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第九章
第九話 ゴッドヒルフのザマァ後編
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~ゴッドヒルフ視点~
ピッグコングの糞じゃないか! くそおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!
俺様ことゴッドヒルフは、頭の上に落下したモンスターの糞を投げ捨て、歯を食い縛る。
おのれ! おのれ! おのれ! 泣き虫リュシアンの野郎! 俺様にモンスターの糞が当たるように誘導しやがったな! なんて性格の悪さだ。
神の化身である俺様に糞を当てるなんて!
直ぐに立ち上がりたかったが、今立ち上がってしまっては、泣き虫リュシアンたちにバレてしまう。ここは地面に這いつくばったままの方がいい。
とにかく今はこの場から離れた方がいいな。あいつらに近づきすぎた。
体の向きを変えてあいつらに背を向ける。そしてこのまま離れようとしたときだ。再び異臭を感じ、鼻を抑える。
くそう。またピッグコングのやつが放屁しやがったな!
「このピッグコングは通常のやつではない! 突然変異した変異種だ!」
悪態をついたその時、泣き虫リュシアンの声が耳に入る。
何! あのピッグコングは変異種なのか!
討伐対象のモンスターが変異種であることを知り、俺様は額から脂汗が流れ出る。
このままではまずい。変異種は放屁を利用して口からの火炎で爆発を起こす。早くここから離れないと、あのコンボをされたら堪らない。
見つかる覚悟で立ち上がった時だ。突然爆発が起き、俺様は巻き込まれて吹き飛ばされる。
「がああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
爆炎と爆煙を浴びた俺様は、崖の上に打ち上げられて地面に転がる。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
体が熱い。まともに爆発を受けた影響か。早く回復ポーションを飲まなければ。
爆発による熱と吹き飛ばされた際に強打したしたようで、上手く手を動かすことができない。
だけどこんなところで死ぬ訳にはいかない。俺様は神の化身なんだ。神がこんな終わり方をするなんてあり得ない。
力を振り絞ってポーチの中に手を突っ込む。そして回復ポーションを取り出して瓶の縁を口に押し付けた。
握力が殆どないからか、まともに液体を飲むことができなかった。半分以上零してしまう。もちろん全部飲み干すことができなかったので効果も半分以下だ。
完全回復とはいかなかったが、起き上がって動くことはできる。
くそう! くそう! くそう! こうなるのなら、最初から泣き虫リュシアンがボロボロになる姿なんて見ようとしないで、爆弾作りに専念すればよかった。
上体を起こして立ち上がると、戦場を確認する。
ここなら万が一爆発が起きても届かないはずだ。
崖の上から見下ろすと、泣き虫リュシアンはピンピンしてピッグコングと対峙していた。
「何だと! あの爆発の影響を受けなかっただと!」
爆発に巻き込まれているはずなのに、ほぼ無傷である男を見て、俺様は開いた口が塞がらなかった。
悪運の強いやつだ。
それにしてもあのピッグコングの野郎、変異種ならさっさと泣き虫リュシアンを倒しやがれ! それでも変異種なのかよ! ノロマなモンスターが!
予想どおりに事が進まない現状に、苛立ちが募ってくる。思わず声を上げたい気分になるが、ここはグッと我慢しなければならない。
こうなったらサウザーからもらったあの玉を使って操るしかない。
ポーチに手を突っ込み、モンスターを操ることができる玉を取り出そうとする。しかし、玉を掴んだ感触がどこにもなかった。
「嘘だろう」
ポーチの中には玉がなかった。アイテムを直ぐに取り出せるように、ポーチのチャックは常に開いている状態にしている。
もしかして爆発の際にポーチから吹き飛んでしまったのか!
こうしてはいられない。早くあの玉を探さなければ。
「どこだ。どこに飛んで行った」
地面に膝をついて草を掻き分けて探すも、玉はどこにも見当たらない。
泣き虫リュシアンとピッグコングの戦いが気になるが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
くそう! くそう! くそう! どうして今日の俺様はとことん運から見放されているんだ! 俺様は神の化身なんだぞ!
必死に探していると、木の根っこに半透明の水晶のような球体があることに気付く。
「あった!」
水晶のような玉を掴み、ニヤリと口角を上げる。
「こいつを使ってピッグコングを操れば、あの泣き虫リュシアンをざまぁさせることができるはずだ」
無くした物を見つけ、泣き虫リュシアンたちがどうなったのかを確認する。するとピッグコングは転がって五番エリアに逃げ、あいつらも追いかけて行く。
「まずい! あの五番エリアには俺様が用意した爆弾の材料がある!」
万が一素材に気付かれて使われてしまえば、俺様の全ての作戦がムダになってしまう。それだけはなんとしても阻止しなければ。
「でもどうやってこの崖を降りる?」
周辺に何かないか確認するも、使えそうなものは何もない。
こうなったら素手で崖を降りるしかないな。大丈夫だ。崖と言ってもそんなに高い訳ではない。足を滑らせて落下しても命に関わるような状態にはならないはずだ。
足場を確認しつつ、ゆっくりと崖を降りる。
怪我をすることはなかったが、慎重に降りたので時間を費やしてしまった。急いで五番エリアに向かう。
洞窟の中で最初に見たものは、眠っているピッグコングの周辺に木箱爆弾が設置されてある光景だった。
くそう! 泣き虫リュシアンの野郎! 俺様が用意した爆弾の材料に気付きやがったな!
「止めろおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
咄嗟に叫んでしまう。だが、俺の叫び声は爆弾の爆発に掻き消されてしまった。
爆発に巻き込まれたモンスターは、こんがり焼けて体から煙が出ている。
泣き虫リュシアンがピッグコングに近付く。
「ピッグコング変異種、討伐完了だ!」
「くそう! どうしてこうなってしまう! 予定と全然違うじゃないか!」
俺様は声を上げると歯を食い縛り、泣き虫リュシアンを睨みつけた。
ピッグコングの糞じゃないか! くそおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!
俺様ことゴッドヒルフは、頭の上に落下したモンスターの糞を投げ捨て、歯を食い縛る。
おのれ! おのれ! おのれ! 泣き虫リュシアンの野郎! 俺様にモンスターの糞が当たるように誘導しやがったな! なんて性格の悪さだ。
神の化身である俺様に糞を当てるなんて!
直ぐに立ち上がりたかったが、今立ち上がってしまっては、泣き虫リュシアンたちにバレてしまう。ここは地面に這いつくばったままの方がいい。
とにかく今はこの場から離れた方がいいな。あいつらに近づきすぎた。
体の向きを変えてあいつらに背を向ける。そしてこのまま離れようとしたときだ。再び異臭を感じ、鼻を抑える。
くそう。またピッグコングのやつが放屁しやがったな!
「このピッグコングは通常のやつではない! 突然変異した変異種だ!」
悪態をついたその時、泣き虫リュシアンの声が耳に入る。
何! あのピッグコングは変異種なのか!
討伐対象のモンスターが変異種であることを知り、俺様は額から脂汗が流れ出る。
このままではまずい。変異種は放屁を利用して口からの火炎で爆発を起こす。早くここから離れないと、あのコンボをされたら堪らない。
見つかる覚悟で立ち上がった時だ。突然爆発が起き、俺様は巻き込まれて吹き飛ばされる。
「がああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
爆炎と爆煙を浴びた俺様は、崖の上に打ち上げられて地面に転がる。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
体が熱い。まともに爆発を受けた影響か。早く回復ポーションを飲まなければ。
爆発による熱と吹き飛ばされた際に強打したしたようで、上手く手を動かすことができない。
だけどこんなところで死ぬ訳にはいかない。俺様は神の化身なんだ。神がこんな終わり方をするなんてあり得ない。
力を振り絞ってポーチの中に手を突っ込む。そして回復ポーションを取り出して瓶の縁を口に押し付けた。
握力が殆どないからか、まともに液体を飲むことができなかった。半分以上零してしまう。もちろん全部飲み干すことができなかったので効果も半分以下だ。
完全回復とはいかなかったが、起き上がって動くことはできる。
くそう! くそう! くそう! こうなるのなら、最初から泣き虫リュシアンがボロボロになる姿なんて見ようとしないで、爆弾作りに専念すればよかった。
上体を起こして立ち上がると、戦場を確認する。
ここなら万が一爆発が起きても届かないはずだ。
崖の上から見下ろすと、泣き虫リュシアンはピンピンしてピッグコングと対峙していた。
「何だと! あの爆発の影響を受けなかっただと!」
爆発に巻き込まれているはずなのに、ほぼ無傷である男を見て、俺様は開いた口が塞がらなかった。
悪運の強いやつだ。
それにしてもあのピッグコングの野郎、変異種ならさっさと泣き虫リュシアンを倒しやがれ! それでも変異種なのかよ! ノロマなモンスターが!
予想どおりに事が進まない現状に、苛立ちが募ってくる。思わず声を上げたい気分になるが、ここはグッと我慢しなければならない。
こうなったらサウザーからもらったあの玉を使って操るしかない。
ポーチに手を突っ込み、モンスターを操ることができる玉を取り出そうとする。しかし、玉を掴んだ感触がどこにもなかった。
「嘘だろう」
ポーチの中には玉がなかった。アイテムを直ぐに取り出せるように、ポーチのチャックは常に開いている状態にしている。
もしかして爆発の際にポーチから吹き飛んでしまったのか!
こうしてはいられない。早くあの玉を探さなければ。
「どこだ。どこに飛んで行った」
地面に膝をついて草を掻き分けて探すも、玉はどこにも見当たらない。
泣き虫リュシアンとピッグコングの戦いが気になるが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
くそう! くそう! くそう! どうして今日の俺様はとことん運から見放されているんだ! 俺様は神の化身なんだぞ!
必死に探していると、木の根っこに半透明の水晶のような球体があることに気付く。
「あった!」
水晶のような玉を掴み、ニヤリと口角を上げる。
「こいつを使ってピッグコングを操れば、あの泣き虫リュシアンをざまぁさせることができるはずだ」
無くした物を見つけ、泣き虫リュシアンたちがどうなったのかを確認する。するとピッグコングは転がって五番エリアに逃げ、あいつらも追いかけて行く。
「まずい! あの五番エリアには俺様が用意した爆弾の材料がある!」
万が一素材に気付かれて使われてしまえば、俺様の全ての作戦がムダになってしまう。それだけはなんとしても阻止しなければ。
「でもどうやってこの崖を降りる?」
周辺に何かないか確認するも、使えそうなものは何もない。
こうなったら素手で崖を降りるしかないな。大丈夫だ。崖と言ってもそんなに高い訳ではない。足を滑らせて落下しても命に関わるような状態にはならないはずだ。
足場を確認しつつ、ゆっくりと崖を降りる。
怪我をすることはなかったが、慎重に降りたので時間を費やしてしまった。急いで五番エリアに向かう。
洞窟の中で最初に見たものは、眠っているピッグコングの周辺に木箱爆弾が設置されてある光景だった。
くそう! 泣き虫リュシアンの野郎! 俺様が用意した爆弾の材料に気付きやがったな!
「止めろおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
咄嗟に叫んでしまう。だが、俺の叫び声は爆弾の爆発に掻き消されてしまった。
爆発に巻き込まれたモンスターは、こんがり焼けて体から煙が出ている。
泣き虫リュシアンがピッグコングに近付く。
「ピッグコング変異種、討伐完了だ!」
「くそう! どうしてこうなってしまう! 予定と全然違うじゃないか!」
俺様は声を上げると歯を食い縛り、泣き虫リュシアンを睨みつけた。
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