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59 人格排泄
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「ぐっ……離して!」
いつものように依頼をこなしていた小愛は突然拘束されてしまっていた。
「離してと言われて離すやつがいるのかしら?」
小愛の前にいる女性は長手袋の上からでもわかる細くてしなやかな人差し指で喚く小愛の頬をそっと撫でながらそう言った。
「は、離し……て……」
すると小愛の様子が変わっていく。
今の今まで拘束具を外そうと暴れたり喚き散らしていた小愛だが、その面影が全く感じられない程に落ち着いていた。
「……もう効いてきたの? 流石は獣王様の用意した薬ね」
女性の視線は先程彼女が小愛に触れた場所を向いていた。
そこには粘土の高い液体が纏わりついており、それこそが彼女の言う薬なのだろう。
「ふぅ……ふぅ……」
「どんな気分? 体の奥から熱くなって何も考えられなくなっちゃうくらい幸せでしょう?」
女性は身体をピクピクと震わせている小愛の頭を優しく撫でた。
「ぁぅ……♡」
「私も獣王様にこれを塗られた時、それはそれは幸せだったわ。貴女も今、きっととても幸せでしょう……けどね」
「ぉぅ゛っ!?」
小愛が薬の効果で完全に蕩けているのを確認した女性は小愛の小さいながらもむちむちな尻の中心にある肛門へと管を突き刺した。
本来ならば痛みが小愛を襲う所だが、薬によってその衝撃は快楽となり小愛の身体を駆け巡っていた。
「私、考えたの。あの魔王も冥王も退けたという貴女はとても強い。だからその体を奪わせてもらうわ」
女性は管の先に繋がっている装置のスイッチを入れる。
するとその装置は動き出し小愛の中から何かを吸い出し始めた。
「おぉ゛っ゛!?」
「順調ね。貴女の体が手に入れば私は獣王様のための力を手に入れられる。もっと獣王に近づける……」
意識が朦朧としている小愛は一切の抵抗が出来ずに尻穴に刺された管からその人格が排泄させられていた。
このまま小愛の人格は全て吸い出されてしまうかと思えたが、ここで彼女は目を覚ました。
もっとも、だからどうしたという話ではあったのだが。
「あ、あれ……?」
「あら、目を覚ましちゃったのね」
「何が起こって……ぉぉ゛っ゛」
麻痺耐性によって薬の効果が軽減され意識がハッキリした小愛だが、そのせいで管による肛門責めの刺激がダイレクトに伝わってしまっていた。
「意識を手放したままなら苦しまずに済んだのに。まあいいわ。それなら徐々に人格が吐き出されていく貴女を見て楽しむとしましょう」
「人格が……吐き出される……?」
小愛は女性の言葉を理解できなかった。
普通に考えて人格が体外へと排泄されるなど考えたこともないだろう。
それは実際にされるのであればなおのことだ。
しかし小愛は人格排泄については知っていた……知っていたのだ。つい先程までは。
今、小愛の人格は二割ほど装置によって吸い出されている。彼女の持つ人格排泄についての記憶はそちらの方へ既に出てしまっていたのだった。
「そろそろ半分かしら。どう? 人格が排泄されていく感覚は」
「排泄がどういうことかはわからないけど、いつまでもやられっぱなしだと思ったら大間違いだからね!」
煽るように話しかけてくる女性に向かって小愛は魔法を放とうとした。
しかし何も起こらなかった。
「あれ、何で……」
魔法が発動しなかった小愛は焦りを見せ、何度も何度も魔法を発動させようとした。
しかしそのどれもが不発に終わってしまった。
「ふふっ……残念。貴女が抵抗できないように戦闘に関する事は最初の方に抜き出しておいたの」
「そんな……」
「だからね。このまま惨めに排泄されちゃってね♡」
小愛はまだなんとか出来ないかと頭を回す。だが既に七割ほどを吸い出されている彼女はもうどうにもならなかった。
「やだ……やだよ……!」
「あらあら可哀想に。もっとその可哀想で可愛い顔を見せて頂戴」
女性は涙でぐしゃぐしゃになった小愛の顔を掴んで無理やり自身に向けさせた。
それから数分も経たない内に小愛の意識が朦朧とし始めた。
なんとか排泄されないように我慢しようと尻に力を入れる小愛だが、強制的に人格を吸い取る管の前に意味は無かった。
そしてついに小愛は諦めてしまった。
もはや悲しさや辛さ、恐怖を抱くことも彼女には出来なかった。
「そろそろ全て排泄されるわね。さあ、最後に言い残すことはあるかしら?」
「んぉ……ぉぉ……」
「あら……もう言語能力もなくなってしまったのね」
小愛の身体は最後にビクンと大きく揺れると同時に派手に喘ぎ声を漏らし、それ以降声を発することはなかった。
そして管からももう何も出てくることは無かった。
「完璧に吸い出せたようね。それじゃあもうこの管はいらないわ」
女性は小愛の肛門から管を抜き、装置へと戻した。
その時彼女は装置の中で何かが蠢いているのに気づいた。
「……これは?」
装置の中で蠢くゲル状のもの。それはどうやら女性に反応していた。
「……なるほど。流石は魔王と冥王を退けた存在ね」
女性はそう言って部屋の奥から何かを持ってきて装置に付けた。
「絶対許さないから!」
すると部屋に響いたのは小愛の声だった。
どうやら吸い出されたゲル状の人格液のまま小愛は活動出来るようだった。
女性が装置に付けたのは魔力パスを使って翻訳する装置であり、小愛はそれを使うことで声を発することが出来るようになったわけだ。
「許さないと言っても、今の貴女に何ができるのかしらね」
「ぐっぅぅ……」
図星を突かれたのか小愛はそのまま黙ってしまう。
「それよりも貴女に意識があるのなら面白いことが出来そうね」
「面白いこと……って何を!?」
女性は小愛に見えるように、小愛の身体を弄び始めた。
「ほら、こことかどうかしら」
そう言って女性は小愛の小さく可愛らしい胸に触れる。
そして手のひらで包み込んで揉み始めた。
「凄く柔らかくて触っている方も気持ちよくなってきちゃう♡ あら、あっという間に先っちょが」
「や、やめて……!」
意識は無くとも小愛の身体は刺激にはしっかりと反応していた。
「それじゃあこういうのはどうかしら? ちゅぷっ……」
勃起した小愛の乳首を女性はしゃぶった。そして舌でコリコリと刺激し始める。
「ぷはっ……自分の体が好き勝手犯されているのを指をくわえてみていなさい。まあ今の貴女に指はないのだけどね」
「ぅぅ……」
小愛の身体は女性にイジられる度にビクビクと震えた。快楽自体はしっかりと感じていた。
それを見て小愛は我慢できなくなっていた。
「わ、私も……」
「あら、なにか言ったかしら」
「私も気持ちよくしてください……!」
眼の前で自分の身体が弄ばれているのを見させられ、小愛はもう我慢の限界だったのだ。
プライドも今の彼女には無かった。
「だーめ♡」
しかし返ってきたのは絶望的な返事だった。
「そんな……」
「貴女はそうして絶望していればいいのよ。ほら、最後にココいっちゃうわよ。しっかり見てなさい」
女性は小愛の秘部に触れる。
そしてゆっくりと細い指を中へと侵入させていった。
「ぁ……」
「温かくてヌルヌルして……意識は無いのに体は欲情しちゃってるのね♡ ならお望み通りにしてあげる!」
女性は指をぐちゅぐちゅと動かして小愛のナカをかきまわす。
その刺激は恐ろしいもので、ついに限界を迎えた小愛の身体は大きく跳ねた。
「ふぅ……♡ 貴女の体、中々良かったわ。でも本番はこれから……」
小愛の身体が落ち着いたのを確認した女性は自身と小愛の額を触れ合わせそのまま魔法の詠唱を始めた。
「なにをしてるの……!」
当然小愛はその状況をよく思ってはいなかった。
しかし女性は小愛の声に耳を貸すことは無く、そのまま詠唱を終えた。
するとなんということか。女性の身体がその場に崩れ落ち、代わりに小愛の身体が目を開けたのだ。
「ふぅん……これが貴女の体なのね」
「ぁ……そんな……」
そう。女性は小愛の身体の中へと入ったのだ。
彼女の当初の目的である入れ代わりが成し遂げられたのだった。
しかしそこで彼女の様子がおかしくなり始めた。
「何!? な、なんで……なんで貴女が……!」
目に見えて動揺する女性。
「私は確かに人格を排泄させたハズ……! どうしてまだ貴女がいるの……!?」
「何が起こってるの……?」
眼の前の状況に小愛も困惑していた。
女性の言葉から察するに、どういうわけか小愛の身体の中には何故かまだ小愛がいるのだ。
「ぁ、ぁぁ!? や、やめなさい! 飲み込まれ……て、私ガ私じャ無くな……ル……」
そこで小愛の身体はバタンと崩れ落ちた。
そして数秒後、立ち上がった小愛の身体は装置へと向かっていきゲル小愛を取り出した。
「……どういうこと?」
「安心して。私は私だから」
「……ぅへ?」
いよいよ小愛には何もかもわからなくなってしまった。
しかしそんな小愛のことはお構いなしに小愛の身体は現実改変を発動して小愛をゲル小愛から元の姿に戻した。
「ぇ……?」
「覚えてない? 前に私を生み出してくれたでしょ?」
「生み出す……もしかして現実改変で生み出したもう一人の私……!?」
「そう。あれから私の中に精神だけ残っていて、少しずつ成長していたんだよ」
もう一人の小愛はそう言う。しかし小愛は特に疑うことはしなかった。疑う意味がなかった。
なにしろ彼女たち二人は魔力パスで繋がり始めていた。
互いに考えていることがわかるのだ。
「でも、どうしようか……二人一緒に帰る訳にはいかないよね……」
「それなら私は別の街に行くよ。まだまだこの世界について知りたいこともあるしね」
「……本当に良いの? そっちだってフタナ君やメルトさんとの記憶もあるんだよね……?」
小愛はもう一人の自分に対してそう言った。記憶は共有しているのだ。
「ううん、大丈夫。私は私だから」
「……わかった。それなら私の好きにして」
「うん。また会えたらその時はよろしくね」
「会えたらじゃないよ。絶対にまた会うんだ」
「……うん、そうだね!」
こうして二人の小愛は別れ、お互いにそれぞれの道を進むことにしたのだった。
なお当然だが周りは混乱した。
[形状変化を習得しました]
[分身を習得しました]
いつものように依頼をこなしていた小愛は突然拘束されてしまっていた。
「離してと言われて離すやつがいるのかしら?」
小愛の前にいる女性は長手袋の上からでもわかる細くてしなやかな人差し指で喚く小愛の頬をそっと撫でながらそう言った。
「は、離し……て……」
すると小愛の様子が変わっていく。
今の今まで拘束具を外そうと暴れたり喚き散らしていた小愛だが、その面影が全く感じられない程に落ち着いていた。
「……もう効いてきたの? 流石は獣王様の用意した薬ね」
女性の視線は先程彼女が小愛に触れた場所を向いていた。
そこには粘土の高い液体が纏わりついており、それこそが彼女の言う薬なのだろう。
「ふぅ……ふぅ……」
「どんな気分? 体の奥から熱くなって何も考えられなくなっちゃうくらい幸せでしょう?」
女性は身体をピクピクと震わせている小愛の頭を優しく撫でた。
「ぁぅ……♡」
「私も獣王様にこれを塗られた時、それはそれは幸せだったわ。貴女も今、きっととても幸せでしょう……けどね」
「ぉぅ゛っ!?」
小愛が薬の効果で完全に蕩けているのを確認した女性は小愛の小さいながらもむちむちな尻の中心にある肛門へと管を突き刺した。
本来ならば痛みが小愛を襲う所だが、薬によってその衝撃は快楽となり小愛の身体を駆け巡っていた。
「私、考えたの。あの魔王も冥王も退けたという貴女はとても強い。だからその体を奪わせてもらうわ」
女性は管の先に繋がっている装置のスイッチを入れる。
するとその装置は動き出し小愛の中から何かを吸い出し始めた。
「おぉ゛っ゛!?」
「順調ね。貴女の体が手に入れば私は獣王様のための力を手に入れられる。もっと獣王に近づける……」
意識が朦朧としている小愛は一切の抵抗が出来ずに尻穴に刺された管からその人格が排泄させられていた。
このまま小愛の人格は全て吸い出されてしまうかと思えたが、ここで彼女は目を覚ました。
もっとも、だからどうしたという話ではあったのだが。
「あ、あれ……?」
「あら、目を覚ましちゃったのね」
「何が起こって……ぉぉ゛っ゛」
麻痺耐性によって薬の効果が軽減され意識がハッキリした小愛だが、そのせいで管による肛門責めの刺激がダイレクトに伝わってしまっていた。
「意識を手放したままなら苦しまずに済んだのに。まあいいわ。それなら徐々に人格が吐き出されていく貴女を見て楽しむとしましょう」
「人格が……吐き出される……?」
小愛は女性の言葉を理解できなかった。
普通に考えて人格が体外へと排泄されるなど考えたこともないだろう。
それは実際にされるのであればなおのことだ。
しかし小愛は人格排泄については知っていた……知っていたのだ。つい先程までは。
今、小愛の人格は二割ほど装置によって吸い出されている。彼女の持つ人格排泄についての記憶はそちらの方へ既に出てしまっていたのだった。
「そろそろ半分かしら。どう? 人格が排泄されていく感覚は」
「排泄がどういうことかはわからないけど、いつまでもやられっぱなしだと思ったら大間違いだからね!」
煽るように話しかけてくる女性に向かって小愛は魔法を放とうとした。
しかし何も起こらなかった。
「あれ、何で……」
魔法が発動しなかった小愛は焦りを見せ、何度も何度も魔法を発動させようとした。
しかしそのどれもが不発に終わってしまった。
「ふふっ……残念。貴女が抵抗できないように戦闘に関する事は最初の方に抜き出しておいたの」
「そんな……」
「だからね。このまま惨めに排泄されちゃってね♡」
小愛はまだなんとか出来ないかと頭を回す。だが既に七割ほどを吸い出されている彼女はもうどうにもならなかった。
「やだ……やだよ……!」
「あらあら可哀想に。もっとその可哀想で可愛い顔を見せて頂戴」
女性は涙でぐしゃぐしゃになった小愛の顔を掴んで無理やり自身に向けさせた。
それから数分も経たない内に小愛の意識が朦朧とし始めた。
なんとか排泄されないように我慢しようと尻に力を入れる小愛だが、強制的に人格を吸い取る管の前に意味は無かった。
そしてついに小愛は諦めてしまった。
もはや悲しさや辛さ、恐怖を抱くことも彼女には出来なかった。
「そろそろ全て排泄されるわね。さあ、最後に言い残すことはあるかしら?」
「んぉ……ぉぉ……」
「あら……もう言語能力もなくなってしまったのね」
小愛の身体は最後にビクンと大きく揺れると同時に派手に喘ぎ声を漏らし、それ以降声を発することはなかった。
そして管からももう何も出てくることは無かった。
「完璧に吸い出せたようね。それじゃあもうこの管はいらないわ」
女性は小愛の肛門から管を抜き、装置へと戻した。
その時彼女は装置の中で何かが蠢いているのに気づいた。
「……これは?」
装置の中で蠢くゲル状のもの。それはどうやら女性に反応していた。
「……なるほど。流石は魔王と冥王を退けた存在ね」
女性はそう言って部屋の奥から何かを持ってきて装置に付けた。
「絶対許さないから!」
すると部屋に響いたのは小愛の声だった。
どうやら吸い出されたゲル状の人格液のまま小愛は活動出来るようだった。
女性が装置に付けたのは魔力パスを使って翻訳する装置であり、小愛はそれを使うことで声を発することが出来るようになったわけだ。
「許さないと言っても、今の貴女に何ができるのかしらね」
「ぐっぅぅ……」
図星を突かれたのか小愛はそのまま黙ってしまう。
「それよりも貴女に意識があるのなら面白いことが出来そうね」
「面白いこと……って何を!?」
女性は小愛に見えるように、小愛の身体を弄び始めた。
「ほら、こことかどうかしら」
そう言って女性は小愛の小さく可愛らしい胸に触れる。
そして手のひらで包み込んで揉み始めた。
「凄く柔らかくて触っている方も気持ちよくなってきちゃう♡ あら、あっという間に先っちょが」
「や、やめて……!」
意識は無くとも小愛の身体は刺激にはしっかりと反応していた。
「それじゃあこういうのはどうかしら? ちゅぷっ……」
勃起した小愛の乳首を女性はしゃぶった。そして舌でコリコリと刺激し始める。
「ぷはっ……自分の体が好き勝手犯されているのを指をくわえてみていなさい。まあ今の貴女に指はないのだけどね」
「ぅぅ……」
小愛の身体は女性にイジられる度にビクビクと震えた。快楽自体はしっかりと感じていた。
それを見て小愛は我慢できなくなっていた。
「わ、私も……」
「あら、なにか言ったかしら」
「私も気持ちよくしてください……!」
眼の前で自分の身体が弄ばれているのを見させられ、小愛はもう我慢の限界だったのだ。
プライドも今の彼女には無かった。
「だーめ♡」
しかし返ってきたのは絶望的な返事だった。
「そんな……」
「貴女はそうして絶望していればいいのよ。ほら、最後にココいっちゃうわよ。しっかり見てなさい」
女性は小愛の秘部に触れる。
そしてゆっくりと細い指を中へと侵入させていった。
「ぁ……」
「温かくてヌルヌルして……意識は無いのに体は欲情しちゃってるのね♡ ならお望み通りにしてあげる!」
女性は指をぐちゅぐちゅと動かして小愛のナカをかきまわす。
その刺激は恐ろしいもので、ついに限界を迎えた小愛の身体は大きく跳ねた。
「ふぅ……♡ 貴女の体、中々良かったわ。でも本番はこれから……」
小愛の身体が落ち着いたのを確認した女性は自身と小愛の額を触れ合わせそのまま魔法の詠唱を始めた。
「なにをしてるの……!」
当然小愛はその状況をよく思ってはいなかった。
しかし女性は小愛の声に耳を貸すことは無く、そのまま詠唱を終えた。
するとなんということか。女性の身体がその場に崩れ落ち、代わりに小愛の身体が目を開けたのだ。
「ふぅん……これが貴女の体なのね」
「ぁ……そんな……」
そう。女性は小愛の身体の中へと入ったのだ。
彼女の当初の目的である入れ代わりが成し遂げられたのだった。
しかしそこで彼女の様子がおかしくなり始めた。
「何!? な、なんで……なんで貴女が……!」
目に見えて動揺する女性。
「私は確かに人格を排泄させたハズ……! どうしてまだ貴女がいるの……!?」
「何が起こってるの……?」
眼の前の状況に小愛も困惑していた。
女性の言葉から察するに、どういうわけか小愛の身体の中には何故かまだ小愛がいるのだ。
「ぁ、ぁぁ!? や、やめなさい! 飲み込まれ……て、私ガ私じャ無くな……ル……」
そこで小愛の身体はバタンと崩れ落ちた。
そして数秒後、立ち上がった小愛の身体は装置へと向かっていきゲル小愛を取り出した。
「……どういうこと?」
「安心して。私は私だから」
「……ぅへ?」
いよいよ小愛には何もかもわからなくなってしまった。
しかしそんな小愛のことはお構いなしに小愛の身体は現実改変を発動して小愛をゲル小愛から元の姿に戻した。
「ぇ……?」
「覚えてない? 前に私を生み出してくれたでしょ?」
「生み出す……もしかして現実改変で生み出したもう一人の私……!?」
「そう。あれから私の中に精神だけ残っていて、少しずつ成長していたんだよ」
もう一人の小愛はそう言う。しかし小愛は特に疑うことはしなかった。疑う意味がなかった。
なにしろ彼女たち二人は魔力パスで繋がり始めていた。
互いに考えていることがわかるのだ。
「でも、どうしようか……二人一緒に帰る訳にはいかないよね……」
「それなら私は別の街に行くよ。まだまだこの世界について知りたいこともあるしね」
「……本当に良いの? そっちだってフタナ君やメルトさんとの記憶もあるんだよね……?」
小愛はもう一人の自分に対してそう言った。記憶は共有しているのだ。
「ううん、大丈夫。私は私だから」
「……わかった。それなら私の好きにして」
「うん。また会えたらその時はよろしくね」
「会えたらじゃないよ。絶対にまた会うんだ」
「……うん、そうだね!」
こうして二人の小愛は別れ、お互いにそれぞれの道を進むことにしたのだった。
なお当然だが周りは混乱した。
[形状変化を習得しました]
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