1 / 171
第一章
第一話 ブラックハンターギルドをクビになりました
しおりを挟む
「リュシアン、お前を今からクビにする! このギルドを出ていけ!」
俺、リュシアンはハンターとしての激務を終え、ギルドに帰還するなり、ギルドマスターのアントニオからいきなりクビを言い渡された。
はあ? どうして俺がクビにならないといけないんだよ。
俺はクビになる理由に心当たりがないか。今日一日のできごとを思い出す。
「では、これより諸君らにやってもらう本日の任務を配る」
ここのギルドマスターであり、俺の雇い主でもあるアントニオ・チェチェーレが、社員であるハンターたちに本日分の依頼を配る。
「リュシアン・プライム。お前は依頼を頑張ってこなしているからな。特別に沢山の仕事をくれてやる。感謝しろよ」
憎たらしい笑みを浮かべながら、ギルドマスターのアントニオは依頼の束を俺に渡した。
「本日も頑張ってくれ」
マジかよ。この紙の分厚さ、一日で終わらせられる量を超えているぞ。今日も夜遅くまで依頼をやらないと間に合わないじゃないか。
「それでは諸君、今日もケガは最低限に抑えて依頼を終えてくるように。では解散!」
仕事の分配が終わると、ギルドマスターのアントニオは、ギルドマスター専用の部屋に入って行く。
くそう。俺たちが汗水垂らして命懸けでモンスターと戦っているのに、あの男は今日も安全な場所で指示を出すだけかよ。
「あーあ、ギルドマスターに気に入ってもらっているやつは、沢山仕事をもらえていいなぁ。俺とは大違いだぜ」
心の中でアントニオに対して文句を言っていると、俺の横に立っている金髪の髪をランダムマッシュにしている男が嫌味を言う。
「フェルディナンもそこそこの依頼を貰っているじゃないか。それなのに、よく定時までに全ての依頼を終わらせられるよな」
「バーカ、俺はお前と違って効率よくやっているんだよ。と言う訳で、仕事を毎日頑張っているリュシアンに、俺からのプレゼントだ。この依頼をお前に預ける」
俺の持っている依頼書の上に、彼は請け負った依頼の紙の殆どを乗せた。
「おい、これはどう言う冗談だ!」
「それじゃ、あとは任せた! 依頼をやらないと、依頼主が悲しんでしまうぜ」
ギルドの扉を開けながら、フェルディアンは捨て台詞を吐く。そして逃げるように外に出た。
フェルディナンは逃げ足だけは早い。今から追いかけても追い付かないだろう。
くそう。また仕事が増えてしまった。だけど彼の言うとおり、この依頼を終わらせないと依頼主が悲しんでしまう。
ここは俺が頑張って依頼を終わらせないといけない。全ては依頼主の笑顔のために。
たくさんの依頼書をテーブルの上に置くと、俺はざっと眺めた。
ここにある依頼を今日中に全て終わらせるには、効率がもっとも重要だ。ムダな往復を避けるために、まずはこの町から近い場所の依頼からやって、少しずつ遠くの依頼をこなす。
そして採取の依頼は、何が必要なのかを頭の中に叩き込んでおく必要があるな。
討伐対象が生息しているエリアに入った場所にも、採取のお願いが来ている。
効率良く動くために依頼書の順番を並び替えると、俺は急いでギルドを出た。
とにかく一分一秒たりともムダにはできない。依頼主を悲しませないためにも、迅速に行う必要がある。依頼を終わらせるために、不必要なものは全て捨てなければならない。
くそう。今日もお昼は抜きか。だけど全ては依頼主の笑顔のためだ。
「や、やっと終わった。今何時だ? 日付が変わっていなければいいのだけど」
夜の遅い時間、俺はフェルディナンの分も含めて全ての依頼を終わらせた。
町に戻り、ギルドに向かう。
ギルドに明かりが付いている。と言うことは、アントニオはまだいる。
俺はギルドの扉を開けて中に入った。
「遅い! どこで油を売っていたんだ! もう少しで日付が変わってしまうところだったんだぞ!」
ギルドの中に入るなり、ギルドマスターのアントニオが怒鳴り声を上げる。
「たった今、依頼主様から依頼達成の報告を受けた。ギリギリではないか! このノロマ! お前に与えた依頼はこんなに時間がかかるものではなかったはずだぞ!」
アントニオの怒声を聞きながら、俺は両の拳を握る。
俺だって、フェルディナンの依頼をやらなければこんなに遅くなることはなかった。
「それに比べてフェルディナンは本当に優秀だ。お前ほどの仕事を与えてはいないが、定時までに全ての依頼を終わらせて帰ってきた。あの男ほど優れたハンターは他にはいない」
フェルディナンのことを思い出していると、アントニオは突然彼の話題を出して褒めちぎる。
あいつが定時で帰れたのは、俺が仕事を肩代わりしてやったからだ。そうでなければ、あの男では今日中に依頼を終えることができない内容だった。
そのことが分かっていたからこそ、フェルディナンは俺にあの仕事を押し付けたんだ。
「お前のせいで、俺はこんな時間までギルドに残らないといけなくなった。どう責任を取ってくれるんだ! ギルドマスターと言う役職は残業代が出ないんだぞ!」
アントニオの怒声を聞きながら、俺は歯を食い縛ってひたすら耐えた。
「ああもういい! お前の顔を見ているとムカムカしてくる。ほら、今日の報酬をくれてやる! さっさと帰れ! 明日も依頼主様からの仕事が溜まっているんだからな」
アントニオが大声を上げながら一枚の紙幣を床に投げ捨てる。
せ、千ギル! あれだけ頑張ってこれだけしかもらえないのかよ。これじゃあ宿に一泊するだけで今日の収入がなくなるじゃないか。
「いつまで突っ立っているんだ! 早く出て行け! 鍵を閉められないではないか! まったくとろいやつめ!」
「がぁ!」
床に落ちた一枚の紙幣を取ったその時、アントニオが声を荒げて俺の体を蹴り飛ばす。
疲れた体では彼の一撃を避けることができず、俺は蹴り飛ばされて地面に転がった。
「それじゃあ明日も朝の八時前にはギルドに来るように」
それだけを言い残し、アントニオは地面に倒れる俺のことなんか気に病む素振りを見せずに、この場から離れて行った。
と、とにかく。早く宿屋に帰って体を休めよう。あ、その前に川で汚れを落としていかないといけないな。
よろよろと立ち上がり、俺は体を洗うために川に向かう。
「たく、今日の依頼は一つだけでいい代わりに、お前とペアで行動しないといけないなんてかったるいぜ。俺の足だけは引っ張るんじゃないぞ! リュシアン!」
俺はギルドマスターのアントニオから、フェルディナンと一緒に依頼を受けるように言われ、共に行動している。
「分かっている。俺が足を引っ張るなんてことはあり得ない。相手はこれまで何度か討伐したことがあるモンスターだからな」
「まぁ、その件に関して信頼しているさ。俺が言いたいのは別の意味での足の引っ張りだ」
うん? どう言う意味なんだ? フェルディナンの言っている意味が分からないのだけど? まぁいいか。
「そろそろ目的地だからな。気を抜くんじゃないぞ。リュシアン」
「それはこっちのセリフだ。ほら、いたぞ」
討伐対象を視認すると、俺は鞘から剣を抜く。
「それにしても、お前の得物は珍しいよな? 太刀だっけ?」
「ああ、子供の頃に東の国出身の人から貰ったものだ」
俺は剣を構えたまま、気配を殺して討伐対象に近づく。
討伐する魔物はピッグコングと言うモンスターだ。頭はブタで身体がゴリラの形をしている。そしてくるくると丸まった尻尾を器用に使って石を拾い、投げつけてくることもある。
よし、よし。気づかれていないな。今の内に仕留める!
俺は勢いよく太刀を振り下ろし、一撃でモンスターの尻尾を切断した。
「ブヒヒヒィ!」
尻尾を斬られて悲鳴を上げたピッグコングは、驚いて腕をくるくると回しながら仰向けに倒れた。
胸を晒した。今のうちに止めをさす。
跳躍して跳び上がると、俺はやつの心臓に向けて得物を突き刺した。太刀がモンスターの肉を突き破り、臓器を破壊したことにより傷口から鮮血が噴き出す。
「これでよし。討伐完了だ」
「ご苦労さん。それじゃああとはこいつの剥ぎ取り作業だな。ピッグコングの体内で生成されるピゴ結晶を持って帰れば依頼達成だぜ」
討伐に参加しなかったフェルディナンが、ピッグコングの死体に近づくと剥ぎ取りを始めた。
こいつ、戦闘には参加しなかったのに、剥ぎ取りだけはやってくれるのかよ。まぁ、素材を傷つけないようにする必要があるし、やってくれるのはありがたい。俺の場合は三十パーセントの確率で素材に傷を入れてしまうからな。
「よし、目的のものは剥ぎ取った。と言う訳で、お前にはしばらく眠ってもらうとしようリュシアン」
「何を……言って!」
いきなり腹部に激痛が走った。どうやら俺は、フェルディナンに腹部を殴られたみたいだ。
「悪いな。お前は俺の踏み台になってもらう。俺が昇格するために、ちょっとした犠牲になってくれ」
その言葉を聞いた瞬間、俺は意識を失ってしまった。
それからどれくらい時間が経ったのか分からない。
目が覚めた俺は、殴られた腹を抑えながらギルドに戻る。
扉を開けて中に入ると、俺を見たアントニオが鋭い眼光で睨みつけてきた。
「リュシアン! ちょっと来い!」
来るように言われ、俺はギルドマスターのところに行く。
ちょうどフェルディナンのことを報告しないといけないからな。
「リュシアン、お前を今からクビにする! このギルドを出ていけ!」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
面白かった! この物語は期待できる! 続きが早く読みたい!
など思っていただけましたら、【感想】や【お気に入り登録】をしていただけると、作者のモチベが上がり、更新が早くなります。
【感想】は一言コメントでも大丈夫です。
何卒よろしくお願いします。
俺、リュシアンはハンターとしての激務を終え、ギルドに帰還するなり、ギルドマスターのアントニオからいきなりクビを言い渡された。
はあ? どうして俺がクビにならないといけないんだよ。
俺はクビになる理由に心当たりがないか。今日一日のできごとを思い出す。
「では、これより諸君らにやってもらう本日の任務を配る」
ここのギルドマスターであり、俺の雇い主でもあるアントニオ・チェチェーレが、社員であるハンターたちに本日分の依頼を配る。
「リュシアン・プライム。お前は依頼を頑張ってこなしているからな。特別に沢山の仕事をくれてやる。感謝しろよ」
憎たらしい笑みを浮かべながら、ギルドマスターのアントニオは依頼の束を俺に渡した。
「本日も頑張ってくれ」
マジかよ。この紙の分厚さ、一日で終わらせられる量を超えているぞ。今日も夜遅くまで依頼をやらないと間に合わないじゃないか。
「それでは諸君、今日もケガは最低限に抑えて依頼を終えてくるように。では解散!」
仕事の分配が終わると、ギルドマスターのアントニオは、ギルドマスター専用の部屋に入って行く。
くそう。俺たちが汗水垂らして命懸けでモンスターと戦っているのに、あの男は今日も安全な場所で指示を出すだけかよ。
「あーあ、ギルドマスターに気に入ってもらっているやつは、沢山仕事をもらえていいなぁ。俺とは大違いだぜ」
心の中でアントニオに対して文句を言っていると、俺の横に立っている金髪の髪をランダムマッシュにしている男が嫌味を言う。
「フェルディナンもそこそこの依頼を貰っているじゃないか。それなのに、よく定時までに全ての依頼を終わらせられるよな」
「バーカ、俺はお前と違って効率よくやっているんだよ。と言う訳で、仕事を毎日頑張っているリュシアンに、俺からのプレゼントだ。この依頼をお前に預ける」
俺の持っている依頼書の上に、彼は請け負った依頼の紙の殆どを乗せた。
「おい、これはどう言う冗談だ!」
「それじゃ、あとは任せた! 依頼をやらないと、依頼主が悲しんでしまうぜ」
ギルドの扉を開けながら、フェルディアンは捨て台詞を吐く。そして逃げるように外に出た。
フェルディナンは逃げ足だけは早い。今から追いかけても追い付かないだろう。
くそう。また仕事が増えてしまった。だけど彼の言うとおり、この依頼を終わらせないと依頼主が悲しんでしまう。
ここは俺が頑張って依頼を終わらせないといけない。全ては依頼主の笑顔のために。
たくさんの依頼書をテーブルの上に置くと、俺はざっと眺めた。
ここにある依頼を今日中に全て終わらせるには、効率がもっとも重要だ。ムダな往復を避けるために、まずはこの町から近い場所の依頼からやって、少しずつ遠くの依頼をこなす。
そして採取の依頼は、何が必要なのかを頭の中に叩き込んでおく必要があるな。
討伐対象が生息しているエリアに入った場所にも、採取のお願いが来ている。
効率良く動くために依頼書の順番を並び替えると、俺は急いでギルドを出た。
とにかく一分一秒たりともムダにはできない。依頼主を悲しませないためにも、迅速に行う必要がある。依頼を終わらせるために、不必要なものは全て捨てなければならない。
くそう。今日もお昼は抜きか。だけど全ては依頼主の笑顔のためだ。
「や、やっと終わった。今何時だ? 日付が変わっていなければいいのだけど」
夜の遅い時間、俺はフェルディナンの分も含めて全ての依頼を終わらせた。
町に戻り、ギルドに向かう。
ギルドに明かりが付いている。と言うことは、アントニオはまだいる。
俺はギルドの扉を開けて中に入った。
「遅い! どこで油を売っていたんだ! もう少しで日付が変わってしまうところだったんだぞ!」
ギルドの中に入るなり、ギルドマスターのアントニオが怒鳴り声を上げる。
「たった今、依頼主様から依頼達成の報告を受けた。ギリギリではないか! このノロマ! お前に与えた依頼はこんなに時間がかかるものではなかったはずだぞ!」
アントニオの怒声を聞きながら、俺は両の拳を握る。
俺だって、フェルディナンの依頼をやらなければこんなに遅くなることはなかった。
「それに比べてフェルディナンは本当に優秀だ。お前ほどの仕事を与えてはいないが、定時までに全ての依頼を終わらせて帰ってきた。あの男ほど優れたハンターは他にはいない」
フェルディナンのことを思い出していると、アントニオは突然彼の話題を出して褒めちぎる。
あいつが定時で帰れたのは、俺が仕事を肩代わりしてやったからだ。そうでなければ、あの男では今日中に依頼を終えることができない内容だった。
そのことが分かっていたからこそ、フェルディナンは俺にあの仕事を押し付けたんだ。
「お前のせいで、俺はこんな時間までギルドに残らないといけなくなった。どう責任を取ってくれるんだ! ギルドマスターと言う役職は残業代が出ないんだぞ!」
アントニオの怒声を聞きながら、俺は歯を食い縛ってひたすら耐えた。
「ああもういい! お前の顔を見ているとムカムカしてくる。ほら、今日の報酬をくれてやる! さっさと帰れ! 明日も依頼主様からの仕事が溜まっているんだからな」
アントニオが大声を上げながら一枚の紙幣を床に投げ捨てる。
せ、千ギル! あれだけ頑張ってこれだけしかもらえないのかよ。これじゃあ宿に一泊するだけで今日の収入がなくなるじゃないか。
「いつまで突っ立っているんだ! 早く出て行け! 鍵を閉められないではないか! まったくとろいやつめ!」
「がぁ!」
床に落ちた一枚の紙幣を取ったその時、アントニオが声を荒げて俺の体を蹴り飛ばす。
疲れた体では彼の一撃を避けることができず、俺は蹴り飛ばされて地面に転がった。
「それじゃあ明日も朝の八時前にはギルドに来るように」
それだけを言い残し、アントニオは地面に倒れる俺のことなんか気に病む素振りを見せずに、この場から離れて行った。
と、とにかく。早く宿屋に帰って体を休めよう。あ、その前に川で汚れを落としていかないといけないな。
よろよろと立ち上がり、俺は体を洗うために川に向かう。
「たく、今日の依頼は一つだけでいい代わりに、お前とペアで行動しないといけないなんてかったるいぜ。俺の足だけは引っ張るんじゃないぞ! リュシアン!」
俺はギルドマスターのアントニオから、フェルディナンと一緒に依頼を受けるように言われ、共に行動している。
「分かっている。俺が足を引っ張るなんてことはあり得ない。相手はこれまで何度か討伐したことがあるモンスターだからな」
「まぁ、その件に関して信頼しているさ。俺が言いたいのは別の意味での足の引っ張りだ」
うん? どう言う意味なんだ? フェルディナンの言っている意味が分からないのだけど? まぁいいか。
「そろそろ目的地だからな。気を抜くんじゃないぞ。リュシアン」
「それはこっちのセリフだ。ほら、いたぞ」
討伐対象を視認すると、俺は鞘から剣を抜く。
「それにしても、お前の得物は珍しいよな? 太刀だっけ?」
「ああ、子供の頃に東の国出身の人から貰ったものだ」
俺は剣を構えたまま、気配を殺して討伐対象に近づく。
討伐する魔物はピッグコングと言うモンスターだ。頭はブタで身体がゴリラの形をしている。そしてくるくると丸まった尻尾を器用に使って石を拾い、投げつけてくることもある。
よし、よし。気づかれていないな。今の内に仕留める!
俺は勢いよく太刀を振り下ろし、一撃でモンスターの尻尾を切断した。
「ブヒヒヒィ!」
尻尾を斬られて悲鳴を上げたピッグコングは、驚いて腕をくるくると回しながら仰向けに倒れた。
胸を晒した。今のうちに止めをさす。
跳躍して跳び上がると、俺はやつの心臓に向けて得物を突き刺した。太刀がモンスターの肉を突き破り、臓器を破壊したことにより傷口から鮮血が噴き出す。
「これでよし。討伐完了だ」
「ご苦労さん。それじゃああとはこいつの剥ぎ取り作業だな。ピッグコングの体内で生成されるピゴ結晶を持って帰れば依頼達成だぜ」
討伐に参加しなかったフェルディナンが、ピッグコングの死体に近づくと剥ぎ取りを始めた。
こいつ、戦闘には参加しなかったのに、剥ぎ取りだけはやってくれるのかよ。まぁ、素材を傷つけないようにする必要があるし、やってくれるのはありがたい。俺の場合は三十パーセントの確率で素材に傷を入れてしまうからな。
「よし、目的のものは剥ぎ取った。と言う訳で、お前にはしばらく眠ってもらうとしようリュシアン」
「何を……言って!」
いきなり腹部に激痛が走った。どうやら俺は、フェルディナンに腹部を殴られたみたいだ。
「悪いな。お前は俺の踏み台になってもらう。俺が昇格するために、ちょっとした犠牲になってくれ」
その言葉を聞いた瞬間、俺は意識を失ってしまった。
それからどれくらい時間が経ったのか分からない。
目が覚めた俺は、殴られた腹を抑えながらギルドに戻る。
扉を開けて中に入ると、俺を見たアントニオが鋭い眼光で睨みつけてきた。
「リュシアン! ちょっと来い!」
来るように言われ、俺はギルドマスターのところに行く。
ちょうどフェルディナンのことを報告しないといけないからな。
「リュシアン、お前を今からクビにする! このギルドを出ていけ!」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
面白かった! この物語は期待できる! 続きが早く読みたい!
など思っていただけましたら、【感想】や【お気に入り登録】をしていただけると、作者のモチベが上がり、更新が早くなります。
【感想】は一言コメントでも大丈夫です。
何卒よろしくお願いします。
3
お気に入りに追加
1,122
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無能扱いされた実は万能な武器職人、Sランクパーティーに招かれる~理不尽な理由でパーティーから追い出されましたが、恵まれた新天地で頑張ります~
詩葉 豊庸(旧名:堅茹でパスタ)
ファンタジー
鍛冶職人が武器を作り、提供する……なんてことはもう古い時代。
現代のパーティーには武具生成を役目とするクリエイターという存在があった。
アレンはそんなクリエイターの一人であり、彼もまたとある零細パーティーに属していた。
しかしアレンはパーティーリーダーのテリーに理不尽なまでの要望を突きつけられる日常を送っていた。
本当は彼の適性に合った武器を提供していたというのに……
そんな中、アレンの元に二人の少女が歩み寄ってくる。アレンは少女たちにパーティーへのスカウトを受けることになるが、後にその二人がとんでもない存在だったということを知る。
後日、アレンはテリーの裁量でパーティーから追い出されてしまう。
だが彼はクビを宣告されても何とも思わなかった。
むしろ、彼にとってはこの上なく嬉しいことだった。
これは万能クリエイター(本人は自覚無し)が最高の仲間たちと紡ぐ冒険の物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
追放された最強賢者は悠々自適に暮らしたい
桐山じゃろ
ファンタジー
魔王討伐を成し遂げた魔法使いのエレルは、勇者たちに裏切られて暗殺されかけるも、さくっと逃げおおせる。魔法レベル1のエレルだが、その魔法と魔力は単独で魔王を倒せるほど強力なものだったのだ。幼い頃には親に売られ、どこへ行っても「貧民出身」「魔法レベル1」と虐げられてきたエレルは、人間という生き物に嫌気が差した。「もう人間と関わるのは面倒だ」。森で一人でひっそり暮らそうとしたエレルだったが、成り行きで狐に絆され姫を助け、更には快適な生活のために行ったことが切っ掛けで、その他色々が勝手に集まってくる。その上、国がエレルのことを探し出そうとしている。果たしてエレルは思い描いた悠々自適な生活を手に入れることができるのか。※小説家になろう、カクヨムでも掲載しています
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜
あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。
その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!?
チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双!
※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる