28 / 200
魔法学校編
バーサーカー
しおりを挟む
夕方 聖騎士寮
マーシャは寮の自室の机に置かれた二枚の紙を見ていた。
一枚はリューネからのメッセージだ。
入れ替わった時は、たまに何があったのか書き残してくれる。
そこには"アインはバディを断った"との一文だけ書かれていた。
そしてもう一枚は、アインからの二通目の手紙だった。
マーシャは勇気を出して読んでみたが、そこに書かれていたのは、"リューネと決闘がしたい"という一文と日時が書かれていた。
マーシャは悩んだ。
アインが酷い目に遭うかもしれない……
だが、それ以上にアインを信じたかった。
もしかしたら、アインは今自分が置かれた状況から連れ出してくれるのではないかと。
マーシャはリューネに手紙を書き、剣のグリップを握った。
闘技場
観客席にはちらほら観戦者がいた。
闘技場内は妙な緊張感で圧迫され、不思議な空気を漂わせた。
闘技場の中央、アインとマーシャが向かい合う。
マーシャは剣を握って肩に乗せ、無表情にアインを睨む。
もう目の前にいるのはマーシャではなくリューネだった。
アインの隣にはトッドもいた。
「今まですまなかったなアイン……だが、マーシャ自身、望んでいるのか?バディを組むことは」
「わからない。でもこれに勝って、もう一度あらためて誘おうと思う」
「そうか……」
アインはリューネを越えることで、自分の弱い心を乗り越えようとしていた。
今まで自分の意見を押し殺して生きてきた弱い自分だ。
乗り越えられた時、きっとマーシャと一緒に戦うことができる。
アインはそう信じていた。
「しかし、大丈夫か?」
「ああ、あの学年最下位でも勝てたんだ。俺だってやれるさ。それに……」
「それに?」
「俺は水の王と握手してるんだぜ」
トッドは無言で驚いた表情をした。
水の王が握手するというのは稀なことだ。
よほど魔力量が高く魔法使いとして見込みがあるか、水の王自身が興味を引くような人物でない限り絶対に握手はしない。
「その時、水の王に言われたんだ、"次の水の王は君かもね"って」
「マジか……」
「俺は冗談だと思ったよ。でも今はその言葉を信じたい」
そう言うと、アインはリューネの方を向く。
「話は終わったかい?アイン・スペルシア」
リューネの眼光を見ると、あまりの殺気に押しつぶされそうになるアイン。
蛇に睨まれた蛙のような気分だ。
だがアインはもう迷っていなかった。
ただリューネを倒すことだけを考えていた。
「トッド、コイントスを頼む」
「了解」
そう言うとトッドがアインとリューネの間に立ち、コイントスの準備に入る。
「わざわざフルネームで呼ばなくてもいいぞ」
「……身をもってしても真実を知りたいか?アイン」
「俺は負けない」
その言葉を聞いたリューネは不気味に笑う。
リューネは肩に乗せていた剣を鞘から引き抜く。
アインも魔法具を構え、詠唱準備に入る。
両者の睨み合う中、運命の時がきた。
トッドは勢いよくコイントスをおこなった。
コインが地面に落ちた瞬間、アインが詠唱を始める。
「水の刃よ、我が敵を斬り裂け!」
どういうことか、リューネは動かず、不適な笑みを浮かべアインの詠唱を待っていた。
「"水の聖剣"!」
縦一直線の範囲攻撃。
ズドン!という音と共に水飛沫が上がる。
目の前には無傷のリューネがいた。
ちょうどリューネが立っているところだけ水溜まりが無い。
リューネは右手の甲を見せる。
エンブレムは三日月の形をして光っていた。
「一度だけチャンスを与えたが、やはり魔法使いは聖騎士には勝てないのさ」
そう言うと、リューネは一気にダッシュし、アインとの間合いを詰める。
そのスピードは弓矢のように速い。
「!!……水よ我が敵を惑わせ……」
アインはそのスピードに驚愕するが、頭は冷静だ。
リューネが横の薙ぎ払いをおこない、アインの胴は切り裂かれる。
……と思いきや、切り裂かれた体は水に変わり地面に落ち水溜まりになる。
「……"水の幻影"」
アインは水の幻影の数メートル後ろにいた。
「くだらん小細工だ」
「……"水の激流"!」
リューネが切り捨てた水の幻影から生まれた水溜まりから水の竜巻が起こる。
だが、リューネはそんなのものともせずに竜巻ごと切って捨てた。
そのまま、リューネはさらに加速してアインに両手持ち縦一閃で切り掛かる。
アインは間一髪横に側転して避けるが、腕に傷を負った。
「いつまでもつかな?アイン」
リューネの剣技の猛攻に成す術がないアイン。
回避が精一杯で詠唱ができない。
そうこうしているうちに壁際まで追い詰められる。
「くっ!」
「これで終わりだ!」
リューネがアインの顔めがけて剣を突く。
それをアインは間一髪、首を曲げてかわし、剣は壁に突き刺さる。
アインの頬から血が流れる。
リューネは完全にアインの息の根を止める気で戦っていた。
「アイン!もう降参しろ!殺されるぞ!」
トッドの悲痛な叫びが闘技場内を覆う。
観戦している生徒も、意気消沈していた。
だがアインは諦めていなかった。
「仕方ない……"水の破竜"!」
アインの叫びと共に、最初に水の聖剣で作られた水溜まりから、水の蒼い龍が出現し、アインの目の前のリューネに横から襲いかかった。
リューネは剣で押し返そうとしたのが間違いだった。
そのあまりの水量、水圧でエンブレムでは捌《さば》ききれず数メートル吹き飛ばされる。
だが、すぐに立て直したリューネはすぐさまアインに向かってダッシュ。
またも剣の猛攻がアインを襲う。
まさにそれは戦いに魅入られた狂人《バーサーカー》だった。
闘技場の外周を回るようにして逃げるアインだが、その体はもう傷だらけだった。
「もうやめろ!アイン!聖騎士には勝てないんだ!」
逃げ回るだけのアインに対して、トッドは悲痛に叫ぶ。
魔法を無詠唱で発動させるための水溜まりはもう無い。
後ろに下がり続けていたアインは遂につまずき、後ろに倒れる。
「……う!」
「アイン・スペルシア、よく頑張ったよ。だが魔法使いは聖騎士には勝てない。これがこの世の真実なんだ」
そう呟いたリューネは、倒れたアインを一刀両断した。
……がそれは水の幻影で切られた幻影が水溜まりになる。
リューネの背後、数メートル離れたところにアインがいた。
だがアインは傷だらけでもう立っているのがやっとの状態で息が切れそうだった。
「……真実?俺には真実というより、洗脳のようにしか聞こえない。俺は今日、聖騎士に勝つ」
振り向いたリューネはゆっくり歩いてアインに近づくが、息ひとつ切らしていない。
リューネはもう勝利を確信していた。
「なにをやっても無駄だアイン。お前の負けだ。お前はマーシャに相応しくない」
「本当は対抗戦まで見せないつもりだったけど……」
リューネは不敵な笑みを浮かべるが、次第にその表情を曇らせる。
リューネは吐く息が白いくなっていることに気づく。
闘技場内の空気が変わったことに観客席も騒ついていた。
「なんか寒くないか……?」
「見ろ!雪降ってきたぞ!」
「お、おい、なんかアインの様子おかしくないか?」
アインの髪の色が青白く発光する。
目の色も青い光を放っている。
「魔力覚醒……」
その言葉と同時に、アインの立つ場所に巨大な白い魔法陣が展開した。
そして闘技場内は一気に"冷気"に包まれた。
マーシャは寮の自室の机に置かれた二枚の紙を見ていた。
一枚はリューネからのメッセージだ。
入れ替わった時は、たまに何があったのか書き残してくれる。
そこには"アインはバディを断った"との一文だけ書かれていた。
そしてもう一枚は、アインからの二通目の手紙だった。
マーシャは勇気を出して読んでみたが、そこに書かれていたのは、"リューネと決闘がしたい"という一文と日時が書かれていた。
マーシャは悩んだ。
アインが酷い目に遭うかもしれない……
だが、それ以上にアインを信じたかった。
もしかしたら、アインは今自分が置かれた状況から連れ出してくれるのではないかと。
マーシャはリューネに手紙を書き、剣のグリップを握った。
闘技場
観客席にはちらほら観戦者がいた。
闘技場内は妙な緊張感で圧迫され、不思議な空気を漂わせた。
闘技場の中央、アインとマーシャが向かい合う。
マーシャは剣を握って肩に乗せ、無表情にアインを睨む。
もう目の前にいるのはマーシャではなくリューネだった。
アインの隣にはトッドもいた。
「今まですまなかったなアイン……だが、マーシャ自身、望んでいるのか?バディを組むことは」
「わからない。でもこれに勝って、もう一度あらためて誘おうと思う」
「そうか……」
アインはリューネを越えることで、自分の弱い心を乗り越えようとしていた。
今まで自分の意見を押し殺して生きてきた弱い自分だ。
乗り越えられた時、きっとマーシャと一緒に戦うことができる。
アインはそう信じていた。
「しかし、大丈夫か?」
「ああ、あの学年最下位でも勝てたんだ。俺だってやれるさ。それに……」
「それに?」
「俺は水の王と握手してるんだぜ」
トッドは無言で驚いた表情をした。
水の王が握手するというのは稀なことだ。
よほど魔力量が高く魔法使いとして見込みがあるか、水の王自身が興味を引くような人物でない限り絶対に握手はしない。
「その時、水の王に言われたんだ、"次の水の王は君かもね"って」
「マジか……」
「俺は冗談だと思ったよ。でも今はその言葉を信じたい」
そう言うと、アインはリューネの方を向く。
「話は終わったかい?アイン・スペルシア」
リューネの眼光を見ると、あまりの殺気に押しつぶされそうになるアイン。
蛇に睨まれた蛙のような気分だ。
だがアインはもう迷っていなかった。
ただリューネを倒すことだけを考えていた。
「トッド、コイントスを頼む」
「了解」
そう言うとトッドがアインとリューネの間に立ち、コイントスの準備に入る。
「わざわざフルネームで呼ばなくてもいいぞ」
「……身をもってしても真実を知りたいか?アイン」
「俺は負けない」
その言葉を聞いたリューネは不気味に笑う。
リューネは肩に乗せていた剣を鞘から引き抜く。
アインも魔法具を構え、詠唱準備に入る。
両者の睨み合う中、運命の時がきた。
トッドは勢いよくコイントスをおこなった。
コインが地面に落ちた瞬間、アインが詠唱を始める。
「水の刃よ、我が敵を斬り裂け!」
どういうことか、リューネは動かず、不適な笑みを浮かべアインの詠唱を待っていた。
「"水の聖剣"!」
縦一直線の範囲攻撃。
ズドン!という音と共に水飛沫が上がる。
目の前には無傷のリューネがいた。
ちょうどリューネが立っているところだけ水溜まりが無い。
リューネは右手の甲を見せる。
エンブレムは三日月の形をして光っていた。
「一度だけチャンスを与えたが、やはり魔法使いは聖騎士には勝てないのさ」
そう言うと、リューネは一気にダッシュし、アインとの間合いを詰める。
そのスピードは弓矢のように速い。
「!!……水よ我が敵を惑わせ……」
アインはそのスピードに驚愕するが、頭は冷静だ。
リューネが横の薙ぎ払いをおこない、アインの胴は切り裂かれる。
……と思いきや、切り裂かれた体は水に変わり地面に落ち水溜まりになる。
「……"水の幻影"」
アインは水の幻影の数メートル後ろにいた。
「くだらん小細工だ」
「……"水の激流"!」
リューネが切り捨てた水の幻影から生まれた水溜まりから水の竜巻が起こる。
だが、リューネはそんなのものともせずに竜巻ごと切って捨てた。
そのまま、リューネはさらに加速してアインに両手持ち縦一閃で切り掛かる。
アインは間一髪横に側転して避けるが、腕に傷を負った。
「いつまでもつかな?アイン」
リューネの剣技の猛攻に成す術がないアイン。
回避が精一杯で詠唱ができない。
そうこうしているうちに壁際まで追い詰められる。
「くっ!」
「これで終わりだ!」
リューネがアインの顔めがけて剣を突く。
それをアインは間一髪、首を曲げてかわし、剣は壁に突き刺さる。
アインの頬から血が流れる。
リューネは完全にアインの息の根を止める気で戦っていた。
「アイン!もう降参しろ!殺されるぞ!」
トッドの悲痛な叫びが闘技場内を覆う。
観戦している生徒も、意気消沈していた。
だがアインは諦めていなかった。
「仕方ない……"水の破竜"!」
アインの叫びと共に、最初に水の聖剣で作られた水溜まりから、水の蒼い龍が出現し、アインの目の前のリューネに横から襲いかかった。
リューネは剣で押し返そうとしたのが間違いだった。
そのあまりの水量、水圧でエンブレムでは捌《さば》ききれず数メートル吹き飛ばされる。
だが、すぐに立て直したリューネはすぐさまアインに向かってダッシュ。
またも剣の猛攻がアインを襲う。
まさにそれは戦いに魅入られた狂人《バーサーカー》だった。
闘技場の外周を回るようにして逃げるアインだが、その体はもう傷だらけだった。
「もうやめろ!アイン!聖騎士には勝てないんだ!」
逃げ回るだけのアインに対して、トッドは悲痛に叫ぶ。
魔法を無詠唱で発動させるための水溜まりはもう無い。
後ろに下がり続けていたアインは遂につまずき、後ろに倒れる。
「……う!」
「アイン・スペルシア、よく頑張ったよ。だが魔法使いは聖騎士には勝てない。これがこの世の真実なんだ」
そう呟いたリューネは、倒れたアインを一刀両断した。
……がそれは水の幻影で切られた幻影が水溜まりになる。
リューネの背後、数メートル離れたところにアインがいた。
だがアインは傷だらけでもう立っているのがやっとの状態で息が切れそうだった。
「……真実?俺には真実というより、洗脳のようにしか聞こえない。俺は今日、聖騎士に勝つ」
振り向いたリューネはゆっくり歩いてアインに近づくが、息ひとつ切らしていない。
リューネはもう勝利を確信していた。
「なにをやっても無駄だアイン。お前の負けだ。お前はマーシャに相応しくない」
「本当は対抗戦まで見せないつもりだったけど……」
リューネは不敵な笑みを浮かべるが、次第にその表情を曇らせる。
リューネは吐く息が白いくなっていることに気づく。
闘技場内の空気が変わったことに観客席も騒ついていた。
「なんか寒くないか……?」
「見ろ!雪降ってきたぞ!」
「お、おい、なんかアインの様子おかしくないか?」
アインの髪の色が青白く発光する。
目の色も青い光を放っている。
「魔力覚醒……」
その言葉と同時に、アインの立つ場所に巨大な白い魔法陣が展開した。
そして闘技場内は一気に"冷気"に包まれた。
0
お気に入りに追加
429
あなたにおすすめの小説
勇者の育成係に任命されました
茜カナコ
ファンタジー
結城司は車道に飛び出した女子高生を救おうと、車の前に飛び出した。
すると光に包まれて、知らない場所で目を覚ます。
そこは宮殿で、美しい少女が薄いヴェールだけを見に纏い立っていた。
少女はミクルと名乗った。
勇者候補生で、召喚魔法を唱えたと言った。
超文明日本
点P
ファンタジー
2030年の日本は、憲法改正により国防軍を保有していた。海軍は艦名を漢字表記に変更し、正規空母、原子力潜水艦を保有した。空軍はステルス爆撃機を保有。さらにアメリカからの要求で核兵器も保有していた。世界で1、2を争うほどの軍事力を有する。
そんな日本はある日、列島全域が突如として謎の光に包まれる。光が消えると他国と連絡が取れなくなっていた。
異世界転移ネタなんて何番煎じかわかりませんがとりあえず書きます。この話はフィクションです。実在の人物、団体、地名等とは一切関係ありません。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
婚約者に裏切られた女騎士は皇帝の側妃になれと命じられた
ミカン♬
恋愛
小国クライン国に帝国から<妖精姫>と名高いマリエッタ王女を側妃として差し出すよう命令が来た。
マリエッタ王女の侍女兼護衛のミーティアは嘆く王女の監視を命ぜられるが、ある日王女は失踪してしまった。
義兄と婚約者に裏切られたと知ったミーティアに「マリエッタとして帝国に嫁ぐように」と国王に命じられた。母を人質にされて仕方なく受け入れたミーティアを帝国のベルクール第二皇子が迎えに来た。
二人の出会いが帝国の運命を変えていく。
ふわっとした世界観です。サクッと終わります。他サイトにも投稿。完結後にリカルドとベルクールの閑話を入れました、宜しくお願いします。
2024/01/19
閑話リカルド少し加筆しました。
戦争から帰ってきたら、俺の婚約者が別の奴と結婚するってよ。
隣のカキ
ファンタジー
国家存亡の危機を救った英雄レイベルト。彼は幼馴染のエイミーと婚約していた。
婚約者を想い、幾つもの死線をくぐり抜けた英雄は戦後、結婚の約束を果たす為に生まれ故郷の街へと戻る。
しかし、戦争で負った傷も癒え切らぬままに故郷へと戻った彼は、信じられない光景を目の当たりにするのだった……
ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
――貧乏だから不幸せ❓ いいえ、求めているのは寄り添ってくれる『誰か』。
◆
第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリア。
両親も既に事故で亡くなっており帰る場所もない彼女は、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていた。
しかし目的地も希望も生きる理由さえ見失いかけた時、とある男の子たちに出会う。
言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。
喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。
10歳前後に見える彼らにとっては、親がいない事も、日々食べるものに困る事も、雨に降られる事だって、すべて日常なのだという。
そんな彼らの瞳に宿る強い生命力に感化された彼女は、気が付いたら声をかけていた。
「ねぇ君たち、お腹空いてない?」
まるで野良犬のような彼らと、貴族の素性を隠したフィーリアの三人共同生活。
平民の勝手が分からない彼女は、二人や親切な街の人達に助けられながら、自分の生き方やあり方を見つけて『自分』を取り戻していく。
エンジェリカの王女
四季
ファンタジー
天界の王国・エンジェリカ。その王女であるアンナは王宮の外の世界に憧れていた。
ある日、護衛隊長エリアスに無理を言い街へ連れていってもらうが、それをきっかけに彼女の人生は動き出すのだった。
天使が暮らす天界、人間の暮らす地上界、悪魔の暮らす魔界ーー三つの世界を舞台に繰り広げられる物語。
著作者:四季 無断転載は固く禁じます。
※この作品は、2017年7月~10月に執筆したものを投稿しているものです。
※この作品は「小説カキコ」にも掲載しています。
※この作品は「小説になろう」にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる