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95 新装備のテスト
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今回小愛がやってきたのは森でもダンジョンでも無く、とある鍛冶屋であった。
というのも彼女が今回引き受けた依頼というのが新装備のテストだったのだ。
「おお、君が依頼を引き受けてくれたと言う冒険者か」
小愛が店の前に辿り着くと同時に小学生程の身長の少女が出てきたのだった。
しかしその見た目とは裏腹に放つオーラには凄みがあり、見た目と年齢が一致していないことは誰が見ても明らかだろう。
「あなたが依頼主の方ですか?」
「ああ、そうさ。私はドワーフのグレン。新装備のテストをお願いしたくて依頼を出したんだ」
そう言うとグレンは小愛を店内へと案内した。
彼女の店の中には彼女が作ったのであろう装備品が多く並べられており、そのどれもが一級品のものであることがうかがえる。
そんな中、一際異彩を放つ装備が一つあった。
「……嫌な予感が」
それを見た瞬間、小愛の中に嫌な予感と言う電流が走る。
「実は今回試して欲しい装備がこのビキニアーマーなんだ」
「うわーやっぱり!」
なんとなくそんな気はしていた小愛だったのだが、案の定その予感は的中してしまったようだ。
「作ったのは良いんだがほら、私はこの体型だろう? 使うにも使えなくてね。そこで依頼を出したって言う訳さ」
グレンが言うように、この装備品はとてもじゃないが幼女に片足を突っ込んでいる見た目の彼女には使えないものだった。
しかしだからと言って大事な部分だけを隠しているような破廉恥すぎるそれを他人に装備させるのもどうかとは思う所だろう。
だが生憎とドワーフにはそう言った感性は無かった。
自分の作った最高傑作を世に出したい。その一心で動いていた。それしか無かった。
その下心の無い屈託なき眼を見てしまった小愛はついにはその装備のテストを引き受けることを決意し、魔物狩りへと向かうことになったのだった。
「はぁ……勢いで引き受けちゃったけど……」
小愛は自らの纏っている……いやもはや張りつけていると言ってもいい程に露出面積の多いその装備を眺める。
「確かに可愛い装備とかえっちな装備は好きだけど、流石にここまで露出していると……いやいや誰にも会わなければ良いだけだし、気にしない気にしない!」
そう言って自己暗示をかけるように自分に言い聞かせる小愛。
そんな彼女の元に一体の魔物が現れた。
「出た! あれはユニコーン……じゃなくてニードルホースか」
それは巨大な角を持つ馬型の魔物であるニードルホースだった。
その見た目から姿の似ているユニコーンと間違われがちだが、ユニコーンと違いニードルホースはその角を飛ばすことができる。
さらには高速で角を再生成することも出来、高頻度で遠距離攻撃をしてくる中々厄介な魔物だった。
もっともユニコーンと違って魔法は一切使えず、その身体能力も比べるまでも無い程に低い。対策さえ出来れば簡単に無力化できる魔物でもあるのだ。
そんなエアプユニコーンは小愛を見るなりその角を飛ばして攻撃を開始した。
「うぁっいきなり!?」
あまりにも突然過ぎたその攻撃に小愛は反応出来なかった。
しかし飛んできた角は小愛のビキニアーマーの胸部分に当たると、いとも容易く跳ね返されてしまったのだった。
「おお、これは凄い……見た目はあれだけど性能は本物なんだこの装備……」
角が当たった箇所には傷一つ無く、何事も無かったかのようだった。
それもそのはずで、このビキニアーマーはグレンの能力をフルに使って作られた最高傑作だったのだ。
彼女曰く装備部分で上手く攻撃を受けられれば下手な金属甲冑よりも防御力が高いのだとか。
その言葉に最初の内は半信半疑だった小愛も、今目の前で起こったことを見てしまっては信じるしか無い。
「確かにこの性能ならかなり強力な攻撃でも耐えられそう……だけどやっぱりこの露出はいらなくない?」
小愛は当然の疑問を呟く。しかしそう簡単な話でも無かったのだ。
全身を覆うタイプの甲冑はその防御力の代償としてとてつもなく重い。だが軽い素材では今度は敏捷性と引き換えに防御力を犠牲にしなければならない。
それを解決するためにグレンが研究を重ね、ついに辿り着いたのがこのビキニアーマーだった。
甲冑のような防御力を維持しつつ動きやすさや敏捷性を維持するための方法。それは至極単純な話であり、当たり前すぎて誰もが気付けなかったもの。
それこそが鎧部分を極端に小さくして重量を削減するというビキニアーマーその姿だった。
もっともそれを実用することは難しい。攻撃を受けられる場所が指定されているために練度の高い者でなければ使いこなすことが難しいのだ。
だが裏を返せば使いこなせれば完璧な装備だと言う事になる。
そんな偉大な装備を作り出したグレンは後に世界にこう伝わる。
誰でも出来そうな事でも、最初に行うことはむずかしいということを現わす『グレンのビキニアーマー』として……。
ということでビキニアーマーの異常な露出面積に正当性を持たせた所で小愛の背後かの草むらから物音がしたのだった。
「何……? 魔物……?」
その音は徐々に大きくなっていき、ついにその音の正体が姿を現す。
「ふぅ、やっと開けた場所に出られたか……えっ、痴女……?」
それは全身草だらけになった男冒険者だった。
そんな彼はすぐさま目の前の光景を疑うことになる。何しろ森の中に馬鹿みたいな露出をした装備の少女がいたのだ。
どう考えてもおかしいその光景をすぐに信じることができるだろうか。いや出来ない。
「あ、はは……これは幻覚か? もしかして俺は薄暗い森の中でぶっ倒れてそのまま……」
とそんな感じで自らの精神を疑うことになった。
「……っ!?」
一方破廉恥すぎるその恰好を見られてしまった小愛は言葉を発することが出来ず、羞恥心に徐々に侵食されていく。
そうして顔が熱くなっていくのを感じながらただただ場の空気に身を任せることしか出来なかった。
「ああ、そうか……もう死ぬ間際だから最後に良い物見せようと……ああ神様感謝します」
「……」
そこで小愛が動く。羞恥心が限界まで達してしまった彼女の頭はバグってしまっていた。
羞恥心が限界突破し背徳感と妙な気持ち良さに襲われてしまった小愛。そんな彼女は男の前に移動し、なんと自ら胸を覆っていたビキニアーマーを取り外したのだった。
「おぉっ……!?」
それに男は反応する。
小愛の小さくもハリのある可愛らしい胸が男の前に露わになり、男の視線はそれに釘付けとなった。
「はぁ……はぁ……」
徐々に息が荒くなっていく小愛。いけないことをしているという自覚はあったものの、それ以上の快楽が彼女の頭の中をぐちゃぐちゃに混ぜてしまっていた。
しかしそこで男は鼻血を噴き出しながら倒れてしまう。
と言うのも小愛が無意識に催淫スキルを発動させてしまっていたのだ。そして偶然にもこの男には催淫が効きすぎてしまう体質があった。
その結果限界を超えた男の精神と体はそこで限界を迎えたということになる。
「ぁ……」
そんな男を見て理性を取り戻した小愛。
当たり前だが今行っていたことも記憶しているため、その顔が茹でダコのように赤く染まって行く。
「うっぁぁぁ!?」
小愛はその場にしゃがみ込んで叫ぶ。そうなっても仕方のない状況ではあった。
その後しばらくして落ち着いた小愛は元の装備に着替えてから男を街まで運び、全てを無かったことにしたのだった。
しかしあの時の感覚を忘れらない小愛は今でもたまにビキニアーマーで森を徘徊しているのだと言う。
というのも彼女が今回引き受けた依頼というのが新装備のテストだったのだ。
「おお、君が依頼を引き受けてくれたと言う冒険者か」
小愛が店の前に辿り着くと同時に小学生程の身長の少女が出てきたのだった。
しかしその見た目とは裏腹に放つオーラには凄みがあり、見た目と年齢が一致していないことは誰が見ても明らかだろう。
「あなたが依頼主の方ですか?」
「ああ、そうさ。私はドワーフのグレン。新装備のテストをお願いしたくて依頼を出したんだ」
そう言うとグレンは小愛を店内へと案内した。
彼女の店の中には彼女が作ったのであろう装備品が多く並べられており、そのどれもが一級品のものであることがうかがえる。
そんな中、一際異彩を放つ装備が一つあった。
「……嫌な予感が」
それを見た瞬間、小愛の中に嫌な予感と言う電流が走る。
「実は今回試して欲しい装備がこのビキニアーマーなんだ」
「うわーやっぱり!」
なんとなくそんな気はしていた小愛だったのだが、案の定その予感は的中してしまったようだ。
「作ったのは良いんだがほら、私はこの体型だろう? 使うにも使えなくてね。そこで依頼を出したって言う訳さ」
グレンが言うように、この装備品はとてもじゃないが幼女に片足を突っ込んでいる見た目の彼女には使えないものだった。
しかしだからと言って大事な部分だけを隠しているような破廉恥すぎるそれを他人に装備させるのもどうかとは思う所だろう。
だが生憎とドワーフにはそう言った感性は無かった。
自分の作った最高傑作を世に出したい。その一心で動いていた。それしか無かった。
その下心の無い屈託なき眼を見てしまった小愛はついにはその装備のテストを引き受けることを決意し、魔物狩りへと向かうことになったのだった。
「はぁ……勢いで引き受けちゃったけど……」
小愛は自らの纏っている……いやもはや張りつけていると言ってもいい程に露出面積の多いその装備を眺める。
「確かに可愛い装備とかえっちな装備は好きだけど、流石にここまで露出していると……いやいや誰にも会わなければ良いだけだし、気にしない気にしない!」
そう言って自己暗示をかけるように自分に言い聞かせる小愛。
そんな彼女の元に一体の魔物が現れた。
「出た! あれはユニコーン……じゃなくてニードルホースか」
それは巨大な角を持つ馬型の魔物であるニードルホースだった。
その見た目から姿の似ているユニコーンと間違われがちだが、ユニコーンと違いニードルホースはその角を飛ばすことができる。
さらには高速で角を再生成することも出来、高頻度で遠距離攻撃をしてくる中々厄介な魔物だった。
もっともユニコーンと違って魔法は一切使えず、その身体能力も比べるまでも無い程に低い。対策さえ出来れば簡単に無力化できる魔物でもあるのだ。
そんなエアプユニコーンは小愛を見るなりその角を飛ばして攻撃を開始した。
「うぁっいきなり!?」
あまりにも突然過ぎたその攻撃に小愛は反応出来なかった。
しかし飛んできた角は小愛のビキニアーマーの胸部分に当たると、いとも容易く跳ね返されてしまったのだった。
「おお、これは凄い……見た目はあれだけど性能は本物なんだこの装備……」
角が当たった箇所には傷一つ無く、何事も無かったかのようだった。
それもそのはずで、このビキニアーマーはグレンの能力をフルに使って作られた最高傑作だったのだ。
彼女曰く装備部分で上手く攻撃を受けられれば下手な金属甲冑よりも防御力が高いのだとか。
その言葉に最初の内は半信半疑だった小愛も、今目の前で起こったことを見てしまっては信じるしか無い。
「確かにこの性能ならかなり強力な攻撃でも耐えられそう……だけどやっぱりこの露出はいらなくない?」
小愛は当然の疑問を呟く。しかしそう簡単な話でも無かったのだ。
全身を覆うタイプの甲冑はその防御力の代償としてとてつもなく重い。だが軽い素材では今度は敏捷性と引き換えに防御力を犠牲にしなければならない。
それを解決するためにグレンが研究を重ね、ついに辿り着いたのがこのビキニアーマーだった。
甲冑のような防御力を維持しつつ動きやすさや敏捷性を維持するための方法。それは至極単純な話であり、当たり前すぎて誰もが気付けなかったもの。
それこそが鎧部分を極端に小さくして重量を削減するというビキニアーマーその姿だった。
もっともそれを実用することは難しい。攻撃を受けられる場所が指定されているために練度の高い者でなければ使いこなすことが難しいのだ。
だが裏を返せば使いこなせれば完璧な装備だと言う事になる。
そんな偉大な装備を作り出したグレンは後に世界にこう伝わる。
誰でも出来そうな事でも、最初に行うことはむずかしいということを現わす『グレンのビキニアーマー』として……。
ということでビキニアーマーの異常な露出面積に正当性を持たせた所で小愛の背後かの草むらから物音がしたのだった。
「何……? 魔物……?」
その音は徐々に大きくなっていき、ついにその音の正体が姿を現す。
「ふぅ、やっと開けた場所に出られたか……えっ、痴女……?」
それは全身草だらけになった男冒険者だった。
そんな彼はすぐさま目の前の光景を疑うことになる。何しろ森の中に馬鹿みたいな露出をした装備の少女がいたのだ。
どう考えてもおかしいその光景をすぐに信じることができるだろうか。いや出来ない。
「あ、はは……これは幻覚か? もしかして俺は薄暗い森の中でぶっ倒れてそのまま……」
とそんな感じで自らの精神を疑うことになった。
「……っ!?」
一方破廉恥すぎるその恰好を見られてしまった小愛は言葉を発することが出来ず、羞恥心に徐々に侵食されていく。
そうして顔が熱くなっていくのを感じながらただただ場の空気に身を任せることしか出来なかった。
「ああ、そうか……もう死ぬ間際だから最後に良い物見せようと……ああ神様感謝します」
「……」
そこで小愛が動く。羞恥心が限界まで達してしまった彼女の頭はバグってしまっていた。
羞恥心が限界突破し背徳感と妙な気持ち良さに襲われてしまった小愛。そんな彼女は男の前に移動し、なんと自ら胸を覆っていたビキニアーマーを取り外したのだった。
「おぉっ……!?」
それに男は反応する。
小愛の小さくもハリのある可愛らしい胸が男の前に露わになり、男の視線はそれに釘付けとなった。
「はぁ……はぁ……」
徐々に息が荒くなっていく小愛。いけないことをしているという自覚はあったものの、それ以上の快楽が彼女の頭の中をぐちゃぐちゃに混ぜてしまっていた。
しかしそこで男は鼻血を噴き出しながら倒れてしまう。
と言うのも小愛が無意識に催淫スキルを発動させてしまっていたのだ。そして偶然にもこの男には催淫が効きすぎてしまう体質があった。
その結果限界を超えた男の精神と体はそこで限界を迎えたということになる。
「ぁ……」
そんな男を見て理性を取り戻した小愛。
当たり前だが今行っていたことも記憶しているため、その顔が茹でダコのように赤く染まって行く。
「うっぁぁぁ!?」
小愛はその場にしゃがみ込んで叫ぶ。そうなっても仕方のない状況ではあった。
その後しばらくして落ち着いた小愛は元の装備に着替えてから男を街まで運び、全てを無かったことにしたのだった。
しかしあの時の感覚を忘れらない小愛は今でもたまにビキニアーマーで森を徘徊しているのだと言う。
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