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第二部 並行異世界地球編
34 ダンジョンのその先へ④
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あの後は特に何事も無く無事にリーパーマンティスと戦った広間にまで戻ってこられた。
「ひとまず、お三方の回復をしますね」
出血が酷いし炎症も起こしている。異常な魔力濃度に晒されていたからか傷が悪化しているようだ。
これだと多分ヒールだけじゃ足りないな。それなら……。
「レッドヒール」
中級回復魔法であるレッドヒールを使って彼らの傷を癒す。
「凄い、傷が見る見るうちに塞がって行く……!」
通常のヒールが白い光を出すのに対してこのレッドヒールは血のように赤い光を放つ。そのためか一部だとむしろダメージを受けそうだなんて言われている。
けどそれは半分正しい。何しろこのレッドヒール、聖職者系のジョブを持っていると逆にダメージを受けるからな。
そして通常のヒール系魔法がアンデッドにダメージを与えるのとは逆に、このレッドヒールはアンデッドをも回復させる。
その点でもかなり珍しい回復魔法と言えるだろう。
「これほどの回復魔法を使えるなんて……あれ? けどあなたって先程の戦闘では近接戦闘をしてなかった?」
やべっ。この世界だと適性が全てだから戦闘と回復を両方出来るのは珍しいってのを忘れていた。
「俺……器用貧乏ですから」
「そうなのね。でもあなたの力、全然貧乏なんかじゃないわ。こんなに奇麗に傷が塞がっちゃったんだもの」
「はは、ありがとうございます」
……よくわからないがなんとかなかったようだ。
「魔物から助けていただいただけでは無く回復までしていただけるなんて、本当に感謝しています。一体どうお礼をしたらいいか」
「構わない。オレたちが助けようと思って助けただけだ。それで一つ聞きたいんだが……どうやってあの場所に入ったんだ?」
トウヤも気になっていたか。
あの通路は俺たちが入るまでは開いていなかった。であれば彼らはどうやってあの場所に入ったのか。
わざわざ内側から入口を塞いだって可能性もあるが、そんなことをする理由が見当たらない。
そもそもあの魔力濃度の中でそんなことをするのは自殺行為だ。そう長くは耐えられないことは本人たちだって気付いているはず。
それが無かったとしても魔物から逃げたりとか、いざと言う時に脱出しにくくなることをする必要が無い。
「実は……よくわかっていないんです。中層を歩いていたら急に地面に魔法陣が現れて、かと思えば気付いた時にはもうあの場所にいて……」
「……転移魔法を使ったトラップということか。だがあれはあくまで同じ階層のどこかに転移するもののはずだ。もしそのトラップが他にも存在しているのだとすれば……」
「魔物ハンターは迂闊にダンジョンに入れなくなるな」
トウヤの言う従来の転移トラップの仕様ならば、転移してしまうのはあくまで同じ階層の別の場所であって危険度に大きな差は生まれない。
初心者がいきなり最下層に……なんてことは絶対に無い訳だ。
だが彼らが言った事が真実ならば、その常識は覆ることになる。
それは実力に関係無く全ての魔物ハンターが、ダンジョンの最下層に転移される可能性を孕むと言う事に他ならない。
「もしかしたらこれも魔物が強力になっているのと関係があるのかもしれない」
「ああ、まさかダンジョン自体も強化されているという可能性があるとはな。完全に失念していた」
少なくとも正常では無いと言っていいだろう。だからこそ、俺がやるしかない。
「この先には俺一人で向かう」
「なんだって!? それはあまりにも危険だ。晴翔がいくら強いとは言え一人で行くのは無謀すぎる!」
「けど、すぐにでもこの奥にいる奴を討ち取らないと被害が増えかねない。彼らを外まで送るのはトウヤに任せた」
「ぐっ……言っていることは、わかる。だが……」
危険なことは承知の上だ。それでもこのダンジョンは正直言って異常。放っておいていいはずが無い。
「大丈夫、俺は滅茶苦茶に強いんだ」
「……わかった。絶対に生きて帰って来い」
納得してくれたのかトウヤは彼らの元へと向かう。
「本当に、行かせちゃって良いの?」
そんな彼に魔物ハンターの内の一人、俺とトウヤを妙な目で見ていた彼女がそう言った。
「ああ、晴翔にしか出来ないことだ」
「けど彼女のこと、凄く大事なんじゃ……」
「もちろん大事な友人だが……晴翔の覚悟を無下には出来ない」
「え、友人……?」
「そうだが……?」
トウヤは彼女が俺たちをどう見ているのか気付いていなかったようだ。
「あんなに大胆に抱き着いてたのに?」
「あれは魔力を貰っていただけだが」
「え……」
彼女の顔が急激に青ざめて行く。
「……あの、本当にごめんなさい。私、早とちりしちゃって。てっきりあなた達そう言う関係なのかと……」
「あぁ……そうか。そういうことか。いや、こちらも勘違いさせてすまない」
ああもう、妙な空気になってしまった。
俺は悪くないからな。あの時はああするしか無かったんだ。
トウヤもトウヤで俺の方をそんな顔で見るな。急に意識するんじゃねえこっちも恥ずかしくなるだろうが。
「すまない晴翔。これから大変な所に行くと言うのに」
「いや、いい。俺も軽率だったからな。じゃ、じゃあ行って来る」
「ああ……必ず生きてまた会おう」
妙な空気感のままトウヤたちと別れ、再び通路の中へと入る。
そうしてさっきまで魔物ハンターたちがいた場所にまで戻って来ると、またベビーマナツカミが何体か湧いていた。
所謂、無限湧きってやつかこれ?
「だとしたら面倒くさ過ぎるぞ……!」
「キュェァァァ」
片っ端から剣を突き刺してはその場に残された魔石を回収していく。この世界で使い道があるのかはわからないが一応拾っていった方が良いだろう。
「ふぅ……」
一通り片付け終えたため次の場所へ向かう。
また細い通路を通り、奥へ奥へと進んで行く。それに伴ってだんだんと空気中の魔力が濃くなっていくのを感じる。
肌がピリピリするような感覚もだんだん強くなっていくな。
「……いたか」
くねくねとした通路を抜けると、さっきリーパーマンティスと戦った場所のような広間に出た。
そしてその奥にいる魔物が目に入る。ドス黒い靄を放つあの姿を忘れたことは無い。
「闇に飲まれしモンスター……性懲りも無くこっちの世界にまでやって来やがってよ。お前らを全員ぶっ倒したらこの世界は平和になるのか?」
いや、それはコイツら本人にもわからないか。
けどこの世界に悪い影響を及ぼすってんなら……。
「倒すしかねえんだ。覚悟してくれ」
「ひとまず、お三方の回復をしますね」
出血が酷いし炎症も起こしている。異常な魔力濃度に晒されていたからか傷が悪化しているようだ。
これだと多分ヒールだけじゃ足りないな。それなら……。
「レッドヒール」
中級回復魔法であるレッドヒールを使って彼らの傷を癒す。
「凄い、傷が見る見るうちに塞がって行く……!」
通常のヒールが白い光を出すのに対してこのレッドヒールは血のように赤い光を放つ。そのためか一部だとむしろダメージを受けそうだなんて言われている。
けどそれは半分正しい。何しろこのレッドヒール、聖職者系のジョブを持っていると逆にダメージを受けるからな。
そして通常のヒール系魔法がアンデッドにダメージを与えるのとは逆に、このレッドヒールはアンデッドをも回復させる。
その点でもかなり珍しい回復魔法と言えるだろう。
「これほどの回復魔法を使えるなんて……あれ? けどあなたって先程の戦闘では近接戦闘をしてなかった?」
やべっ。この世界だと適性が全てだから戦闘と回復を両方出来るのは珍しいってのを忘れていた。
「俺……器用貧乏ですから」
「そうなのね。でもあなたの力、全然貧乏なんかじゃないわ。こんなに奇麗に傷が塞がっちゃったんだもの」
「はは、ありがとうございます」
……よくわからないがなんとかなかったようだ。
「魔物から助けていただいただけでは無く回復までしていただけるなんて、本当に感謝しています。一体どうお礼をしたらいいか」
「構わない。オレたちが助けようと思って助けただけだ。それで一つ聞きたいんだが……どうやってあの場所に入ったんだ?」
トウヤも気になっていたか。
あの通路は俺たちが入るまでは開いていなかった。であれば彼らはどうやってあの場所に入ったのか。
わざわざ内側から入口を塞いだって可能性もあるが、そんなことをする理由が見当たらない。
そもそもあの魔力濃度の中でそんなことをするのは自殺行為だ。そう長くは耐えられないことは本人たちだって気付いているはず。
それが無かったとしても魔物から逃げたりとか、いざと言う時に脱出しにくくなることをする必要が無い。
「実は……よくわかっていないんです。中層を歩いていたら急に地面に魔法陣が現れて、かと思えば気付いた時にはもうあの場所にいて……」
「……転移魔法を使ったトラップということか。だがあれはあくまで同じ階層のどこかに転移するもののはずだ。もしそのトラップが他にも存在しているのだとすれば……」
「魔物ハンターは迂闊にダンジョンに入れなくなるな」
トウヤの言う従来の転移トラップの仕様ならば、転移してしまうのはあくまで同じ階層の別の場所であって危険度に大きな差は生まれない。
初心者がいきなり最下層に……なんてことは絶対に無い訳だ。
だが彼らが言った事が真実ならば、その常識は覆ることになる。
それは実力に関係無く全ての魔物ハンターが、ダンジョンの最下層に転移される可能性を孕むと言う事に他ならない。
「もしかしたらこれも魔物が強力になっているのと関係があるのかもしれない」
「ああ、まさかダンジョン自体も強化されているという可能性があるとはな。完全に失念していた」
少なくとも正常では無いと言っていいだろう。だからこそ、俺がやるしかない。
「この先には俺一人で向かう」
「なんだって!? それはあまりにも危険だ。晴翔がいくら強いとは言え一人で行くのは無謀すぎる!」
「けど、すぐにでもこの奥にいる奴を討ち取らないと被害が増えかねない。彼らを外まで送るのはトウヤに任せた」
「ぐっ……言っていることは、わかる。だが……」
危険なことは承知の上だ。それでもこのダンジョンは正直言って異常。放っておいていいはずが無い。
「大丈夫、俺は滅茶苦茶に強いんだ」
「……わかった。絶対に生きて帰って来い」
納得してくれたのかトウヤは彼らの元へと向かう。
「本当に、行かせちゃって良いの?」
そんな彼に魔物ハンターの内の一人、俺とトウヤを妙な目で見ていた彼女がそう言った。
「ああ、晴翔にしか出来ないことだ」
「けど彼女のこと、凄く大事なんじゃ……」
「もちろん大事な友人だが……晴翔の覚悟を無下には出来ない」
「え、友人……?」
「そうだが……?」
トウヤは彼女が俺たちをどう見ているのか気付いていなかったようだ。
「あんなに大胆に抱き着いてたのに?」
「あれは魔力を貰っていただけだが」
「え……」
彼女の顔が急激に青ざめて行く。
「……あの、本当にごめんなさい。私、早とちりしちゃって。てっきりあなた達そう言う関係なのかと……」
「あぁ……そうか。そういうことか。いや、こちらも勘違いさせてすまない」
ああもう、妙な空気になってしまった。
俺は悪くないからな。あの時はああするしか無かったんだ。
トウヤもトウヤで俺の方をそんな顔で見るな。急に意識するんじゃねえこっちも恥ずかしくなるだろうが。
「すまない晴翔。これから大変な所に行くと言うのに」
「いや、いい。俺も軽率だったからな。じゃ、じゃあ行って来る」
「ああ……必ず生きてまた会おう」
妙な空気感のままトウヤたちと別れ、再び通路の中へと入る。
そうしてさっきまで魔物ハンターたちがいた場所にまで戻って来ると、またベビーマナツカミが何体か湧いていた。
所謂、無限湧きってやつかこれ?
「だとしたら面倒くさ過ぎるぞ……!」
「キュェァァァ」
片っ端から剣を突き刺してはその場に残された魔石を回収していく。この世界で使い道があるのかはわからないが一応拾っていった方が良いだろう。
「ふぅ……」
一通り片付け終えたため次の場所へ向かう。
また細い通路を通り、奥へ奥へと進んで行く。それに伴ってだんだんと空気中の魔力が濃くなっていくのを感じる。
肌がピリピリするような感覚もだんだん強くなっていくな。
「……いたか」
くねくねとした通路を抜けると、さっきリーパーマンティスと戦った場所のような広間に出た。
そしてその奥にいる魔物が目に入る。ドス黒い靄を放つあの姿を忘れたことは無い。
「闇に飲まれしモンスター……性懲りも無くこっちの世界にまでやって来やがってよ。お前らを全員ぶっ倒したらこの世界は平和になるのか?」
いや、それはコイツら本人にもわからないか。
けどこの世界に悪い影響を及ぼすってんなら……。
「倒すしかねえんだ。覚悟してくれ」
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