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過去編~恋の行方~1 結人side
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彼こと桐生圭吾と出会ってあれからが8年が経った。
僕は高校1年生になり彼は大学3年生になっていた。あの日から僕達は親友になっていった。
彼のおかげでここまで頑張れたと言っても過言ではない。
彼のおかげで明るくなれたし人付き合いも上手くなった。彼のことは未だ母親に隠している。このことがバレたら体を使ってでも取り入ってこいと言われそうで怖くてずっと隠していた。
母親は40代になった今でもたまに知らない男の人と出かける時がある。もう歳なのだからそういうのやめたらいいのにって思ってるけどそういうことは母親の前では言えない。言ったら多分きつい罵詈雑言が飛んできて殴られる可能性だってあるから怖くて言えたもんじゃない。
これは昔からの僕のトラウマだった。母親の機嫌を損なえば何をされるかわかったものじゃない。
だから中学に上がった頃には圭吾の家に半同居的な形で転がり込んでいた。
僕は僕と違って忙しても何かあれば僕の元に駆けつけてきてそれでいて優秀でそばに居てくれる彼が好きだった。
好きの意味は恋愛感情の意味で。
それを自覚したのは中学2年生の頃。
LGBTって言葉を知って以来彼のことを意識するようになった。
でも、そんな一方的な恋は叶わないと知った。
今どきの政略結婚。彼に許嫁ができた。それを知ったのは中学3年生だった。受験シーズン真っ只中。彼の許嫁と名乗るスラリとした美人な女の人が僕の元にやってきて圭吾と関わるのはやめろっていって帰って行った。
彼は大手会社の御曹司だったからいつかそういう人ができることを知っていた。
だから、僕の恋心は我慢できると思っていた。
だけどいざそういう人ができると苦しくて悲しくて仕方がなかった。僕には彼しかいなかった。
彼に許嫁ができて僕は圭吾離れしなきゃって思って受験勉強を言い訳に彼と半同居をやめて家に帰った。
彼と一緒にいて苦しくて辛い思いをするなら家の方がマシだと思った。実際帰ってみると母親は家に基本いなかったし静かだったから勉強に集中もできたし圭吾のことを考えないようにアルバイトのシフトだってたくさんいれて
そして僕は徐々に彼への恋心に蓋をしていった。
━━━はずだった。
同居をやめて1週間も経たないうちに僕の家にくるようになった。同居をやめた意味が無いじゃないかって心の中でたくさん怒ったけどそんなこと言えなかった。
家に来てくれることが嬉しかったから。
彼は何かと理由をつけて僕の家にきた。勉強を教えてあげるっていって家庭教師になってくれたりアルバイトで夜遅く帰ってきた時には夜ご飯を作ってくれてそれを一緒に食べたりと。
恋心に蓋をするなんて無理な話だった。
僕がたまに悲しい顔をするから圭吾はたくさん心配してくれるし理由が話せなくてもそれでもいいって言ってくれて慰めてくれた。
圭吾の許嫁には悪いけど圭吾と一緒にいる時間を長くしたくて家に泊まらせたりもしていた。
僕は圭吾の前では普通を精一杯装って圭吾と一緒に勉強を頑張ったおかげで無事高校合格。
奨学制度のために首席で合格した。
合格した日にはもうそれは心の底から喜び圭吾と一緒にケーキを食べて祝った。
無事高校に上がれた僕は心に余裕が出来た。
けれど、臆病だった僕は彼に告白出来ずにいた。
彼の幸せを遠くから願うと決めた日から僕は変わった。
食事にこだわり肌のケアをして女みたいに長かった髪も短く切って...そして恋人を作った。
圭吾の恋を成熟させるために。
僕の初めての恋人はネットで知り合った男だった。五十嵐 光希といって趣味もあうし同性愛相談に乗ってもらってたところ会って話したいと言われそれからたびたび何回かあって話しているうちに圭吾が僕のことどう思っているのか確かめたくない?って言ってきて協力してもらうことにした。
光希もノリノリで楽しそうにしていたのでまぁいっかと思って利用させていただくことにした。
光希の計画としては光希と僕が恋人同士になって圭吾の前でイチャイチャを見せつけるらしい。
圭吾が嫉妬したり圭吾がなんらかの形で光希に接触し牽制しだしたら脈ありだし
圭吾にイチャイチャをみせつけてもなにも反応なしでそのまま許嫁と結婚しちゃったら脈なしだって言われた。圭吾が許嫁と結婚したら光希が僕のことを貰ってあげると謎の上から目線でいうのでそれもいいなって思った。
高校2年に上がった頃、僕は圭吾から付き合ってくれと頭を下げられた。
計画は大成功だった。
最初は電話とかして匂わせをしたりアルバイトの帰りに圭吾が家にいるのにもかかわらずわざわざ光希に家の前まで送ってもらったりとしていた。
それから、圭吾と遊びに行く誘いを断って光希のところに行ったり圭吾が僕の家にくるタイミングにあわせて光希が好きだよって言って頬をそっと撫でるのを見せつけたりと
それはもう色んなことをやった。
ずるい方法だった。だけどこうまでして圭吾の思いが知りたかった。
最初の時点で光希から脈ありだと言われた時は半信半疑だった。しかし光希がちゃんと俺に嫉妬してたし非通知から電話がかかってきてそれに出たら結人と関わるなとか言われたしそれはもう怖かったと伝えられた。
それを知った僕は嬉しさのあまりに叫ぶほどだった。(心の中で)
だけどそれを知った上で僕は光希計画を続行していた。
僕が薄志弱行だったからこそ彼の気持ちを確かめる方法がずるい方法になってしまった。
協力してくれた光希にはいまでも本当に感謝している。
この計画は圭吾が光希を脅して知ったと教えられた時は後日、光希の好きな甘いものを沢山かってあげて謝った。
高校2年生早見結人は4年間の片思いを見事成熟させることが出来た。
✤✤✤
過去編については本編ではないのでざっくり書いてます。
過去編はあまり面白くないですが初夜に力を入れたいと思ってます。
僕は高校1年生になり彼は大学3年生になっていた。あの日から僕達は親友になっていった。
彼のおかげでここまで頑張れたと言っても過言ではない。
彼のおかげで明るくなれたし人付き合いも上手くなった。彼のことは未だ母親に隠している。このことがバレたら体を使ってでも取り入ってこいと言われそうで怖くてずっと隠していた。
母親は40代になった今でもたまに知らない男の人と出かける時がある。もう歳なのだからそういうのやめたらいいのにって思ってるけどそういうことは母親の前では言えない。言ったら多分きつい罵詈雑言が飛んできて殴られる可能性だってあるから怖くて言えたもんじゃない。
これは昔からの僕のトラウマだった。母親の機嫌を損なえば何をされるかわかったものじゃない。
だから中学に上がった頃には圭吾の家に半同居的な形で転がり込んでいた。
僕は僕と違って忙しても何かあれば僕の元に駆けつけてきてそれでいて優秀でそばに居てくれる彼が好きだった。
好きの意味は恋愛感情の意味で。
それを自覚したのは中学2年生の頃。
LGBTって言葉を知って以来彼のことを意識するようになった。
でも、そんな一方的な恋は叶わないと知った。
今どきの政略結婚。彼に許嫁ができた。それを知ったのは中学3年生だった。受験シーズン真っ只中。彼の許嫁と名乗るスラリとした美人な女の人が僕の元にやってきて圭吾と関わるのはやめろっていって帰って行った。
彼は大手会社の御曹司だったからいつかそういう人ができることを知っていた。
だから、僕の恋心は我慢できると思っていた。
だけどいざそういう人ができると苦しくて悲しくて仕方がなかった。僕には彼しかいなかった。
彼に許嫁ができて僕は圭吾離れしなきゃって思って受験勉強を言い訳に彼と半同居をやめて家に帰った。
彼と一緒にいて苦しくて辛い思いをするなら家の方がマシだと思った。実際帰ってみると母親は家に基本いなかったし静かだったから勉強に集中もできたし圭吾のことを考えないようにアルバイトのシフトだってたくさんいれて
そして僕は徐々に彼への恋心に蓋をしていった。
━━━はずだった。
同居をやめて1週間も経たないうちに僕の家にくるようになった。同居をやめた意味が無いじゃないかって心の中でたくさん怒ったけどそんなこと言えなかった。
家に来てくれることが嬉しかったから。
彼は何かと理由をつけて僕の家にきた。勉強を教えてあげるっていって家庭教師になってくれたりアルバイトで夜遅く帰ってきた時には夜ご飯を作ってくれてそれを一緒に食べたりと。
恋心に蓋をするなんて無理な話だった。
僕がたまに悲しい顔をするから圭吾はたくさん心配してくれるし理由が話せなくてもそれでもいいって言ってくれて慰めてくれた。
圭吾の許嫁には悪いけど圭吾と一緒にいる時間を長くしたくて家に泊まらせたりもしていた。
僕は圭吾の前では普通を精一杯装って圭吾と一緒に勉強を頑張ったおかげで無事高校合格。
奨学制度のために首席で合格した。
合格した日にはもうそれは心の底から喜び圭吾と一緒にケーキを食べて祝った。
無事高校に上がれた僕は心に余裕が出来た。
けれど、臆病だった僕は彼に告白出来ずにいた。
彼の幸せを遠くから願うと決めた日から僕は変わった。
食事にこだわり肌のケアをして女みたいに長かった髪も短く切って...そして恋人を作った。
圭吾の恋を成熟させるために。
僕の初めての恋人はネットで知り合った男だった。五十嵐 光希といって趣味もあうし同性愛相談に乗ってもらってたところ会って話したいと言われそれからたびたび何回かあって話しているうちに圭吾が僕のことどう思っているのか確かめたくない?って言ってきて協力してもらうことにした。
光希もノリノリで楽しそうにしていたのでまぁいっかと思って利用させていただくことにした。
光希の計画としては光希と僕が恋人同士になって圭吾の前でイチャイチャを見せつけるらしい。
圭吾が嫉妬したり圭吾がなんらかの形で光希に接触し牽制しだしたら脈ありだし
圭吾にイチャイチャをみせつけてもなにも反応なしでそのまま許嫁と結婚しちゃったら脈なしだって言われた。圭吾が許嫁と結婚したら光希が僕のことを貰ってあげると謎の上から目線でいうのでそれもいいなって思った。
高校2年に上がった頃、僕は圭吾から付き合ってくれと頭を下げられた。
計画は大成功だった。
最初は電話とかして匂わせをしたりアルバイトの帰りに圭吾が家にいるのにもかかわらずわざわざ光希に家の前まで送ってもらったりとしていた。
それから、圭吾と遊びに行く誘いを断って光希のところに行ったり圭吾が僕の家にくるタイミングにあわせて光希が好きだよって言って頬をそっと撫でるのを見せつけたりと
それはもう色んなことをやった。
ずるい方法だった。だけどこうまでして圭吾の思いが知りたかった。
最初の時点で光希から脈ありだと言われた時は半信半疑だった。しかし光希がちゃんと俺に嫉妬してたし非通知から電話がかかってきてそれに出たら結人と関わるなとか言われたしそれはもう怖かったと伝えられた。
それを知った僕は嬉しさのあまりに叫ぶほどだった。(心の中で)
だけどそれを知った上で僕は光希計画を続行していた。
僕が薄志弱行だったからこそ彼の気持ちを確かめる方法がずるい方法になってしまった。
協力してくれた光希にはいまでも本当に感謝している。
この計画は圭吾が光希を脅して知ったと教えられた時は後日、光希の好きな甘いものを沢山かってあげて謝った。
高校2年生早見結人は4年間の片思いを見事成熟させることが出来た。
✤✤✤
過去編については本編ではないのでざっくり書いてます。
過去編はあまり面白くないですが初夜に力を入れたいと思ってます。
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