52 / 53
第五十二話 二人の想い
しおりを挟む
俺達は、映画を観終わった後、近くの喫茶店にいた。
この喫茶店に寄った後、レストランに向かう。
コーヒーもおいしいが、パフェもおいしいと評判の店。
紗緒里ちゃんは、甘いものが好きなので、喜んでもらえるるだろうと思い、ここに行くことにした。
二人でコーヒーとそのパフェを頼んだ。
「このパフェおいしいです。ありがとうございます。好きです。パフェも好きだけどおにいちゃんも好きです」
と紗緒里ちゃんは、微笑みながら言った。
彼女が喜んでくれることは、俺にとって、とってもうれしいことだ。
俺もおいしく食べていく。
「おにいちゃん、今日の映画、感動しました」
「うん。俺も感動した」
「最初は、二人がケンカをすることが多くて、仲が進まなくてやきもきしていました。でもその内、仲がどんどん深まっていって……。いいですよね。こうして素直じゃない二人が恋仲になっていくというのは。そして何といっても主人公がいいです。かっこいいですよね。二人が相思相愛になってからは、どんなに傷ついても疲れていても、ヒロインを守ろうとするんですから。ヒロインに、『俺はあなたに命を捧げたんだ。何がなんでもあなたを守る』と言ったシーン、思い出すだけでも涙が出ます」
主人公は、男の俺からしてもかっこいいキャラクターだ。
「俺もこういうセリフが言えるようになりたいと思う」
「まあ。おにいちゃんたら。誰に対してそのセリフを言うんですか?」
そう言われて、俺は心が熱くなる。
「そ、そうだな。俺の大切に想っている人に言いたいな」
恥ずかしい気持ちになったので、紗緒里ちゃんに、ということは言えなかった。
「わたしにだったらいいんですけどね」
と小声で紗緒里ちゃんは言う。
ちょっと残念そう。
気を取り直して続ける。
ごめん。紗緒里ちゃん。
「そして、ヒロインが、『わたし、あなたの為ならこの命を捧げられるわ』とけなげに言うシーン、これもいいですね」
「そうだな。俺も感動した」
「わたしもおにいちゃんになら、言えますよ」
と言って紗緒里ちゃんは微笑んだ。
この笑顔。なんて素敵なんだろう……。
俺は紗緒里ちゃんのことがますます好きになっていく。
そして、レストランに着く。
ビルの最上階にある、オシャレな店だ。
俺達は、予約をしていた席に案内される。
窓側の席で、眺めは最高だ。
レストランのおすすめ料理を頼み、それを食べる。
おすすめ料理だけあって、味も素晴らしい。
食べている間に、外は夜になっていた。
俺達は、コーヒーを飲みながらくつろぐ。
「おにいちゃん、今日はありがとうございました。映画を観て感動することができて、おいしいパフェも食べられましたし、映画のことでいろいろおしゃべりできました。そして、この素敵なレストランでのおいしい食事。そしてこの夜景。こんな素敵な夜景を楽しむことができるなんて……。おにいちゃんにいろいろ計画していただいたので、うれしくて楽しい時間を過ごせています。こんな楽しい時間は初めてです。もちろん、まだデートは続いています。これから電車に乗って、家に帰るまでずっと一緒ですものね。でも、まず今日の今までについて、ありがとうと言いたいです」
「俺の方こそ、ありがとう。楽しい時間を過ごしているよ。こんな楽しい時間は初めてだと思う」
そして、今日俺は、紗緒里ちゃんに対する気持ちをしっかりとしたものにすることができた。
紗緒里ちゃんは、俺の恋している大切な人。
「おにいちゃん、好きです」
うっとりした表情の紗緒里ちゃん。
いよいよ俺は、紗緒里ちゃんに告白する。
彼女への想いはもう頂点に達しようとしていた。
「紗緒里ちゃん、話があるんだ」
緊張してくる。
「話って?」
「そ、その……」
その後の言葉がなかなか出てこない。
恥ずかしい気持ちにどうしてもなってしまう。
紗緒里ちゃんは、一生懸命、俺が次に言う言葉を聞こうとする態勢に入っている。
彼女の想いに応える。それが今、俺がしなければならないことだ。
「俺、紗緒里ちゃんのことが好きだ。付き合ってほしい」
俺は頭を下げてそう言った。
彼女と再会してから、一か月近く。俺はようやく彼女に告白することができた。
彼女の反応はどうだろうか。
嫌だということはないと思うけど……。
しばしの間、紗緒里ちゃんは黙っていた。
やがて、
「おにいちゃん、わたし、うれしいです」
と言って、紗緒里ちゃんは涙を流し始めた。
「その言葉をどれだけ待っていたことか……」
「ごめん」
「わたし、おにいちゃんが好きです。好きでたまらないんです。でもその想いが通じているのかどうか、わからなくて……」
「俺は幼い頃から紗緒里ちゃんのことが好きだった。いとことして。でも再会してからは、一人の女の子として好きになっていった。ただ、それからも、いとことしての意識が強かったし、紗緒里ちゃんに恋していくということがなかなかできなかった」
「おにいちゃん……」
「ごめんな。だいぶ待たせちゃったようで」
「ううん、そんなことはいいんです。おにいちゃんがわたしのことを好きって言ってくれる。それだけでわたしは幸せです」
紗緒里ちゃんは涙を拭き、そして、微笑んだ。
素敵な笑顔だ。
「ありがとうございます。おにいちゃん、これからよろしくお願いします」
そう言って紗緒里ちゃんは俺の手を握る。
柔らかく、温かい手。
俺の心は沸騰していく。
「こちらこそよろしく。好きだ。紗緒里ちゃん」
「おにいちゃん、好きです。大好きです」
紗緒里ちゃんの甘い声。素敵な声だ。
俺は紗緒里ちゃんにますます恋をしていこうとしている。
この喫茶店に寄った後、レストランに向かう。
コーヒーもおいしいが、パフェもおいしいと評判の店。
紗緒里ちゃんは、甘いものが好きなので、喜んでもらえるるだろうと思い、ここに行くことにした。
二人でコーヒーとそのパフェを頼んだ。
「このパフェおいしいです。ありがとうございます。好きです。パフェも好きだけどおにいちゃんも好きです」
と紗緒里ちゃんは、微笑みながら言った。
彼女が喜んでくれることは、俺にとって、とってもうれしいことだ。
俺もおいしく食べていく。
「おにいちゃん、今日の映画、感動しました」
「うん。俺も感動した」
「最初は、二人がケンカをすることが多くて、仲が進まなくてやきもきしていました。でもその内、仲がどんどん深まっていって……。いいですよね。こうして素直じゃない二人が恋仲になっていくというのは。そして何といっても主人公がいいです。かっこいいですよね。二人が相思相愛になってからは、どんなに傷ついても疲れていても、ヒロインを守ろうとするんですから。ヒロインに、『俺はあなたに命を捧げたんだ。何がなんでもあなたを守る』と言ったシーン、思い出すだけでも涙が出ます」
主人公は、男の俺からしてもかっこいいキャラクターだ。
「俺もこういうセリフが言えるようになりたいと思う」
「まあ。おにいちゃんたら。誰に対してそのセリフを言うんですか?」
そう言われて、俺は心が熱くなる。
「そ、そうだな。俺の大切に想っている人に言いたいな」
恥ずかしい気持ちになったので、紗緒里ちゃんに、ということは言えなかった。
「わたしにだったらいいんですけどね」
と小声で紗緒里ちゃんは言う。
ちょっと残念そう。
気を取り直して続ける。
ごめん。紗緒里ちゃん。
「そして、ヒロインが、『わたし、あなたの為ならこの命を捧げられるわ』とけなげに言うシーン、これもいいですね」
「そうだな。俺も感動した」
「わたしもおにいちゃんになら、言えますよ」
と言って紗緒里ちゃんは微笑んだ。
この笑顔。なんて素敵なんだろう……。
俺は紗緒里ちゃんのことがますます好きになっていく。
そして、レストランに着く。
ビルの最上階にある、オシャレな店だ。
俺達は、予約をしていた席に案内される。
窓側の席で、眺めは最高だ。
レストランのおすすめ料理を頼み、それを食べる。
おすすめ料理だけあって、味も素晴らしい。
食べている間に、外は夜になっていた。
俺達は、コーヒーを飲みながらくつろぐ。
「おにいちゃん、今日はありがとうございました。映画を観て感動することができて、おいしいパフェも食べられましたし、映画のことでいろいろおしゃべりできました。そして、この素敵なレストランでのおいしい食事。そしてこの夜景。こんな素敵な夜景を楽しむことができるなんて……。おにいちゃんにいろいろ計画していただいたので、うれしくて楽しい時間を過ごせています。こんな楽しい時間は初めてです。もちろん、まだデートは続いています。これから電車に乗って、家に帰るまでずっと一緒ですものね。でも、まず今日の今までについて、ありがとうと言いたいです」
「俺の方こそ、ありがとう。楽しい時間を過ごしているよ。こんな楽しい時間は初めてだと思う」
そして、今日俺は、紗緒里ちゃんに対する気持ちをしっかりとしたものにすることができた。
紗緒里ちゃんは、俺の恋している大切な人。
「おにいちゃん、好きです」
うっとりした表情の紗緒里ちゃん。
いよいよ俺は、紗緒里ちゃんに告白する。
彼女への想いはもう頂点に達しようとしていた。
「紗緒里ちゃん、話があるんだ」
緊張してくる。
「話って?」
「そ、その……」
その後の言葉がなかなか出てこない。
恥ずかしい気持ちにどうしてもなってしまう。
紗緒里ちゃんは、一生懸命、俺が次に言う言葉を聞こうとする態勢に入っている。
彼女の想いに応える。それが今、俺がしなければならないことだ。
「俺、紗緒里ちゃんのことが好きだ。付き合ってほしい」
俺は頭を下げてそう言った。
彼女と再会してから、一か月近く。俺はようやく彼女に告白することができた。
彼女の反応はどうだろうか。
嫌だということはないと思うけど……。
しばしの間、紗緒里ちゃんは黙っていた。
やがて、
「おにいちゃん、わたし、うれしいです」
と言って、紗緒里ちゃんは涙を流し始めた。
「その言葉をどれだけ待っていたことか……」
「ごめん」
「わたし、おにいちゃんが好きです。好きでたまらないんです。でもその想いが通じているのかどうか、わからなくて……」
「俺は幼い頃から紗緒里ちゃんのことが好きだった。いとことして。でも再会してからは、一人の女の子として好きになっていった。ただ、それからも、いとことしての意識が強かったし、紗緒里ちゃんに恋していくということがなかなかできなかった」
「おにいちゃん……」
「ごめんな。だいぶ待たせちゃったようで」
「ううん、そんなことはいいんです。おにいちゃんがわたしのことを好きって言ってくれる。それだけでわたしは幸せです」
紗緒里ちゃんは涙を拭き、そして、微笑んだ。
素敵な笑顔だ。
「ありがとうございます。おにいちゃん、これからよろしくお願いします」
そう言って紗緒里ちゃんは俺の手を握る。
柔らかく、温かい手。
俺の心は沸騰していく。
「こちらこそよろしく。好きだ。紗緒里ちゃん」
「おにいちゃん、好きです。大好きです」
紗緒里ちゃんの甘い声。素敵な声だ。
俺は紗緒里ちゃんにますます恋をしていこうとしている。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
俺にはロシア人ハーフの許嫁がいるらしい。
夜兎ましろ
青春
高校入学から約半年が経ったある日。
俺たちのクラスに転入生がやってきたのだが、その転入生は俺――雪村翔(ゆきむら しょう)が幼い頃に結婚を誓い合ったロシア人ハーフの美少女だった……!?
俺の家には学校一の美少女がいる!
ながしょー
青春
※少しですが改稿したものを新しく公開しました。主人公の名前や所々変えています。今後たぶん話が変わっていきます。
今年、入学したばかりの4月。
両親は海外出張のため何年か家を空けることになった。
そのさい、親父からは「同僚にも同い年の女の子がいて、家で一人で留守番させるのは危ないから」ということで一人の女の子と一緒に住むことになった。
その美少女は学校一のモテる女の子。
この先、どうなってしまうのか!?
脅され彼女~可愛い女子の弱みを握ったので脅して彼女にしてみたが、健気すぎて幸せにしたいと思った~
みずがめ
青春
陰キャ男子が後輩の女子の弱みを握ってしまった。彼女いない歴=年齢の彼は後輩少女に彼女になってくれとお願いする。脅迫から生まれた恋人関係ではあったが、彼女はとても健気な女の子だった。
ゲス男子×健気女子のコンプレックスにまみれた、もしかしたら純愛になるかもしれないお話。
※この作品は別サイトにも掲載しています。
※表紙イラストは、あっきコタロウさんに描いていただきました。
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる