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104 淫弾ロシアンルーレット

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 今日もまたいつものように依頼をこなそうと街を出た小愛。
 そんな彼女は気付けば拘束されていた。

「こいつはまた随分な上玉を連れてきたじゃねえか」
「へっへっへ、そうでしょう。王族の令嬢でもこれほどの女はいませんぜ」

 椅子に縛られ目隠しをされている小愛の前で男二人はそう話している。

「うん……?」
「おう、目が覚めたか?」
「だ、誰……! うわっ、なんで捕まってるの!?」

 目を覚ました小愛は縛られていることに気付いたのか暴れはじめる。

「おっと静かにしな。下手なことをすればすぐにその可愛いお顔が吹き飛ぶことになるぜ」

 そう言って男は小愛の頭に銃を突きつけた。

「まあ待て、そいつはショーに使うんだから今は殺すな」
「そうだったぜ。命拾いしたな。まあそれも短い命だろうがぜ」
「ショー……?」

 小愛は男の言ったショーと言う単語に反応した。

「ああ、そうだ。これからお前はショーに出てもらう。淫弾ロシアンルーレットのな」
「淫弾……なんて?」
「見ればわかるさ」

 そう言うと男は小愛の座っている椅子を担ぎ上げて移動し始めた。

「どこへ連れて行こうって言うの!?」
「そいつは言えねえな。ま、楽しい所だとは言っておこうか」

 そのまま小愛は運ばれ続けた……かと思えば急に下ろされたのだった。

「うわっもう少し優しく下ろして」
「うるせえ」

 乱暴に扱われたことに文句を言う小愛。それに対して男は淡々と返す。

「さて、こいつを見てみな」
「えっ……なにこれ……?」

 男が小愛の目隠しを外す。するとそこには小愛と同じように椅子に縛られた一人の少女がいて、男に銃を突き付けられていた。

「嫌……やめて……死にたくない……。お願いです……助けて、ください……」
「生憎とそれは無理な話だな」

 その少女は整った顔を涙でぐしゃぐしゃにしながら、今にも消え入りそうな声を絞り出して泣きながら命乞いをしていた。
 だがそんな彼女の事などお構いなしに男は銃のハンマーを下ろした。

「さあ、まずは一発」

 そう言って男は引き金を引く。
 その瞬間、発砲音と閃光が部屋内に響いた。
 
「んぅ゛ぅ゛っ!?」

 だがどういう訳かその後に訪れたのは少女の嬌声であった。
 椅子をガタンと大きく揺らして少女は喘ぎ苦しんでいた。

「なに……今の……?」
「特製の淫弾さ。一発打ち込めば天にも昇る快楽を与える……いや、ここまで来るともはや地獄だな」

 男は少女を見ながらそう言う。
 事実、少女は全身をガクガクと震わせながら嬌声と呻き声の入り混じった物を漏らし続けていた。行き過ぎた快楽は苦痛になってしまうのだ。

「ちなみにだが、コイツは『当たり』だ。『はずれ』には通常の鉛玉が入っているからな」
「そんな、撃ち続けたらどちらにしろ死んじゃうよ……?」
「死んじゃうも何も、それが目的だ。どちらかが生き残りどちらかが死ぬ。まさに究極のゲーム! オーディエンスの皆もそれを望んでいるのさ」

 それを聞いた小愛は辺りを確認する。すると部屋のいたるところに魔導水晶が設置してあるのに気付いた。
 これはカメラと同じように映像を記録する機能を持っているマジックアイテムであり、男の言うオーディエンスとやらにその映像が届けられていることを小愛はすぐに理解したのだった。

「それじゃあ次はお前の番だ」
「うわっ」

 小愛は再び目隠しを付けられ、銃を突きつけられた。

「こちらとしても白熱した戦いを見せてやりたいからな。ここは生き残って欲しいものだが、さてどうだろうか」

 男が引き金を引く。
 すると先程と同じように発砲音と閃光が部屋の中に響いた。

「んっぐぅ゛ぅ゛!?」
「おお、当たりじゃないか。よかったな」
 
 そしてその瞬間、小愛の全身に暴力的なまでの快楽が流れ込んだ。椅子に縛られているために満足に体を動かして快楽を逃がすことも出来ず、ただただ襲い来る快楽の余韻に耐えることしか出来ない。
 淫弾の効果は凄まじく、たった一発撃ち込まれただけで彼女の小さい乳首はぷっくりと勃起し、秘部からは愛液が噴き出していた。

「ふぅっ……♡ ふぅっ……♡ これ、凄いぃ……」
「良い声で鳴くじゃないか。さて、これで二周目に入る訳だが……外れの確率は4分の1。だんだん死が近くなってきたな」
「ぁぅっ……」

 男が小愛の前の少女の頭に銃を突きつけるが、まだ意識が戻ってきていないのか少女は呻き声を漏らすのみだった。
 だが無情にも男は引き金を引いた。

「んぉ゛っお゛ぉ゛!?」

 今回も当たりであったらしく、少女の体が大きく跳ねる。そしてその衝撃で不幸にも意識が戻ってきてしまったようだ。
 気を失っていれば感じることも無かった快楽の電流が彼女の体を一瞬にして焼き尽くす。

「やだっ! もう、やだっ死んじゃう……! 死んじゃうからぁ゛ぁ゛っ!」

 ビクビクと体を震わせながら少女は気が狂ったように叫び始めた。
 それほどの異常な刺激なのだ。普通にピンピンしている小愛の方がおかしいだけだった。

「では次はこちらだな。確率は3分の1……そろそろ怪しいかな?」
「ぐぅっ……」

 なすすべなく銃を突き付けられた小愛は威嚇するように声を漏らすが、男にそれが通用するはずも無く彼はハンマーを下ろし……引き金を引いた。

 その瞬間、それまでとは違うズドンッと言う重い音が部屋の中に響いた。

「あー残念……『外れ』だ。ま、運が無かったな。恨むなら自分の運の無さを恨んでくれ。ということで、今回の勝者は……」

 そうして男が小愛の前にいる少女の元に向かって歩き始めた時だった。

「君……だ?」

 突如として男の胸元から刃が突き出る。

「な、何故生きて……いる?」

 男は血を吐きながら自らに攻撃を仕掛けてきた存在……死んだはずの小愛に対してそう言った。

「私、銃弾効かないので」
「そんなことが……あって良いものか……」

 その言葉を最後に男はその場に崩れ落ちたのだった。

 そう、小愛は最初からこれが目的だったのだ。
 彼女が受けた依頼の内容。それは、少女を誘拐しては闇のゲームに参加させているという裏組織の壊滅だった。
 彼女が何の抵抗も無く捕まったのも組織の拠点の中に入り込むためだったのだ。
 同時に何の抵抗も無くゲームに参加させられたのも実行役を捕えるためであり、さらに魔導水晶から魔力パスを通じてオーディエンスの居場所を掴むためだった。

 彼女の活躍もあって裏組織とそれに関わる存在は一斉に壊滅させられ、世界はまた少し平和になったのだった。
 なお小愛はどさくさに紛れて淫弾を持ちだしており、たまに自らに撃ち込んでいる。
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