11 / 56
11 魔族化したSランク冒険者
しおりを挟む
「……では何故そのようなことを言ったのだね」
よし、その調子でどんどん行け! どんどん真実を暴き出せ!
「……僕は彼女を、リーシャと言ったあの獣人を襲おうとしました。そこをあのショータという獣人に邪魔され……駆け付けた仲間たちを騙すために……アアァァッッ!! そうだ! 騙そうとしたんだよ! 見られちまった以上咄嗟に嘘をつくしかねえだろうが!!」
開き直った。アイツ、もう終わったな。
「そんな……どうしてそんなこと」
「どうしてだって!? お前らも思わないのか? なんで獣人なんかが人間と同じ扱いをされているのかを!」
「お前、何を言って……」
ヤツの暴露に仲間たちも戸惑いを隠せないみたいだな。今までは外向けの善人としての顔を使っていたんだろう。実際は差別主義者のやべえ奴だったわけだが。
「獣人は俺たち人間のためにその身を尽くすべき存在なんだ! それが最近、どんどん地位を上げてきやがった! 俺は獣人風情が人間として扱われていることが許せない……! 俺たち人間が獣人と同じものだと言われているようで虫唾が走るんだ!!」
「……クライム、そんなこと思ってたんだ。最低」
「クソッどうしてこんなことに……」
「なんで……私クライムのことが好きだったのに! こんな人だったなんて知っちゃったら……もう今までと同じようにはいられないじゃない!!」
アマンダだったか。彼女は本気でクライムを愛していたんだな。だがまさか中身がこんなヤツだったとは。お悔やみ申し上げるぜ。
「うるせえよ。お前なんて所詮2番目3番目の女だからな?」
「……え?」
想像以上だった! こいつとんでもねえヤツだぞ!!
「ちょっと顔と体が良いからそばに置いてやってたのに、まさかここまで思い上がるなんてな。俺、今までにお前以外とも関係持ってっから」
「嘘……」
「あーせっかくSランクパーティのリーダーになって欲望の限りを尽くそうと思ってたのに全部台無しだ。こうなった以上、お前たちには消えてもらうしかねえな」
「クライム……それ……!!」
何だ……? ヤツが謎の球体を出した瞬間、空気が変わった。そう言えばアマンダがさっきドス黒い魔力とかなんとか言っていたような。まさにそんな感じだ。
「ちょうどいい。獣人なんかを対等に扱うこのふざけた国も消滅させてやるよ。ウォォォオォォォッッッ!!」
ヤツの体が膨れ上がり始めた。ここは裏路地だってのにそんな巨大化したら……。いや、それが目的なのか……!
「不味い! 皆の者、逃げるのだ!」
「間に合わねえ! 獣宿し『肆牙』!!」
このままだと街に被害が出る! どうにかしてこいつを国の外に出さねえとな! 思えばコイツさっきも周りの被害関係なしに大技出してきやがった。Sランク冒険者ってのが皆コイツみたいな自己中じゃねえことを祈るぜ。
「国王様、リーシャを頼みます!」
「ドラゴンロードの一件と言い、またしても貴殿に頼り切りになってしまい申し訳ない。この者は必ず私が守り通す故、心置きなく戦ってくれ」
「ショータ様、どうかご無事で……!」
よし、後はコイツを国から離せばひとまず不安材料は無くなるな。にしても禍々しい見た目にこの重くドロドロとした魔力、まさかコイツ自身が魔族になっちまうとは。
「フゥ……フゥ……またしてもお前か……! お前のせいで俺は何もかもを失った! だがこの力があればもう仲間もいらない。魔族になった俺は正真正銘最強になったのだ!!」
「なら、そんなお前を倒したら俺が最強になるんだな」
「はっはっは! そんな軽口が叩けるのも今の内だ。俺の力にひれ伏すが良い!」
「うぉっ!?」
人間だった時とは段違いの攻撃速度で殴って来た。それだけじゃない。ただの拳だってのに纏っている魔力のせいで周りの空気が一瞬にして蒸発してやがる。まともに食らえば有機物である俺の体は一瞬で焼失しちまいそうだ。
なら有機物じゃ無けりゃいい。
「獣宿し『剛鎧』!」
全身を金属で覆う。そうすればヤツの攻撃だって……。
「そんな強度で何が出来る!!」
「あがっ!?」
嘘だろ!? 俺の剛鎧が砕けやがった……!!
「金属如きで僕の攻撃を止められるとでも思っているのか? このまま生身の部分に……な、なんだその体は!?」
ヤツは俺の砕けた傷口を見て驚いているようだ。それもそのはず。ヤツは俺の剛鎧をただの外皮か何かだと思っていたようだからな。だが実際は違う。この状態になると中身が全て金属質になるんだ。筋肉も臓器も、俺の全てが頑強な金属と化す。だからどれだけ砕いたって生身の体なんてやってこない。
「ありえない……! ロックドラゴンもアイアンドラゴンも堅牢なのは表面だけだ! 中身まで全て無機質だなんてありえるはずが……!!」
「ありえるんだよ。俺ならな」
「ぐっ……ならこれなら!」
「おっと」
人間の時に使って来たアステロイドショットだったか。それを何発も同時に撃ってきたが魔力攻撃なら蝕命ですべてを無効化できる。
「うぐぐ……一体何をした! さっきも僕の最大の一撃を受けて何ともなかったじゃないか!」
「俺の力を使って魔力を吸収した。だから魔法攻撃は俺には通用しない」
「そんなの反則だ……。だがそれなら肉弾戦なら通用するってことだよなぁ!!」
「ぐっ……」
確かにヤツの攻撃は俺の剛鎧を破壊できる。このまま食らい続ければ不味いだろう。だがそれはあくまで食らい続ければの話だ。
「獣宿し『炎龍』!! 骨の髄まで焼き尽くしてやっから覚悟しやがれ!!」
「わざわざ硬化を解除したな馬鹿が!!」
「うるせえ! 当たらなければどうってこたあねえんだよ!!」
いくらヤツの攻撃が化け物じみていても所詮は生物。炎龍の超高温の炎で焼き尽くしてしまえば良い!
「バ、バカなァァ!! この力は絶対のはずだ! こんな炎なんかに敗れるはずが……敗れるはずがァァァァッッ!!」
ふぅ。完全に焼き尽くしたな。
「ぐ……クソッ……」
まだ生きていたか。しぶとさもSランクだな。
「何が最強の力だ……獣人一人にさえ勝てないじゃないか。やっぱりあんな怪しい奴らの話なんか信じるんじゃなかった」
「怪しい奴らだと?」
「何だ気になるのか? だがただで話すわけには……ヒィィわかった話す! 話すからその拳を下げてくれ!」
拳に炎を纏わせたら素直になってくれた。聞き分けが良くて助かるぜ。
「アイツらは僕に魔族化の宝玉を渡してきたんだ。最強の力が欲しく無いかってな。でも結局はこのザマだ」
「そいつらの特徴は覚えているか」
「容姿については全くもってわからない。全員ローブを被っていた。ただ奴隷商と親しげにしていたのは見たな」
奴隷商か。目が覚めて初っ端のこともあるし、奴隷商にはあまりいい思い出が無いぜ。俺たちと直接関係があるとは思えないが、龍種を洗脳しているヤツらと関係が無いとも言い切れないし警戒しておくにこしたことはねえか。
「それにしてもお前、本当不用心だね」
「うん?」
「ついさっき僕を蹴飛ばしたばかりだってのに、また僕のそばに立っている。それではまるで見てくれって言っているようなものだぞ?」
ああ? コイツ何を言って……。
「……ッッ!!」
「まあ僕としては獣人とは言え良いものを見せて貰えて良かっグボァッ」
「だからキメエんだよ!!」
コイツこんな状況でもまだそういうことしやがるのか!? もはや一種の狂気を感じやがる!!
それに俺も俺だ……下着を見られるくらいどうってことはねえ……ねえはずなのに。
「……最悪だ」
俺は……女になって行っている。確証はねえが直感的にそう思う。でなきゃ辻褄が合わねえ。
とりあえずコイツを連れて国王さんのとこに行くか。これ以上コイツといたら俺が俺じゃなくなっちまいそうだ。
「ショータ殿、無事で何よりだ」
「良かった……良かったですぅぅ!」
「リーシャ、心配かけたな」
涙目で抱き着いてきたリーシャの頭を撫でる。幸い国内の被害は無かったようだ。リーシャも無事だしひとまずは安心して良さそうだな。だが、まだ話は終わっちゃいない。
「それで、コイツ……クライムはどうするのですか」
「ああ、そうだな。今回は未遂で終わったが、危険な存在で有ることに変わりはない。ひとまずは厚生施設に送ることになるだろうな。Sランク冒険者の称号も剥奪することになるだろう」
「そんな……」
「……でも妥当ではある。それくらいクライムは最低なことをしようとした」
「まさかこんな形で別れることになるとはな……」
クライムめ。こんなに思ってくれる仲間を持っておきながらその思いを裏切るなんて。心を入れ替えて一からやり直せることを願うぜ。
「それと国王様。クライムから聞いた話なのですが……」
ヤツから聞いた話を一応国王さんとも共有しておこう。龍種洗脳の件と何かしら関りがあるかもしれねえしな。
「なるほど。彼の魔族化はそういう経緯であったか。しかし、だとすると疑問が残るな。何故そのような危険なマジックアイテムを国内に持ち込めたのか。本来ならば結界に弾かれるはずだ」
そう言えばこの国に入る時の検査は凄いザルだったな。リーシャも言っていたが、本来ならばそう言った危険物は鑑定スキルや結界によって弾かれるはずなのか。となると厄介だ。何しろその結界を無効化してしまう危険物が存在するってことだからな。もう国内も安全とは言えなくなっちまった。
「こうなってしまえば入国時の検査を入念に行うしかあるまい。しかしそれでも食い止められなければ……」
な、なんでこっちを見るんだ。
「ショータ殿、何度もすまないが……」
「わかりました。内部で何かあった時にはお任せください」
「そうか、感謝するぞ」
ちょっと俺に頼りすぎな気もするが、今回みたいなことが起きたんじゃ並みの騎士や傭兵じゃ太刀打ちできねえってのはわかる。こうなりゃもうリーシャを守るついでに国だろうが何だろうが守ってやるよ!
よし、その調子でどんどん行け! どんどん真実を暴き出せ!
「……僕は彼女を、リーシャと言ったあの獣人を襲おうとしました。そこをあのショータという獣人に邪魔され……駆け付けた仲間たちを騙すために……アアァァッッ!! そうだ! 騙そうとしたんだよ! 見られちまった以上咄嗟に嘘をつくしかねえだろうが!!」
開き直った。アイツ、もう終わったな。
「そんな……どうしてそんなこと」
「どうしてだって!? お前らも思わないのか? なんで獣人なんかが人間と同じ扱いをされているのかを!」
「お前、何を言って……」
ヤツの暴露に仲間たちも戸惑いを隠せないみたいだな。今までは外向けの善人としての顔を使っていたんだろう。実際は差別主義者のやべえ奴だったわけだが。
「獣人は俺たち人間のためにその身を尽くすべき存在なんだ! それが最近、どんどん地位を上げてきやがった! 俺は獣人風情が人間として扱われていることが許せない……! 俺たち人間が獣人と同じものだと言われているようで虫唾が走るんだ!!」
「……クライム、そんなこと思ってたんだ。最低」
「クソッどうしてこんなことに……」
「なんで……私クライムのことが好きだったのに! こんな人だったなんて知っちゃったら……もう今までと同じようにはいられないじゃない!!」
アマンダだったか。彼女は本気でクライムを愛していたんだな。だがまさか中身がこんなヤツだったとは。お悔やみ申し上げるぜ。
「うるせえよ。お前なんて所詮2番目3番目の女だからな?」
「……え?」
想像以上だった! こいつとんでもねえヤツだぞ!!
「ちょっと顔と体が良いからそばに置いてやってたのに、まさかここまで思い上がるなんてな。俺、今までにお前以外とも関係持ってっから」
「嘘……」
「あーせっかくSランクパーティのリーダーになって欲望の限りを尽くそうと思ってたのに全部台無しだ。こうなった以上、お前たちには消えてもらうしかねえな」
「クライム……それ……!!」
何だ……? ヤツが謎の球体を出した瞬間、空気が変わった。そう言えばアマンダがさっきドス黒い魔力とかなんとか言っていたような。まさにそんな感じだ。
「ちょうどいい。獣人なんかを対等に扱うこのふざけた国も消滅させてやるよ。ウォォォオォォォッッッ!!」
ヤツの体が膨れ上がり始めた。ここは裏路地だってのにそんな巨大化したら……。いや、それが目的なのか……!
「不味い! 皆の者、逃げるのだ!」
「間に合わねえ! 獣宿し『肆牙』!!」
このままだと街に被害が出る! どうにかしてこいつを国の外に出さねえとな! 思えばコイツさっきも周りの被害関係なしに大技出してきやがった。Sランク冒険者ってのが皆コイツみたいな自己中じゃねえことを祈るぜ。
「国王様、リーシャを頼みます!」
「ドラゴンロードの一件と言い、またしても貴殿に頼り切りになってしまい申し訳ない。この者は必ず私が守り通す故、心置きなく戦ってくれ」
「ショータ様、どうかご無事で……!」
よし、後はコイツを国から離せばひとまず不安材料は無くなるな。にしても禍々しい見た目にこの重くドロドロとした魔力、まさかコイツ自身が魔族になっちまうとは。
「フゥ……フゥ……またしてもお前か……! お前のせいで俺は何もかもを失った! だがこの力があればもう仲間もいらない。魔族になった俺は正真正銘最強になったのだ!!」
「なら、そんなお前を倒したら俺が最強になるんだな」
「はっはっは! そんな軽口が叩けるのも今の内だ。俺の力にひれ伏すが良い!」
「うぉっ!?」
人間だった時とは段違いの攻撃速度で殴って来た。それだけじゃない。ただの拳だってのに纏っている魔力のせいで周りの空気が一瞬にして蒸発してやがる。まともに食らえば有機物である俺の体は一瞬で焼失しちまいそうだ。
なら有機物じゃ無けりゃいい。
「獣宿し『剛鎧』!」
全身を金属で覆う。そうすればヤツの攻撃だって……。
「そんな強度で何が出来る!!」
「あがっ!?」
嘘だろ!? 俺の剛鎧が砕けやがった……!!
「金属如きで僕の攻撃を止められるとでも思っているのか? このまま生身の部分に……な、なんだその体は!?」
ヤツは俺の砕けた傷口を見て驚いているようだ。それもそのはず。ヤツは俺の剛鎧をただの外皮か何かだと思っていたようだからな。だが実際は違う。この状態になると中身が全て金属質になるんだ。筋肉も臓器も、俺の全てが頑強な金属と化す。だからどれだけ砕いたって生身の体なんてやってこない。
「ありえない……! ロックドラゴンもアイアンドラゴンも堅牢なのは表面だけだ! 中身まで全て無機質だなんてありえるはずが……!!」
「ありえるんだよ。俺ならな」
「ぐっ……ならこれなら!」
「おっと」
人間の時に使って来たアステロイドショットだったか。それを何発も同時に撃ってきたが魔力攻撃なら蝕命ですべてを無効化できる。
「うぐぐ……一体何をした! さっきも僕の最大の一撃を受けて何ともなかったじゃないか!」
「俺の力を使って魔力を吸収した。だから魔法攻撃は俺には通用しない」
「そんなの反則だ……。だがそれなら肉弾戦なら通用するってことだよなぁ!!」
「ぐっ……」
確かにヤツの攻撃は俺の剛鎧を破壊できる。このまま食らい続ければ不味いだろう。だがそれはあくまで食らい続ければの話だ。
「獣宿し『炎龍』!! 骨の髄まで焼き尽くしてやっから覚悟しやがれ!!」
「わざわざ硬化を解除したな馬鹿が!!」
「うるせえ! 当たらなければどうってこたあねえんだよ!!」
いくらヤツの攻撃が化け物じみていても所詮は生物。炎龍の超高温の炎で焼き尽くしてしまえば良い!
「バ、バカなァァ!! この力は絶対のはずだ! こんな炎なんかに敗れるはずが……敗れるはずがァァァァッッ!!」
ふぅ。完全に焼き尽くしたな。
「ぐ……クソッ……」
まだ生きていたか。しぶとさもSランクだな。
「何が最強の力だ……獣人一人にさえ勝てないじゃないか。やっぱりあんな怪しい奴らの話なんか信じるんじゃなかった」
「怪しい奴らだと?」
「何だ気になるのか? だがただで話すわけには……ヒィィわかった話す! 話すからその拳を下げてくれ!」
拳に炎を纏わせたら素直になってくれた。聞き分けが良くて助かるぜ。
「アイツらは僕に魔族化の宝玉を渡してきたんだ。最強の力が欲しく無いかってな。でも結局はこのザマだ」
「そいつらの特徴は覚えているか」
「容姿については全くもってわからない。全員ローブを被っていた。ただ奴隷商と親しげにしていたのは見たな」
奴隷商か。目が覚めて初っ端のこともあるし、奴隷商にはあまりいい思い出が無いぜ。俺たちと直接関係があるとは思えないが、龍種を洗脳しているヤツらと関係が無いとも言い切れないし警戒しておくにこしたことはねえか。
「それにしてもお前、本当不用心だね」
「うん?」
「ついさっき僕を蹴飛ばしたばかりだってのに、また僕のそばに立っている。それではまるで見てくれって言っているようなものだぞ?」
ああ? コイツ何を言って……。
「……ッッ!!」
「まあ僕としては獣人とは言え良いものを見せて貰えて良かっグボァッ」
「だからキメエんだよ!!」
コイツこんな状況でもまだそういうことしやがるのか!? もはや一種の狂気を感じやがる!!
それに俺も俺だ……下着を見られるくらいどうってことはねえ……ねえはずなのに。
「……最悪だ」
俺は……女になって行っている。確証はねえが直感的にそう思う。でなきゃ辻褄が合わねえ。
とりあえずコイツを連れて国王さんのとこに行くか。これ以上コイツといたら俺が俺じゃなくなっちまいそうだ。
「ショータ殿、無事で何よりだ」
「良かった……良かったですぅぅ!」
「リーシャ、心配かけたな」
涙目で抱き着いてきたリーシャの頭を撫でる。幸い国内の被害は無かったようだ。リーシャも無事だしひとまずは安心して良さそうだな。だが、まだ話は終わっちゃいない。
「それで、コイツ……クライムはどうするのですか」
「ああ、そうだな。今回は未遂で終わったが、危険な存在で有ることに変わりはない。ひとまずは厚生施設に送ることになるだろうな。Sランク冒険者の称号も剥奪することになるだろう」
「そんな……」
「……でも妥当ではある。それくらいクライムは最低なことをしようとした」
「まさかこんな形で別れることになるとはな……」
クライムめ。こんなに思ってくれる仲間を持っておきながらその思いを裏切るなんて。心を入れ替えて一からやり直せることを願うぜ。
「それと国王様。クライムから聞いた話なのですが……」
ヤツから聞いた話を一応国王さんとも共有しておこう。龍種洗脳の件と何かしら関りがあるかもしれねえしな。
「なるほど。彼の魔族化はそういう経緯であったか。しかし、だとすると疑問が残るな。何故そのような危険なマジックアイテムを国内に持ち込めたのか。本来ならば結界に弾かれるはずだ」
そう言えばこの国に入る時の検査は凄いザルだったな。リーシャも言っていたが、本来ならばそう言った危険物は鑑定スキルや結界によって弾かれるはずなのか。となると厄介だ。何しろその結界を無効化してしまう危険物が存在するってことだからな。もう国内も安全とは言えなくなっちまった。
「こうなってしまえば入国時の検査を入念に行うしかあるまい。しかしそれでも食い止められなければ……」
な、なんでこっちを見るんだ。
「ショータ殿、何度もすまないが……」
「わかりました。内部で何かあった時にはお任せください」
「そうか、感謝するぞ」
ちょっと俺に頼りすぎな気もするが、今回みたいなことが起きたんじゃ並みの騎士や傭兵じゃ太刀打ちできねえってのはわかる。こうなりゃもうリーシャを守るついでに国だろうが何だろうが守ってやるよ!
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
おじさんが異世界転移してしまった。
明かりの元
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか?
モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
インフィニティ•ゼノ•リバース
タカユキ
ファンタジー
女神様に異世界転移された俺とクラスメイトは、魔王討伐の使命を背負った。
しかし、それを素直に応じるクラスメイト達ではなかった。
それぞれ独自に日常謳歌したりしていた。
最初は真面目に修行していたが、敵の恐ろしい能力を知り、魔王討伐は保留にした。
そして日常を楽しんでいたが…魔族に襲われ、日常に変化が起きた。
そしてある日、2つの自分だけのオリジナルスキルがある事を知る。
その一つは無限の力、もう一つが人形を作り、それを魔族に変える力だった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
強奪系触手おじさん
兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜
華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日
この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。
札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。
渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。
この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。
一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。
そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。
この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。
この作品はフィクションです。
実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
最強のコミュ障探索者、Sランクモンスターから美少女配信者を助けてバズりたおす~でも人前で喋るとか無理なのでコラボ配信は断固お断りします!~
尾藤みそぎ
ファンタジー
陰キャのコミュ障女子高生、灰戸亜紀は人見知りが過ぎるあまりソロでのダンジョン探索をライフワークにしている変わり者。そんな彼女は、ダンジョンの出現に呼応して「プライムアビリティ」に覚醒した希少な特級探索者の1人でもあった。
ある日、亜紀はダンジョンの中層に突如現れたSランクモンスターのサラマンドラに襲われている探索者と遭遇する。
亜紀は人助けと思って、サラマンドラを一撃で撃破し探索者を救出。
ところが、襲われていたのは探索者兼インフルエンサーとして知られる水無瀬しずくで。しかも、救出の様子はすべて生配信されてしまっていた!?
そして配信された動画がバズりまくる中、偶然にも同じ学校の生徒だった水無瀬しずくがお礼に現れたことで、亜紀は瞬く間に身バレしてしまう。
さらには、ダンジョン管理局に目をつけられて依頼が舞い込んだり、水無瀬しずくからコラボ配信を持ちかけられたり。
コミュ障を極めてひっそりと生活していた亜紀の日常はガラリと様相を変えて行く!
はたして表舞台に立たされてしまった亜紀は安らぎのぼっちライフを守り抜くことができるのか!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる