出るように促しますが、一応あなたがワタクシを攫いましたのよ。
内心ツッコミを入れていると、野盗の頭が牢屋の鍵を開けてくれます。
「これはどう言うことですの。あなたの主はあの男でしょう」
彼に尋ねると、野盗の男は顎に人差し指を置きます。
「うーん。確かに雇い主ではあるけど、あの男はアタシの好みではないのよね。だからリュシアンちゃんに負けたことをきっかけに、アタシの方から契約を破棄して寝返ろうかと思っているの。婚約破棄ならぬ契約破棄ね」
男が婚約破棄の言葉を言った瞬間、ステルヴィオのことを思い出し、怒りの感情が湧き上がってきました。
あの男だけは絶対に許しませんわ。そしてモニカもです。自分のやった行いを後悔させて上げますわ。
「ど、どうして急にそんなに怖い顔をするのよ。アタシ何か変なことを言ったかしら?」
「いえ、気になさらないでください」
「とにかく上の階に出よう。俺が先頭で歩くから、ベッキーは念のためにヴィクトーリアお嬢様の後で背後を警戒してくれ」
「了解よ。任せて」
この男、本当にワタクシたち側に寝返るつもりなのですね。すんなりリュシアンの指示に従うなんて。それにしても、野盗の頭の名前ってベッキーと言うのですね。見た目に反してなんて可愛らしい名前なのかしら。まぁ、偽名の可能性も十分ありますが。
一階につながる階段の方に歩いていると、大きい牢屋から獣臭が漂って来ました。
この牢には何か大きな動物でも入っていたのかしら? チラッと中を見ましたが、動物の毛が落ちていましたわね。
大きな牢屋を通り過ぎ、一階につながる階段を上がります。
なぜでしょうか? 何だか胸騒ぎがしてなりませんわ。
鼓動が激しくなっているのを感じながら階段を登り終えると、そこにはいくつもの柱がある広い部屋となっていました。
部屋の壁沿いに馬がいますわね。あの馬はもしかしてワタクシの家で飼っている馬ではありませんの? リュシアンが乗って来たのでしょうか?
「ぎゃああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「うわああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「助けてえええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
そんなことを考えていますと、部屋の先にある通路の方から、男の叫び声が聞こえてきました。
「この声、アタシの仲間たちじゃないの! いったい何が起きたって言うのよ」
ベッキーが不安と疑問が入れ混じったような声を出すと、獣臭が漂ってきました。
「二人ともその場で止まってくれ」
リュシアンが鞘から太刀を抜いて構えます。
野盗を襲ったものがこちらに向かっているのか、獣臭が強くなってきました。
『ガオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォン!』
そして奥の通路から獣の吠える声が聞こえ、野盗を襲ったと思われる獣が姿を見せました。
ヤギの頭に獅子の体、そして尻尾は蛇となっている不思議な生き物です。
この生き物は知りませんが、どう見てもモンスターですわね。
「キメーラ!」
リュシアンがモンスターの名を知っていたようで、声を上げました。
「あらーん! 散歩から帰って来たのね! キメちゃん」
モンスターを目の当たりにした瞬間、ベッキーが自ら近付いて行きます。
「危ないですわ!」
ワタクシを攫った人物であるにも関わらず、思わず声を上げます。
「大丈夫よ。この子はアタシのペットのキメちゃん。とても賢い子なのよ。アタシが指示を出さない限りは人を襲わないの。きっとあの悲鳴はこの子が原因ではな……ブホッ!」
ベッキーがモンスターに背を向けた瞬間、キメちゃんが彼を叩いて吹き飛ばしました。
全然大丈夫ではないではないですの!
「そ、そんな! キメちゃんがアタシを殴るなんて! こんなの何かの間違いよ!」
「何が間違いだ! 現に襲われているじゃないか! もし、お前が言うことが本当なら、こいつはお前が知っているキメーラではないことになる」
「そうだ! そのとおりだよ。このキメーラは既に僕の所有物だ」
突然キメちゃんから声が聞こえてきました。
この声、もしかして。
「ステルヴィオですわね! 隠れていないで姿を見せなさい!」
元婚約者に対して、声を上げて姿を見せるように言います。
「変な胸騒ぎがして駆けつけてみれば、ヴィクトーリアが牢から出ていたとはな。まぁ良い。予定が早まっただけのことだ」
ヤギの首に隠れていたようで、ひょっこりとステルヴィオが顔を見せました。
「ヴィクトーリア、あの男のことを知っているのか?」
「ええ、あの男はワタクシの元婚約者ですわ。女の尻を求めた結果、自分から婚約を破棄して証拠隠滅のために、ワタクシを消そうとしております」
ワタクシはリュシアンに彼の情報を開示します。
「尻を求めたとは語弊があるな。僕はただ、出るところは出て引っ込んでいるところは引っ込んでいる女性が好みと言うだけだ。そこの君も同じ男として共感してくれるだろう。女の価値は胸だ。胸の小さい女は、女ですらない」
ステルヴィオが問うと、自然とリュシアンに視線を向けました。
返答次第では一発殴らせてもらいます。
「はぁー、胸や尻や足などと言って、自分の価値観を他人に求めようとするなよ。くだらない。敢えて俺が言うとしたら、そんな詰まらない理由で婚約者を泣かせるな!」
リュシアンが剣を振りました。その瞬間キメちゃんの首から血が噴き出します。
いったい何が起きましたの?
『ガオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォン!』
首を斬られたキメちゃんが苦しむ様に吠え、首をくねらせます。
「よくも僕の駒に傷を付けやがったな! 絶対に許さねぇ! お前たち全員あの世に送ってやる!」
ワタクシことヴィクトーリアは、壁越しに座って蹲っていました。
地下牢にいると時間の流れがわかりません。周辺は薄暗く、当然ながら陽も当たらない。なので、今が昼なのか、それとも夜なのかが判断ができません。
あれからどのくらいの時が経ったのでしょうか?
時間を気にしていると足音が聞こえ、野盗の頭が鉄格子の前に来ました。
「グッドアフタヌーン! ご機嫌はいかがかしら? お嬢様」
どうやら今は昼のようですわね。お腹の空腹具合から、まだ一日は経過していないようです。
ご機嫌が良いわけがないでしょうがと言いたいところですが、今はそのような元気もありません。
「反応してくれないなんて何だか寂しいわね。まぁ、いいわ。救世主様が迎えに来てくれたわよ」
迎えに来た? 処刑しに来たの間違いではなくて? 救世主と言うのは肉体から魂の解放をすると言う意味での救世主ってことですわよね。
そう思いながらも、俯かせていた顔を上げます。すると、ワタクシは大きく目を見開きました。
「リュシアン!」
野盗の頭の隣に居たのは、ユリヤとの勝負の末に手に入れた使用人でした。
彼の存在に驚き、咄嗟に立ち上がるとリュシアンに駆け寄ります。
「リュシアン、どうしてここに!」
「ヴィクトーリアお嬢様を助けに来ました。ボブが屋敷に戻って俺に教えてくれたのです」
褐色のハゲの名前を聞き、再び驚かされます。
「ボブは! ボブは生きていますの!」
「はい。直ぐに治療を施しましたので、命に別状はないです」
ボブが生きている。その言葉を聞き、一つの不安要素がなくなったわたくしはホッとしました。
「感動の再会の最中に悪いのだけど、早くここから出ましょう。何だか嫌な予感がするわ」
野盗の頭が早くここから出るように促しますが、一応あなたがワタクシを攫いましたのよ。
内心ツッコミを入れていると、野盗の頭が牢屋の鍵を開けてくれます。
「これはどう言うことですの。あなたの主はあの男でしょう」
彼に尋ねると、野盗の男は顎に人差し指を置きます。
「うーん。確かに雇い主ではあるけど、あの男はアタシの好みではないのよね。だからリュシアンちゃんに負けたことをきっかけに、アタシの方から契約を破棄して寝返ろうかと思っているの。婚約破棄ならぬ契約破棄ね」
男が婚約破棄の言葉を言った瞬間、ステルヴィオのことを思い出し、怒りの感情が湧き上がってきました。
あの男だけは絶対に許しませんわ。そしてモニカもです。自分のやった行いを後悔させて上げますわ。
「ど、どうして急にそんなに怖い顔をするのよ。アタシ何か変なことを言ったかしら?」
「いえ、気になさらないでください」
「とにかく上の階に出よう。俺が先頭で歩くから、ベッキーは念のためにヴィクトーリアお嬢様の後で背後を警戒してくれ」
「了解よ。任せて」
この男、本当にワタクシたち側に寝返るつもりなのですね。すんなりリュシアンの指示に従うなんて。それにしても、野盗の頭の名前ってベッキーと言うのですね。見た目に反してなんて可愛らしい名前なのかしら。まぁ、偽名の可能性も十分ありますが。
一階につながる階段の方に歩いていると、大きい牢屋から獣臭が漂って来ました。
この牢には何か大きな動物でも入っていたのかしら? チラッと中を見ましたが、動物の毛が落ちていましたわね。
大きな牢屋を通り過ぎ、一階につながる階段を上がります。
なぜでしょうか? 何だか胸騒ぎがしてなりませんわ。
鼓動が激しくなっているのを感じながら階段を登り終えると、そこにはいくつもの柱がある広い部屋となっていました。
部屋の壁沿いに馬がいますわね。あの馬はもしかしてワタクシの家で飼っている馬ではありませんの? リュシアンが乗って来たのでしょうか?
「ぎゃああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「うわああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「助けてえええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
そんなことを考えていますと、部屋の先にある通路の方から、男の叫び声が聞こえてきました。
「この声、アタシの仲間たちじゃないの! いったい何が起きたって言うのよ」
ベッキーが不安と疑問が入れ混じったような声を出すと、獣臭が漂ってきました。
「二人ともその場で止まってくれ」
リュシアンが鞘から太刀を抜いて構えます。
野盗を襲ったものがこちらに向かっているのか、獣臭が強くなってきました。
『ガオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォン!』
そして奥の通路から獣の吠える声が聞こえ、野盗を襲ったと思われる獣が姿を見せました。
ヤギの頭に獅子の体、そして尻尾は蛇となっている不思議な生き物です。
この生き物は知りませんが、どう見てもモンスターですわね。
「キメーラ!」
リュシアンがモンスターの名を知っていたようで、声を上げました。
「あらーん! 散歩から帰って来たのね! キメちゃん」
モンスターを目の当たりにした瞬間、ベッキーが自ら近付いて行きます。
「危ないですわ!」
ワタクシを攫った人物であるにも関わらず、思わず声を上げます。
「大丈夫よ。この子はアタシのペットのキメちゃん。とても賢い子なのよ。アタシが指示を出さない限りは人を襲わないの。きっとあの悲鳴はこの子が原因ではな……ブホッ!」
ベッキーがモンスターに背を向けた瞬間、キメちゃんが彼を叩いて吹き飛ばしました。
全然大丈夫ではないではないですの!
「そ、そんな! キメちゃんがアタシを殴るなんて! こんなの何かの間違いよ!」
「何が間違いだ! 現に襲われているじゃないか! もし、お前が言うことが本当なら、こいつはお前が知っているキメーラではないことになる」
「そうだ! そのとおりだよ。このキメーラは既に僕の所有物だ」
突然キメちゃんから声が聞こえてきました。
この声、もしかして。
「ステルヴィオですわね! 隠れていないで姿を見せなさい!」
元婚約者に対して、声を上げて姿を見せるように言います。
「変な胸騒ぎがして駆けつけてみれば、ヴィクトーリアが牢から出ていたとはな。まぁ良い。予定が早まっただけのことだ」
ヤギの首に隠れていたようで、ひょっこりとステルヴィオが顔を見せました。
「ヴィクトーリア、あの男のことを知っているのか?」
「ええ、あの男はワタクシの元婚約者ですわ。女の尻を求めた結果、自分から婚約を破棄して証拠隠滅のために、ワタクシを消そうとしております」
ワタクシはリュシアンに彼の情報を開示します。
「尻を求めたとは語弊があるな。僕はただ、出るところは出て引っ込んでいるところは引っ込んでいる女性が好みと言うだけだ。そこの君も同じ男として共感してくれるだろう。女の価値は胸だ。胸の小さい女は、女ですらない」
ステルヴィオが問うと、自然とリュシアンに視線を向けました。
返答次第では一発殴らせてもらいます。
「はぁー、胸や尻や足などと言って、自分の価値観を他人に求めようとするなよ。くだらない。敢えて俺が言うとしたら、そんな詰まらない理由で婚約者を泣かせるな!」
リュシアンが剣を振りました。その瞬間キメちゃんの首から血が噴き出します。
いったい何が起きましたの?
『ガオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォン!』
首を斬られたキメちゃんが苦しむ様に吠え、首をくねらせます。
「よくも僕の駒に傷を付けやがったな! 絶対に許さねぇ! お前たち全員あの世に送ってやる!」
0
お気に入りに追加
1,108
あなたにおすすめの小説
学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
俺だけ展開できる聖域《ワークショップ》~ガチャで手に入れたスキルで美少女達を救う配信がバズってしまい、追放した奴らへざまあして人生大逆転~
椿紅颯
ファンタジー
鍛誠 一心(たんせい いっしん)は、生ける伝説に憧憬の念を抱く駆け出しの鍛冶師である。
探索者となり、同時期に新米探索者になったメンバーとパーティを組んで2カ月が経過したそんなある日、追放宣言を言い放たれてしまった。
このことからショックを受けてしまうも、生活するために受付嬢の幼馴染に相談すると「自らの価値を高めるためにはスキルガチャを回してみるのはどうか」、という提案を受け、更にはそのスキルが希少性のあるものであれば"配信者"として活動するのもいいのではと助言をされた。
自身の戦闘力が低いことからパーティを追放されてしまったことから、一か八かで全て実行に移す。
ガチャを回した結果、【聖域】という性能はそこそこであったが見た目は派手な方のスキルを手に入れる。
しかし、スキルの使い方は自分で模索するしかなかった。
その後、試行錯誤している時にダンジョンで少女達を助けることになるのだが……その少女達は、まさかの配信者であり芸能人であることを後々から知ることに。
まだまだ驚愕的な事実があり、なんとその少女達は自身の配信チャンネルで配信をしていた!
そして、その美少女達とパーティを組むことにも!
パーティを追放され、戦闘力もほとんどない鍛冶師がひょんなことから有名になり、間接的に元パーティメンバーをざまあしつつ躍進を繰り広げていく!
泥臭く努力もしつつ、実はチート級なスキルを是非ご覧ください!
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
陽キャグループを追放されたので、ひとりで気ままに大学生活を送ることにしたんだが……なぜか、ぼっちになってから毎日美女たちが話しかけてくる。
電脳ピエロ
恋愛
藤堂 薫は大学で共に行動している陽キャグループの男子2人、大熊 快児と蜂羽 強太から理不尽に追い出されてしまう。
ひとりで気ままに大学生活を送ることを決める薫だったが、薫が以前関わっていた陽キャグループの女子2人、七瀬 瑠奈と宮波 美緒は男子2人が理不尽に薫を追放した事実を知り、彼らと縁を切って薫と積極的に関わろうとしてくる。
しかも、なぜか今まで関わりのなかった同じ大学の美女たちが寄ってくるようになり……。
薫を上手く追放したはずなのにグループの女子全員から縁を切られる性格最悪な男子2人。彼らは瑠奈や美緒を呼び戻そうとするがことごとく無視され、それからも散々な目にあって行くことになる。
やがて自分たちが女子たちと関われていたのは薫のおかげだと気が付き、グループに戻ってくれと言うがもう遅い。薫は居心地のいいグループで楽しく大学生活を送っているのだから。
秘密多め令嬢の自由でデンジャラスな生活〜魔力0、超虚弱体質、たまに白い獣で大冒険して、溺愛されてる話
嵐華子
ファンタジー
【旧題】秘密の多い魔力0令嬢の自由ライフ。
【あらすじ】
イケメン魔術師一家の超虚弱体質養女は史上3人目の魔力0人間。
しかし本人はもちろん、通称、魔王と悪魔兄弟(義理家族達)は気にしない。
ついでに魔王と悪魔兄弟は王子達への雷撃も、国王と宰相の頭を燃やしても、凍らせても気にしない。
そんな一家はむしろ互いに愛情過多。
あてられた周りだけ食傷気味。
「でも魔力0だから魔法が使えないって誰が決めたの?」
なんて養女は言う。
今の所、魔法を使った事ないんですけどね。
ただし時々白い獣になって何かしらやらかしている模様。
僕呼びも含めて養女には色々秘密があるけど、令嬢の成長と共に少しずつ明らかになっていく。
一家の望みは表舞台に出る事なく家族でスローライフ……無理じゃないだろうか。
生活にも困らず、むしろ養女はやりたい事をやりたいように、自由に生きているだけで懐が潤いまくり、慰謝料も魔王達がガッポリ回収しては手渡すからか、懐は潤っている。
でもスローなライフは無理っぽい。
__そんなお話。
※お気に入り登録、コメント、その他色々ありがとうございます。
※他サイトでも掲載中。
※1話1600〜2000文字くらいの、下スクロールでサクサク読めるように句読点改行しています。
※主人公は溺愛されまくりですが、一部を除いて恋愛要素は今のところ無い模様。
※サブも含めてタイトルのセンスは壊滅的にありません(自分的にしっくりくるまでちょくちょく変更すると思います)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる