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第3章 組織編

第34話 最善の方法

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すると俺たちは建物の入り口のところにエヴァンがいるのを見つけた。



「エヴァン!!!!」



そう叫んだが、周りで繰り広げられている激しい戦いのせいで俺の声はかき消されてしまった。


くそっ!どうしよう!近付こうにも人がいて無理だし…

と俺がどうしようかとうじうじしていたら


「ガオオオオオオオゥ!!!!!」


レイの使い魔の火虎の唸り声が辺りに響く渡った。


それで、その場にいた全ての人が戦いを中断してこちらを向いた。


「…っ、ありがとうレイ!」

「ナツの為なら」


そして俺は大きな声で叫んだ

「エヴァン!!!!」









「…え、な、ナツ…?」



「はい!ナツです!僕は大丈夫です!!だからとにかく話を聞いてください!!」


「わ、わかった!ちょっとお前ら道を開けろ!」


そして人の間を通り抜け俺たちはエヴァンの前まで行って…

そしたらエヴァンに思いっきり抱きしめられた

「ナツ…!無事でよかった…!」





「は、はい!あの、だからちょっと、離して…!」

く、苦しい…


「あ、あぁ、ごめん!つい、嬉しくて…」

ふぅ、やっと解放された…

「ううん!僕もエヴァンに会えて嬉しいから…」

「…っ!ナツ…!」



「ストップストップ!!ちょっと、俺も居るんだけど?ナツとイチャイチャするのは辞めてもらおうか?兵団長殿?」

「あぁ?お前誰……ん?さっきの火虎…まさか…!」


「そう、俺が橙虎のリーダー、レイだ」

「お前が…!だが、だとしたら何故ここに?」

「ちょっと君に提案があってね」

「提案だと…?」



「橙虎と協定を結ばないか?」

「協定…!?一体何を企んでいる!?何故組織なんかと!」

「…これには訳があってね、この国の為、政府の為、俺たち橙虎の為、そして何よりナツを守るために為にこれが一番最善の方法なんだよ」

「ナツの為…だと?どういうことだ?」

「反政府がナツを狙っている。ここまで言えば賢い君ならわかるよね?」

「…っ!?やはりか…!なるほど、わかった、ひとまず我々エストニア兵団は橙虎と協定を結ぶ」

「決まりだ」

「隊員聞け!!橙虎とはたった今理由があって協定を結んだ!戦いはやめだ!」

「そこのお前!放送で兵団とは協定を結んだから戦うなということを流せ!」


そして二人の長が呼びかけたことにより戦いは終わった。








…って、ええええ!!??そんなにすんなり協定結んじゃうの!?さっきここまで来るときに説得は俺に任せろってレイが言うから任せたけど…!まさか協定が結ばれるなんて…!いや、願ったりかなったりだけども!それにさっきのレイが言ってた俺の為ってどう言う事!?なんで俺!?というかなんで俺反政府に狙われてんの!?



はぁ…もう何が何だか、意味不明だよ…












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