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第四章「幽霊と告白大作戦」
「戦闘」
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「……で、さっきの続きだけど、女湯で何があったんだ?」
最終的に天井から逆さ吊りにされながら、話を進める俺。
頭に血が上って苦しいが、それに関しては幽子が危なくないように血の巡りを操ってくれているらしい。死なない程度の苦しみが続くから、俺にとっては叩かれるよりキツい拷問だ。
俺の質問に、若干Sに目覚め始めてツヤツヤしてきた成瀬が答える。
「それなんだけど……最初は、誰がずっと熱いお風呂に入っていられるかっていう勝負だったの…………でも、月城との二人きりを賞品にした途端、みんな熱が入っちゃって……」
そこで恥ずかしそうに顔を赤くする成瀬。
俺も自分との時間のために本気になってくれたと聞いて、照れて赤くなる。
恥ずかしさによる沈黙の中、段々とその続きが気になってきたところで、成瀬が続けた。
「……それで途中から、先に湯船から相手を出した方が勝ちみたいになっちゃって……水かけあったり、接近戦で格闘したり……」
続きを聞いて、照れて赤くなった顔が一瞬で青ざめる俺。
……大丈夫かな、ほんとに幽子がいなかったら吊るされて殺されてたとかないかな?
心配になりながらも先を促すと、先輩が事の顛末をまとめてくれた。
結果から言うと、その戦闘を制したのは成瀬。
だから彼女は風呂上がりの俺に耳打ちし、寝る前のデートを誘ってきたのだ。
しかし、時が近づくにつれて悔しさが募ってきたのが残りの二人。
二人は部屋に帰ると同時に、持ってきていた縄で成瀬を襲撃、そうして三人順番で二人きりの時間を作るように成瀬を脅したのだという。
っていうか、縄はどうして持ってきてたんだろう。
考えると頭が痛くなりそうなので、そこには首を突っ込まないことにする。
「……っていうわけなんだけど……月城くん、私たちとの時間も、作ってくれるかしら?」
「まあ、いいですけど……」
今度は回りくどい女性同士の喧嘩を挟まずに、直接言ってくる先輩。
しかし、何の理由もなく勝者である成瀬がみんなと同じ扱いになるというのは不公平なんじゃないだろうか。思っていたことをそのまま告げると、それに答えたのは木ノ葉。
勝者から順番に俺との時間を過ごすタイミングを決められるというのはどうかという提案だった。
「うん……みんなも月城とのツーショットを過ごせるっていうのは、本人も知っちゃったし、しょうがないから、まあ、それでいいよ……」
「……片桐さん、自分が二位だったからってなるべく自分にも利益がくるように考えたわね……でも仕方ないわ。その条件でいいわよ」
二人が、非常に不服そうではあるものの条件を呑む。
そうして完成したタイムスケジュールに沿って、俺たちは恋愛リアリティーショーにでもありそうなローテーションのツーショット時間を迎えることとなったのだ!
最終的に天井から逆さ吊りにされながら、話を進める俺。
頭に血が上って苦しいが、それに関しては幽子が危なくないように血の巡りを操ってくれているらしい。死なない程度の苦しみが続くから、俺にとっては叩かれるよりキツい拷問だ。
俺の質問に、若干Sに目覚め始めてツヤツヤしてきた成瀬が答える。
「それなんだけど……最初は、誰がずっと熱いお風呂に入っていられるかっていう勝負だったの…………でも、月城との二人きりを賞品にした途端、みんな熱が入っちゃって……」
そこで恥ずかしそうに顔を赤くする成瀬。
俺も自分との時間のために本気になってくれたと聞いて、照れて赤くなる。
恥ずかしさによる沈黙の中、段々とその続きが気になってきたところで、成瀬が続けた。
「……それで途中から、先に湯船から相手を出した方が勝ちみたいになっちゃって……水かけあったり、接近戦で格闘したり……」
続きを聞いて、照れて赤くなった顔が一瞬で青ざめる俺。
……大丈夫かな、ほんとに幽子がいなかったら吊るされて殺されてたとかないかな?
心配になりながらも先を促すと、先輩が事の顛末をまとめてくれた。
結果から言うと、その戦闘を制したのは成瀬。
だから彼女は風呂上がりの俺に耳打ちし、寝る前のデートを誘ってきたのだ。
しかし、時が近づくにつれて悔しさが募ってきたのが残りの二人。
二人は部屋に帰ると同時に、持ってきていた縄で成瀬を襲撃、そうして三人順番で二人きりの時間を作るように成瀬を脅したのだという。
っていうか、縄はどうして持ってきてたんだろう。
考えると頭が痛くなりそうなので、そこには首を突っ込まないことにする。
「……っていうわけなんだけど……月城くん、私たちとの時間も、作ってくれるかしら?」
「まあ、いいですけど……」
今度は回りくどい女性同士の喧嘩を挟まずに、直接言ってくる先輩。
しかし、何の理由もなく勝者である成瀬がみんなと同じ扱いになるというのは不公平なんじゃないだろうか。思っていたことをそのまま告げると、それに答えたのは木ノ葉。
勝者から順番に俺との時間を過ごすタイミングを決められるというのはどうかという提案だった。
「うん……みんなも月城とのツーショットを過ごせるっていうのは、本人も知っちゃったし、しょうがないから、まあ、それでいいよ……」
「……片桐さん、自分が二位だったからってなるべく自分にも利益がくるように考えたわね……でも仕方ないわ。その条件でいいわよ」
二人が、非常に不服そうではあるものの条件を呑む。
そうして完成したタイムスケジュールに沿って、俺たちは恋愛リアリティーショーにでもありそうなローテーションのツーショット時間を迎えることとなったのだ!
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