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獅子王隼人
悄然(しょうぜん)
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光輝は地下闘技場で何度かの試合を重ねた。
エロいことをするのは水に合っていたのか、まったく苦にならない。だが一つ問題があった。
それは……。
♦
目の前には一人の男がいる。大柄で筋肉質な空手家だ。打撃を生業として生きていただけあって、その拳は。その蹴りは凶器以外の何物でもなく、光輝がリングに上がってきたことを後悔させてくるような凶悪性を秘めている。
追い詰められて、反撃して。それでも勝てなくてエロいことをさせられて敗北の辛酸をなめさせられる。
……はずだった。
男の蹴りが光輝の脇腹めがけて襲ってくる。だが光輝は冷静に対処し、その足を掴み一本背負いで投げ落とす。それは『ドラゴンスクリュー』として男を襲い、リングに倒れさせる。
「ぐぅっ!」
苦痛の声をあげる男に対し、光輝は彼の背後に回り胴締めスリーパーで首を掴む。
そしてそのままチョークスラム! 首を絞められて男はタップするが、光輝は手を離さない。
苦しさから必死に逃れようともがく男だったが、やがてそのタップする手が緩慢なものになる。
意識が白濁してきたことを見計らい、光輝は男のパンツを脱がせてペニスを手でシゴき始める。すると、男の身体に変化が訪れる。
「あぁ……ああ……」
弱々しい声とともに、男が射精したのだ。
びゅるびゅると精液が飛び散り、光輝の手にかかる。それをペロリと舐める光輝。
「うむ、なかなか濃厚だ」
「くそぉ……俺様がこんなヤツなんかにぃ……」
悔しげに呟く男。しかし光輝は彼の腕を取ると、彼の頭の後ろに回し、ヘッドロックのようにして自分の肩に乗せた。
そうしてから、男の股間に向けて手を伸ばす。
「え?おいっ!?まさか?」
「お前が出したんだ。責任取ってきれいにして貰おうか?」
そう言って、光輝は男のペニスをしごき始めた。
「ひゃあっ!やめろっ!」
悲鳴を上げる男。そんな彼に構わず、光輝はペニスを扱き続ける。
先ほどまでとは打って変わって、今度は光輝が攻める番だった。
「ほらほらどうした?もっと出せるだろう?」
「うわぁあああっ!!」
悲鳴を上げながら、男は射精した。びゅーっと勢いよく飛び出す大量のザーメン。
「ふむ、悪くないな」
手にかかったそれを見ながら、光輝は言う。
そして彼は、またペニスを握り……。
「待ってくれよぉ!もう出ないってぇ!」
泣き叫ぶ男を無視して、光輝は彼を責め続けた。
結局、三回連続でイカされて男は失神してしまったのだが……。
「うん、いい感じだ」
満足そうな表情を浮かべて、光輝は言ったのであった。
◆
光輝の感じている物足りなさ。その正体は嫌というほどにわかっている。たとえば今日の空手家にしてもそうだ。あの蹴りは自分が対処できる範囲内にあった。他のアスリートでは、そもそも相手にすらならない。
はっきりと言えば、相手が弱いのだ。プロレスラーになるために研鑽を積みたい光輝にとって、この状況は好ましいものとは言えなかった。
「よう、光輝!」
控室に帰ろうと扉に手をかける。不意に声をかけられ、振り返る。そこには190センチのゴリマッチョプロレスラー、黒鉄竜也が立っている。
「……なんの用だ?」
以前に闘った相手に声をかけられて光輝は警戒する。大樹のせいでお礼参りに対する警戒心が上がっているのだ。
「なに。ただの挨拶だよ挨拶!」
「…………」
「っていっても信じねえよな。実際そうじゃねえし」
「……だよな」
この大柄な男が突然襲ってくる男なのかそうでないのかを光輝は知らない。どうしても警戒を解けなかった。
「おっと、勘違いしないでくれ。俺は町澤さんに頼まれて、お前の次の対戦相手を教えてに来たんだよ」
そう言いながら竜也は近づいてくる。
「町澤さんに?どうしてお前が」
「あの人はなんだかんだ忙しいからな。俺はたまたまそこにいたから伝書鳩変わり、ってことだ。でさ、光輝。対戦相手知りたいよな?」
光輝に近づいてきた竜也は光輝の腰に手を回してくる。その手つきはいやらしく、ああ、それが目的か。と光輝の体から力が抜ける。
「俺と一晩付き合ってくれるっていうなら、教えてやってもいいぜ?」
「なんだよ、おまえ盛ってんのか?」
「まあ、そういうことだ。で、どうするんだ?知らなかったら絶対お前勝てないぜ?」
「わかったよ、そういうことなら付き合ってやるよ」
絶対に自分が勝てない相手。その言葉に光輝の口角は吊り上がる。
そして二人はホテルへと消えていった。
エロいことをするのは水に合っていたのか、まったく苦にならない。だが一つ問題があった。
それは……。
♦
目の前には一人の男がいる。大柄で筋肉質な空手家だ。打撃を生業として生きていただけあって、その拳は。その蹴りは凶器以外の何物でもなく、光輝がリングに上がってきたことを後悔させてくるような凶悪性を秘めている。
追い詰められて、反撃して。それでも勝てなくてエロいことをさせられて敗北の辛酸をなめさせられる。
……はずだった。
男の蹴りが光輝の脇腹めがけて襲ってくる。だが光輝は冷静に対処し、その足を掴み一本背負いで投げ落とす。それは『ドラゴンスクリュー』として男を襲い、リングに倒れさせる。
「ぐぅっ!」
苦痛の声をあげる男に対し、光輝は彼の背後に回り胴締めスリーパーで首を掴む。
そしてそのままチョークスラム! 首を絞められて男はタップするが、光輝は手を離さない。
苦しさから必死に逃れようともがく男だったが、やがてそのタップする手が緩慢なものになる。
意識が白濁してきたことを見計らい、光輝は男のパンツを脱がせてペニスを手でシゴき始める。すると、男の身体に変化が訪れる。
「あぁ……ああ……」
弱々しい声とともに、男が射精したのだ。
びゅるびゅると精液が飛び散り、光輝の手にかかる。それをペロリと舐める光輝。
「うむ、なかなか濃厚だ」
「くそぉ……俺様がこんなヤツなんかにぃ……」
悔しげに呟く男。しかし光輝は彼の腕を取ると、彼の頭の後ろに回し、ヘッドロックのようにして自分の肩に乗せた。
そうしてから、男の股間に向けて手を伸ばす。
「え?おいっ!?まさか?」
「お前が出したんだ。責任取ってきれいにして貰おうか?」
そう言って、光輝は男のペニスをしごき始めた。
「ひゃあっ!やめろっ!」
悲鳴を上げる男。そんな彼に構わず、光輝はペニスを扱き続ける。
先ほどまでとは打って変わって、今度は光輝が攻める番だった。
「ほらほらどうした?もっと出せるだろう?」
「うわぁあああっ!!」
悲鳴を上げながら、男は射精した。びゅーっと勢いよく飛び出す大量のザーメン。
「ふむ、悪くないな」
手にかかったそれを見ながら、光輝は言う。
そして彼は、またペニスを握り……。
「待ってくれよぉ!もう出ないってぇ!」
泣き叫ぶ男を無視して、光輝は彼を責め続けた。
結局、三回連続でイカされて男は失神してしまったのだが……。
「うん、いい感じだ」
満足そうな表情を浮かべて、光輝は言ったのであった。
◆
光輝の感じている物足りなさ。その正体は嫌というほどにわかっている。たとえば今日の空手家にしてもそうだ。あの蹴りは自分が対処できる範囲内にあった。他のアスリートでは、そもそも相手にすらならない。
はっきりと言えば、相手が弱いのだ。プロレスラーになるために研鑽を積みたい光輝にとって、この状況は好ましいものとは言えなかった。
「よう、光輝!」
控室に帰ろうと扉に手をかける。不意に声をかけられ、振り返る。そこには190センチのゴリマッチョプロレスラー、黒鉄竜也が立っている。
「……なんの用だ?」
以前に闘った相手に声をかけられて光輝は警戒する。大樹のせいでお礼参りに対する警戒心が上がっているのだ。
「なに。ただの挨拶だよ挨拶!」
「…………」
「っていっても信じねえよな。実際そうじゃねえし」
「……だよな」
この大柄な男が突然襲ってくる男なのかそうでないのかを光輝は知らない。どうしても警戒を解けなかった。
「おっと、勘違いしないでくれ。俺は町澤さんに頼まれて、お前の次の対戦相手を教えてに来たんだよ」
そう言いながら竜也は近づいてくる。
「町澤さんに?どうしてお前が」
「あの人はなんだかんだ忙しいからな。俺はたまたまそこにいたから伝書鳩変わり、ってことだ。でさ、光輝。対戦相手知りたいよな?」
光輝に近づいてきた竜也は光輝の腰に手を回してくる。その手つきはいやらしく、ああ、それが目的か。と光輝の体から力が抜ける。
「俺と一晩付き合ってくれるっていうなら、教えてやってもいいぜ?」
「なんだよ、おまえ盛ってんのか?」
「まあ、そういうことだ。で、どうするんだ?知らなかったら絶対お前勝てないぜ?」
「わかったよ、そういうことなら付き合ってやるよ」
絶対に自分が勝てない相手。その言葉に光輝の口角は吊り上がる。
そして二人はホテルへと消えていった。
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