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IF15 マナツカミのエネルギードレイン
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[あらすじ]
敵組織の策略により巨大な怪物であるマナツカミが復活してしまう。この魔物は一定範囲内の生物から魔力と生命力を吸い取る能力を持っているため、ショータはその膨大な魔力と生命力を奪われてしまうぞ!
※内容※
エネルギードレイン
――――――
温泉都市の人々が一瞬にして消えた。普通に考えてありえないその現象は、ある一体の魔物が可能にしたものだった。
「なんだアイツは……?」
遠くにそびえ立つ火山と同じくらいのサイズの巨大な魔物。その名はマナツカミ。今まで火山の地下深くに封印されそこでエネルギーを蓄えていたのだが、組織によって復活させられたのである。
「何だかわからねえが、アイツをそのままにしておくとヤバそうだな……!」
ショータは魔物に向かって行く。あれだけの存在を野放しにすることは出来なかったのだ。
しかし、ショータは魔物の元に辿り着く前に崩れ落ちた。
「か、体が……動かねえ……?」
膝から崩れ落ちたショータはすぐさま立ち上がろうとするが、足に力が上手く入らないのかその場で藻掻くばかりだった。
「どうなってやがる……魔力が、無くなっている……?」
ショータは自身の体に起こっている異変に気付いた。徐々に体内の魔力量が減っていることに気付いたのだ。
そう、これがあの魔物……マナツカミの能力だった。アレは自身から一定範囲内にいる生物から魔力と生命力を吸い取ることが出来るのだ。
それはショータも例外では無かった。それだけでは無く、彼は自らマナツカミに近づいてしまった。近づけば近づくほどに吸われる速度は速くなっていくために、彼は自ら死にに行ったようなものだった。
いくら膨大な魔力を持つ彼であってもその量は有限であり無限ではない。気づけばもう獣宿しの力を満足に使うだけの魔力は残っていなかった。
もはや今の彼は動くことも出来ず、このまま全エネルギーを吸われるまで待つことしか出来なかった。
「ぐっ……魔力が、尽きる……」
喉から差し込まれた管を無理やり引き抜かれているかのような、無理やり魔力を吸い取られる不快感に耐えつつショータはマナツカミを睨み続けている。そうした所で全く意味はないが、それでもまだ諦めてはいない証拠だった。
「はぁっ、はぁっ……やべえ、魔力が無くなっちまったからか?」
しかし彼にも限界がある。とっくに魔力を全て抜き取られ、生命力の方が吸収され始めていた。
「ぁっ、これは……本当に駄目かもしんねえな……」
先ほどまでの不快感とは違う、痛みと快感の混じったような妙な感覚に体を支配されながらもショータはまだ前を見据えていた。
だがそれももう長くはもたないだろう。彼の筋肉はもうまともに動かず、手足を動かすどころか肺や心臓などの臓器もまともに動かなくなり始めていた。
「ぁっぁあ……ぅあっぁ」
(やべえ、もうまともに声も出せねえ……終わるのか。こんなところで誰にも知られずに消えるのか……)
もう目も見えなくなり耳も聞こえない状態のショータは恐怖に支配され始める。保有魔力量や生命力が多いが故に、死ぬまでの時間が長いのだ。
常人なら良くも悪くもすぐに消えられただろうが、彼はその分最期の時が来るまで恐怖に耐え続ける時間が長かった。
それに精神も中途半端に強かったせいで発狂することも出来ず、死ぬ瞬間まで正気でいなければならなかった。
(ただ死ぬだけならともかく……これ、多分死体も残らねえよな……ああ、俺の人生って何だったんだ)
ショータの目から涙が零れ落ちる。しかしそれもたった数回で止まってしまった。涙を流すことさえもう今の彼には不可能なのだ。
(死に……たくねえ……。こんな、死に方……あってたまるか……よ)
「……」
ショータの体はとうとう呼吸を止めた。そしてそう時間が経たない内に彼の脳もその機能を終える。
誰にも看取られず、体も残らず、この世界において自分が生きた証さえ残らないのだった。そうして彼の全生命力は吸われ尽くし、彼の体は塵一つ残さずこの世界から消えた。
要は、ショータの冒険は終わってしまった!
敵組織の策略により巨大な怪物であるマナツカミが復活してしまう。この魔物は一定範囲内の生物から魔力と生命力を吸い取る能力を持っているため、ショータはその膨大な魔力と生命力を奪われてしまうぞ!
※内容※
エネルギードレイン
――――――
温泉都市の人々が一瞬にして消えた。普通に考えてありえないその現象は、ある一体の魔物が可能にしたものだった。
「なんだアイツは……?」
遠くにそびえ立つ火山と同じくらいのサイズの巨大な魔物。その名はマナツカミ。今まで火山の地下深くに封印されそこでエネルギーを蓄えていたのだが、組織によって復活させられたのである。
「何だかわからねえが、アイツをそのままにしておくとヤバそうだな……!」
ショータは魔物に向かって行く。あれだけの存在を野放しにすることは出来なかったのだ。
しかし、ショータは魔物の元に辿り着く前に崩れ落ちた。
「か、体が……動かねえ……?」
膝から崩れ落ちたショータはすぐさま立ち上がろうとするが、足に力が上手く入らないのかその場で藻掻くばかりだった。
「どうなってやがる……魔力が、無くなっている……?」
ショータは自身の体に起こっている異変に気付いた。徐々に体内の魔力量が減っていることに気付いたのだ。
そう、これがあの魔物……マナツカミの能力だった。アレは自身から一定範囲内にいる生物から魔力と生命力を吸い取ることが出来るのだ。
それはショータも例外では無かった。それだけでは無く、彼は自らマナツカミに近づいてしまった。近づけば近づくほどに吸われる速度は速くなっていくために、彼は自ら死にに行ったようなものだった。
いくら膨大な魔力を持つ彼であってもその量は有限であり無限ではない。気づけばもう獣宿しの力を満足に使うだけの魔力は残っていなかった。
もはや今の彼は動くことも出来ず、このまま全エネルギーを吸われるまで待つことしか出来なかった。
「ぐっ……魔力が、尽きる……」
喉から差し込まれた管を無理やり引き抜かれているかのような、無理やり魔力を吸い取られる不快感に耐えつつショータはマナツカミを睨み続けている。そうした所で全く意味はないが、それでもまだ諦めてはいない証拠だった。
「はぁっ、はぁっ……やべえ、魔力が無くなっちまったからか?」
しかし彼にも限界がある。とっくに魔力を全て抜き取られ、生命力の方が吸収され始めていた。
「ぁっ、これは……本当に駄目かもしんねえな……」
先ほどまでの不快感とは違う、痛みと快感の混じったような妙な感覚に体を支配されながらもショータはまだ前を見据えていた。
だがそれももう長くはもたないだろう。彼の筋肉はもうまともに動かず、手足を動かすどころか肺や心臓などの臓器もまともに動かなくなり始めていた。
「ぁっぁあ……ぅあっぁ」
(やべえ、もうまともに声も出せねえ……終わるのか。こんなところで誰にも知られずに消えるのか……)
もう目も見えなくなり耳も聞こえない状態のショータは恐怖に支配され始める。保有魔力量や生命力が多いが故に、死ぬまでの時間が長いのだ。
常人なら良くも悪くもすぐに消えられただろうが、彼はその分最期の時が来るまで恐怖に耐え続ける時間が長かった。
それに精神も中途半端に強かったせいで発狂することも出来ず、死ぬ瞬間まで正気でいなければならなかった。
(ただ死ぬだけならともかく……これ、多分死体も残らねえよな……ああ、俺の人生って何だったんだ)
ショータの目から涙が零れ落ちる。しかしそれもたった数回で止まってしまった。涙を流すことさえもう今の彼には不可能なのだ。
(死に……たくねえ……。こんな、死に方……あってたまるか……よ)
「……」
ショータの体はとうとう呼吸を止めた。そしてそう時間が経たない内に彼の脳もその機能を終える。
誰にも看取られず、体も残らず、この世界において自分が生きた証さえ残らないのだった。そうして彼の全生命力は吸われ尽くし、彼の体は塵一つ残さずこの世界から消えた。
要は、ショータの冒険は終わってしまった!
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