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第一章
第六話 ショタは魔力量とユニークスキルを知る
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シルヴィアお姉さんが持ってきた魔力鑑定の腕輪を使い、魔力を調べる。メーター内の数字が動き、やがて止まる。
「数字が止まったよ?」
「見せて見せて! ラル君の魔力量!」
魔力鑑定が終わり、ソフィーお姉さんがメーターに出ている魔力量を覗く。
「ねぇ、シルヴィア? もしかして不良品を持って来たの? 壊れているみたいだけど?」
「そんなはずはないと思うのだが?」
「でも、ラル君の魔力量が0になっているわよ。いくら魔力量が少なくっても、今まで魔力量が0の人なんて聞いたことがないわ」
2人が話している中、僕はもう一度鑑定アイテムの腕輪に書かれてある腕輪のメーターを見る。
最大5桁まで数字が出るようになっているけど、5桁全てが0になっていた。
「ラルス、悪いがもう一度鑑定してもらっても良いか?」
「それもそうね。何かの誤作動かもしれないわ」
ソフィーお姉さんが僕に嵌めている腕輪を外し、もう一度嵌める。
すると再び腕輪のメーターが動き、数字が動く。
だけど結果は同じだった。
「やっぱり同じだよ。5桁全部が0になっている」
鑑定結果を話すと、お姉さんたちは胸の前で腕を組み、考えている顔をする。
「さすがに2回も0が続くのは変よ。やっぱり不良品を借りて来たんじゃないの?」
「そうかもしれないなぁ。団長には帰ったら折檻しておくとしよう。お使いもまともにできないとはな。騎士団として恥ずかしいことだ。まぁ、ともかく魔力量に関しては別の機会にするとして、今度はユニークスキルを調べるとするか」
シルヴィアお姉さんが僕の腕から腕輪を取り外してバックの中に仕舞う。すると今度は、少し大きめの水晶を取り出して、テーブルの上に置いた。
「ラルス、今度はこの水晶に手を翳してくれ。そうすれば、ユニークスキルが表示される」
「分かった。やってみる」
椅子に座り、言われた通りにテーブルの上にある水晶に手を翳す。その瞬間、水晶が光を放ち、球体の中に言葉が浮かび上がる。
「こっちの鑑定アイテムは壊れていなかったようだな。ラルスのユニークスキルは……遊び?」
水晶に浮かび上がったユニークスキル名をシルヴィアお姉さんが口にする。でも、お姉さんは首を傾げた。
「遊びなんて言うユニークスキルは聞いたことがないな」
「ちょっと待って! 今、ユニークスキルが載っている図鑑を持って来るから」
どうやらソフィーお姉さんも知らなかったみたい。お姉さんは急いでキッチンから離れると、別の部屋に入った。
1、2分ほど待つと、ソフィーお姉さんが戻ってくる。彼女の手には分厚い本が握られてあった。
「えーと、ユニークスキル遊びはっと。遊び、遊び」
ページを捲り、僕のユニークスキルが載っているページをソフィーお姉さんが探す。
「うーん、載っていないわね。もしかしたら最近発見されたユニークスキルなのかな? 私の持っている図鑑は10年程前に発行されたものだから」
「そうか。なら明日、城に来たらどうだ? 騎士団長を使えば、彼の権限で城の書庫に入れるだろうからな。城なら最新版の図鑑もある」
「そうね。そうさせてもらおうかしら」
ソフィーお姉さんとシルヴィアお姉さんが会話を進める中、僕の心臓は激しく高鳴る。
お城に入れる! やった! 絵本を読んで憧れていた建物に入れるんだ!
「ユニークスキルのことも不思議だが、それ以外に書かれてあることにも興味深いな」
「えーと、ラル君が既に習得している技は……石投げ、石蹴り、水鉄砲、遊び開発。使用可能魔法はエンハンスドボディー、スピードスター。肉体強化系の魔法ね。野盗やグリゴリーを倒せたのも、この魔法によるものの可能性が高いわね」
「僕、魔法を使ったことないよ」
いつのまにか僕は魔法でグリゴリーさんたちを倒したことになっている。でも、僕は魔法を使った覚えがない。
「何にしても、城の書庫にある図鑑で調べる必要がありそうだな。それじゃあ、わたしはこれで帰るよ。また明日」
テーブルの上にある水晶をバックの中に入れ、シルヴィアお姉さんは別れの挨拶を言った。
「うん、また明日」
「バイバイ!」
僕も手を振って別れの挨拶をすると、シルヴィアお姉さんが笑みを浮かべたような気がした。
翌日、ソフィーお姉さんと手を繋ぎ、お城の門の前に来た。すると2人の門番さんが門の前に立ち、握っている槍をクロスさせて門に入れないようにしてきた。
「そこの子連れ待たれよ。何用で城に訪れる」
門番のおじさんが低い声でソフィーお姉さんに用件を訊ねて来た。
「私の名はソフィー。シルヴィア副団長に呼ばれて来たのだけど、話しが通っていないのかしら?」
「何! シルヴィア副団長が! 分かった。確認するため、少々待たれよ」
1人の門番さんが門を開けて中に入って行く。そして数分くらい待つと、再び門が開かれて、青いロングヘアーのお姉さんが出て来た。
「ソフィー、ラルス、待たせたね。どうやら門番に連絡が届いていなかったようだ。さぁ、入ってくれ」
門を潜るように言われると、ソフィーお姉さんが歩き出す。手を繋いでいたので、少し引っ張られる形で僕も門を潜った。
「初めてのお城で色々と気になるのは分かるけど、早く書庫に行かないと迷惑になるわよ」
色々なものに興味を持ち、辺りを見渡しているとソフィーお姉さんが注意をしてくる。
みんなに迷惑をかけたくないし、おとなしくしていた方が良いかもしれない。
「ここが城の書庫だ」
シルヴィアお姉さんが扉を開けると、周囲の風景が一気に変わる。
部屋中に本棚があり、眺めているだけでなんだか頭が痛くなりそうになった。
「ソフィーとラルスは席に座っていてくれ。わたしが図鑑を持ってくる」
席に座るように言われ、僕たちは近くにあった席に座った。
座って待っていると、シルヴィアお姉さんが分厚い本を持って戻って来る。
「これが最新版の図鑑だ。ユニークスキルの遊びが載っているか調べよう」
テーブルの上に図鑑を置き、シルヴィアお姉さんがページを捲っていく。
今度こそ、僕のユニークスキルのことが分かるのかな?
「数字が止まったよ?」
「見せて見せて! ラル君の魔力量!」
魔力鑑定が終わり、ソフィーお姉さんがメーターに出ている魔力量を覗く。
「ねぇ、シルヴィア? もしかして不良品を持って来たの? 壊れているみたいだけど?」
「そんなはずはないと思うのだが?」
「でも、ラル君の魔力量が0になっているわよ。いくら魔力量が少なくっても、今まで魔力量が0の人なんて聞いたことがないわ」
2人が話している中、僕はもう一度鑑定アイテムの腕輪に書かれてある腕輪のメーターを見る。
最大5桁まで数字が出るようになっているけど、5桁全てが0になっていた。
「ラルス、悪いがもう一度鑑定してもらっても良いか?」
「それもそうね。何かの誤作動かもしれないわ」
ソフィーお姉さんが僕に嵌めている腕輪を外し、もう一度嵌める。
すると再び腕輪のメーターが動き、数字が動く。
だけど結果は同じだった。
「やっぱり同じだよ。5桁全部が0になっている」
鑑定結果を話すと、お姉さんたちは胸の前で腕を組み、考えている顔をする。
「さすがに2回も0が続くのは変よ。やっぱり不良品を借りて来たんじゃないの?」
「そうかもしれないなぁ。団長には帰ったら折檻しておくとしよう。お使いもまともにできないとはな。騎士団として恥ずかしいことだ。まぁ、ともかく魔力量に関しては別の機会にするとして、今度はユニークスキルを調べるとするか」
シルヴィアお姉さんが僕の腕から腕輪を取り外してバックの中に仕舞う。すると今度は、少し大きめの水晶を取り出して、テーブルの上に置いた。
「ラルス、今度はこの水晶に手を翳してくれ。そうすれば、ユニークスキルが表示される」
「分かった。やってみる」
椅子に座り、言われた通りにテーブルの上にある水晶に手を翳す。その瞬間、水晶が光を放ち、球体の中に言葉が浮かび上がる。
「こっちの鑑定アイテムは壊れていなかったようだな。ラルスのユニークスキルは……遊び?」
水晶に浮かび上がったユニークスキル名をシルヴィアお姉さんが口にする。でも、お姉さんは首を傾げた。
「遊びなんて言うユニークスキルは聞いたことがないな」
「ちょっと待って! 今、ユニークスキルが載っている図鑑を持って来るから」
どうやらソフィーお姉さんも知らなかったみたい。お姉さんは急いでキッチンから離れると、別の部屋に入った。
1、2分ほど待つと、ソフィーお姉さんが戻ってくる。彼女の手には分厚い本が握られてあった。
「えーと、ユニークスキル遊びはっと。遊び、遊び」
ページを捲り、僕のユニークスキルが載っているページをソフィーお姉さんが探す。
「うーん、載っていないわね。もしかしたら最近発見されたユニークスキルなのかな? 私の持っている図鑑は10年程前に発行されたものだから」
「そうか。なら明日、城に来たらどうだ? 騎士団長を使えば、彼の権限で城の書庫に入れるだろうからな。城なら最新版の図鑑もある」
「そうね。そうさせてもらおうかしら」
ソフィーお姉さんとシルヴィアお姉さんが会話を進める中、僕の心臓は激しく高鳴る。
お城に入れる! やった! 絵本を読んで憧れていた建物に入れるんだ!
「ユニークスキルのことも不思議だが、それ以外に書かれてあることにも興味深いな」
「えーと、ラル君が既に習得している技は……石投げ、石蹴り、水鉄砲、遊び開発。使用可能魔法はエンハンスドボディー、スピードスター。肉体強化系の魔法ね。野盗やグリゴリーを倒せたのも、この魔法によるものの可能性が高いわね」
「僕、魔法を使ったことないよ」
いつのまにか僕は魔法でグリゴリーさんたちを倒したことになっている。でも、僕は魔法を使った覚えがない。
「何にしても、城の書庫にある図鑑で調べる必要がありそうだな。それじゃあ、わたしはこれで帰るよ。また明日」
テーブルの上にある水晶をバックの中に入れ、シルヴィアお姉さんは別れの挨拶を言った。
「うん、また明日」
「バイバイ!」
僕も手を振って別れの挨拶をすると、シルヴィアお姉さんが笑みを浮かべたような気がした。
翌日、ソフィーお姉さんと手を繋ぎ、お城の門の前に来た。すると2人の門番さんが門の前に立ち、握っている槍をクロスさせて門に入れないようにしてきた。
「そこの子連れ待たれよ。何用で城に訪れる」
門番のおじさんが低い声でソフィーお姉さんに用件を訊ねて来た。
「私の名はソフィー。シルヴィア副団長に呼ばれて来たのだけど、話しが通っていないのかしら?」
「何! シルヴィア副団長が! 分かった。確認するため、少々待たれよ」
1人の門番さんが門を開けて中に入って行く。そして数分くらい待つと、再び門が開かれて、青いロングヘアーのお姉さんが出て来た。
「ソフィー、ラルス、待たせたね。どうやら門番に連絡が届いていなかったようだ。さぁ、入ってくれ」
門を潜るように言われると、ソフィーお姉さんが歩き出す。手を繋いでいたので、少し引っ張られる形で僕も門を潜った。
「初めてのお城で色々と気になるのは分かるけど、早く書庫に行かないと迷惑になるわよ」
色々なものに興味を持ち、辺りを見渡しているとソフィーお姉さんが注意をしてくる。
みんなに迷惑をかけたくないし、おとなしくしていた方が良いかもしれない。
「ここが城の書庫だ」
シルヴィアお姉さんが扉を開けると、周囲の風景が一気に変わる。
部屋中に本棚があり、眺めているだけでなんだか頭が痛くなりそうになった。
「ソフィーとラルスは席に座っていてくれ。わたしが図鑑を持ってくる」
席に座るように言われ、僕たちは近くにあった席に座った。
座って待っていると、シルヴィアお姉さんが分厚い本を持って戻って来る。
「これが最新版の図鑑だ。ユニークスキルの遊びが載っているか調べよう」
テーブルの上に図鑑を置き、シルヴィアお姉さんがページを捲っていく。
今度こそ、僕のユニークスキルのことが分かるのかな?
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