【改訂版】スキルなしの魔法使いは、自分の才能に気付いていない

諫山杏心

文字の大きさ
上 下
31 / 33

31話 お前のせいじゃない

しおりを挟む
 「落ち着いた?」

 「うん。……あの、本当にごめん」

 「なんで謝るの」


 優しく微笑むベリタスを横目に、私は沸き上がる感情に溜息を吐いた。――子供みたいに泣き喚いて、恥ずかしすぎる!
 
 熱が集まる顔を見られたくなくて、私は抱えた膝に顔を埋めた。
 休憩場所を人気のない木陰にしておいてよかった。そうじゃなきゃ、こんな情けない姿を皆に見せていたのだ。

 ――もしかしたら、さっきの事、みんなに見られてるのかな。
 そこまで考えてまた溜息を吐いた。先程よりも重い溜息に、余計に気が重くなっていく。

 ベリタスの顔を見る事が出来なくて、私は顔を埋め続けた。


 「……ふふっ」

 「……ベリタス、笑うのは酷くない?」

 「いや、だって……は、ははっ、リリアがすごい恥ずかしがるから……っ」


 突然聞こえた笑い声に、私は顔を埋めたまま横目でベリタスを見た。
 彼は手で口を押え、必死に笑いを堪えようとしている。

 ――気まずくなるより、笑ってくれた方が良いのかもしれない。
 ベリタスの笑顔に釣られ、私の口角も少し上がった。ベリタスが笑顔なら、それでいい気がしてきた。

 
 「ありがとう、ベリタス」

 「あははっ、どういたしまして」


 私達は顔を見合わせて笑った。――そっか。ベリタスは、こういう人だった。
 〝重い〟と思って自分の気持ちを吐露できずにいたけど、彼は人の思いをしっかりと受け止めてくれる人なのだ。

 ――みんな、私の事を思ってくれていたのに、私が壁を作ってたんだ。

 心の中で反省した。彼等よりも大人だからと抱え込んでいた私は、誰よりも子供だったのだ。


 「――本当に、ありがとね」

 
 私は抱えた膝に頬を付けたまま、ベリタスに微笑んだ。
 するとベリタスの頬は少しだけ赤くなって、その口元に弧を描いた。


 「リリアは、大切な友達だから」


 穏やかな時間はユーリの授業終了の掛け声で終わった。
 フォルティアに元へ駆け寄って声を掛ければ、彼女の顔には安心したような笑みが浮かんだ。



 *
 
 

 「本当、一年が過ぎるのは早いよね」

 「だね~。新学期、リリアちゃんと一緒に登校したのが昨日の事の様だよ~」

 「リリアとフォルティアはいつも一緒に登校してるだろ」

 「アハハ、確かに」
 

 他愛もない事を話しながら、私達三人は廊下を歩く。前までは気になっていたこちらへの視線も、フォルティアとベリタスと話しながらだと全然気にならないから不思議なものである。
 私達は目当ての物が視界に入ると「早く見よう!」と足早にそちらへと向かう。


 「やっぱり、今年もリリアちゃんが主席だよ!本当、リリアちゃんってすごいね!」

 「本当勝てないよなぁ、リリアには」

 「アハハ、ありがとう。……でも、ベリタスとフォルティアも次席だよ!ってかフォルティア。薬草学、満点超えてるんだけど……どゆこと……」
 

 目当ての物――学年末の成績が貼り出された掲示板を見上げながら、私達ははしゃぐ。有難い事に私が主席、次席はベリタスとフォルティアだ。
 全体的な点数が高い私とベリタスと違い、フォルティアは薬草学の点数が飛びぬけて高かった。満点を超えている、というか満点の倍近い点数が書かれてある。なんだこの点数は。

 貼り出された紙を見ながら、私は「ん?」と首を傾げた。去年、私に次いで次席の位置にいたレオの名前がないのだ。
 私は上から順に名前を辿っていく。そして、私は愕然とした。――彼の名前は、学年の中くらいの位置にあったのだ。


「レオ、めっちゃ成績落ちてない?」

「え?……うわ、本当だ。去年、次席だったよね?なにかあったのかな?」

「いや、アイツはただ――」

「――オイ、ベリタス!リリア、フォルティア!」


 言いかけた私達は、こちらを呼びかける言葉に振り返った。……そこには、爽やかな笑顔を浮かべたレオがいた。
 私達は「あ」と漏らしながら、どうしようかと顔を見合わせた。負けん気の強い彼が自分の成績を見たらどうなるか不安になったのだ。

 私は恐る恐る「レオ?」と声を掛けた。笑顔のまま首を傾げるレオに、私は意を決して口を開く。


 「余計なお世話かもしれないけどさ……その、どうしたの?何か悩みでもある?」

 「は?いきなりなんだよ」

 「いや、その……」


 言うのは気まずくて、私は掲示板を振り返る。それを見て「ああ」と頷いて、レオは貼り出された紙の真ん中を躊躇いなく見て、「うん、やっぱこれくらいだな」と納得した様な声を出した。
 私とフォルティアは意味が分からずに顔を見合わせる。――やっぱり、とはどういう事だろうか?


 「あの、レオ?やっぱって?」

 「いやー俺さ、今年入ってから体術にハマっただろ?今まで勉強してた時間も体術の練習につぎ込んだから、成績落ちるのは分かってたんだよなー。ま、予想よりは良い成績だけどな!」


 そう言って豪快に笑い始めたレオに、私達は再度顔を見合わせる。悔しがると思っていたのに、意外だ。
 ベリタスは呆れたように溜息を吐いた。その横で呆ける私とフォルティアを他所に、レオは「ってかユーリ先生見なかった?」とこちらへ問いかけてくる。……どうやら、本当に成績の事は何とも思っていないらしい。

 今日の朝で彼の監視対象から外れた私が「職員室に行ったよ」と言うと、それを聞くや否やレオは笑顔を輝かせた。


 「分かった!ありがとな、リリア!」

 「あ、うん」


 上機嫌な様子でこの場から去っていくレオの後姿を見ながら、私はフォルティアと笑った。


 「なんか去年より生き生きしてるね、レオ」

 「うん。体術が生きがい、って感じ」

 「レオがあそこまで打ち込めたモノなんて、今までなかったからね。……このまま最下位にならないといいけど」


 重い溜息を吐いたベリタスの隣でフォルティアと笑いあっていれば、遠くから「ユーリ先生ー!」とレオの大きな声が聞こえた。その声に私達は耐え切れず、声を上げて笑った。ベリタスはまた溜息を吐いていた。
 
 掲示板の一番下、圏外の欄にはセルフィアの名前があった。その事実を知りながらも、私は笑えていた。
 それもきっと、私にはこんなにも素敵な友達がいるから。笑いあって、喧嘩して、悲しい時は一緒に悲しんでくれる。そんな、素敵な友達。

 だから、私は根拠もなくおもっていた。これから彼等と送る学校生活は、平穏で幸せなものだと。
 だから、私は思わなかったのだ。これから彼等と送る学校生活が、今までよりも波乱に満ちたものになる事を。



 *
 


 「なんで、なんでアイツが主席なのよ!」


 寮へ戻って、私は荷物を壁に投げつけた。大きな音を立てたそれに同室の子が顔を歪めるけれど、どんなのどうだっていい。問題はそこじゃない。
 
 ――去年もアイツが……リリアが主席だった。しかも、次席にあのフォルティアとかいう女の名前もあった。こんなの、あり得ない!

 抑えきれない苛立ちに歯を食いしばる。ギリッという音が鳴った。
 そんな私を見て同室の子は呆れたように溜息を吐いた。


 「レーニス。あのスキルなしが主席だからって荒れすぎじゃない?」

 「あのスキルなしが主席だから荒れてるんじゃない!アンタ、悔しくないの!?」

 「うーん」


 私の言葉に彼女は頭を掻いた。なんというか、こちらの言葉が全然響いていない、という態度だ。


 「確かにスキルなしだけどさ、あの子の魔法がすごいのは本当じゃん?杖なし、詠唱もなしで普通の魔法使いよりも強い魔法が使える訳だし。しかも頭良いんでしょ?そんな子に勝てるわけなくない?」

 「なっ……あ、あのスキルなし、そんなにすごいの!?」

 「え、知らなかったの?あの子に興味津々な割に、何も知らないんだね。まぁ、あの子はアンタの事、なんとも思ってないみたいだけど。それに、あの子の事悪く言う前に努力したら?アンタが勉強してるとこなんて見た事ないけど」

 「っ……!」


 彼女の一言に、私はカッと頭に血が上った。――なんで私がそこまで言われなきゃいけないのよ!
 私は「アンタなんなのよ!?」と彼女へ叫ぶ。彼女は肩を竦めて「あー怖い」と吐き捨てて部屋を出ていった。

 そんな彼女の態度に、私の怒りは増していく。――なんで私がこんな目に遭わなきゃいけないのよ!私は何も悪くないのに!

 私は頭の中に、今日見た景色を思い出す。成績が貼り出された掲示板の前で笑いあうあの子達は、認めたくなくとも周りとは違った輝きを放っていた。それが余計に腹立たしい。
 リリアだけじゃない、フォルティアという女もだ。入学式の日に私の頬を引っぱたいた挙句、と親し気にしているあの女は、本当にいけ好かない。

 
 「アイツら、絶対に引きずり落とす」


 思わず漏れた声は、憎しみに染まっていた。


 
 *



 「ただいま帰りました~」

 「お、帰ったか。お帰り、リリア」
 

 扉を開けば、そこには懐かしい景色が広がっていた。
 馴染みのある家具に、馴染みのある匂い。そこに馴染む、馴染みのある穏やかな笑みを浮かべた赤毛――アロウに、私も笑顔を浮かべた。

 別に学校生活を送っていた間、ずっと帰省していなかったわけではない。サクラのご飯も用意しなければならないのだ。少なくとも、月に二回は帰っていた。
 けれど、今年は色々と辛い事も悲しい事も重なった。だからだろう、帰省しても心は休まる事はなかったのだ。
 
 久々の穏やかな帰省に私は、尻尾を振りながら駆け寄ってきたサクラの頭を撫でる。見ない間に、また少し大きくなったらしい。その背丈は私の背をも超えている。
 そうしていると、「リリア」と声を掛けられた。その声掛けにアロウを見れば、彼女は優しく「おいで」と自分の座っている席の向かいへ座るよう促してくる。

 私は素直にそれに従い、彼女の向かいへ腰かける。
 アロウは魔法を使って手際よくお茶を淹れると、私の前へと置いてくれる。


 「どうだった、今年の学校生活は?」

 「なんていうか、いろんな事がありましたね。一年生の時も色々あったけど、それよりも大変でした」

 「ハハッ、だろうな」


 私の返答にアロウは声高らかに笑った。そんな彼女を見ながら「知ってるくせに」と私は愚痴っぽく言葉を零す。

 今年、私の身に降りかかった出来事を、アロウは知っている。詳細を書いた手紙を、私とフィデスが送ったからだ。
 フィデスが手紙を送ったのを知ったのは、アロウからの手紙で知った。なんでも、意識を取り戻さないセルフィアの事を色々と頼まれたらしい。
 
 恨み言のような私の呟きにアロウは「悪い、悪い」と笑う。本当に悪いと思っているのだろうか。
 一通り笑った彼女は少し落ち着いて、「さて」と私を真っ直ぐに見つめ、言葉を続けた。


 「セルフィアの事なんだが」

 「っ!セルフィア、目が覚めたんですか!?」


 切り出された言葉に私は思わず立ち上がった。そんな私を見て、アロウは顔色を変えずに首を振る。

 
 「いや、まだだ。というか、いつ目が覚めるか、私にも分からん」

 「……そう、ですか」


 芽生えた希望が消えていく感覚に、私は体の力が抜けて椅子にもたれる。
 けれど、セルフィアの話をし始めたという事は、きっと何かある筈だ。そう思って、私は話の続きを促した。


 「それで、セルフィアがどうかしたんですか?」

 「ああ。彼女について分かった事だが――セルフィアは洗脳されていた可能性が高い」

 「洗脳……」


 静かに告げられた言葉を反芻し、私はセルフィアを思い出した。確かに、彼女が急に態度を変えたのは今年に入ってからだ。――彼女が急変したのは、洗脳されていたから?
 少し戸惑っている私に「ああ」と頷き、アロウは話を続ける。


 「記憶を覗こうとしたんだがな、弾かれてしまった。……は魔法じゃない。スキルによる効果だ」

 「なんでそう言い切れるんですか?」

 「私の魔法が弾かれるんだ。女神から授かった絶対の力――スキルに決まってるだろう?」


 私の問いに、アロウは事も無げに答える。「そういうモノなのか」と良く分からない納得をしていれば、彼女は「それで」と続ける。


 「リリア。お前、セルフィアに嫌われていたと言っていたな?」

 「あ、はい。そうですけど……?」

 「それも洗脳のせいだ。決して、お前が彼女に何かしたとか、そういう事じゃないよ」

 「え……」


 優しくなった声色に、私は弾かれたようにアロウを見つめた。彼女は穏やかな笑みを浮かべていた。今までよりもずっと、もっと穏やかな笑みを。
 彼女はフッと笑って、席を立った。そして座ったままの私の隣へ来ると、優しい力で私の肩を抱き寄せた。


 「せ、先生……?」


 突然の出来事に、彼女の柔らかな胸に頭を預けながら声を上げた。


 「リリア、お前のせいじゃないよ。……お前のせいじゃない」


 酷く優しい声が、彼女の胸の奥から聞こえた。くぐもって聞こえたその声が、私の胸の奥へと響く。
 
 ――嗚呼。本当に、私は人に恵まれてるな。
 
 そんな事を考えながら、私は熱くなった目頭を拭った。
 サクラが心配そうに顔を覗き込んでいるのを見て、少し笑う。


 「……ありがとうございます、先生」


 少し震えてしまった声。
 アロウは私の頭を撫でてくれた。酷く優しい手つきだった。

 その時間は少しの間続いた。
 サクラのお腹の音が鳴ってやっと、アロウは私から離れた。彼女の顔は、やっぱり穏やかだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

聖女の娘に転生したのに、色々とハードな人生です。

みちこ
ファンタジー
乙女ゲームのヒロインの娘に転生した主人公、ヒロインの娘なら幸せな暮らしが待ってると思ったけど、実際は親から放置されて孤独な生活が待っていた。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

「魔王のいない世界には勇者は必要ない」と王家に追い出されたので自由に旅をしながら可愛い嫁を探すことにしました

夢幻の翼
ファンタジー
「魔王軍も壊滅したし、もう勇者いらないよね」  命をかけて戦った俺(勇者)に対して魔王討伐の報酬を出し渋る横暴な扱いをする国王。  本当ならばその場で暴れてやりたかったが今後の事を考えて必死に自制心を保ちながら会見を終えた。  元勇者として通常では信じられないほどの能力を習得していた僕は腐った国王を持つ国に見切りをつけて他国へ亡命することを決意する。  その際に思いついた嫌がらせを国王にした俺はスッキリした気持ちで隣町まで駆け抜けた。  しかし、気持ちの整理はついたが懐の寒かった俺は冒険者として生計をたてるために冒険者ギルドを訪れたがもともと勇者として経験値を爆あげしていた僕は無事にランクを認められ、それを期に国外へと向かう訳あり商人の護衛として旅にでることになった。 といった序盤ストーリーとなっております。 追放あり、プチだけどざまぁあり、バトルにほのぼの、感動と恋愛までを詰め込んだ物語となる予定です。 5月30日までは毎日2回更新を予定しています。 それ以降はストック尽きるまで毎日1回更新となります。

絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました

toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。 残酷シーンが多く含まれます。 誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。 両親に 「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」 と宣言した彼女は有言実行をするのだった。 一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。 4/5 21時完結予定。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

もう一度あなたに逢いたくて〜こぼれ落ちた運命を再び拾うまで〜

雪野 結莉
恋愛
魔物を倒す英雄となる運命を背負って生まれた侯爵家嫡男ルーク。 しかし、赤ん坊の時に魔獣に襲われ、顔に酷い傷を持ってしまう。 英雄の婚約者には、必ず光の魔力を持つものが求められる。そして選ばれたのは子爵家次女ジーナだった。 顔に残る傷のため、酷く冷遇された幼少期を過ごすルークに差し込んだ一筋の光がジーナなのだ。 ジーナを誰よりも大切にしてきたルークだったが、ジーナとの婚約を邪魔するものの手によって、ジーナは殺されてしまう。 誰よりも強く誰よりも心に傷を持つルークのことが死してなお気になるジーナ。 ルークに会いたくて会いたくて。 その願いは。。。。。 とても長いお話ですが、1話1話は1500文字前後で軽く読める……はず!です。 他サイト様でも公開中ですが、アルファポリス様が一番早い更新です。 本編完結しました!

処理中です...