記憶喪失のおねショタハーレム〜遊んでいるだけなのになぜか大人や魔物よりも強いです〜

仁徳

文字の大きさ
上 下
9 / 42
第一章

第九話 ショタは女の子に脅迫される

しおりを挟む
「そう言えば、まだあなたの名前を聞いていなかったわね。あたしの名前はローザ・セネットよ」

「僕の名前は、ラルス・セーデルシュトレーム。8歳」

「ラルスね。8歳ならあたしが2つ年上だからお姉さんよ。だから今後はそのように振る舞うように」

 つまり、ソフィーお姉さんたちみたいに接しろってこと何かがかな? でも、ローザってお姉さんって感じがしないんだよね。見た目も同い年くらいに見えるから。

「ラルス、あなた今、失礼なことを考えていなかった?」

「か、考えていないよ!」

 まるで心を読んだかのように的中してしまい、慌てて首を左右に振って嘘を吐く。

 もしかして顔に出ていたのかな?

「まぁ良いわ。それにしてもあなたって強いね。あのディーノを倒すだなんて。あいつの泣き顔を見てスッキリしたわ」

「そのディーノ君ってそんなに悪いことをしていたの?」

「あいつ、自分がこの城下町のキッズの中で1番強いからって威張っているのよ。反抗しても、力でねじ伏せられているから、誰も楯突こうとする人はいないわ」

「だったら、ローザは強いね」

 思ったことを口に出すと、彼女は首を傾げる。

「強い? あたしが?」

「だって誰もはむかおうとしないのに、ローザはどうにかして取り返そうと頑張っていたじゃない。充分に強いと僕は思うな」

「そ、そう? まぁ、あたしレベルになれば、ディーノにはむかおうことなんて造作もないわ。そうだ!」

 彼女のことを褒めると、ローザは気分を良くしたみたいで満足そうな顔をする。そして何かを思い出したようで、ポンっと手を叩いた。

「私ね、この城下町から離れた森の中にある、お化けが出るって噂の屋敷に用があるのよ。だから今日の夜に一緒に行ってくれない」

 突然夜のお誘いを受け、どうしようかと悩んだ。

 だって、夜ってことは、ソフィーお姉さんが寝ている時に家を抜け出さないといけないってことだよ。

 僕がいないことが分かったら、ソフィーお姉さんが心配してしまう。

「ひ、昼間とかではダメなの? 夜だと都合が悪いのだけど?」

 昼間なら、今日のようにソフィーお姉さんがギルドの依頼を受けに家を空けているから、その時間を利用できる。でも、流石に夜となると都合が悪い。

「ダメよ! 夜じゃないとムリなの!」

 夜でなければいけないとローザが言ってくるけれど、それでも僕にも都合と言うものがある。

 どうにかして納得してもらえれないかな?

「もし、夜に付き合ってくれないのなら、あなたのお姉さんのところに行って、ラルスに泣かされたって言うからね」

 涙目になりながら、ローザは脅してくる。

 もし、ローザがソフィーお姉さんに言いつけたらどうなるのだろう?

『ラル君、女の子は大事にしないとダメだって言ったでしょう! 罰として今夜はラル君の嫌いなビーマンの山盛りを食べさせるからね!』

『女の子を泣かせるとは、見損なったぞ。お前には心を鍛える鍛錬が必要だな。罰として腕立て100回、腹筋100回、スクワット500回の刑だ!』

 頭の中で想像したソフィーお姉さんとシルヴィアお姉さんが、怒った顔で僕が嫌がることをさせる。

 これはまずいよ! 筋肉鍛錬はともかく、嫌いなビーマンの山盛りを食べさせられたら、口の中が苦くて苦しくなっちゃう!

「わ、分かったよ。今日の夜ね」

「そうよ。日付が変わる時間帯に、城下町の入り口に集合だから」

 待ち合わせの時間と集合場所を話すと、ローザはここから離れて行く。

 こうしてはいられない。早く帰ってお昼寝をしないと夜中に起きれなくなるよ。

 急いで家に戻り、ベッドに潜り込むとお昼寝を始める。






 その日の夜、僕は閉じていた瞼を開ける。

 目の前にはソフィーお姉さんが寝ており、寝息を立てていた。

 よし、ソフィーお姉さんは完全に眠っている。後はここから抜け出して外に出るだけだ。

 毎夜のことだけど、僕はソフィーお姉さんと同じベッドで眠っている。なので、毎日お姉さんの抱き枕にされている。

 ソフィーお姉さんを起こさないように慎重に動き、彼女の腕から逃れた。

 これでよし、後は足音を立てないようにして部屋から出るだけだ。

 つま先立ちをして、可能な限り床との接地面が少ないようにして歩き、寝室から出て行く。

 これで後は、家から出るだけだ。どうにか1番難しいミッションをクリアしたから、もう大丈夫だよね。

 ホッとすると、玄関の扉を開けて外に出た。

 外は夜空にたくさんの星々が輝いており、とても綺麗だった。

「夜空に見惚れている場合じゃないよ。早く待ち合わせの場所に行かないとローザに怒られる」

 急いで城下町の入り口に向かう。でも、同じ地形にも関わらず、夜の街中は怖く感じた。

「そう言えば、夜に街中を歩くのは初めてだよ。怖いな」

 夜道を歩くのは怖い。でも、引き返して家に帰ったとしても、明日ローザに怒られてしまう。最悪の場合はソフィーお姉さんたちに、僕がローザを泣かせたと嘘を言われてしまう。

 そうなったらお終いだよ。僕の口に無理矢理ビーマンを突っ込まれてしまう。

 怖いけれど、どうにか勇気を振り絞らないといけない。

「何か怖くなくなる方法がないかな?」

 考えていると、あることを思い付く。

「そうだ。これもごっこ遊びと思えば良いんだよ。僕は遊べば遊ぶほど強くなる。きっと肝試しだと思えば勇気が出てくるに違いない! それじゃあ今から肝試しだ。よーい始め!」

 手をポンっと叩いたその時、先ほど感じた怖い思いが嘘のように消えた。

 やっぱり思った通りだ。これでローザがいるところに行くことができるよ。

 僕は急いで城下町の入り口に向う。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?

ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。 それは——男子は女子より立場が弱い 学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。 拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。 「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」 協力者の鹿波だけは知っている。 大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。 勝利200%ラブコメ!? 既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる

名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。

貞操逆転世界の男教師

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が世界初の男性教師として働く話。

処理中です...