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メイア・ガラード
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メイア・ガラードはセルビルカ王国の南にある村に生まれた。
メイアは子供の頃から六大英雄の物語が好きだった。
魔王を倒すために旅に出た男女が、それを倒し、英雄になって戻ってくるというお話だ。
寝る前は、この物語を母親からを聞いて眠るというのは、この世界に住む子供なら誰でも一度は経験したことがあることだろう。
ベッドに横になるメイアに、母は優しく物語を語っている。
「六大英雄は魔王の前に立ち、その力で倒すと、世界に明るい光が広がり平和になりました」
その語りにメイアはウトウトとし、もう眠る寸前だ。
「六大英雄の中に女の人はいたの?」
「いたみたいよ。魔法使いだって」
「そうなんだぁ」
それがメイアの憧れの女性だった。
六大英雄の中にいた魔法使い。
もし、旅に出ることがあるとするなら……
メイアの目指すところは決まっていた。
「でも……」
「ん?どうしたの?」
「"なんで、魔王が倒されたのに魔物はいるの"?」
母親はメイアの質問に困惑する。
この物語は自分も子供の頃に聞いたものだが、メイアが疑問に思っていることは考えたことがなかった。
「現実と物語は違うわ」
「そう……なんだぁ」
「もう寝なさい」
その言葉にメイアは無言で頷くと、眠りについた。
それから数年経つと、母からこの物語を聞くことはなくなっていた。
__________
メイアは兄であるガイ・ガラードと共に、長兄であるヴァンを探す旅へと出た。
この時、ガイは15歳、メイアは14歳。
旅に出るには少し若いが、"波動操作"を覚えるのには遅すぎる歳だ。
ガイとメイアが最初に受けた依頼は薬草の採取。
安い報酬で地味なため、誰も受けたがらない仕事だったが、戦闘経験の無い2人には、今できる最大の依頼だった。
ギルドのカウンターで受付嬢のジェシカから詳しい内容を聞いた。
「ここから西にある森の奥に水辺があります。そこに薬草が生えてますので、それを採取してきて下さい」
「わかりました」
「あそこの森に生息するのはランク1か2の魔物だけなので、比較的に簡単な依頼だと思いますよ」
そう笑顔で語るジェシカ。
その説明を真剣な表情で聞くガイとメイアだが、それを見て他の冒険者はクスクスと笑っていた。
「薬草採取の依頼なんて受けたやつ、最近は見たことねぇな」
「もう西の森なんて誰もいかないぜ」
「せいぜい俺たちのために薬草取ってこいよ」
屈強な冒険者達はガイに聞こえるような声で話していた。
それを聞いていたガイは奥歯を噛んだ。
するとジェシカが優しく声をかける。
「彼らの言ってることは気にせず。確かに依頼には大小の難易度はある。ですが、この依頼を出した方がどこかにいるんです」
「……」
「その方にとっては、ガイさん、あなたは救世主なんですよ」
ガイはその言葉にハッとした。
確かに、依頼自体は小さいものかもしれない。
だが、少なくとも、この依頼を出した人間は達成してくれるのを心待ちにしている。
その気持ちに大きいも小さいもない。
「この依頼を受けます」
「わかりました」
ジェシカは笑顔で答える。
そして、カウンターの上に二つのネックレスを置いた。
そこには小さな白い石が一つ付いていた。
「これは"波動石"です」
「はどうせき?」
「はい。この石は、持っている人間の波動に反応して色が変わります。変わる時期は人によってまちまちです」
ガイとメイアは波動石を手に取る。
だが、色は白のままだ。
「波動の属性が色によって判別できるというものです。ガイさん達はまだ経験が足りないようですね」
「なるほど……」
「ある程度、依頼をこなして、魔物を討伐していけば、すぐに色がつきますよ!」
「わかりました」
ガイとメイアは波動石がついたネックレスを首に下げる。
ジェシカは初々しい冒険者の2人を笑顔で送り出した。
ガイとメイアは冒険者として初の依頼である薬草採取のため、西の森へ向かうのだった。
メイアは子供の頃から六大英雄の物語が好きだった。
魔王を倒すために旅に出た男女が、それを倒し、英雄になって戻ってくるというお話だ。
寝る前は、この物語を母親からを聞いて眠るというのは、この世界に住む子供なら誰でも一度は経験したことがあることだろう。
ベッドに横になるメイアに、母は優しく物語を語っている。
「六大英雄は魔王の前に立ち、その力で倒すと、世界に明るい光が広がり平和になりました」
その語りにメイアはウトウトとし、もう眠る寸前だ。
「六大英雄の中に女の人はいたの?」
「いたみたいよ。魔法使いだって」
「そうなんだぁ」
それがメイアの憧れの女性だった。
六大英雄の中にいた魔法使い。
もし、旅に出ることがあるとするなら……
メイアの目指すところは決まっていた。
「でも……」
「ん?どうしたの?」
「"なんで、魔王が倒されたのに魔物はいるの"?」
母親はメイアの質問に困惑する。
この物語は自分も子供の頃に聞いたものだが、メイアが疑問に思っていることは考えたことがなかった。
「現実と物語は違うわ」
「そう……なんだぁ」
「もう寝なさい」
その言葉にメイアは無言で頷くと、眠りについた。
それから数年経つと、母からこの物語を聞くことはなくなっていた。
__________
メイアは兄であるガイ・ガラードと共に、長兄であるヴァンを探す旅へと出た。
この時、ガイは15歳、メイアは14歳。
旅に出るには少し若いが、"波動操作"を覚えるのには遅すぎる歳だ。
ガイとメイアが最初に受けた依頼は薬草の採取。
安い報酬で地味なため、誰も受けたがらない仕事だったが、戦闘経験の無い2人には、今できる最大の依頼だった。
ギルドのカウンターで受付嬢のジェシカから詳しい内容を聞いた。
「ここから西にある森の奥に水辺があります。そこに薬草が生えてますので、それを採取してきて下さい」
「わかりました」
「あそこの森に生息するのはランク1か2の魔物だけなので、比較的に簡単な依頼だと思いますよ」
そう笑顔で語るジェシカ。
その説明を真剣な表情で聞くガイとメイアだが、それを見て他の冒険者はクスクスと笑っていた。
「薬草採取の依頼なんて受けたやつ、最近は見たことねぇな」
「もう西の森なんて誰もいかないぜ」
「せいぜい俺たちのために薬草取ってこいよ」
屈強な冒険者達はガイに聞こえるような声で話していた。
それを聞いていたガイは奥歯を噛んだ。
するとジェシカが優しく声をかける。
「彼らの言ってることは気にせず。確かに依頼には大小の難易度はある。ですが、この依頼を出した方がどこかにいるんです」
「……」
「その方にとっては、ガイさん、あなたは救世主なんですよ」
ガイはその言葉にハッとした。
確かに、依頼自体は小さいものかもしれない。
だが、少なくとも、この依頼を出した人間は達成してくれるのを心待ちにしている。
その気持ちに大きいも小さいもない。
「この依頼を受けます」
「わかりました」
ジェシカは笑顔で答える。
そして、カウンターの上に二つのネックレスを置いた。
そこには小さな白い石が一つ付いていた。
「これは"波動石"です」
「はどうせき?」
「はい。この石は、持っている人間の波動に反応して色が変わります。変わる時期は人によってまちまちです」
ガイとメイアは波動石を手に取る。
だが、色は白のままだ。
「波動の属性が色によって判別できるというものです。ガイさん達はまだ経験が足りないようですね」
「なるほど……」
「ある程度、依頼をこなして、魔物を討伐していけば、すぐに色がつきますよ!」
「わかりました」
ガイとメイアは波動石がついたネックレスを首に下げる。
ジェシカは初々しい冒険者の2人を笑顔で送り出した。
ガイとメイアは冒険者として初の依頼である薬草採取のため、西の森へ向かうのだった。
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