11 / 23
IF11 極氷龍(プライムアイスドラゴン)
しおりを挟む
[あらすじ]
極氷龍(プライムアイスドラゴン)と戦うことになったショータは見事に敗北し、氷漬けにされてしまった!
※内容※
氷漬け
生きたまま固められる
看取り
――――――
温泉都市の異変を解決するために凍結した火山へとやってきたショータ。その奥にいたのは彼が探していた存在である極氷龍だった。
「魂すらも凍り付きなさい……プライマリーアイス……!!」
「ッ!!」
極氷龍の放った攻撃がショータを包む。
「コイツは……!?」
なんと、ショータの足が凍り付いてしまった。
「私の本気、いかがでしょうか」
「ふぅ、流石はプライムの名を冠するドラゴンってことか……」
「あら、強気ですね。もう貴女に勝ち目は無いというのに」
極氷龍の言っていることはハッタリでもなんでも無かった。
「あぁ、これは確かに不味いな……」
たった数秒の間にショータの足全体が凍り付いていたのだ。そして今この瞬間も少しずつ氷が彼の体を登って行っている。
このままだとあと十秒ほどで彼の体全てが凍り付いてしまうだろう。
「最後に何か言い残すことは?」
「……特にねえさ」
ショータ自身ももう駄目だと言うことに気付いていた。今の自分にはこの状況を打開する術が無い。どうあがいても無駄。それをわかってしまっていた。
「……完全に凍り付きましたね」
極氷龍はそう言って凍り付いたショータの体を持ち上げ、火山の奥にある空間に持って行った。
(おい、なんなんだこりゃぁ……?)
まだ意識はあるショータはその空間を見て驚愕した。
なんとそこには氷漬けの少女が大量に置かれていたのだから。
「あら、まだ意識があるのですね。心配しないでください。直に意識は無くなります、苦しいことも痛いことも、全てから解放されるのです。貴女もあの子たちのようになるのですよ」
そう言って極氷龍は空いている場所にショータを置く。
「私は可愛いくて美くて奇麗な女の子が大好きなんです。でも、女の子はいつか成長してしまう。悲しいですよね。なので、一番美しい状態で氷漬けにして保存しているのです」
極氷龍は氷漬けのショータに向かって話し続ける。
「貴女もその一人なんですよ? 最上位種の私がそう言うのですから、誇りに思って良いんです」
極氷龍は恍惚とした表情をしながらショータの胸の部分を撫でる。当然氷を通しているためショータにその感触が伝わることは無い。
というよりも、もう彼の意識自体が怪しかった。
(ぁぁ、意識が飛んじまう……もう体温も下がりきっちまってる。……限界なのか)
薄れゆく意識の中、ショータはもはや低温による痛みすら感じなくなっていることに強い恐怖を感じていた。
それを感じ取ったのか極氷龍はショータを抱きしめる。
「ああ、可哀想な子。寒いですよね? 痛いですよね? 寂しいですよね? でも大丈夫。最後まで私が付いています」
(なんなんだよ……自分で凍らせといて、とんだサイコパス……じゃねえか……。でも、なんだか悪くない気分……だ……)
もはやまともに思考出来ないショータは極氷龍の行為に慈悲を感じてしまっていた。安心してしまっていた。
ショータはこの世界に飛んでからずっと、誰も知らない所でひっそりと死ぬことになるのでは無いかという恐怖と常に戦っていたのだ。
日本で怪物と戦っていた時は周りに友がいた。大事な人がいた。最悪死んでしまってもをれをみとってくれる人がいたのだ。
だがここでは違う。異世界という全く知らない場所にただ一人投げ出され、内心不安だったのだ。
それが今ここに来て溢れ出てしまったのだった。
「……意識が、無くなってしまったのですね」
極氷龍はそう言ったものの、しばらくショータから離れることは無かった。そうして彼女に抱かれているショータの表情は、苦痛など一切無いとても安らかなものであった。
とまあ、こうしてショータの冒険は終わってしまった!
極氷龍(プライムアイスドラゴン)と戦うことになったショータは見事に敗北し、氷漬けにされてしまった!
※内容※
氷漬け
生きたまま固められる
看取り
――――――
温泉都市の異変を解決するために凍結した火山へとやってきたショータ。その奥にいたのは彼が探していた存在である極氷龍だった。
「魂すらも凍り付きなさい……プライマリーアイス……!!」
「ッ!!」
極氷龍の放った攻撃がショータを包む。
「コイツは……!?」
なんと、ショータの足が凍り付いてしまった。
「私の本気、いかがでしょうか」
「ふぅ、流石はプライムの名を冠するドラゴンってことか……」
「あら、強気ですね。もう貴女に勝ち目は無いというのに」
極氷龍の言っていることはハッタリでもなんでも無かった。
「あぁ、これは確かに不味いな……」
たった数秒の間にショータの足全体が凍り付いていたのだ。そして今この瞬間も少しずつ氷が彼の体を登って行っている。
このままだとあと十秒ほどで彼の体全てが凍り付いてしまうだろう。
「最後に何か言い残すことは?」
「……特にねえさ」
ショータ自身ももう駄目だと言うことに気付いていた。今の自分にはこの状況を打開する術が無い。どうあがいても無駄。それをわかってしまっていた。
「……完全に凍り付きましたね」
極氷龍はそう言って凍り付いたショータの体を持ち上げ、火山の奥にある空間に持って行った。
(おい、なんなんだこりゃぁ……?)
まだ意識はあるショータはその空間を見て驚愕した。
なんとそこには氷漬けの少女が大量に置かれていたのだから。
「あら、まだ意識があるのですね。心配しないでください。直に意識は無くなります、苦しいことも痛いことも、全てから解放されるのです。貴女もあの子たちのようになるのですよ」
そう言って極氷龍は空いている場所にショータを置く。
「私は可愛いくて美くて奇麗な女の子が大好きなんです。でも、女の子はいつか成長してしまう。悲しいですよね。なので、一番美しい状態で氷漬けにして保存しているのです」
極氷龍は氷漬けのショータに向かって話し続ける。
「貴女もその一人なんですよ? 最上位種の私がそう言うのですから、誇りに思って良いんです」
極氷龍は恍惚とした表情をしながらショータの胸の部分を撫でる。当然氷を通しているためショータにその感触が伝わることは無い。
というよりも、もう彼の意識自体が怪しかった。
(ぁぁ、意識が飛んじまう……もう体温も下がりきっちまってる。……限界なのか)
薄れゆく意識の中、ショータはもはや低温による痛みすら感じなくなっていることに強い恐怖を感じていた。
それを感じ取ったのか極氷龍はショータを抱きしめる。
「ああ、可哀想な子。寒いですよね? 痛いですよね? 寂しいですよね? でも大丈夫。最後まで私が付いています」
(なんなんだよ……自分で凍らせといて、とんだサイコパス……じゃねえか……。でも、なんだか悪くない気分……だ……)
もはやまともに思考出来ないショータは極氷龍の行為に慈悲を感じてしまっていた。安心してしまっていた。
ショータはこの世界に飛んでからずっと、誰も知らない所でひっそりと死ぬことになるのでは無いかという恐怖と常に戦っていたのだ。
日本で怪物と戦っていた時は周りに友がいた。大事な人がいた。最悪死んでしまってもをれをみとってくれる人がいたのだ。
だがここでは違う。異世界という全く知らない場所にただ一人投げ出され、内心不安だったのだ。
それが今ここに来て溢れ出てしまったのだった。
「……意識が、無くなってしまったのですね」
極氷龍はそう言ったものの、しばらくショータから離れることは無かった。そうして彼女に抱かれているショータの表情は、苦痛など一切無いとても安らかなものであった。
とまあ、こうしてショータの冒険は終わってしまった!
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。

おじさんが異世界転移してしまった。
明かりの元
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか?
モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。

Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜
華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日
この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。
札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。
渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。
この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。
一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。
そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。
この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。
この作品はフィクションです。
実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる