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魔法学校編
リベンジマッチ(1)
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闘技場
アイン、マーシャチームとマルティーナ、トビーチームの試合が終わり二つ目の準決勝がおこなわれようとしていた。
闘技場内は先ほど同様、沸き立っていた。
中央にはアルフィスとアゲハが立つ。
そして遅れて対戦相手がやってきた。
リナ・ロックハートとロイ・フォーナー。
リナは相変わらずゴーグルを首に下げ、二本のショートソードを持っている。
上半身には軽装の鎧を纏い、ニヤニヤしながらアルフィス達を見ていた。
ロイも相変わらずの大きな杖を持ち、やる気なさそうな顔だった。
中央には教官が立ちコイントスの準備に入っている。
「おいおい、二刀流にしたのか?」
アルフィスが小馬鹿にした口調でリナを煽る。
リナはニヤニヤしながら答えた。
「前にあなたと戦った後、授業で剣を抜いたら折れてたわ。流石にまたああなると困るから予備よ」
リナは余裕の表情だが、その警戒心は異常だった。
まさかエンブレムで解除したはずの魔法で剣が折れるとは思ってもみなかったのだ。
「あなた……まさかあの女、セレン・セレスティーから二つ名をもらうなんて。あの女が魔法使いに二つ名を与えたことは無かったはず。買収でもしたのかしら?」
挑発のつもりでリナは言っているだろうとアルフィスは思ったが、以前にもノアに同様のことを言われていたのでさほど血はのぼらなかった。
「一人で魔人を倒しただけさ、大したことはしてねぇよ」
「信じ難い話しだけど、授業で習うよりも魔人がさほど強くは無いと仮定すれば納得はいくわね」
「ここを出たら戦ってみるといい、なかなか面白い面してたぜ」
アルフィスとリナの煽り合いにアゲハとロイはなかば呆れ、恐らくこの二人は似たもの同士なのだろうと感じていた。
教官が二人の煽り合いを止め、距離を取るように促すとチーム同士、距離は15メートルほど離れる。
開始の合図であるコイントスをおこなうようだ。
「前より連携が取れてるといいけど」
「今度こそ生きて帰れると思うなよ」
それでも煽り合う二人を無視して教官はコイントス準備に入り、勢いよく指で弾く。
コインは高く上がり地面に落ちる。
「複合魔法!」
コインが落ちた瞬間に前衛のアルフィスが魔法を発動する。
アルフィスが立つ場所に魔法陣が展開され、それが消えたと同時にアルフィスも消える。
「またそれね。エンブレム」
リナはすぐさまエンブレムを発動し、アルフィスの攻撃に備える。
「ウィンドカッター」
……と思いきや、リナはすぐにバックステップし、その頭上を風の刃が通る。
確実にアルフィスは目の前に現れることを先読みしての行動だった。
「エンブレム・完全形状変化!」
だがアルフィスは姿を現さず、目の前にいるのはアゲハだけだった。
アゲハは右肩に羽織る半透明のエンブレム・マントを靡かせ、時計回りに回転して風の刃を消した。
「まさか完全形状変化ができるなんて……」
驚愕しているリナへと向かうアゲハ。
ロイはアゲハのエンブレム範囲外の左側へ、風の魔法で瞬時に移動していた。
リナはアゲハの突進にショートソードを左肩へ横一線に振り対応しようとした。
もし前回同様に柄頭で弾かれても、ロイがすぐさま援護できる体制をとっている。
だがリナの考えはすぐに崩れることになる。
アゲハの左方向に姿を現したアルフィスが右アッパーでリナのショートソードを弾いたのだ。
アルフィスの魔法は解除される。
「あんた一体どこにいたのよ!!」
仰反るリナはもう冷静さを失っていた。
横から風の刃が飛んでくるが、アルフィスがすぐさま動いた。
「複合魔法」
ファイアマジックガードを重ね掛けし、右の回し蹴りでそれを掻き消す。
アゲハの左側に立つアルフィスの距離が近くアゲハは抜刀できないが、その対策は立てられていた。
「天覇一刀流・空塵!」
アゲハは親指に力を込め思い切り鍔を弾く。
エンブレムで強化された肉体から放たれた空塵はリナのみずおち付近へ直撃する。
その反動で刀は鞘へ帰る。
「がはっ!」
リナは腹を抑えて苦悶の表情を浮かべた。
そこにアルフィスが追撃に入ろうとリナめがけてダッシュした。
その瞬間だった。
凄まじい爆風が辺りを覆い始め、砂埃が舞う。
それは砂嵐と言っても差し支えないほどだ。
ちょうどそれは円形状に天井まで舞い上がり、アルフィス、アゲハ、リナを覆っている。
観客席からは三人の姿は全く見えない状態だった。
「くっそ!なんだこの砂嵐は前が見えねぇ!」
「アルフィス、落ち着いて下さい。ロイの魔法でしょう。しかし、ここまで広範囲だとエンブレムでも消しきれない」
二人は目を細める。
リナを完全に見失ってしまった。
何も見えない中でリナの声が聞こえてくる。
「いい連携だったけど遊びはここまで。この"ウィンド・ウォール"の戦略を出した以上は、ここで終わらせる」
リナが薄らと数メートル先に現れる。
アルフィス達は薄目でリナの顔を見るとゴーグルをし、口にはフェイスタオルを巻いてあった。
そしてリナは二本目のショートソードを構えアルフィスへと迫った。
アイン、マーシャチームとマルティーナ、トビーチームの試合が終わり二つ目の準決勝がおこなわれようとしていた。
闘技場内は先ほど同様、沸き立っていた。
中央にはアルフィスとアゲハが立つ。
そして遅れて対戦相手がやってきた。
リナ・ロックハートとロイ・フォーナー。
リナは相変わらずゴーグルを首に下げ、二本のショートソードを持っている。
上半身には軽装の鎧を纏い、ニヤニヤしながらアルフィス達を見ていた。
ロイも相変わらずの大きな杖を持ち、やる気なさそうな顔だった。
中央には教官が立ちコイントスの準備に入っている。
「おいおい、二刀流にしたのか?」
アルフィスが小馬鹿にした口調でリナを煽る。
リナはニヤニヤしながら答えた。
「前にあなたと戦った後、授業で剣を抜いたら折れてたわ。流石にまたああなると困るから予備よ」
リナは余裕の表情だが、その警戒心は異常だった。
まさかエンブレムで解除したはずの魔法で剣が折れるとは思ってもみなかったのだ。
「あなた……まさかあの女、セレン・セレスティーから二つ名をもらうなんて。あの女が魔法使いに二つ名を与えたことは無かったはず。買収でもしたのかしら?」
挑発のつもりでリナは言っているだろうとアルフィスは思ったが、以前にもノアに同様のことを言われていたのでさほど血はのぼらなかった。
「一人で魔人を倒しただけさ、大したことはしてねぇよ」
「信じ難い話しだけど、授業で習うよりも魔人がさほど強くは無いと仮定すれば納得はいくわね」
「ここを出たら戦ってみるといい、なかなか面白い面してたぜ」
アルフィスとリナの煽り合いにアゲハとロイはなかば呆れ、恐らくこの二人は似たもの同士なのだろうと感じていた。
教官が二人の煽り合いを止め、距離を取るように促すとチーム同士、距離は15メートルほど離れる。
開始の合図であるコイントスをおこなうようだ。
「前より連携が取れてるといいけど」
「今度こそ生きて帰れると思うなよ」
それでも煽り合う二人を無視して教官はコイントス準備に入り、勢いよく指で弾く。
コインは高く上がり地面に落ちる。
「複合魔法!」
コインが落ちた瞬間に前衛のアルフィスが魔法を発動する。
アルフィスが立つ場所に魔法陣が展開され、それが消えたと同時にアルフィスも消える。
「またそれね。エンブレム」
リナはすぐさまエンブレムを発動し、アルフィスの攻撃に備える。
「ウィンドカッター」
……と思いきや、リナはすぐにバックステップし、その頭上を風の刃が通る。
確実にアルフィスは目の前に現れることを先読みしての行動だった。
「エンブレム・完全形状変化!」
だがアルフィスは姿を現さず、目の前にいるのはアゲハだけだった。
アゲハは右肩に羽織る半透明のエンブレム・マントを靡かせ、時計回りに回転して風の刃を消した。
「まさか完全形状変化ができるなんて……」
驚愕しているリナへと向かうアゲハ。
ロイはアゲハのエンブレム範囲外の左側へ、風の魔法で瞬時に移動していた。
リナはアゲハの突進にショートソードを左肩へ横一線に振り対応しようとした。
もし前回同様に柄頭で弾かれても、ロイがすぐさま援護できる体制をとっている。
だがリナの考えはすぐに崩れることになる。
アゲハの左方向に姿を現したアルフィスが右アッパーでリナのショートソードを弾いたのだ。
アルフィスの魔法は解除される。
「あんた一体どこにいたのよ!!」
仰反るリナはもう冷静さを失っていた。
横から風の刃が飛んでくるが、アルフィスがすぐさま動いた。
「複合魔法」
ファイアマジックガードを重ね掛けし、右の回し蹴りでそれを掻き消す。
アゲハの左側に立つアルフィスの距離が近くアゲハは抜刀できないが、その対策は立てられていた。
「天覇一刀流・空塵!」
アゲハは親指に力を込め思い切り鍔を弾く。
エンブレムで強化された肉体から放たれた空塵はリナのみずおち付近へ直撃する。
その反動で刀は鞘へ帰る。
「がはっ!」
リナは腹を抑えて苦悶の表情を浮かべた。
そこにアルフィスが追撃に入ろうとリナめがけてダッシュした。
その瞬間だった。
凄まじい爆風が辺りを覆い始め、砂埃が舞う。
それは砂嵐と言っても差し支えないほどだ。
ちょうどそれは円形状に天井まで舞い上がり、アルフィス、アゲハ、リナを覆っている。
観客席からは三人の姿は全く見えない状態だった。
「くっそ!なんだこの砂嵐は前が見えねぇ!」
「アルフィス、落ち着いて下さい。ロイの魔法でしょう。しかし、ここまで広範囲だとエンブレムでも消しきれない」
二人は目を細める。
リナを完全に見失ってしまった。
何も見えない中でリナの声が聞こえてくる。
「いい連携だったけど遊びはここまで。この"ウィンド・ウォール"の戦略を出した以上は、ここで終わらせる」
リナが薄らと数メートル先に現れる。
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