24 / 33
24話 恋するお年頃
しおりを挟む
ユーリが来て体術の授業が加わると、私達の生活はより一層慌ただしいものになった。
まず、気付けば、体術に対して一番消極的だったレオが、クラスで一番体術の授業にのめり込んでいた。
体術の授業がある日は必ず上機嫌だし、ユーリの周りを「先生!」と笑顔で着いて回っている。
そんなレオが可愛いのだろう、ユーリも嬉しそうに彼の頭を撫でているのを良く見かける。
その対応に、レオも満更でもないらしい。ニコニコしながら撫でられている。
レオ曰く、『父親の教え方と違って分かりやすいし楽しい!』らしい。
……ユーリのお父さんって、結構、厳しい人なのだろうか。いや、考えない方が良さそうだ。
セルフィアとは相変わらず関わる事ができずにいた。
何回かがんばって話しかけてみたが、冷たい対応をされるだけで終わる。正直、心が折れそうだ。
彼女の婚約者でもあるレオの「放っておけばいずれ元通りになる」という言葉を信じ、今は話しかけるのを止めている。本当に、これで良いのだろうか。
ベリタスとは、体術のパートナーになった。
理由は、〝フォルティア相手だと怪我させそうだから〟だ。……いや、これは私が言い出した言葉ではないのだが。
どうやら彼はレオと同じく、ある程度の体術は学んできたらしい。
それを聞いた時に「うん、まぁ」という歯切れの悪い回答をもらったので、あまり話したくない事柄なのかもしれないと思ってこれ以上は聞けなかった。
ベリタスは、体術の授業で私が受け身を取るたびに「大丈夫?痛くない?」と心配してくれる。正直「過保護だな」と思う反面、「優しいな」とも思う。ユーリ相手に熱が入っているどっかの誰かさんとは大違いだ。
そうして日々は過ぎていき、夏になった。
制服はすっかり夏模様となり、シクルスの花は消え去り、葉が茂っている。
――今日も暑いなぁ。
登校中、肌を突き刺すような日照りに、額に流れる汗を拭う。
休みだった昨日はずっと涼しい部屋にいたからか、外にいる今は余計に暑く感じる。
蒸気のような暑さに項垂れていると、目の前に良く知る人影が映った。
「……フォルティア!」
私の声に、目の前の人物――フォルティアは、体をビクッと震わせると、勢いよくこちらへ振り返った。その顔は、どこか戸惑っている様子だ。
「……あ、リリアちゃん。お、おはよう」
「おはよう。どうしたの?なんか、具合でも悪い?」
「え!?そ、そんな事ないよ!……早く行こ、遅刻しちゃう!」
「えっ、ちょっ」
私の問いに、フォルティアは焦ったように走り出した。――なんなんだ?
過ぎ去っていく後姿を見つめながら、私はしばらく呆然と立ち尽くした。そして、一つの考えが浮かんだ。――もしかして、フォルティアもセルフィアと同じ感じになってしまった?
嫌な想像に、私は血の気が引いた。これ以上、友達に冷たい態度を取られるのは嫌だ。
――急がなきゃ。
私はフォルティアを追いかけるため、足に魔力を込めて駆け出した。
*
「――フォルティア!」
「わあぁっ!……びっくりしたぁ、リリアちゃんか」
フォルティアに追いつき肩を掴めば、彼女は驚きながら振り向いた。
体に触れているのに、顔に拒絶の色はない。……もしかして、嫌われたわけではないのだろうか。
――確かめなきゃ。セルフィアみたいになる前に。
脳裏に冷たい表情が浮かび上がって、躊躇ってしまうが、ここは勇気を出して聞かなければいけない。
……私は意を決して、口を開いた。
「あ、あのさ、フォルティア」
「うん?……どうしたの、リリアちゃん。顔色悪いよ?」
「……っ、私、フォルティアになんかしちゃったかなっ?」
「え?」
怖くなって勢いよく言えば、フォルティアはその顔を呆けたものにさせた。
……なんか、予想と違う反応だ。私は恐る恐る言葉を続けた。
「さっき、フォルティアの態度がおかしかったから、セルフィアみたいに私の事、避けてるんじゃないかと思って……私、フォルティアに嫌な思いさせちゃったのかなって……」
「……えっ!?あっいや、違うの!勘違いさせてごめんなさい!ちょっと考え事してて、その、リリアちゃんに話すのは恥ずかしい事で……!」
「私に話すのが恥ずかしい事……?」
フォルティアは顔を赤く色づかせて「どうしようかな」と呟きながらオロオロとしている。……どうやら、嫌われたわけではないらしい。
――でも、私に話すのが恥ずかしい事って?
疑問に思い、それを口にしようとした時だった。
私達の背後から「やぁ」と男性の声がして、振り返る。
「リリア、久しぶりだね」
「――ジェイルさん!」
そこにいたのは、魔法杖専門店の店主――ジェイルだった。
彼は初めて会った時と変わらない、柔らかな笑みをこちらに向けている。
久々の再会に、こちらも笑顔が浮かぶ。
「ジェイルさん、本当にお久しぶりですね!どうしてここに?」
「それはね、ちょっと用事があって。――ね、フォルティア」
「はひっ!?」
突然ジェイルに話を振られたフォルティアが飛び跳ねる。その顔は真っ赤で、とても緊張しているのが感じられた。
……なにやら、フォルティアの様子がおかしい。というか、言い方的に考えると、ジェイルはフォルティアが目的でここにいるという事だろうか?
「フォルティアに用事なんですか?じゃあ私はこれで――」
「えっ!?ま、待って、リリアちゃん!大した用事じゃないから、リリアちゃんもここにいて!」
「え?でも――」
「お願い、そばにいて!」
ガシリと強い力で腕を摑まれ、私は驚きながらフォルティアの顔を覗く。その顔は必死だ。こんなフォルティア、初めて見た。
――ジェイルが苦手なのだろうか?
……苦手な人と二人っきりが嫌な気持ちは分かる。ここに留まった方がいいのだろう。
「お邪魔じゃないなら、ここにいようかな」
「うん!ありがとう、リリアちゃん!」
「ハハッ。大した用事でもないし、お邪魔でも何でもないよ。――はい、フォルティア。待たせちゃってごめんね」
私達の様子を見て笑ったジェイルは、鞄から細長い箱を取り出してフォルティアに差し出した。
フォルティアはカチコチに固まった体でそれを受けとり、消えそうな声でお礼を言った。
――なにを渡したのだろう?
無粋かもしれないが、気になった私は疑問を口にした。
「ジェイルさん、フォルティアに何を?」
「杖だよ。昨日、僕のお店にメンテナンスに来てくれてね。本当は昨日中に仕上がる予定だったんだけど、ちょっと遅れちゃってね。でも授業に杖がないとなると困るだろうから、こうやって届けに来たんだよ」
「なるほど、大変ですね」
「これくらいお安い御用さ。こうやって、可愛い女の子達に会えるわけだし」
「かわっ……!?」
ウィンクをしたジェイルに、フォルティアが更に顔を真っ赤にさせた。
この反応を見て、私は違和感を感じた。嫌いな人相手に、こんな反応する人はいないだろう。
――フォルティアってもしかして、ジェイルさんの事……。
「――さて、僕はもう帰ろうかな。登校中なのに引き留めちゃつてごめんね」
「いっいえっ!全然、いつでも大丈夫です!杖、ありがとうございましたっ!」
「ハハッ、どういたしまして。……じゃあね」
優しく微笑んで、ジェイルは私達の頭を撫でてこの場を去った。
その後姿が見えなくなるまでうっとりと見つめるフォルティアに、私は確信した。
「……フォルティアって、ジェイルさんの事が好きなんだ」
「え”っ!?」
――振り返ったその顔は真っ赤で、誰がどう見ても、フォルティアがジェイルに恋をしているのは明白だった。
私は初めて見るフォルティアの顔が面白くって、ついつい笑ってしまった。フォルティアに怒られたのは言うまでもないだろう。
まず、気付けば、体術に対して一番消極的だったレオが、クラスで一番体術の授業にのめり込んでいた。
体術の授業がある日は必ず上機嫌だし、ユーリの周りを「先生!」と笑顔で着いて回っている。
そんなレオが可愛いのだろう、ユーリも嬉しそうに彼の頭を撫でているのを良く見かける。
その対応に、レオも満更でもないらしい。ニコニコしながら撫でられている。
レオ曰く、『父親の教え方と違って分かりやすいし楽しい!』らしい。
……ユーリのお父さんって、結構、厳しい人なのだろうか。いや、考えない方が良さそうだ。
セルフィアとは相変わらず関わる事ができずにいた。
何回かがんばって話しかけてみたが、冷たい対応をされるだけで終わる。正直、心が折れそうだ。
彼女の婚約者でもあるレオの「放っておけばいずれ元通りになる」という言葉を信じ、今は話しかけるのを止めている。本当に、これで良いのだろうか。
ベリタスとは、体術のパートナーになった。
理由は、〝フォルティア相手だと怪我させそうだから〟だ。……いや、これは私が言い出した言葉ではないのだが。
どうやら彼はレオと同じく、ある程度の体術は学んできたらしい。
それを聞いた時に「うん、まぁ」という歯切れの悪い回答をもらったので、あまり話したくない事柄なのかもしれないと思ってこれ以上は聞けなかった。
ベリタスは、体術の授業で私が受け身を取るたびに「大丈夫?痛くない?」と心配してくれる。正直「過保護だな」と思う反面、「優しいな」とも思う。ユーリ相手に熱が入っているどっかの誰かさんとは大違いだ。
そうして日々は過ぎていき、夏になった。
制服はすっかり夏模様となり、シクルスの花は消え去り、葉が茂っている。
――今日も暑いなぁ。
登校中、肌を突き刺すような日照りに、額に流れる汗を拭う。
休みだった昨日はずっと涼しい部屋にいたからか、外にいる今は余計に暑く感じる。
蒸気のような暑さに項垂れていると、目の前に良く知る人影が映った。
「……フォルティア!」
私の声に、目の前の人物――フォルティアは、体をビクッと震わせると、勢いよくこちらへ振り返った。その顔は、どこか戸惑っている様子だ。
「……あ、リリアちゃん。お、おはよう」
「おはよう。どうしたの?なんか、具合でも悪い?」
「え!?そ、そんな事ないよ!……早く行こ、遅刻しちゃう!」
「えっ、ちょっ」
私の問いに、フォルティアは焦ったように走り出した。――なんなんだ?
過ぎ去っていく後姿を見つめながら、私はしばらく呆然と立ち尽くした。そして、一つの考えが浮かんだ。――もしかして、フォルティアもセルフィアと同じ感じになってしまった?
嫌な想像に、私は血の気が引いた。これ以上、友達に冷たい態度を取られるのは嫌だ。
――急がなきゃ。
私はフォルティアを追いかけるため、足に魔力を込めて駆け出した。
*
「――フォルティア!」
「わあぁっ!……びっくりしたぁ、リリアちゃんか」
フォルティアに追いつき肩を掴めば、彼女は驚きながら振り向いた。
体に触れているのに、顔に拒絶の色はない。……もしかして、嫌われたわけではないのだろうか。
――確かめなきゃ。セルフィアみたいになる前に。
脳裏に冷たい表情が浮かび上がって、躊躇ってしまうが、ここは勇気を出して聞かなければいけない。
……私は意を決して、口を開いた。
「あ、あのさ、フォルティア」
「うん?……どうしたの、リリアちゃん。顔色悪いよ?」
「……っ、私、フォルティアになんかしちゃったかなっ?」
「え?」
怖くなって勢いよく言えば、フォルティアはその顔を呆けたものにさせた。
……なんか、予想と違う反応だ。私は恐る恐る言葉を続けた。
「さっき、フォルティアの態度がおかしかったから、セルフィアみたいに私の事、避けてるんじゃないかと思って……私、フォルティアに嫌な思いさせちゃったのかなって……」
「……えっ!?あっいや、違うの!勘違いさせてごめんなさい!ちょっと考え事してて、その、リリアちゃんに話すのは恥ずかしい事で……!」
「私に話すのが恥ずかしい事……?」
フォルティアは顔を赤く色づかせて「どうしようかな」と呟きながらオロオロとしている。……どうやら、嫌われたわけではないらしい。
――でも、私に話すのが恥ずかしい事って?
疑問に思い、それを口にしようとした時だった。
私達の背後から「やぁ」と男性の声がして、振り返る。
「リリア、久しぶりだね」
「――ジェイルさん!」
そこにいたのは、魔法杖専門店の店主――ジェイルだった。
彼は初めて会った時と変わらない、柔らかな笑みをこちらに向けている。
久々の再会に、こちらも笑顔が浮かぶ。
「ジェイルさん、本当にお久しぶりですね!どうしてここに?」
「それはね、ちょっと用事があって。――ね、フォルティア」
「はひっ!?」
突然ジェイルに話を振られたフォルティアが飛び跳ねる。その顔は真っ赤で、とても緊張しているのが感じられた。
……なにやら、フォルティアの様子がおかしい。というか、言い方的に考えると、ジェイルはフォルティアが目的でここにいるという事だろうか?
「フォルティアに用事なんですか?じゃあ私はこれで――」
「えっ!?ま、待って、リリアちゃん!大した用事じゃないから、リリアちゃんもここにいて!」
「え?でも――」
「お願い、そばにいて!」
ガシリと強い力で腕を摑まれ、私は驚きながらフォルティアの顔を覗く。その顔は必死だ。こんなフォルティア、初めて見た。
――ジェイルが苦手なのだろうか?
……苦手な人と二人っきりが嫌な気持ちは分かる。ここに留まった方がいいのだろう。
「お邪魔じゃないなら、ここにいようかな」
「うん!ありがとう、リリアちゃん!」
「ハハッ。大した用事でもないし、お邪魔でも何でもないよ。――はい、フォルティア。待たせちゃってごめんね」
私達の様子を見て笑ったジェイルは、鞄から細長い箱を取り出してフォルティアに差し出した。
フォルティアはカチコチに固まった体でそれを受けとり、消えそうな声でお礼を言った。
――なにを渡したのだろう?
無粋かもしれないが、気になった私は疑問を口にした。
「ジェイルさん、フォルティアに何を?」
「杖だよ。昨日、僕のお店にメンテナンスに来てくれてね。本当は昨日中に仕上がる予定だったんだけど、ちょっと遅れちゃってね。でも授業に杖がないとなると困るだろうから、こうやって届けに来たんだよ」
「なるほど、大変ですね」
「これくらいお安い御用さ。こうやって、可愛い女の子達に会えるわけだし」
「かわっ……!?」
ウィンクをしたジェイルに、フォルティアが更に顔を真っ赤にさせた。
この反応を見て、私は違和感を感じた。嫌いな人相手に、こんな反応する人はいないだろう。
――フォルティアってもしかして、ジェイルさんの事……。
「――さて、僕はもう帰ろうかな。登校中なのに引き留めちゃつてごめんね」
「いっいえっ!全然、いつでも大丈夫です!杖、ありがとうございましたっ!」
「ハハッ、どういたしまして。……じゃあね」
優しく微笑んで、ジェイルは私達の頭を撫でてこの場を去った。
その後姿が見えなくなるまでうっとりと見つめるフォルティアに、私は確信した。
「……フォルティアって、ジェイルさんの事が好きなんだ」
「え”っ!?」
――振り返ったその顔は真っ赤で、誰がどう見ても、フォルティアがジェイルに恋をしているのは明白だった。
私は初めて見るフォルティアの顔が面白くって、ついつい笑ってしまった。フォルティアに怒られたのは言うまでもないだろう。
15
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説

世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

【完結】魔術師なのはヒミツで薬師になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
ティモシーは、魔術師の少年だった。人には知られてはいけないヒミツを隠し、薬師(くすし)の国と名高いエクランド国で薬師になる試験を受けるも、それは年に一度の王宮専属薬師になる試験だった。本当は普通の試験でよかったのだが、見事に合格を果たす。見た目が美少女のティモシーは、トラブルに合うもまだ平穏な方だった。魔術師の組織の影がちらつき、彼は次第に大きな運命に飲み込まれていく……。
異世界の剣聖女子
みくもっち
ファンタジー
(時代劇マニアということを除き)ごく普通の女子高生、羽鳴由佳は登校中、異世界に飛ばされる。
その世界に飛ばされた人間【願望者】は、現実世界での願望どうりの姿や能力を発揮させることができた。
ただし万能というわけではない。
心の奥で『こんなことあるわけない』という想いの力も同時に働くために、無限や無敵、不死身といったスキルは発動できない。
また、力を使いこなすにはその世界の住人に広く【認識】される必要がある。
異世界で他の【願望者】や魔物との戦いに巻き込まれながら由佳は剣をふるう。
時代劇の見よう見まね技と認識の力を駆使して。
バトル多め。ギャグあり、シリアスあり、パロディーもりだくさん。
テンポの早い、非テンプレ異世界ファンタジー!
*素敵な表紙イラストは、朱シオさんからです。@akasiosio

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる