62 / 64
第六十二話 乃百合さんへの告白
しおりを挟む
乃百合さんと俺は、改めて向き合った。
さわやかな風が吹いてくる。
間近で見る乃百合さんは、とてもかわいい。
そして、匂いが素敵。
それだけでも心がとろけてくる。
しかし、今度こそ俺は告白をしなければならない。
「夏浜さん、俺、今日はあなたに伝えたいことがあります」
「伝えたいこと?」
乃百合さんの方も緊張してきている。
「俺、始業式で夏浜さんに初めて会った時から、好意を持っていました」
「好意を?」
「そうです」
本当は、今年の高校二年生の始業式ではなく、前世での高校二年英の始業式の時から好意を持っていた。
そう言いたいところだが、前世のことを思い出している様子はない。
言うことができないのは残念だが、そうは言っていられない。
「それから俺は、夏浜さんへの好意が高まっていきました。いつしか恋をするようになっていたのです」
「恋? わたしに?」
恋という言葉を使った瞬間、俺も恥ずかしい気持ちになったが、乃百合さんの方も恥ずかしくなったのか、顔を赤らめていく。
「それで、今日。俺は夏浜さんをここに呼ぶことになりました。来ていただいて、本当にありがとうござます」
俺は一回言葉を切る。
もう恥ずかしさで、この場から走り出したい気持ち。
でも俺は、次の言葉を言わなければならない。
乃百合さんは恥ずかしさを抑えつつ、俺の次の言葉を待っている。
このような状況なのに。心には、
「断られたらどうしよう」
という気持ちが急激に湧いてくる。
何をやっているのだ、俺は!
そのマイナスの心を振り払い、俺は前に進む。
「夏浜さん、好きです。付き合ってください! 俺の恋人になってください!」
俺は夏浜さんに頭を下げる。
ようやく言うことができた。
前世の時から、乃百合さんに対して、ほとんど何もアプローチのできなかった俺。
やっと、その想いを伝えることができた。
しかし、ホッとしたのもつかの間。
乃百合さんは俺の想いを受け取ってくれるだろうか?
どのような返事がくるのか、気になってくる。
乃百合さんは、俺の言ったことに驚いたのか、戸惑っているようだ。
返事をするのに困っている様子。
ここで告白されるとは思っていなかったのだと思う。
この様子だと、すぐには付き合うことをOKしてもらえそうもない。
この状況は予想していないわけではなかったが、避けたいと思っていた。
その点では残念な状況になりつつある。
でもすぐに断るということでもなさそうだ。
「少し時間をください」
と言われそうな気がしていた。
そう言われたら、乃百合さんの心が俺の方に傾くのを待つしかない。
俺が覚悟を決め始めた時、乃百合さんは、
「島森くん」
と言った後、話をし始めた。
「わたし、なぜだかわからないのですけど、始業式の時、島森くんと出会った時、初めて会った気が全くしませんでした。どこかで会ったような気がしていたのです。幼い頃に会っていたわけでもない。どうしてそういう気持ちになるのかわかりませんでした。でも島森くんの雰囲気は、どこかで懐かしく思う気持ちがありました。それで、わたしは島森くんと仲良くなりたいと思ったのです。そして、まず友達になりたいと思いました」
さわやかな風が吹いてくる。
間近で見る乃百合さんは、とてもかわいい。
そして、匂いが素敵。
それだけでも心がとろけてくる。
しかし、今度こそ俺は告白をしなければならない。
「夏浜さん、俺、今日はあなたに伝えたいことがあります」
「伝えたいこと?」
乃百合さんの方も緊張してきている。
「俺、始業式で夏浜さんに初めて会った時から、好意を持っていました」
「好意を?」
「そうです」
本当は、今年の高校二年生の始業式ではなく、前世での高校二年英の始業式の時から好意を持っていた。
そう言いたいところだが、前世のことを思い出している様子はない。
言うことができないのは残念だが、そうは言っていられない。
「それから俺は、夏浜さんへの好意が高まっていきました。いつしか恋をするようになっていたのです」
「恋? わたしに?」
恋という言葉を使った瞬間、俺も恥ずかしい気持ちになったが、乃百合さんの方も恥ずかしくなったのか、顔を赤らめていく。
「それで、今日。俺は夏浜さんをここに呼ぶことになりました。来ていただいて、本当にありがとうござます」
俺は一回言葉を切る。
もう恥ずかしさで、この場から走り出したい気持ち。
でも俺は、次の言葉を言わなければならない。
乃百合さんは恥ずかしさを抑えつつ、俺の次の言葉を待っている。
このような状況なのに。心には、
「断られたらどうしよう」
という気持ちが急激に湧いてくる。
何をやっているのだ、俺は!
そのマイナスの心を振り払い、俺は前に進む。
「夏浜さん、好きです。付き合ってください! 俺の恋人になってください!」
俺は夏浜さんに頭を下げる。
ようやく言うことができた。
前世の時から、乃百合さんに対して、ほとんど何もアプローチのできなかった俺。
やっと、その想いを伝えることができた。
しかし、ホッとしたのもつかの間。
乃百合さんは俺の想いを受け取ってくれるだろうか?
どのような返事がくるのか、気になってくる。
乃百合さんは、俺の言ったことに驚いたのか、戸惑っているようだ。
返事をするのに困っている様子。
ここで告白されるとは思っていなかったのだと思う。
この様子だと、すぐには付き合うことをOKしてもらえそうもない。
この状況は予想していないわけではなかったが、避けたいと思っていた。
その点では残念な状況になりつつある。
でもすぐに断るということでもなさそうだ。
「少し時間をください」
と言われそうな気がしていた。
そう言われたら、乃百合さんの心が俺の方に傾くのを待つしかない。
俺が覚悟を決め始めた時、乃百合さんは、
「島森くん」
と言った後、話をし始めた。
「わたし、なぜだかわからないのですけど、始業式の時、島森くんと出会った時、初めて会った気が全くしませんでした。どこかで会ったような気がしていたのです。幼い頃に会っていたわけでもない。どうしてそういう気持ちになるのかわかりませんでした。でも島森くんの雰囲気は、どこかで懐かしく思う気持ちがありました。それで、わたしは島森くんと仲良くなりたいと思ったのです。そして、まず友達になりたいと思いました」
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
男がほとんどいない世界に転生したんですけど…………どうすればいいですか?
かえるの歌🐸
恋愛
部活帰りに事故で死んでしまった主人公。
主人公は神様に転生させてもらうことになった。そして転生してみたらなんとそこは男が1度は想像したことがあるだろう圧倒的ハーレムな世界だった。
ここでの男女比は狂っている。
そんなおかしな世界で主人公は部活のやりすぎでしていなかった青春をこの世界でしていこうと決意する。次々に現れるヒロイン達や怪しい人、頭のおかしい人など色んな人達に主人公は振り回させながらも純粋に恋を楽しんだり、学校生活を楽しんでいく。
この話はその転生した世界で主人公がどう生きていくかのお話です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この作品はカクヨムや小説家になろうで連載している物の改訂版です。
投稿は書き終わったらすぐに投稿するので不定期です。
必ず1週間に1回は投稿したいとは思ってはいます。
1話約3000文字以上くらいで書いています。
誤字脱字や表現が子供っぽいことが多々あると思います。それでも良ければ読んでくださるとありがたいです。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
元おっさんの幼馴染育成計画
みずがめ
恋愛
独身貴族のおっさんが逆行転生してしまった。結婚願望がなかったわけじゃない、むしろ強く思っていた。今度こそ人並みのささやかな夢を叶えるために彼女を作るのだ。
だけど結婚どころか彼女すらできたことのないような日陰ものの自分にそんなことができるのだろうか? 軟派なことをできる自信がない。ならば幼馴染の女の子を作ってそのままゴールインすればいい。という考えのもと始まる元おっさんの幼馴染育成計画。
※この作品は小説家になろうにも掲載しています。
※【挿絵あり】の話にはいただいたイラストを載せています。表紙はチャーコさんが依頼して、まるぶち銀河さんに描いていただきました。
女の子にされちゃう!?「……男の子やめる?」彼女は優しく撫でた。
広田こお
恋愛
少子解消のため日本は一夫多妻制に。が、若い女性が足りない……。独身男は女性化だ!
待て?僕、結婚相手いないけど、女の子にさせられてしまうの?
「安心して、いい夫なら離婚しないで、あ・げ・る。女の子になるのはイヤでしょ?」
国の決めた結婚相手となんとか結婚して女性化はなんとか免れた。どうなる僕の結婚生活。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる