記憶喪失のおねショタハーレム〜遊んでいるだけなのになぜか大人や魔物よりも強いです〜

仁徳

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第一章

第九話 ショタは女の子に脅迫される

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「そう言えば、まだあなたの名前を聞いていなかったわね。あたしの名前はローザ・セネットよ」

「僕の名前は、ラルス・セーデルシュトレーム。8歳」

「ラルスね。8歳ならあたしが2つ年上だからお姉さんよ。だから今後はそのように振る舞うように」

 つまり、ソフィーお姉さんたちみたいに接しろってこと何かがかな? でも、ローザってお姉さんって感じがしないんだよね。見た目も同い年くらいに見えるから。

「ラルス、あなた今、失礼なことを考えていなかった?」

「か、考えていないよ!」

 まるで心を読んだかのように的中してしまい、慌てて首を左右に振って嘘を吐く。

 もしかして顔に出ていたのかな?

「まぁ良いわ。それにしてもあなたって強いね。あのディーノを倒すだなんて。あいつの泣き顔を見てスッキリしたわ」

「そのディーノ君ってそんなに悪いことをしていたの?」

「あいつ、自分がこの城下町のキッズの中で1番強いからって威張っているのよ。反抗しても、力でねじ伏せられているから、誰も楯突こうとする人はいないわ」

「だったら、ローザは強いね」

 思ったことを口に出すと、彼女は首を傾げる。

「強い? あたしが?」

「だって誰もはむかおうとしないのに、ローザはどうにかして取り返そうと頑張っていたじゃない。充分に強いと僕は思うな」

「そ、そう? まぁ、あたしレベルになれば、ディーノにはむかおうことなんて造作もないわ。そうだ!」

 彼女のことを褒めると、ローザは気分を良くしたみたいで満足そうな顔をする。そして何かを思い出したようで、ポンっと手を叩いた。

「私ね、この城下町から離れた森の中にある、お化けが出るって噂の屋敷に用があるのよ。だから今日の夜に一緒に行ってくれない」

 突然夜のお誘いを受け、どうしようかと悩んだ。

 だって、夜ってことは、ソフィーお姉さんが寝ている時に家を抜け出さないといけないってことだよ。

 僕がいないことが分かったら、ソフィーお姉さんが心配してしまう。

「ひ、昼間とかではダメなの? 夜だと都合が悪いのだけど?」

 昼間なら、今日のようにソフィーお姉さんがギルドの依頼を受けに家を空けているから、その時間を利用できる。でも、流石に夜となると都合が悪い。

「ダメよ! 夜じゃないとムリなの!」

 夜でなければいけないとローザが言ってくるけれど、それでも僕にも都合と言うものがある。

 どうにかして納得してもらえれないかな?

「もし、夜に付き合ってくれないのなら、あなたのお姉さんのところに行って、ラルスに泣かされたって言うからね」

 涙目になりながら、ローザは脅してくる。

 もし、ローザがソフィーお姉さんに言いつけたらどうなるのだろう?

『ラル君、女の子は大事にしないとダメだって言ったでしょう! 罰として今夜はラル君の嫌いなビーマンの山盛りを食べさせるからね!』

『女の子を泣かせるとは、見損なったぞ。お前には心を鍛える鍛錬が必要だな。罰として腕立て100回、腹筋100回、スクワット500回の刑だ!』

 頭の中で想像したソフィーお姉さんとシルヴィアお姉さんが、怒った顔で僕が嫌がることをさせる。

 これはまずいよ! 筋肉鍛錬はともかく、嫌いなビーマンの山盛りを食べさせられたら、口の中が苦くて苦しくなっちゃう!

「わ、分かったよ。今日の夜ね」

「そうよ。日付が変わる時間帯に、城下町の入り口に集合だから」

 待ち合わせの時間と集合場所を話すと、ローザはここから離れて行く。

 こうしてはいられない。早く帰ってお昼寝をしないと夜中に起きれなくなるよ。

 急いで家に戻り、ベッドに潜り込むとお昼寝を始める。






 その日の夜、僕は閉じていた瞼を開ける。

 目の前にはソフィーお姉さんが寝ており、寝息を立てていた。

 よし、ソフィーお姉さんは完全に眠っている。後はここから抜け出して外に出るだけだ。

 毎夜のことだけど、僕はソフィーお姉さんと同じベッドで眠っている。なので、毎日お姉さんの抱き枕にされている。

 ソフィーお姉さんを起こさないように慎重に動き、彼女の腕から逃れた。

 これでよし、後は足音を立てないようにして部屋から出るだけだ。

 つま先立ちをして、可能な限り床との接地面が少ないようにして歩き、寝室から出て行く。

 これで後は、家から出るだけだ。どうにか1番難しいミッションをクリアしたから、もう大丈夫だよね。

 ホッとすると、玄関の扉を開けて外に出た。

 外は夜空にたくさんの星々が輝いており、とても綺麗だった。

「夜空に見惚れている場合じゃないよ。早く待ち合わせの場所に行かないとローザに怒られる」

 急いで城下町の入り口に向かう。でも、同じ地形にも関わらず、夜の街中は怖く感じた。

「そう言えば、夜に街中を歩くのは初めてだよ。怖いな」

 夜道を歩くのは怖い。でも、引き返して家に帰ったとしても、明日ローザに怒られてしまう。最悪の場合はソフィーお姉さんたちに、僕がローザを泣かせたと嘘を言われてしまう。

 そうなったらお終いだよ。僕の口に無理矢理ビーマンを突っ込まれてしまう。

 怖いけれど、どうにか勇気を振り絞らないといけない。

「何か怖くなくなる方法がないかな?」

 考えていると、あることを思い付く。

「そうだ。これもごっこ遊びと思えば良いんだよ。僕は遊べば遊ぶほど強くなる。きっと肝試しだと思えば勇気が出てくるに違いない! それじゃあ今から肝試しだ。よーい始め!」

 手をポンっと叩いたその時、先ほど感じた怖い思いが嘘のように消えた。

 やっぱり思った通りだ。これでローザがいるところに行くことができるよ。

 僕は急いで城下町の入り口に向う。
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