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第三十二話 別れることを決意したわたし (すのなサイド)
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「先輩がおっしゃる通り、わたしには付き合っている人がいました。付き合っている内に、だんだん仲良くなってきて、恋人どうしになるところまで来ていました。しかし、先輩と会って、その気持ちは変わりました。先輩はとても素敵な方です。わたしは先輩のことが好きになりました。今付き合っている人とはもう別れます。先輩がよろしければ、恋人にしてください。お願いします」
わたしがそう言うと、先輩はわたしの手を握り、
「ありがとうございます。これでわたしたちは恋人どうしですね」
と言った。
「これからよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
先輩はそう言うと、わたしを抱きしめる。
「こんな素敵な人を恋人にできるなんて、なんてわたしは幸せなんだろう」
「先輩、わたしも幸せです」
幼い頃は別として、今まで、異性に抱きしめられたことのないわたし。
しかも、恋人がわたしを抱きしめている。
もう心は沸騰寸前だ。
恥ずかしい気持ちはある。
でも、せっかくのチャンス。
このまま先輩とキスがしたい。
キスができれば、先輩の恋人としての自信がついてくる。
そう思っていると、
「池土さん、好きです」
と先輩が言ってくる。
先輩もわたしとキスがしたいと思っているようだ。
わたしは、まだちょっと恥ずかしい気持ちはあるけれど、その気持ちを乗り越えます。
先輩、キスをしましょう!
そう思い、
「わたしも先輩が好きです」
とわたしが言うと、先輩は唇を近づけてきた。
重なり合っていく唇と唇。
これでわたしはイケメン先輩の恋人になることができたと思った。
その後、わたしはイケメン先輩と初デートをして、すぐに二人だけの世界に入っていった。
ただ、島森くんと別れるにしても、別れ方があると思っていた。
島森くんがわたしのことが好きなのは理解している。
最近、お互いを恋人どうしとして認識してきたので、向こう側はわたしに対する想いを深めてきているということも理解していた。
今となっては、迷惑でしかないのだけど。
島森くんは、
「池土さんが好きです」
という言葉を付き合った当初からずっと送付し続けていて、最近は、
「すのなさんが好きです」
と名前で送付してくるようになっている。
わたしがそれに対して、
「海定くん、好き」
と返信し出したのは、最初のデート以降だった。
ここのところ毎日送信していた。
最初は、彼氏である島森くんへの礼儀という意味の方が強かった。
それほど心を込めていたわけではなかった。
しかし、最近は、島森くんに心が傾き、恋人どうしという認識になってきていた。
心の底からではまだなかったが。それでも以前よりは「好き」という気持ちを入れて送信するようにはなっていた。
今日イケメン先輩と会わなければ、島森くんと心の底から結びついた恋人どうしになっていったかもしれない。
しかし。イケメン先輩の恋人になった今となっては、忘れたい過去のことになってしまった。
楽しかったはずの島森くんとのデートでさえ、しなければよかったと思っている。
とはいうものの、島森くんがわたしのことをすぐにあきらめるとは思えなかった。
わたしがイケメン先輩と付き合い出しても、ルインを送付し続けて、心が向いてくるのを待つということも想定できた。
とにかく、大きな心の打撃を与えてあきらめさせるしかない。
そう思ったわたしは、イケメン先輩に相談した。
すると、イケメン先輩は、
「まずそいつをここに呼び出す。そして、わたしとあなたが睦まじくしているところを見せつけてやる。抱きしめ合うのもいいが、わたしたちがキスをするのが一番効果的だろう」
と言った。
イケメン先輩は、告白の時はていねいな言葉づかいだったが、わたしが恋人になった途端、そのていねいさが少しずつ失われていくような気がした。
わたしがそう言うと、先輩はわたしの手を握り、
「ありがとうございます。これでわたしたちは恋人どうしですね」
と言った。
「これからよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
先輩はそう言うと、わたしを抱きしめる。
「こんな素敵な人を恋人にできるなんて、なんてわたしは幸せなんだろう」
「先輩、わたしも幸せです」
幼い頃は別として、今まで、異性に抱きしめられたことのないわたし。
しかも、恋人がわたしを抱きしめている。
もう心は沸騰寸前だ。
恥ずかしい気持ちはある。
でも、せっかくのチャンス。
このまま先輩とキスがしたい。
キスができれば、先輩の恋人としての自信がついてくる。
そう思っていると、
「池土さん、好きです」
と先輩が言ってくる。
先輩もわたしとキスがしたいと思っているようだ。
わたしは、まだちょっと恥ずかしい気持ちはあるけれど、その気持ちを乗り越えます。
先輩、キスをしましょう!
そう思い、
「わたしも先輩が好きです」
とわたしが言うと、先輩は唇を近づけてきた。
重なり合っていく唇と唇。
これでわたしはイケメン先輩の恋人になることができたと思った。
その後、わたしはイケメン先輩と初デートをして、すぐに二人だけの世界に入っていった。
ただ、島森くんと別れるにしても、別れ方があると思っていた。
島森くんがわたしのことが好きなのは理解している。
最近、お互いを恋人どうしとして認識してきたので、向こう側はわたしに対する想いを深めてきているということも理解していた。
今となっては、迷惑でしかないのだけど。
島森くんは、
「池土さんが好きです」
という言葉を付き合った当初からずっと送付し続けていて、最近は、
「すのなさんが好きです」
と名前で送付してくるようになっている。
わたしがそれに対して、
「海定くん、好き」
と返信し出したのは、最初のデート以降だった。
ここのところ毎日送信していた。
最初は、彼氏である島森くんへの礼儀という意味の方が強かった。
それほど心を込めていたわけではなかった。
しかし、最近は、島森くんに心が傾き、恋人どうしという認識になってきていた。
心の底からではまだなかったが。それでも以前よりは「好き」という気持ちを入れて送信するようにはなっていた。
今日イケメン先輩と会わなければ、島森くんと心の底から結びついた恋人どうしになっていったかもしれない。
しかし。イケメン先輩の恋人になった今となっては、忘れたい過去のことになってしまった。
楽しかったはずの島森くんとのデートでさえ、しなければよかったと思っている。
とはいうものの、島森くんがわたしのことをすぐにあきらめるとは思えなかった。
わたしがイケメン先輩と付き合い出しても、ルインを送付し続けて、心が向いてくるのを待つということも想定できた。
とにかく、大きな心の打撃を与えてあきらめさせるしかない。
そう思ったわたしは、イケメン先輩に相談した。
すると、イケメン先輩は、
「まずそいつをここに呼び出す。そして、わたしとあなたが睦まじくしているところを見せつけてやる。抱きしめ合うのもいいが、わたしたちがキスをするのが一番効果的だろう」
と言った。
イケメン先輩は、告白の時はていねいな言葉づかいだったが、わたしが恋人になった途端、そのていねいさが少しずつ失われていくような気がした。
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