固有能力『変身』を使いヒーロー活動をしていた私はどうやらファンタジーな異世界でも最強のようです

遠野紫

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100 EX2:いたって健全なマッサージ

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 ある日のこと。
 宿に戻った咲は肩を回していた。勇者と言えど肩は凝るものである。
 特に彼女は同年代と比べても特にドでかい胸部を持っており、肩こりは永遠の悩みと言えた。

「あれ、咲ちゃんどうしたの?」

 そんな彼女の様子に気付いたのか桜はそう言って咲の元に近寄って行く。

「別にこれと言って何かあるわけじゃないんだけど、肩が少し重くてね」

「もしかして、肩こり?」

「そうかも。カルノライザーに変身してない時はこれがさ、あるから」

 そう言いながら咲は自らの胸を持ち上げ、たぷんと揺らして見せる。
 こんな重りが無ければなー、とでも言いたげな様子だ。

「……。駄目だよ咲ちゃんそんなことしちゃ」

 それを見た桜は己の中に湧き上がる欲求を抑えながら、いたって冷静にそう言うのだった。
 今すぐにでも押し倒して彼女の恵体を美味しくいただいてしまいたいという欲求でいっぱいの中、桜は何とかそれを押しとどめているのである。

「えっ? ご、ごめん……」

 とは言え咲の方は何でそんなことを言われたのかはわからないようだ。

「それじゃあ……私がマッサージ、してあげるね?」

 しかし肩が辛いのは桜としてもどうにかしてあげたいと思っていたため、彼女はこれでもかと言う程に柔和な笑みを浮かべながらマッサージを提案するのだった。
 決して変なことは考えていないと……そう自分に言い聞かせながら。

「いいの? じゃあお願いしようかな」

「任せて!」

 それからと言う物、桜の準備は早かった。
 いつの間にか温めたタオルなども用意しており、マッサージへの本気度がうかがい知れる。

「まずは肩を擦って行くね」

 そう言うと桜は咲の肩を服の上から優しく擦り始める。

「ただ触られてるだけなのに、なんだか気持ちがいいね」

 桜の手の温かさが咲に伝わり、さらには肩回りの筋肉の緊張や硬直も解消されるのだ。気持ちが良いのは当然であった。

「そろそろほぐれたかな。今度は肩を揉んでいくから、強かったら言ってね?」

「うん……ぅぁっ」

 桜が咲の肩のツボを的確に押し込む。
 すると咲はみょうちくりんな声を漏らしながらその気持ち良さを享受するのだった。

「咲ちゃん……」

 その声すらも今の桜にとっては刺激の強いものとなる。
 そのせいか本人すら気付かぬ内に咲の肩を押す手もどんどんと力強くなっていった。

「んぁっ……これ、凄いね」

 しかしその力強さが咲の凝り固まった肩にはちょうど良かったらしく、彼女の漏らす声はだんだんと色っぽいものへと変わっていってしまう。

「はぁ……はぁ……」

 当然そんなものを聞いてしまえば桜が正気を保てるはずもなく、彼女は血走った目で咲の前方へと手を伸ばした。

「あれ、前もやるの……?」

「肩こりには胸元の筋肉をほぐすのも効くからね……」

 そう言う桜の呼吸は荒く、その手も今にも咲の豊満な胸を揉みしだいてしまいそうな程にワキワキと動いている。
 しかし、直前で桜は思いとどまるのだった。
 咲は桜の事を信用してマッサージをさせてくれているのだと、彼女自身がそれを思い出したのである。

「ふぅっ……それじゃ、触るね」

 呼吸を落ち着かせ、桜はゆっくりと咲の胸筋周りをほぐし始めた。

「んぅっ……♡ こ、これ効くね。気持ち良い」

「そ、そうだね。ここには肩とかにも繋がる筋肉があったりして……」

 変わらず艶やかな声を漏らす咲から意識を離すためにも、桜は説明を行いながらマッサージを続けるのだが……。

「はぅっ……♡」

「ぅぁぁぁっ!! もう我慢できない!」

「さ、桜!?」

 もはや我慢の限界だと言わんばかりに桜は叫び、咲をベッドの上へと押し倒してしまうのだった。

「咲ちゃんが悪いんだよ……? そんなに私を誘うから……」

「桜……その、目が怖いよ……?」

 咲の上に馬乗りになり、桜は血走った目で咲の体を舐めるように見つめる。

「私をこうした責任……取ってよね?」

「あっ、待って……あぁっ!?」

 こうなってしまってはもうどうしようもない。
 性の獣と化した桜を獲物である咲がどうにか出来るはずが無いのである。

 こうして二人はここではとても書けないようなとんでもない濃厚イチャラブドスケベな絡み合いをすることになるのだった。
 それでも咲が生きていられたのは彼女の生命力が半端ないものであるからに他ならないだろう。
 もっともそのせいで気絶することも出来ずに、延々と生き地獄を味わうことにもなるのだが……。
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