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32 せっかくだから、俺はこの温泉を選ぶぜ
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奴らの動きに対してすぐに動けるように、俺と極氷龍の二人はしばらくこの温泉都市で様子を見ることになった。幸い火山が元に戻って温泉も元通り湧き始めたようで、なんだかんだ言って休息になりそうで良かった。せっかくだから温泉も存分に楽しませてもらおう。
「……そうだった」
だが温泉を楽しもうとした矢先、一番の問題が降りかかって来た。今の俺は『どちら』に入ればいい……?
体は女性だ。誰がどう見てもそう思うだろう。しかし中身はれっきとした男だ。思春期真っ盛りの男子高校生だ。であれば女湯に入るのは不味いだろう。周りからバレなければ良いというもんでもねえだろうし、もし仮にバレれば終わりだ。
とは言えどちらか選ぶとしたらまだ女湯の方が違和感はねえんだよな。この体で男湯に入ろうものなら間違いなく止められる。中身が男なんだって言ったところで通用しないだろうしな。
そうしてどちらに入るかの思考が無限ループしようとしていたところで、ある一文が目に入って来た。
「混浴……か」
混浴。思春期真っ盛りの男子高校生なら誰しもがその二文字に惹かれてしまうのも無理は無い。だが今はそこでは無い。混浴であれば今の俺のように性別行方不明な存在でも問題なく入れるじゃねえか!
「こうなりゃ迷ってる場合じゃねえ。選択肢はこれしかねえんだ!」
あわよくばとか一切考えていない。消去法でそうするしかないだけだ。入った後は周りを見なければそれでいいんだから。
が、その前にある関門のことを俺は忘れていた。更衣室は男女別だと言う至極当たり前の事を完全に忘れ去っていた。こればかりは女性用に行くしかあるまい。落ち着け。仕方なくだ。視線は下に向けて極力上を向かず……。
そのまま服を脱ぎ、さっさと露天風呂へと移動した。ここまでくればひとまずは安心だ。湯舟にはいっちまえば体の事もそんなには気にならないだろう。
「はぁ……いい湯だなこりゃ」
思い返せば温泉には久々に入るな。妖魔との戦いが激化してからはほとんど旅行に行ったりすることも無かったか。……すべすべで色白な肌。くすみもシミも無い奇麗な肌だ。それに水面に映る顔はあどけなさの中に色気も感じる、美しく整ったものだ。何より胸がデカイ。……これが自分の身体じゃなけりゃあなぁ。自分自身に女性の魅力を感じてっと、なんか俺が俺じゃなくなっちまうみたいで怖さを感じるぜ。
「えぇっと……良かった。女性しかいないみたいだよ」
「そう? なら心配はいらないわね」
「ッ!?」
ゆったりと温泉を満喫していると、声が聞こえてきた。それも女性のものだ。と同時に反射的に岩陰の方に隠れてしまった。別に黙っていればバレないだろうに、かえって怪しい行動をしてしまった……。
「ここからの景色がすっごく良いらしいんだけど、混浴って聞いてたから心配だったのよね」
「今は男の人もいないみたいだし、景色を楽しんだらさっさと出ようか」
どうやら混浴というリスクを負ってでも景色を見たい女性二人組が入ってきたようだ。となるとこの温泉、立地的に景色を保ちつつ男女用に分けることが出来なかったということなのだろうか。いや、今はそんなことはどうでも良い。出来るだけ向こうに……影を薄くして背景に溶け込むんだ。
「あの……もしかしてあなたもこの景色を見に来たんですか?」
話しかけてきただと……!?
「そ、そうですね。とても奇麗だと聞いたので……」
「やっぱりそうですよね! ここの景色はこの温泉都市の中でも一、二を争う絶景として有名なんです! でも混浴という事もあってあまり入りに来る人は多くは無いとか……」
無難にやり過ごそうとしたが、なんか妙なスイッチが入ってしまったようだ。
「遠くに見える火山は大自然の雄大で圧倒的なスケール感を見せてくれるんです。それに今は時期ではありませんが紅葉の季節になれば麓の森は真っ赤に染め上がり……」
「ちょ、ちょっと……また悪い癖出てるわよ」
「あ……す、すみませんいつもの癖で!」
良かった。この分だと友人さんが止めてくれなければいつまでも話が続きそうだったな。にしてもこの世界にも紅葉はあるのか。まあ植物である以上、元の世界と同じような生体をしていてもおかしくは無いか。
「大丈夫です。温泉がお好きだという事も、ここの良さも十分伝わりましたし」
「でしたら良かったです! 温泉好き同士、またどこかでお会いしましょうね!」
そうして話し終えた後しばらくして、彼女たちは出て行った。そのあまりの勢いに終始圧倒されていたおかげで女性の裸体とかどうでも良くなっていたのは不幸中の幸いだ。いつのまにか俺も温泉好きにされていたのは気になるが、温泉大国の民族だし否定はしない。
さて、一人になったしゆったりと温泉を楽しむとしよう。
と思ったのもつかの間、またも足音が聞こえてきた。
「さっき出て来た二人、結構可愛かったな。もうちょっと早く来ていたら……」
「おいやめろ。混浴風呂ってのはそういうんじゃねえよ」
今度は男性二人組だ。それなら気にする必要もねえか。
「お、おい見ろよ。まだ一人いるぜ。それに……」
視線を感じるな。とはいえ殺気とかそういうもんでもねえし別に気にする必要もねえか。
水面が揺れる。二人が入ってきたようだ。
「あぁ~いい湯だ」
「だな。流石は温泉都市だ。何よりこの景色が素晴らしい。あの山に比べりゃあ俺たちなんてちっぽけなもんだよな」
やっぱりここに来る人たちは景色目当てなんだな。混浴だからと変に考えていた俺の心が汚れていただけかもしれない。
「またまたそう言って、混浴だから選んだんだろ?」
「またお前は……。さっきも言ったが……」
「まあまあ、そう言うなって」
水面の揺れが徐々に大きくなっていく。近づいてきているのか?
思った通り、男の内の一人が俺の前へ出た。より間近で景色を見たいんだろうか。
「お前も来いよ」
「あまりはしゃぐなよ。子供じゃないんだから」
そう言ってもう一人の男は近づいて行った。ただ俺は気付いている。最初に移動した男がもう一人を呼ぶとき、確かに俺の事を見ていた。まさか龍種洗脳についての関係者か? あのクソ学者が組織内で情報を共有しているのなら俺の容姿に関する情報が既に周っていてもおかしくは無い。であれば極氷龍の洗脳が解けたってのを感知した奴らが刺客を送り込んできたとしても不自然じゃあねえ。
だが、あんなあからさまに視線を向けるか? 本人はバレていないと思っているみたいだが、かなりガッツリと見ていた。それに顔を見た後視線が下に向かっていたような気がする。容姿の特徴としてはむしろケモ耳の部分の方が要素としては大きい気が……うん? 大きい?
顔を見た後に視線が下に……。
「……ッッ」
理解した。理解してしまった。あの男性が俺をチラチラと見ていた理由を。あの男は恐らく組織のもんでもなんでもない。考えてみれば当然だ。送り込まれた刺客がそんなやっすいミスをするはずが無い。じゃあ何故アイツが俺を見ていたのか。そんなのよくよく考えてみればすぐにわかることだった。
俺の体を、女性として魅力的な俺を女性として見ていたんだ。そう理解した途端、急に心臓の鼓動が速くなった。どんな状況でも冷静であるべきと言うのが、戦いに身を置く者としての基本的な考え方だ。実際、戦闘中にはこれほど焦燥感に駆られることは無い。
だがこの身体になってからは違う。あのクライムとかいうSランク冒険者にスカートの中を覗かれた時も、獣人の村で拷問されかけた時も、今までに起こったことの無いほどの動揺と羞恥心があった。体を見られるなんてどうだっていいはずなのに、女になっちまったこの体はそれを許してはくれないようだった。
「……そうだった」
だが温泉を楽しもうとした矢先、一番の問題が降りかかって来た。今の俺は『どちら』に入ればいい……?
体は女性だ。誰がどう見てもそう思うだろう。しかし中身はれっきとした男だ。思春期真っ盛りの男子高校生だ。であれば女湯に入るのは不味いだろう。周りからバレなければ良いというもんでもねえだろうし、もし仮にバレれば終わりだ。
とは言えどちらか選ぶとしたらまだ女湯の方が違和感はねえんだよな。この体で男湯に入ろうものなら間違いなく止められる。中身が男なんだって言ったところで通用しないだろうしな。
そうしてどちらに入るかの思考が無限ループしようとしていたところで、ある一文が目に入って来た。
「混浴……か」
混浴。思春期真っ盛りの男子高校生なら誰しもがその二文字に惹かれてしまうのも無理は無い。だが今はそこでは無い。混浴であれば今の俺のように性別行方不明な存在でも問題なく入れるじゃねえか!
「こうなりゃ迷ってる場合じゃねえ。選択肢はこれしかねえんだ!」
あわよくばとか一切考えていない。消去法でそうするしかないだけだ。入った後は周りを見なければそれでいいんだから。
が、その前にある関門のことを俺は忘れていた。更衣室は男女別だと言う至極当たり前の事を完全に忘れ去っていた。こればかりは女性用に行くしかあるまい。落ち着け。仕方なくだ。視線は下に向けて極力上を向かず……。
そのまま服を脱ぎ、さっさと露天風呂へと移動した。ここまでくればひとまずは安心だ。湯舟にはいっちまえば体の事もそんなには気にならないだろう。
「はぁ……いい湯だなこりゃ」
思い返せば温泉には久々に入るな。妖魔との戦いが激化してからはほとんど旅行に行ったりすることも無かったか。……すべすべで色白な肌。くすみもシミも無い奇麗な肌だ。それに水面に映る顔はあどけなさの中に色気も感じる、美しく整ったものだ。何より胸がデカイ。……これが自分の身体じゃなけりゃあなぁ。自分自身に女性の魅力を感じてっと、なんか俺が俺じゃなくなっちまうみたいで怖さを感じるぜ。
「えぇっと……良かった。女性しかいないみたいだよ」
「そう? なら心配はいらないわね」
「ッ!?」
ゆったりと温泉を満喫していると、声が聞こえてきた。それも女性のものだ。と同時に反射的に岩陰の方に隠れてしまった。別に黙っていればバレないだろうに、かえって怪しい行動をしてしまった……。
「ここからの景色がすっごく良いらしいんだけど、混浴って聞いてたから心配だったのよね」
「今は男の人もいないみたいだし、景色を楽しんだらさっさと出ようか」
どうやら混浴というリスクを負ってでも景色を見たい女性二人組が入ってきたようだ。となるとこの温泉、立地的に景色を保ちつつ男女用に分けることが出来なかったということなのだろうか。いや、今はそんなことはどうでも良い。出来るだけ向こうに……影を薄くして背景に溶け込むんだ。
「あの……もしかしてあなたもこの景色を見に来たんですか?」
話しかけてきただと……!?
「そ、そうですね。とても奇麗だと聞いたので……」
「やっぱりそうですよね! ここの景色はこの温泉都市の中でも一、二を争う絶景として有名なんです! でも混浴という事もあってあまり入りに来る人は多くは無いとか……」
無難にやり過ごそうとしたが、なんか妙なスイッチが入ってしまったようだ。
「遠くに見える火山は大自然の雄大で圧倒的なスケール感を見せてくれるんです。それに今は時期ではありませんが紅葉の季節になれば麓の森は真っ赤に染め上がり……」
「ちょ、ちょっと……また悪い癖出てるわよ」
「あ……す、すみませんいつもの癖で!」
良かった。この分だと友人さんが止めてくれなければいつまでも話が続きそうだったな。にしてもこの世界にも紅葉はあるのか。まあ植物である以上、元の世界と同じような生体をしていてもおかしくは無いか。
「大丈夫です。温泉がお好きだという事も、ここの良さも十分伝わりましたし」
「でしたら良かったです! 温泉好き同士、またどこかでお会いしましょうね!」
そうして話し終えた後しばらくして、彼女たちは出て行った。そのあまりの勢いに終始圧倒されていたおかげで女性の裸体とかどうでも良くなっていたのは不幸中の幸いだ。いつのまにか俺も温泉好きにされていたのは気になるが、温泉大国の民族だし否定はしない。
さて、一人になったしゆったりと温泉を楽しむとしよう。
と思ったのもつかの間、またも足音が聞こえてきた。
「さっき出て来た二人、結構可愛かったな。もうちょっと早く来ていたら……」
「おいやめろ。混浴風呂ってのはそういうんじゃねえよ」
今度は男性二人組だ。それなら気にする必要もねえか。
「お、おい見ろよ。まだ一人いるぜ。それに……」
視線を感じるな。とはいえ殺気とかそういうもんでもねえし別に気にする必要もねえか。
水面が揺れる。二人が入ってきたようだ。
「あぁ~いい湯だ」
「だな。流石は温泉都市だ。何よりこの景色が素晴らしい。あの山に比べりゃあ俺たちなんてちっぽけなもんだよな」
やっぱりここに来る人たちは景色目当てなんだな。混浴だからと変に考えていた俺の心が汚れていただけかもしれない。
「またまたそう言って、混浴だから選んだんだろ?」
「またお前は……。さっきも言ったが……」
「まあまあ、そう言うなって」
水面の揺れが徐々に大きくなっていく。近づいてきているのか?
思った通り、男の内の一人が俺の前へ出た。より間近で景色を見たいんだろうか。
「お前も来いよ」
「あまりはしゃぐなよ。子供じゃないんだから」
そう言ってもう一人の男は近づいて行った。ただ俺は気付いている。最初に移動した男がもう一人を呼ぶとき、確かに俺の事を見ていた。まさか龍種洗脳についての関係者か? あのクソ学者が組織内で情報を共有しているのなら俺の容姿に関する情報が既に周っていてもおかしくは無い。であれば極氷龍の洗脳が解けたってのを感知した奴らが刺客を送り込んできたとしても不自然じゃあねえ。
だが、あんなあからさまに視線を向けるか? 本人はバレていないと思っているみたいだが、かなりガッツリと見ていた。それに顔を見た後視線が下に向かっていたような気がする。容姿の特徴としてはむしろケモ耳の部分の方が要素としては大きい気が……うん? 大きい?
顔を見た後に視線が下に……。
「……ッッ」
理解した。理解してしまった。あの男性が俺をチラチラと見ていた理由を。あの男は恐らく組織のもんでもなんでもない。考えてみれば当然だ。送り込まれた刺客がそんなやっすいミスをするはずが無い。じゃあ何故アイツが俺を見ていたのか。そんなのよくよく考えてみればすぐにわかることだった。
俺の体を、女性として魅力的な俺を女性として見ていたんだ。そう理解した途端、急に心臓の鼓動が速くなった。どんな状況でも冷静であるべきと言うのが、戦いに身を置く者としての基本的な考え方だ。実際、戦闘中にはこれほど焦燥感に駆られることは無い。
だがこの身体になってからは違う。あのクライムとかいうSランク冒険者にスカートの中を覗かれた時も、獣人の村で拷問されかけた時も、今までに起こったことの無いほどの動揺と羞恥心があった。体を見られるなんてどうだっていいはずなのに、女になっちまったこの体はそれを許してはくれないようだった。
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