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第五章
第一話 青い空、白い砂浜、輝く太陽!バカンスだ!
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「まさかこんな日が来るなんてな。ブラックハンターギルドにいたころには、想像すらしていなかったよ」
俺は現在、砦防衛とライトニングロウ討伐の功績を讃えられ、離れ小島にバカンスに来ていた。
まさかベルトラムさんが真っ先に連絡を入れていたとはビックリだよな。
そしてエレーヌさんが真っ先にバカンスの準備をして、俺たちと合流したときには驚かされた。
「さて、準備をするか」
砂浜にシートやビーチチェアーを設置して、いつでも寛げる状態を作る。
「これでよし」
「リュシアンさん!」
「リュシアンお待たせ!」
後方からユリヤとテレーゼの声が聞こえ、俺は振り返る。するとそこには水着姿の二人が居た。
テレーゼは前回と同じビキニタイプの水着を着ており、ユリヤはワンピースタイプの水着を着ている。可愛らしいフリルがついており、水玉模様の柄だ。
「あのう……リュシアンさん。私の水着どうですか? 変じゃないですか?」
二人を見ていると、ユリヤが水着の感想を求めてきた。
確か前にテレーゼからも水着のことを聞かれたよな。確かあの時は、水着の素材について考えていたら怒られたんだっけ?
なら、今回は普通に答えた方がいいよな。
「ユリヤ、リュシアンに水着の感想を求めるのはやめた方が――」
「とても似合っていて可愛いよ。とくにフリルが付いているところが良いね」
「ありがとうございます。リュシアンさんに褒めてもらって嬉しいです」
「ちょっと! どうしてユリヤのときだけ褒めるのよ!」
ユリヤの水着を褒めると、急にテレーゼが語気を強めて俺に詰め寄ってきた。
「いや、だってあの時は、水着の素材に付いて考えたら女の子が怒るなんて知らなかったし、前回の失敗を繰り返すほど、俺はバカではない。だから今回はちゃんと褒めただけだ」
彼女の剣幕に押されながらも、俺は正直に答える。するとテレーゼは一歩下がって俺から離れてくれた。
「なら、今回はちゃんと褒めてよね!」
テレーゼが俺にウインクをしてわざとらしくポーズを取る。
仕方がないから、感想を言って彼女を満足させるか。
俺はもう一度テレーゼの水着を見る。
テレーゼの水着はビキニの定番である三角ビキニだ。紐で結ぶタイプのもので、白い布が使われてある。
だけど、一度見ている水着だけあって、なかなか感想と言うものが出て来ない。
中々感想を言わないでいると、次第にテレーゼは頬を膨らませていく。
「どうしてユリヤのときみたいに直ぐに何も言わないのよ!」
「いや、その水着は前にも見たから、今更感想を聞かれても中々出て来ない」
「こうなるんだったら新しい水着を買っておくんだった」
正直に答えると、テレーゼは額に手を置いて勝手に嘆く。
「まぁ、そんなに落ち込むなよ。水着なんてただの布切れなんだからさ」
「そうですよ。テレーゼさんはスタイルがいいので、とても似合っていますよ」
ショックを受けている彼女があまりにも意外すぎたために、俺とユリヤは必死にテレーゼを励まそうとする。
「遅くなってごめんね。ちょっと準備に手間取ってしまって」
遅れたエレーヌさんの声が聞こえ、俺はそちらに顔を向ける。その瞬間、俺は言葉を失ってしまった。
エレーヌさんはホルターネックと呼ばれるビキニを来ており、二人と違って女としての色気が段違いだった。
胸が中央に寄せられて綺麗な谷間と自然なバストアップがされているからか、普段の私服姿に比べ、更に大きく錯覚させられる。
鎖骨が綺麗に見え、女性らしいセクシーさが溢れていた。黒い布地が使われているのが余計にエロく感じさせる。
彼女が駆け寄って来るたびに揺れ動く胸につい見入ってしまった。
「リュシアン! 何あんなおばさんに見入っているのよ!」
テレーゼの声が聞こえ、俺は我に返る。彼女が俺に蹴りを入れようとしていたので、後方に下がって躱した。
「危ないな。何をするんだよ」
「リュシアンが贅肉を食い入るように見ているからよ」
「いや、そんなに直視はしていないって!」
俺は助けを求めようとユリヤに顔を向けた。しかし、彼女と目が合うと、ユリヤはわざとらしく視線を外す。
どうやら彼女たちにとって、俺がエレーヌさんの胸を見たのが気に入らなかったようだ。
でも仕方がないじゃないか。肌の露出が多い水着では、自然と胸の大きい人を見てしまう。
男と言う生き物はそんなものだ。もし、ここにドスケベミエールを開発したベルトラムさんがいたら、全力で肯定していただろうな。
「いい! リュシアン! 女の価値は胸ではないわ!中身よ!」
「そうですよ! それに胸の大きい人と結婚した場合、熟年離婚率が高いのです! その理由は歳をとって胸の形が崩れ、若かったころとのギャップが原因だと言われているのです!」
「それに比べ、胸が小さいと形が崩れる心配はないわ! だからあたしはいつまでもこの品格のある乳の状態を保つことができるのよ」
どうしたものかと悩んでいると、テレーゼとユリヤが急に胸の大きい人の悪いところを言い出す。
何だよ。熟年離婚の理由が胸のギャップって。いったい誰が調べたんだよ。
返答に困り、俺はつい苦笑いを浮かべてしまう。
「まぁ、まぁ、三人とも。胸や水着の話はその辺にして遊びましょう。せっかくのバカンスなのに、海で遊ばないなんてもったいないわよ」
そんな中、エレーヌさんが助け舟を出すかのように海の中に入るように促す。
元々の原因は歳を考えないでセクシーな水着を着たエレーヌさんが原因なんだけどなぁ。
まぁ、見た目に騙されて、つい見てしまった俺も言えたことではないけど。
「そうですね。それじゃあ遊んで来ます」
逃げるようにその場から離れ、俺は海の中に飛び込んだ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
面白かった! この物語は期待できる! 続きが早く読みたい!
など思っていただけましたら、【感想】や【お気に入り登録】をしていただけると、作者のモチベが上がり、更新が早くなります。
【感想】は一言コメントや誤字報告でも大丈夫です。気軽にしていただけると嬉しいです。
何卒宜しくお願いします。
俺は現在、砦防衛とライトニングロウ討伐の功績を讃えられ、離れ小島にバカンスに来ていた。
まさかベルトラムさんが真っ先に連絡を入れていたとはビックリだよな。
そしてエレーヌさんが真っ先にバカンスの準備をして、俺たちと合流したときには驚かされた。
「さて、準備をするか」
砂浜にシートやビーチチェアーを設置して、いつでも寛げる状態を作る。
「これでよし」
「リュシアンさん!」
「リュシアンお待たせ!」
後方からユリヤとテレーゼの声が聞こえ、俺は振り返る。するとそこには水着姿の二人が居た。
テレーゼは前回と同じビキニタイプの水着を着ており、ユリヤはワンピースタイプの水着を着ている。可愛らしいフリルがついており、水玉模様の柄だ。
「あのう……リュシアンさん。私の水着どうですか? 変じゃないですか?」
二人を見ていると、ユリヤが水着の感想を求めてきた。
確か前にテレーゼからも水着のことを聞かれたよな。確かあの時は、水着の素材について考えていたら怒られたんだっけ?
なら、今回は普通に答えた方がいいよな。
「ユリヤ、リュシアンに水着の感想を求めるのはやめた方が――」
「とても似合っていて可愛いよ。とくにフリルが付いているところが良いね」
「ありがとうございます。リュシアンさんに褒めてもらって嬉しいです」
「ちょっと! どうしてユリヤのときだけ褒めるのよ!」
ユリヤの水着を褒めると、急にテレーゼが語気を強めて俺に詰め寄ってきた。
「いや、だってあの時は、水着の素材に付いて考えたら女の子が怒るなんて知らなかったし、前回の失敗を繰り返すほど、俺はバカではない。だから今回はちゃんと褒めただけだ」
彼女の剣幕に押されながらも、俺は正直に答える。するとテレーゼは一歩下がって俺から離れてくれた。
「なら、今回はちゃんと褒めてよね!」
テレーゼが俺にウインクをしてわざとらしくポーズを取る。
仕方がないから、感想を言って彼女を満足させるか。
俺はもう一度テレーゼの水着を見る。
テレーゼの水着はビキニの定番である三角ビキニだ。紐で結ぶタイプのもので、白い布が使われてある。
だけど、一度見ている水着だけあって、なかなか感想と言うものが出て来ない。
中々感想を言わないでいると、次第にテレーゼは頬を膨らませていく。
「どうしてユリヤのときみたいに直ぐに何も言わないのよ!」
「いや、その水着は前にも見たから、今更感想を聞かれても中々出て来ない」
「こうなるんだったら新しい水着を買っておくんだった」
正直に答えると、テレーゼは額に手を置いて勝手に嘆く。
「まぁ、そんなに落ち込むなよ。水着なんてただの布切れなんだからさ」
「そうですよ。テレーゼさんはスタイルがいいので、とても似合っていますよ」
ショックを受けている彼女があまりにも意外すぎたために、俺とユリヤは必死にテレーゼを励まそうとする。
「遅くなってごめんね。ちょっと準備に手間取ってしまって」
遅れたエレーヌさんの声が聞こえ、俺はそちらに顔を向ける。その瞬間、俺は言葉を失ってしまった。
エレーヌさんはホルターネックと呼ばれるビキニを来ており、二人と違って女としての色気が段違いだった。
胸が中央に寄せられて綺麗な谷間と自然なバストアップがされているからか、普段の私服姿に比べ、更に大きく錯覚させられる。
鎖骨が綺麗に見え、女性らしいセクシーさが溢れていた。黒い布地が使われているのが余計にエロく感じさせる。
彼女が駆け寄って来るたびに揺れ動く胸につい見入ってしまった。
「リュシアン! 何あんなおばさんに見入っているのよ!」
テレーゼの声が聞こえ、俺は我に返る。彼女が俺に蹴りを入れようとしていたので、後方に下がって躱した。
「危ないな。何をするんだよ」
「リュシアンが贅肉を食い入るように見ているからよ」
「いや、そんなに直視はしていないって!」
俺は助けを求めようとユリヤに顔を向けた。しかし、彼女と目が合うと、ユリヤはわざとらしく視線を外す。
どうやら彼女たちにとって、俺がエレーヌさんの胸を見たのが気に入らなかったようだ。
でも仕方がないじゃないか。肌の露出が多い水着では、自然と胸の大きい人を見てしまう。
男と言う生き物はそんなものだ。もし、ここにドスケベミエールを開発したベルトラムさんがいたら、全力で肯定していただろうな。
「いい! リュシアン! 女の価値は胸ではないわ!中身よ!」
「そうですよ! それに胸の大きい人と結婚した場合、熟年離婚率が高いのです! その理由は歳をとって胸の形が崩れ、若かったころとのギャップが原因だと言われているのです!」
「それに比べ、胸が小さいと形が崩れる心配はないわ! だからあたしはいつまでもこの品格のある乳の状態を保つことができるのよ」
どうしたものかと悩んでいると、テレーゼとユリヤが急に胸の大きい人の悪いところを言い出す。
何だよ。熟年離婚の理由が胸のギャップって。いったい誰が調べたんだよ。
返答に困り、俺はつい苦笑いを浮かべてしまう。
「まぁ、まぁ、三人とも。胸や水着の話はその辺にして遊びましょう。せっかくのバカンスなのに、海で遊ばないなんてもったいないわよ」
そんな中、エレーヌさんが助け舟を出すかのように海の中に入るように促す。
元々の原因は歳を考えないでセクシーな水着を着たエレーヌさんが原因なんだけどなぁ。
まぁ、見た目に騙されて、つい見てしまった俺も言えたことではないけど。
「そうですね。それじゃあ遊んで来ます」
逃げるようにその場から離れ、俺は海の中に飛び込んだ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
面白かった! この物語は期待できる! 続きが早く読みたい!
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