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EX2 潜入ストリップショー
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[あらすじ]
ショータは敵対組織の収入源となっているストリップショーに潜入することになったぞ!
※内容※
ストリップダンス
肯定的メス堕ち
――――――
「どうして俺が!?」
突然ショータは声を荒らげた。
「仕方が無いんだ……今自由に動けるのはショータ殿くらいしか……」
極水龍は心の底からすまないといった表情と声色でショータにそう告げる。
事の発端はショータが敵対組織に潜入すると言う話からだった。それだけならばそこまで問題は無いだろう。単身で数々の強敵を葬って来た彼にとって、今さら単独潜入など難しい話では無いのだから。
しかしその潜入先が問題だった。
そこは……ストリップショーだったのだ。
「俺は男なんだ! そんな所に潜入なんて何考えてやがる!?」
彼の怒りは至極当然のものだった。しかしそれでも極水龍は引き下がらない。
「それしか……無いんだ……」
極水龍は覚悟の決まった声でショータにそう言った。
「……はぁ」
それを聞いたショータは少しの間黙って考え込むと、最終的にしぶしぶ受け入れたのだった。
この世界に来てから初めて出来た友である極水龍からのお願い。ましてや国を守るためのものであっては断れなかったのだ。
そうしてショータはストリップショーに潜入することとなった。
「くっ……!」
ショータは羞恥心で染まりきった、まるで性欲を露わにした小汚いオークを前にした麗しの女騎士のような声を漏らす。
「やっぱり私の見立て通りね」
そんな彼を見ながら一人の女性がどや顔で頷いていた。
「初めて見た時から貴女は才能の塊だと思ったのよ。思った通り、うちで一番の衣装をこれだけ着こなせるなんてね。私の目に狂いはないってことよ」
彼女がそれだけ言う通り、今ショータが身に纏っている衣装は色々と凄いものだった。
まず露出が異常に多い。まともな布面積が大事な部分しか隠れていないレベルである。それだけでは無く煌びやかな装飾も多く、まさに一番の目玉と言ったオーラを放っているものだった。
「着せてもらった俺が言うのもあれですけど……いきなりやってきた奴に着せるもんなんですかコレ?」
ショータは素朴な疑問を投げかけた。いきなりやってきた新参者に着せるにはあまりにも場違いと言うか、衣装の纏う雰囲気が違っていた。
「何言っているのよ! 貴女、多分この店でも一番スタイルが良いのよ? もう引退しちゃったあの子が使っていたその衣装……まさかまた使うことになるなんてね。現実って思っていた以上に驚きの連続だわ。よし、それじゃあ今度は演目の確認をしましょう!」
女性はひとしきり喋ると今度はショータの腕をとり、まだ客の入っていないメインホールに彼を連れて行った。
「ここがステージよ。ダンサーは中心の出っ張った所で踊ることになるんだけど……とりあえず私が一回お手本をするから見ていて」
そう言って女性はステージに向かって行き、そこの中心で踊り始めた。音楽も無しに完璧なリズム感で踊るその姿はまさに空を舞う蝶のような美しさがあった。
生命力を感じさせる力強さの中に、女性的なエレガントさやエロさも練り込まれている。それを見たショータは思う。
(あれを踊れと……?)
もはや彼にとって羞恥心だとかはどうでも良くなってしまっていた。何しろ、それ以上の問題が出て来たのだから。
「それじゃあ次は貴女の番ね。私の後に続いて踊ってみて」
女性はそう言ってショータと向かい合って踊り始めた。しかしその瞬間、彼女の動きは止まる。
「嘘……貴女、下手過ぎない……?」
女性は唖然とした表情でそう言う。そう、ショータは踊りが大の苦手だった。
幼少期の運動会では学年主任に頼むから踊らないでくれと全力でお願いされるほどには見る者を不快にさせる不気味で異質なものを披露していた。
当然そんな状態では中学、高校におけるダンスの授業でもそれはそれは顰蹙を買った。あまりの酷さにぶっ倒れる生徒が続出し授業が中止になる程だった。
しかし彼は運動神経が無い訳ではない。むしろ獣宿しの一族としての高い身体能力がある。
だがそれが駄目だった。それが全ての原因だった。ただ踊れないのでは無く、高い身体能力から繰り広げられる酷すぎる踊りだからこそそれだけの被害を出して周ったのだ。
「あ、あらら……どうしましょう……か」
そんなショータのSANチェックもののダンスを見ても女性は少し顔色を悪くするだけで耐えていた。流石はこの道で食って来ているプロである。経験と貫禄が違う。
そんな彼女は一つの手を思いついた。
「ねえ、一緒に踊りましょう?」
それはショータと一緒に踊ると言ったものだった。
その効果は凄まじく、邪神でも顕現しそうな程に異質だったショータの踊りが瞬く間にまともな物になっていったのだ。
「ストリップはパフォーマンスでありアートなの。内側から溢れる感情を踊りに込めて観客に届けるのよ」
「は、はい……!」
何とかついていくだけでも限界なショータだが、それでも最初の大惨事とは大違いだった。
「ふぅっ、これなら大丈夫そう。あと数十分後には客が入って来るから、その時はまたよろしくね」
それだけ言って女性はステージ裏に入って行く。ショータもそれに付いて行き、ステージが開始するまでの時間を緊張とともに待ち続けるのだった。
……そしてその時は来た。
客がゾロゾロと入ってきており、瞬く間にメインホールは満杯となっていた。
「それじゃあ行くよ」
「……はい!」
緊張に包まれながらもショータは女性と手を繋いだ状態で客の前へと出た。
いつになく真剣な顔のショータに不思議と恐怖心や羞恥心は無く、頭の中はダンスのことで一杯だった。
ステージは薄暗く、淡いピンクの光源魔法で中心が照らされている。そこに二人は歩いて行き、一礼した後に音楽とともにダンスは始まった。
新郎が新婦にエスコートをするように、女性はショータの手を軽く握りリードする。それに合わせるようにしてショータは先ほどと同じように手足を巧みに動かし、最低限ダンスとしての形は保てていた。
先程女性がショータに見せたような生命の脈動を感じさせる力強い踊りに、一転して女性のしなやかさを重視したようなものまで、幅広く二人は己の体で表現していく。
そしてショータと女性は互いに手を取り合い、肌を密着させたりして観客を大いに沸かせた。そう言う癖のある客にとってはまさに筆舌に尽くしがたい程に良いものとなっただろう。
二人共抜群のスタイルをしており、そのうえでかなり露出の際どい衣装だったというのもある。というか一部の観客には色々と見えてしまっていたのかもしれない。
それに気付いてしまったショータはそこで無くなっていたはずの羞恥心を思い出してしまい、途端に顔中を赤く染め、羞恥心に頭の中をぐちゃぐちゃにされてしまっていた。
それでも踊り続けられたのは彼の並外れた精神力によるものだろう。そしてそれがかえって場を湧きたてることにもなった。恥を感じながらも頑張って踊り続ける新人。それが刺さる者もこの場にはいたのだ。
そんな訳でショータの初陣は好調に終わった。公演が終わる頃にはダンスにも慣れていたのだが、何より今までの自分の踊りの酷さを知っていた彼はなんだか憑き物が取れたかのような爽やかな表情をしていた。
もう邪神召喚の儀式のような踊りで被害者を出すことは無いのだ。それが何よりも嬉しく、踊りで自らを表現する楽しさにも気づかされたのだった。そして、女の体で良かったとさえ思ってしまっていた。
そういうこともあって、ショータは本来の目的を忘れてストリップショーにのめり込んでいくことになる。
そのため、ショータの冒険は終わってしまった!
ショータは敵対組織の収入源となっているストリップショーに潜入することになったぞ!
※内容※
ストリップダンス
肯定的メス堕ち
――――――
「どうして俺が!?」
突然ショータは声を荒らげた。
「仕方が無いんだ……今自由に動けるのはショータ殿くらいしか……」
極水龍は心の底からすまないといった表情と声色でショータにそう告げる。
事の発端はショータが敵対組織に潜入すると言う話からだった。それだけならばそこまで問題は無いだろう。単身で数々の強敵を葬って来た彼にとって、今さら単独潜入など難しい話では無いのだから。
しかしその潜入先が問題だった。
そこは……ストリップショーだったのだ。
「俺は男なんだ! そんな所に潜入なんて何考えてやがる!?」
彼の怒りは至極当然のものだった。しかしそれでも極水龍は引き下がらない。
「それしか……無いんだ……」
極水龍は覚悟の決まった声でショータにそう言った。
「……はぁ」
それを聞いたショータは少しの間黙って考え込むと、最終的にしぶしぶ受け入れたのだった。
この世界に来てから初めて出来た友である極水龍からのお願い。ましてや国を守るためのものであっては断れなかったのだ。
そうしてショータはストリップショーに潜入することとなった。
「くっ……!」
ショータは羞恥心で染まりきった、まるで性欲を露わにした小汚いオークを前にした麗しの女騎士のような声を漏らす。
「やっぱり私の見立て通りね」
そんな彼を見ながら一人の女性がどや顔で頷いていた。
「初めて見た時から貴女は才能の塊だと思ったのよ。思った通り、うちで一番の衣装をこれだけ着こなせるなんてね。私の目に狂いはないってことよ」
彼女がそれだけ言う通り、今ショータが身に纏っている衣装は色々と凄いものだった。
まず露出が異常に多い。まともな布面積が大事な部分しか隠れていないレベルである。それだけでは無く煌びやかな装飾も多く、まさに一番の目玉と言ったオーラを放っているものだった。
「着せてもらった俺が言うのもあれですけど……いきなりやってきた奴に着せるもんなんですかコレ?」
ショータは素朴な疑問を投げかけた。いきなりやってきた新参者に着せるにはあまりにも場違いと言うか、衣装の纏う雰囲気が違っていた。
「何言っているのよ! 貴女、多分この店でも一番スタイルが良いのよ? もう引退しちゃったあの子が使っていたその衣装……まさかまた使うことになるなんてね。現実って思っていた以上に驚きの連続だわ。よし、それじゃあ今度は演目の確認をしましょう!」
女性はひとしきり喋ると今度はショータの腕をとり、まだ客の入っていないメインホールに彼を連れて行った。
「ここがステージよ。ダンサーは中心の出っ張った所で踊ることになるんだけど……とりあえず私が一回お手本をするから見ていて」
そう言って女性はステージに向かって行き、そこの中心で踊り始めた。音楽も無しに完璧なリズム感で踊るその姿はまさに空を舞う蝶のような美しさがあった。
生命力を感じさせる力強さの中に、女性的なエレガントさやエロさも練り込まれている。それを見たショータは思う。
(あれを踊れと……?)
もはや彼にとって羞恥心だとかはどうでも良くなってしまっていた。何しろ、それ以上の問題が出て来たのだから。
「それじゃあ次は貴女の番ね。私の後に続いて踊ってみて」
女性はそう言ってショータと向かい合って踊り始めた。しかしその瞬間、彼女の動きは止まる。
「嘘……貴女、下手過ぎない……?」
女性は唖然とした表情でそう言う。そう、ショータは踊りが大の苦手だった。
幼少期の運動会では学年主任に頼むから踊らないでくれと全力でお願いされるほどには見る者を不快にさせる不気味で異質なものを披露していた。
当然そんな状態では中学、高校におけるダンスの授業でもそれはそれは顰蹙を買った。あまりの酷さにぶっ倒れる生徒が続出し授業が中止になる程だった。
しかし彼は運動神経が無い訳ではない。むしろ獣宿しの一族としての高い身体能力がある。
だがそれが駄目だった。それが全ての原因だった。ただ踊れないのでは無く、高い身体能力から繰り広げられる酷すぎる踊りだからこそそれだけの被害を出して周ったのだ。
「あ、あらら……どうしましょう……か」
そんなショータのSANチェックもののダンスを見ても女性は少し顔色を悪くするだけで耐えていた。流石はこの道で食って来ているプロである。経験と貫禄が違う。
そんな彼女は一つの手を思いついた。
「ねえ、一緒に踊りましょう?」
それはショータと一緒に踊ると言ったものだった。
その効果は凄まじく、邪神でも顕現しそうな程に異質だったショータの踊りが瞬く間にまともな物になっていったのだ。
「ストリップはパフォーマンスでありアートなの。内側から溢れる感情を踊りに込めて観客に届けるのよ」
「は、はい……!」
何とかついていくだけでも限界なショータだが、それでも最初の大惨事とは大違いだった。
「ふぅっ、これなら大丈夫そう。あと数十分後には客が入って来るから、その時はまたよろしくね」
それだけ言って女性はステージ裏に入って行く。ショータもそれに付いて行き、ステージが開始するまでの時間を緊張とともに待ち続けるのだった。
……そしてその時は来た。
客がゾロゾロと入ってきており、瞬く間にメインホールは満杯となっていた。
「それじゃあ行くよ」
「……はい!」
緊張に包まれながらもショータは女性と手を繋いだ状態で客の前へと出た。
いつになく真剣な顔のショータに不思議と恐怖心や羞恥心は無く、頭の中はダンスのことで一杯だった。
ステージは薄暗く、淡いピンクの光源魔法で中心が照らされている。そこに二人は歩いて行き、一礼した後に音楽とともにダンスは始まった。
新郎が新婦にエスコートをするように、女性はショータの手を軽く握りリードする。それに合わせるようにしてショータは先ほどと同じように手足を巧みに動かし、最低限ダンスとしての形は保てていた。
先程女性がショータに見せたような生命の脈動を感じさせる力強い踊りに、一転して女性のしなやかさを重視したようなものまで、幅広く二人は己の体で表現していく。
そしてショータと女性は互いに手を取り合い、肌を密着させたりして観客を大いに沸かせた。そう言う癖のある客にとってはまさに筆舌に尽くしがたい程に良いものとなっただろう。
二人共抜群のスタイルをしており、そのうえでかなり露出の際どい衣装だったというのもある。というか一部の観客には色々と見えてしまっていたのかもしれない。
それに気付いてしまったショータはそこで無くなっていたはずの羞恥心を思い出してしまい、途端に顔中を赤く染め、羞恥心に頭の中をぐちゃぐちゃにされてしまっていた。
それでも踊り続けられたのは彼の並外れた精神力によるものだろう。そしてそれがかえって場を湧きたてることにもなった。恥を感じながらも頑張って踊り続ける新人。それが刺さる者もこの場にはいたのだ。
そんな訳でショータの初陣は好調に終わった。公演が終わる頃にはダンスにも慣れていたのだが、何より今までの自分の踊りの酷さを知っていた彼はなんだか憑き物が取れたかのような爽やかな表情をしていた。
もう邪神召喚の儀式のような踊りで被害者を出すことは無いのだ。それが何よりも嬉しく、踊りで自らを表現する楽しさにも気づかされたのだった。そして、女の体で良かったとさえ思ってしまっていた。
そういうこともあって、ショータは本来の目的を忘れてストリップショーにのめり込んでいくことになる。
そのため、ショータの冒険は終わってしまった!
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