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第五十三話 甘々で、ラブラブになっていく二人
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地元の駅まで戻ってきた。
楽しかったデート。特に二人で眺めた夜景は、とても素敵なものだった。
しかし、それはもう終わろうとしている。
心の中では次第に寂しさが増してきていた。
俺は紗緒里ちゃんを家まで送っていこうとする。
「おにいちゃん、ちょっとおにいちゃんの家に寄ってもいいですよね」
紗緒里ちゃんは、そう言って恥ずかしそうに微笑む。
俺も恥ずかしい気持ちになったが、
「うん。いいよ」
と返事をした。
俺達は、手をつないで、俺の家に向かう。
好きな人とこうして手をつないで、俺の家まで歩く。
さっきまでは寂しい気持ちになっていたが、心がだんだん高揚してきた。
そして、一緒に俺の家に帰ってきた。
「恋人どうしになって、初めての帰宅ですね」
そう紗緒里ちゃんは微笑みながらソファに座る。
「そうだね」
「恋人どうし、いい言葉ですよね」
今まではは仲の良い、いとこどうし。
しかし。これからは恋人どうしになる。
「うん。いい言葉だ」
俺はコーヒーとお菓子をテーブルに持ってきて、紗緒里ちゃんの隣に座る。
「よかったら」
「ありがとうございます」
頭を下げる紗緒里ちゃん。かわいい。
「おにいちゃん、シャワーを浴びたいんですけど、いいでしょうか」
少し顔を赤くして言う紗緒里ちゃん。
「うん。いいよ」
俺も少し恥ずかしい気持ちになりながら言った。
「できればシャワーじゃなくて、おにいちゃんと一緒にお風呂に入りたいと思うんですけど……」
い、一緒にお風呂……。
なんと魅力的な言葉なんだろう。
俺は、猛烈に彼女と一緒にお風呂に入りたい気持ちになる。
しかし、俺達はまだそこまでの関係じゃない。恋人どうしになったばかり。これから関係を深めて行くところだ。
ここは耐えるんだ。耐えていくしかない。
俺は一生懸命、紗緒里ちゃんの誘いを我慢する。
「ごめん。そういうことは、もう少し付き合ってからにするべきだと思う」
「もうおにいちゃんたら。恋人どうしになったんだだから別に遠慮することないのに。わたしはおにいちゃんのものなのに……」
紗緒里ちゃんは残念そう。
俺も少し残念な気持ちになる。
でも仕方がない。まだ俺達は付き合い始めたばかり。もし紗緒里ちゃんの気が変わって俺のことを嫌いになったら、と思うと、ここは自重すべきだろう。
紗緒里ちゃんがシャワーを浴びた後、俺もシャワーを浴びた。
俺はその間、心のコントロールに苦しんでいた。
紗緒里ちゃんと一緒にお風呂に入ればよかった。俺達はもう恋人どうしになったのだから。
いや、入らなくれてよかったんだ。俺達の関係はまだ浅すぎる。そういうことは。身も心もすべて捧げられるようになってからするべきだ……。
俺は少し悶々とした気持ちでリビングに戻ってくると、ソファに座っていた咲緒里ちゃんが、
「おにいちゃん、なんか残念そうな顔をしていますね。やっぱり、わたしと一緒にお風呂に入りたかったですか?」
といたずらっぽい笑いを浮かべながら言ってくる。
「い、いや、そんなことはない」
とは言ったものの、残念だという気持ちはどうしてもある。
「わたしだったら、いつでも一緒に入りますよ」
紗緒里ちゃんはそう言って微笑んだ。
そして、俺はまたソファに座る。紗緒里ちゃんの隣だ。
紗緒里ちゃんはいつもいい匂いがするけれど、シャワーを浴びた後なので、いつも以上にいい匂いがする。
心がそれだけでもとろけていきそうだ。
「おにいちゃん、今日はありがとうございました。とても楽しかったです」
「俺もデ-トできてよかったよ」
かわいい。もっともっと紗緒里ちゃんと一緒にいたい。
「おにいちゃんのこと、好きになる人はこれからも出てくると思います。既に夏森さん、そして、冬土先輩がライバルです。でもわたしは、もっと努力して、おにいちゃんにふさわしい女の子になっていきます」
「紗緒里ちゃん……」
「おにいちゃん、好き。婚約しましょう。そして結婚しましょう」
婚約、結婚。いい言葉だ。そこまで行ければいいと俺も思う。
しかし……。
婚約、結婚となると、俺はまだそこまでの想いには到達できていない。今はまだ俺の方からは、婚約、結婚という言葉を紗緒里ちゃんに言うことはできない。
ごめん。紗緒里ちゃん。
俺は心の中で紗緒里ちゃんに謝った。
でも今日デートしたことによって、より一層紗緒里ちゃんのことを大切にしたいという気持ちが強くなってきている。
その想いは伝えていきたい。そして、紗緒里ちゃんの想いに応えていきたい。
「俺も紗緒里ちゃんが好きだ」
俺は紗緒里ちゃんを抱きしめる。
俺はこれからもっともっと紗緒里ちゃんへの想いを強くする。そして、紗緒里ちゃんにすべてを捧げられるようになり、婚約、結婚というところまで到達していけるようにしていきたい。
「おにいちゃん、わたし、とっても幸せ」
「俺も同じ気持ちだ」
「おにいちゃん、好き。大好きです」
「紗緒里ちゃん、俺も好きだ」
そして、唇と唇を重ね合わせる。
俺と紗緒里ちゃんのファーストキス。
幸せだ。
紗緒里ちゃん、好きだ、愛している。
俺は強くそう思うのだった。
楽しかったデート。特に二人で眺めた夜景は、とても素敵なものだった。
しかし、それはもう終わろうとしている。
心の中では次第に寂しさが増してきていた。
俺は紗緒里ちゃんを家まで送っていこうとする。
「おにいちゃん、ちょっとおにいちゃんの家に寄ってもいいですよね」
紗緒里ちゃんは、そう言って恥ずかしそうに微笑む。
俺も恥ずかしい気持ちになったが、
「うん。いいよ」
と返事をした。
俺達は、手をつないで、俺の家に向かう。
好きな人とこうして手をつないで、俺の家まで歩く。
さっきまでは寂しい気持ちになっていたが、心がだんだん高揚してきた。
そして、一緒に俺の家に帰ってきた。
「恋人どうしになって、初めての帰宅ですね」
そう紗緒里ちゃんは微笑みながらソファに座る。
「そうだね」
「恋人どうし、いい言葉ですよね」
今まではは仲の良い、いとこどうし。
しかし。これからは恋人どうしになる。
「うん。いい言葉だ」
俺はコーヒーとお菓子をテーブルに持ってきて、紗緒里ちゃんの隣に座る。
「よかったら」
「ありがとうございます」
頭を下げる紗緒里ちゃん。かわいい。
「おにいちゃん、シャワーを浴びたいんですけど、いいでしょうか」
少し顔を赤くして言う紗緒里ちゃん。
「うん。いいよ」
俺も少し恥ずかしい気持ちになりながら言った。
「できればシャワーじゃなくて、おにいちゃんと一緒にお風呂に入りたいと思うんですけど……」
い、一緒にお風呂……。
なんと魅力的な言葉なんだろう。
俺は、猛烈に彼女と一緒にお風呂に入りたい気持ちになる。
しかし、俺達はまだそこまでの関係じゃない。恋人どうしになったばかり。これから関係を深めて行くところだ。
ここは耐えるんだ。耐えていくしかない。
俺は一生懸命、紗緒里ちゃんの誘いを我慢する。
「ごめん。そういうことは、もう少し付き合ってからにするべきだと思う」
「もうおにいちゃんたら。恋人どうしになったんだだから別に遠慮することないのに。わたしはおにいちゃんのものなのに……」
紗緒里ちゃんは残念そう。
俺も少し残念な気持ちになる。
でも仕方がない。まだ俺達は付き合い始めたばかり。もし紗緒里ちゃんの気が変わって俺のことを嫌いになったら、と思うと、ここは自重すべきだろう。
紗緒里ちゃんがシャワーを浴びた後、俺もシャワーを浴びた。
俺はその間、心のコントロールに苦しんでいた。
紗緒里ちゃんと一緒にお風呂に入ればよかった。俺達はもう恋人どうしになったのだから。
いや、入らなくれてよかったんだ。俺達の関係はまだ浅すぎる。そういうことは。身も心もすべて捧げられるようになってからするべきだ……。
俺は少し悶々とした気持ちでリビングに戻ってくると、ソファに座っていた咲緒里ちゃんが、
「おにいちゃん、なんか残念そうな顔をしていますね。やっぱり、わたしと一緒にお風呂に入りたかったですか?」
といたずらっぽい笑いを浮かべながら言ってくる。
「い、いや、そんなことはない」
とは言ったものの、残念だという気持ちはどうしてもある。
「わたしだったら、いつでも一緒に入りますよ」
紗緒里ちゃんはそう言って微笑んだ。
そして、俺はまたソファに座る。紗緒里ちゃんの隣だ。
紗緒里ちゃんはいつもいい匂いがするけれど、シャワーを浴びた後なので、いつも以上にいい匂いがする。
心がそれだけでもとろけていきそうだ。
「おにいちゃん、今日はありがとうございました。とても楽しかったです」
「俺もデ-トできてよかったよ」
かわいい。もっともっと紗緒里ちゃんと一緒にいたい。
「おにいちゃんのこと、好きになる人はこれからも出てくると思います。既に夏森さん、そして、冬土先輩がライバルです。でもわたしは、もっと努力して、おにいちゃんにふさわしい女の子になっていきます」
「紗緒里ちゃん……」
「おにいちゃん、好き。婚約しましょう。そして結婚しましょう」
婚約、結婚。いい言葉だ。そこまで行ければいいと俺も思う。
しかし……。
婚約、結婚となると、俺はまだそこまでの想いには到達できていない。今はまだ俺の方からは、婚約、結婚という言葉を紗緒里ちゃんに言うことはできない。
ごめん。紗緒里ちゃん。
俺は心の中で紗緒里ちゃんに謝った。
でも今日デートしたことによって、より一層紗緒里ちゃんのことを大切にしたいという気持ちが強くなってきている。
その想いは伝えていきたい。そして、紗緒里ちゃんの想いに応えていきたい。
「俺も紗緒里ちゃんが好きだ」
俺は紗緒里ちゃんを抱きしめる。
俺はこれからもっともっと紗緒里ちゃんへの想いを強くする。そして、紗緒里ちゃんにすべてを捧げられるようになり、婚約、結婚というところまで到達していけるようにしていきたい。
「おにいちゃん、わたし、とっても幸せ」
「俺も同じ気持ちだ」
「おにいちゃん、好き。大好きです」
「紗緒里ちゃん、俺も好きだ」
そして、唇と唇を重ね合わせる。
俺と紗緒里ちゃんのファーストキス。
幸せだ。
紗緒里ちゃん、好きだ、愛している。
俺は強くそう思うのだった。
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