33 / 43
アラフィフ暗殺者、異世界転生を果たす
32,ラッキーガール
しおりを挟む
「暇ならカジノの中を見てくるといい。そうだな、カロン。案内をお願いできるかな?」
「おう、まかせろ!嬢ちゃん、俺はカロンっていうんだ。よろしくな」
そう言って手を出してきたカロンの大きな手に、ティファニアは戸惑いながらも握手を返す。カロンは二メートル近い巨体を持つ熊みたいな男だった。
「よし、それじゃ早速行くぞ!」
「はい!よろしくおねがいします」
ティファニアは元気よく返事をすると、カロンの後ろをついていった。
まず最初に案内されたのはスロットマシンのコーナーだった。たくさんの台が並んでおり、大勢の人たちがコインを投入してレバーを引いている。
「これは……、どういうゲームなんですか?」
「こいつはただ機械に金を入れてボタンを押すだけだ。簡単だろ?ちなみにこのボタンを押せば絵柄が揃うぞ」
「へぇ……!」
ティファニアは興味深げに覗き込むと、カロンはその隣にある機械を指差す。
「次はこっちだ」
次に案内されたのがルーレットコーナーだった。ディーラーがボールを投げ入れて数字を当てていくゲームだ。
「ルールは分かるか?」
「いえ……」
「じゃあちょっとやってみるか?」
カロンはポケットからチップを取り出すとテーブルの上に置く。そしてそれを一枚だけ取ると、ティファニアに手渡した。「このチップを賭けてやるんだ」
「えっと、いくら賭ければいいんですか?」
「そうだな……。とりあえず十枚くらいでいいんじゃねぇか?」
「分かりました」
ティファニアは言われた通りにチップをテーブルの上に載せる。そしてそれから少し待っていると、やがてディーラーがボールを投げる。そしてそのボールが止まった数字は……。
「お、当たりだな」
「はい……」
ティファニアが当てたのは10と書かれたマスだった。
「ほら、次もやってみな」
「はい」
再びボールを放ると、今度は18の数字に止まる。
「お、これも当たったな」
「は、はいっ」
その後もティファニアは何度か挑戦し、合計で百ドル分のチップを手に入れた。
「さて、そろそろいいか。最後にここに行くぞ」
「ここは……?」
「ポーカーの席だ。やってみたらどうだ?」
「はい、行ってみます」
「それじゃ、何かあったら声をかけてくれ」
「はい」
ティファニアはそう言うとカロンと別れる。そしてポーカーの席につくと、目の前に立っているディーラーに話しかけた。
「あの、初めてなので教えてもらえませんか?」
「もちろんです。では、まずはこちらのカードを配らせていただきます」
そのディーラーとはもちろんナナシのことだ。最初に合った時とは違う丁寧な口調と、紳士的な笑顔にティファニアの胸はドキドキと高鳴る。
(やっぱりカッコイイなぁ……。)
「では、まずはベットをお願いいたします」
「ベッ……、何でしたっけ?」
「お客様は初めてのご利用ですね?では、簡単に説明させていただきましょう。まずは配らせていただいた五枚のカードを確認していただき、その中から好きな枚数を選んでください。選んだカードを机の中央に置いて、そのあとに山札から捨てたカードと同じ数だけ引かせせていただきます。もしそこで勝負に出るかどうかの判断が難しい場合はコールといって降りることができます。しかしその場合、そのプレイヤーのカードは場に出ることになりますがね。そのあと、一番強い役ができたプレイヤーの勝利となります」
ナナシの説明を聞き終えて、ティファニアは手元にあるカードを見る。そこにはハートの7と8と9と10があった。そしてナナシの言った通りにいらないカードを捨てて一枚のカードをもらう。
(もしこれが6かJだったらストレートになるんだよね?)
ティファニアがどきどきとしながらカードを見ると、それはハートの6だった。
「ふぅー……」
ティファニアはほっと息をつくとナナシの方を見た。
「さあ、どうされますか?」
「は、はい。えっと、私はこれでいきます」
「かしこまりました。それではオープンにしてください」
ティファニアはゆっくりとカードを開く。
「フォー・オブ・ア・カインドです」
ナナシの提示した役に遠巻きに見ていた観客たちはどよめく。なぜなら、この役は四枚の同じ数字のカードを集めなくては成立しないからだ。
「わ、私のやくはストレートフラッシュです!」
ティファニアの出したカードにさらにどよめきが起こる。それも当然だ。なぜなら、その役は最も確率が低いと言われているロイヤルストレートフラッシュの次に強い役だからだ。
「すごいですよ、お客様!まさか一発で成功するとは思いませんでした」
「あ、ありがとうございます」
「それではチップを受け取ってください」
ナナシはそう言ってチップを渡す。そしてそれがティファニアの手に渡ると、ナナシは彼女の耳元に顔を近づけて囁くように呟いた。
「……ティファニア様」
「ひゃ、はい!?」
突然名前を呼ばれて驚いてしまう。だがナナシはそれには構わずに続ける。
「おめでとうございます。どうやらあなたは私よりも運がよろしいようですね」
「あ、はい。そうみたいです」
「その幸運を大事にしてください。そして、これからも頑張って勝利を重ねていってくださいね」
「は、はい!頑張ります!」
ナナシに応援されてティファニアは嬉しくなってしまう。だから彼女はナナシに言われるがまま、その後のゲームでも大勝を続けてしまう。そして最終的に、ティファニアは千ドルもの大金を稼いでしまったのだった……。
「おう、まかせろ!嬢ちゃん、俺はカロンっていうんだ。よろしくな」
そう言って手を出してきたカロンの大きな手に、ティファニアは戸惑いながらも握手を返す。カロンは二メートル近い巨体を持つ熊みたいな男だった。
「よし、それじゃ早速行くぞ!」
「はい!よろしくおねがいします」
ティファニアは元気よく返事をすると、カロンの後ろをついていった。
まず最初に案内されたのはスロットマシンのコーナーだった。たくさんの台が並んでおり、大勢の人たちがコインを投入してレバーを引いている。
「これは……、どういうゲームなんですか?」
「こいつはただ機械に金を入れてボタンを押すだけだ。簡単だろ?ちなみにこのボタンを押せば絵柄が揃うぞ」
「へぇ……!」
ティファニアは興味深げに覗き込むと、カロンはその隣にある機械を指差す。
「次はこっちだ」
次に案内されたのがルーレットコーナーだった。ディーラーがボールを投げ入れて数字を当てていくゲームだ。
「ルールは分かるか?」
「いえ……」
「じゃあちょっとやってみるか?」
カロンはポケットからチップを取り出すとテーブルの上に置く。そしてそれを一枚だけ取ると、ティファニアに手渡した。「このチップを賭けてやるんだ」
「えっと、いくら賭ければいいんですか?」
「そうだな……。とりあえず十枚くらいでいいんじゃねぇか?」
「分かりました」
ティファニアは言われた通りにチップをテーブルの上に載せる。そしてそれから少し待っていると、やがてディーラーがボールを投げる。そしてそのボールが止まった数字は……。
「お、当たりだな」
「はい……」
ティファニアが当てたのは10と書かれたマスだった。
「ほら、次もやってみな」
「はい」
再びボールを放ると、今度は18の数字に止まる。
「お、これも当たったな」
「は、はいっ」
その後もティファニアは何度か挑戦し、合計で百ドル分のチップを手に入れた。
「さて、そろそろいいか。最後にここに行くぞ」
「ここは……?」
「ポーカーの席だ。やってみたらどうだ?」
「はい、行ってみます」
「それじゃ、何かあったら声をかけてくれ」
「はい」
ティファニアはそう言うとカロンと別れる。そしてポーカーの席につくと、目の前に立っているディーラーに話しかけた。
「あの、初めてなので教えてもらえませんか?」
「もちろんです。では、まずはこちらのカードを配らせていただきます」
そのディーラーとはもちろんナナシのことだ。最初に合った時とは違う丁寧な口調と、紳士的な笑顔にティファニアの胸はドキドキと高鳴る。
(やっぱりカッコイイなぁ……。)
「では、まずはベットをお願いいたします」
「ベッ……、何でしたっけ?」
「お客様は初めてのご利用ですね?では、簡単に説明させていただきましょう。まずは配らせていただいた五枚のカードを確認していただき、その中から好きな枚数を選んでください。選んだカードを机の中央に置いて、そのあとに山札から捨てたカードと同じ数だけ引かせせていただきます。もしそこで勝負に出るかどうかの判断が難しい場合はコールといって降りることができます。しかしその場合、そのプレイヤーのカードは場に出ることになりますがね。そのあと、一番強い役ができたプレイヤーの勝利となります」
ナナシの説明を聞き終えて、ティファニアは手元にあるカードを見る。そこにはハートの7と8と9と10があった。そしてナナシの言った通りにいらないカードを捨てて一枚のカードをもらう。
(もしこれが6かJだったらストレートになるんだよね?)
ティファニアがどきどきとしながらカードを見ると、それはハートの6だった。
「ふぅー……」
ティファニアはほっと息をつくとナナシの方を見た。
「さあ、どうされますか?」
「は、はい。えっと、私はこれでいきます」
「かしこまりました。それではオープンにしてください」
ティファニアはゆっくりとカードを開く。
「フォー・オブ・ア・カインドです」
ナナシの提示した役に遠巻きに見ていた観客たちはどよめく。なぜなら、この役は四枚の同じ数字のカードを集めなくては成立しないからだ。
「わ、私のやくはストレートフラッシュです!」
ティファニアの出したカードにさらにどよめきが起こる。それも当然だ。なぜなら、その役は最も確率が低いと言われているロイヤルストレートフラッシュの次に強い役だからだ。
「すごいですよ、お客様!まさか一発で成功するとは思いませんでした」
「あ、ありがとうございます」
「それではチップを受け取ってください」
ナナシはそう言ってチップを渡す。そしてそれがティファニアの手に渡ると、ナナシは彼女の耳元に顔を近づけて囁くように呟いた。
「……ティファニア様」
「ひゃ、はい!?」
突然名前を呼ばれて驚いてしまう。だがナナシはそれには構わずに続ける。
「おめでとうございます。どうやらあなたは私よりも運がよろしいようですね」
「あ、はい。そうみたいです」
「その幸運を大事にしてください。そして、これからも頑張って勝利を重ねていってくださいね」
「は、はい!頑張ります!」
ナナシに応援されてティファニアは嬉しくなってしまう。だから彼女はナナシに言われるがまま、その後のゲームでも大勝を続けてしまう。そして最終的に、ティファニアは千ドルもの大金を稼いでしまったのだった……。
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
好色一代勇者 〜ナンパ師勇者は、ハッタリと機転で窮地を切り抜ける!〜(アルファポリス版)
朽縄咲良
ファンタジー
【HJ小説大賞2020後期1次選考通過作品(ノベルアッププラスにて)】
バルサ王国首都チュプリの夜の街を闊歩する、自称「天下無敵の色事師」ジャスミンが、自分の下半身の不始末から招いたピンチ。その危地を救ってくれたラバッテリア教の大教主に誘われ、神殿の下働きとして身を隠す。
それと同じ頃、バルサ王国東端のダリア山では、最近メキメキと発展し、王国の平和を脅かすダリア傭兵団と、王国最強のワイマーレ騎士団が激突する。
ワイマーレ騎士団の圧勝かと思われたその時、ダリア傭兵団団長シュダと、謎の老女が戦場に現れ――。
ジャスミンは、口先とハッタリと機転で、一筋縄ではいかない状況を飄々と渡り歩いていく――!
天下無敵の色事師ジャスミン。
新米神官パーム。
傭兵ヒース。
ダリア傭兵団団長シュダ。
銀の死神ゼラ。
復讐者アザレア。
…………
様々な人物が、徐々に絡まり、収束する……
壮大(?)なハイファンタジー!
*表紙イラストは、澄石アラン様から頂きました! ありがとうございます!
・小説家になろう、ノベルアッププラスにも掲載しております(一部加筆・補筆あり)。
きのまま錬金!1から錬金術士めざします!
ワイムムワイ
ファンタジー
森の中。瀕死の状態で転生し目覚めた男は、両親を亡くし親戚もいない少女に命を救われた。そして、今度はその少女を助けるために男が立ち上がる。
これはそんな話。
※[小説家になろう]で書いてた物をこちらにも投稿してみました。現在、[小説家になろう]と同時に投稿をしています。いいなと思われたら、お気に入り等してくれると嬉しくなるので良ければお願いします~。
※※2021/2/01 頑張って表紙を作ったので追加しました!それに伴いタイトルの【生活】部分無くしました。
STATUS
項目 / 低☆☆☆☆☆<★★★★★高
日常系 /★★★☆☆ |コメディ /★★☆☆☆
戦闘 /★★☆☆☆ |ハーレム /★★☆☆☆
ほっこり /★★☆☆☆ | えぐみ /★★☆☆☆
しぶみ /★★☆☆☆
世界設定 /有or無
魔力 /有 | 使い魔/有
魔法 /無 | 亜人 /有
魔道具/有 | 魔獣 /有
機械 /無 |ドラゴン/有
戦争 /有 | 勇者 /無
宇宙人/無 | 魔王 /無
主人公設定
異世界転生 | 弱い
なぜかモテる | 人の話が聞けます
※これはあくまでも10/23の時のつもりであり、途中で話が変わる事や読んでみたら話が違うじゃないか!等もありえるので参考程度に。
この話の中では、錬金術師ではなく錬金術士という事にして話を進めています。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる