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第十一話 前世の俺・我慢
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るやのさんと別れた、いやるやのさんに捨てられた後。
今までは、俺に対して、好意的に話しかける人はいなかったこともなかったが、これ以降ほとんどいなくなった。
話しかける人自体はいるのだが、全員、俺に嫌味を言ってくる。
みんなのアイドル的の存在になっていたるやのさんと付き合っていた時も、嫌味を言う人はいないこともなかったが、少数だった。
しかし、捨てられてからは、わざわざ俺のところにきて、
「お前のようなやつは、振られて当然だ!」
「るやのさんはアイドルなんだ。お前につり合う相手じゃないんだよ!」
「お前が振られて、俺はとてもうれしいぜ!」」
と言って、俺に嫌味を言ったり、嘲笑したりする人たちが増えてきていた。
るやのさんはクラスメイトなので、付き合っている間は、俺にそういうことを言うと逆に嫌われるのと思って抑えていたのだろう。
しかし、るやのさんと付き合うようになったイケメン先輩に対しては、誰も何も言わない。
言いたいのだとは思うが、るやのさんとイケメン先輩は、美少女とイケメンでつり合いがとれているので、あきらめているのだと思う。
そこでたまった憤懣が、俺の方に向いているということだろう。
俺がその人たちに攻撃され、悲しい表情をすると、その勢いはさらに増してくる。
俺に好意を持っていた数少ない人たちは、俺のところへ行って話しかけようとすると、こうした人たちに一緒に嫌味を言われる可能性があるので、俺のことを避けるようになったと思われる。
仕方がないと思う。
迷惑はかけたくない。
そして、るやのさんは、イケメン先輩とうまくやっているのだろう。
毎日楽しそうな表情をしている。
その表情を見るのはつらい。
るやのさんのそばにいて、るやのさんを楽しい表情にさせるのは俺だったのに……。
現実は厳しい。
三学期が始まってしばらくの間は、そういう状態が続いた。
その間、俺はじっと我慢するしかなかった。
涙を流しそうになったこともある。
しかし、そんなことをしたら、余計に嫌味を言われることになるだろう。
「お前のような、魅力がなく、気の弱い人間と付き合っていたるやのさんがかわいそう」
と言うようなことを。
家では相変わらず冷たく暗く重い雰囲気に苦しみ続ける。
そして、失恋で心の打撃を受け、失恋した後も心の打撃を受けて苦しみ続ける……。
生きていくのが、どんどんつらくなっていた。
高校二年生になれば、クラスのメンバーの変更がある。
同じクラスのままの人たちもいるが、別のクラスになって離れてしまう人たちもいる。
俺に嫌味を言っている人々や、失恋したるやのさんとは、違うクラスになるといいなあ、思っていた。
その人たちと違うクラスになれば、今の酷い状況からも脱出できる。
それが俺の生きる為の希望だった。
そしてアニメやアニソンやギャルゲーといった趣味も、俺の生きる為の希望だった。
その中でも俺は、特にギャルゲーに熱中していく。
プレイをする時間は、失恋以前よりも増え、一日の多くの時間を費やすことになっていった。
疲れはたまってくるが、だからといってプレイ時間が少なくなれば、失恋の苦しみがまた大きくなっていくだろう。
俺を癒してくれるのは、ギャルゲーの登場人物だった。
現実に存在してくれたら、どんなにいいだろう。
現実の世界で出会えたらいいのになあ……。
しかし、そう思っても現実は厳しいことは、俺も失恋をしているので理解はせざるをえない。
そうであるならば、現実ではなく、ギャルゲーの世界でもっと楽しんでいくしかないと思う。
とはいうものの、ギャルゲーをプレイしていても、失恋の苦しさは襲ってくる。
その度に、つらい気持ちになってくる。
趣味がなく、特にギャルゲーをプレイしていなかったら、より一層苦しみに襲われ、つらい気持ちになるに違いない。
そして、生きる気力もなくなっていく可能性も強い。
趣味があり、特にギャルゲーがあるから、まだ少し生きる気力があると言えると思う。
俺は高校二年生への希望と、趣味への傾斜、特にギャルゲーのプレイに熱中することにより、なんとかこのつらい時期を耐えていったのだった。
高校二年生の新学期の日。
桜満開の春。
るやのさんとは、別のクラスになっていたし、俺に嫌味を言っていた人々も、別のクラスになっていた。
これで少しはましな人生になるといいなあ……。
そう思い、新しい教室に入った。
するとそこには……。
今までは、俺に対して、好意的に話しかける人はいなかったこともなかったが、これ以降ほとんどいなくなった。
話しかける人自体はいるのだが、全員、俺に嫌味を言ってくる。
みんなのアイドル的の存在になっていたるやのさんと付き合っていた時も、嫌味を言う人はいないこともなかったが、少数だった。
しかし、捨てられてからは、わざわざ俺のところにきて、
「お前のようなやつは、振られて当然だ!」
「るやのさんはアイドルなんだ。お前につり合う相手じゃないんだよ!」
「お前が振られて、俺はとてもうれしいぜ!」」
と言って、俺に嫌味を言ったり、嘲笑したりする人たちが増えてきていた。
るやのさんはクラスメイトなので、付き合っている間は、俺にそういうことを言うと逆に嫌われるのと思って抑えていたのだろう。
しかし、るやのさんと付き合うようになったイケメン先輩に対しては、誰も何も言わない。
言いたいのだとは思うが、るやのさんとイケメン先輩は、美少女とイケメンでつり合いがとれているので、あきらめているのだと思う。
そこでたまった憤懣が、俺の方に向いているということだろう。
俺がその人たちに攻撃され、悲しい表情をすると、その勢いはさらに増してくる。
俺に好意を持っていた数少ない人たちは、俺のところへ行って話しかけようとすると、こうした人たちに一緒に嫌味を言われる可能性があるので、俺のことを避けるようになったと思われる。
仕方がないと思う。
迷惑はかけたくない。
そして、るやのさんは、イケメン先輩とうまくやっているのだろう。
毎日楽しそうな表情をしている。
その表情を見るのはつらい。
るやのさんのそばにいて、るやのさんを楽しい表情にさせるのは俺だったのに……。
現実は厳しい。
三学期が始まってしばらくの間は、そういう状態が続いた。
その間、俺はじっと我慢するしかなかった。
涙を流しそうになったこともある。
しかし、そんなことをしたら、余計に嫌味を言われることになるだろう。
「お前のような、魅力がなく、気の弱い人間と付き合っていたるやのさんがかわいそう」
と言うようなことを。
家では相変わらず冷たく暗く重い雰囲気に苦しみ続ける。
そして、失恋で心の打撃を受け、失恋した後も心の打撃を受けて苦しみ続ける……。
生きていくのが、どんどんつらくなっていた。
高校二年生になれば、クラスのメンバーの変更がある。
同じクラスのままの人たちもいるが、別のクラスになって離れてしまう人たちもいる。
俺に嫌味を言っている人々や、失恋したるやのさんとは、違うクラスになるといいなあ、思っていた。
その人たちと違うクラスになれば、今の酷い状況からも脱出できる。
それが俺の生きる為の希望だった。
そしてアニメやアニソンやギャルゲーといった趣味も、俺の生きる為の希望だった。
その中でも俺は、特にギャルゲーに熱中していく。
プレイをする時間は、失恋以前よりも増え、一日の多くの時間を費やすことになっていった。
疲れはたまってくるが、だからといってプレイ時間が少なくなれば、失恋の苦しみがまた大きくなっていくだろう。
俺を癒してくれるのは、ギャルゲーの登場人物だった。
現実に存在してくれたら、どんなにいいだろう。
現実の世界で出会えたらいいのになあ……。
しかし、そう思っても現実は厳しいことは、俺も失恋をしているので理解はせざるをえない。
そうであるならば、現実ではなく、ギャルゲーの世界でもっと楽しんでいくしかないと思う。
とはいうものの、ギャルゲーをプレイしていても、失恋の苦しさは襲ってくる。
その度に、つらい気持ちになってくる。
趣味がなく、特にギャルゲーをプレイしていなかったら、より一層苦しみに襲われ、つらい気持ちになるに違いない。
そして、生きる気力もなくなっていく可能性も強い。
趣味があり、特にギャルゲーがあるから、まだ少し生きる気力があると言えると思う。
俺は高校二年生への希望と、趣味への傾斜、特にギャルゲーのプレイに熱中することにより、なんとかこのつらい時期を耐えていったのだった。
高校二年生の新学期の日。
桜満開の春。
るやのさんとは、別のクラスになっていたし、俺に嫌味を言っていた人々も、別のクラスになっていた。
これで少しはましな人生になるといいなあ……。
そう思い、新しい教室に入った。
するとそこには……。
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