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第二十三話 おいしい料理
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「手をつないでいいですよね」
紗緒里ちゃんが俺にお願いをしてくる。
「ここで?」
「毎日の行き帰り、ちょっとでいいから手をつなぎたい、っていいって言っていたじゃないですか」
「それはそうだけど……」
「じゃあ、お願いします」
と言って紗緒里ちゃんは恥ずかしがりながら、俺の手を握ってくる。
「おにいちゃんの手、今日も握れて幸せ」
彼女の甘い声に、俺の心は沸き立ってくる。
俺も紗緒里ちゃんの手を握れて幸せ、なんだけど……。
その時間はほんのわずか。
もの足りない気がする。それだけ彼女の手を握るだけで心地良くなってきているのだ。
俺自身が、
「ちょっとの間だけ」
と言ったので仕方がない。俺からもっと握っていてくれ、と言うわけにはいかないだろう。
彼女の方から、握る時間を長くしてくれると助かるのだが。
でも彼女は、俺に気をつかっているから、自分からは長く握っていたいとは言わないだろうなあ……。
彼女はそれでこのまま我慢できるんだろうか。
俺への想いが強いままであれば、そのうち彼女の方から、
「行き帰りの間はずっと手を握っていましょう」
と言ってくれるのではないかと思う。それに期待したいところだ。
そう思ってきたのだが、そういう期待をしていいのだろうか、という気持ちはまだまだ強い。
俺は一体、どうしたいのだろう。
いとこでまだ付き合っていないから短い時間でいいという気持ちと、この手の握った時の心地良さが好きだからもっと長い時間握っていたいという気持ち。この相反する二つのことを思っていて、紗緒里ちゃんに申し訳ない気持ちになる。
紗緒里ちゃんの方も一瞬残念そうな表情をしていたが、すぐに笑顔に変わっていく。
「それじゃおにいちゃん、また明日。バイバイ」
「うん。また明日。バイバイ」
お互い手を振り合って別れていった。
こうして、明日の正午頃に紗緒里ちゃんが来ることになった。
彼女の負担を考えて、来るまでにある程度はそうじをしておこうと思っていた。
洗濯もしていこうと思っていた。
しかし、彼女は俺の役に立ちたいと繰り返して言っていた。
俺が彼女の来る前に家事を少ししてしまうのは、逆に彼女に対して失礼ではないかと思うようになってきた。
そこで、彼女が家事をするのに時間がかかるようだったら、手伝うことにしようと思った。それなら彼女も納得してくれるだろう。
そう思ったので、俺はいつも午前中にしていた家事を、紗緒里ちゃんに任せることにした。
これで明日の方針が定まったと思った俺は、晩ご飯を食べ、風呂に入った後、最新作のギャルゲーを始めた。
ネットでの評判は良く、俺も期待をしてプレーを始めた。
最初は、夜十二時を過ぎたら、そこでストップしようと思ったのだが、没頭してしまって、寝たのは午前三時頃。
それで、午前九時に一回起きたのだが、眠くてまた寝てしまった。
それにしても、昼前まで寝てしまうとは……。
いくらギャルゲーが好きでも、夜三時過ぎまですることはなかったよなあ。紗緒里ちゃんが来るというのに。
でもこのギャルゲー、キャラクターデザインも声もシナリオも音楽もいいので、ついつい時間を忘れるほどやり込んでしまう。
ただ、寝るのが遅いと、朝どころか昼前に起きることになり、疲れが取れにくい。これはなかなかつらい。
まして、紗緒里ちゃんの前では身支度を整えた姿でいたい。
次の休日は、彼女が正午前から来るかどうかはわからない。彼女が来るとなればもちろんだが、もし昼以降に来ることになっても、疲労のことを考慮すると、次からは、午前一時頃までにしとこうと思う。
俺は紗緒里ちゃんに、
「今日はよろしく」
と頭を下げながら言った。
「よろしくお願いします。わたしが家事をしている間は、おにいちゃんにはくつろいでもらわないと」
と言って紗緒里ちゃんも頭を下げ、そして微笑んだ。
「さて、じゃあ、昼食を作りますね」
紗緒里ちゃんは、エプロン姿になり、買ってきた食材を使って料理を作り始める。
この間の晩ご飯を作っていた時も手際が良かったが、今日もテキパキと進めていく。
エプロン姿を見ていると、どうしても心が高揚してしまう。
こんな風に毎日料理を作ってもらえたらなあ……。
いや、毎日作らなくていいと言ったのは俺だ。彼女の好意に甘えてはいけない。
でも彼女のエプロン姿は素敵だ……。
「できましたよ」
出て来たのは、卵をベースにチーズやハム、そしてキャベツやキュウリをはさんだサンドイッチ。
二つ作ってくれた。
「おにいちゃんの口に合うかどうかはわかりませんけど」
「いや、紗緒里ちゃんの作ったものだから、きっとおいしいよ」
「まあ、おにいちゃんたら。でもうれしい」
俺はそのサンドイッチを一口食べた。
「どうですか?」
心配そうな紗緒里ちゃん。
「おいしいよ!」
具材のそれぞれの良さを生かしている。
「今日はおにいちゃんの要望で、軽めのものにしましたが、それでよかったんでしょうか?」
「これで充分。ありがとう」
「喜んでくれてうれしいです」
紗緒里ちゃんは涙を流しそうな勢い。
「これから休日は、お昼と晩ご飯、両方作りますね」
そう言って、彼女は笑った。
紗緒里ちゃんが俺にお願いをしてくる。
「ここで?」
「毎日の行き帰り、ちょっとでいいから手をつなぎたい、っていいって言っていたじゃないですか」
「それはそうだけど……」
「じゃあ、お願いします」
と言って紗緒里ちゃんは恥ずかしがりながら、俺の手を握ってくる。
「おにいちゃんの手、今日も握れて幸せ」
彼女の甘い声に、俺の心は沸き立ってくる。
俺も紗緒里ちゃんの手を握れて幸せ、なんだけど……。
その時間はほんのわずか。
もの足りない気がする。それだけ彼女の手を握るだけで心地良くなってきているのだ。
俺自身が、
「ちょっとの間だけ」
と言ったので仕方がない。俺からもっと握っていてくれ、と言うわけにはいかないだろう。
彼女の方から、握る時間を長くしてくれると助かるのだが。
でも彼女は、俺に気をつかっているから、自分からは長く握っていたいとは言わないだろうなあ……。
彼女はそれでこのまま我慢できるんだろうか。
俺への想いが強いままであれば、そのうち彼女の方から、
「行き帰りの間はずっと手を握っていましょう」
と言ってくれるのではないかと思う。それに期待したいところだ。
そう思ってきたのだが、そういう期待をしていいのだろうか、という気持ちはまだまだ強い。
俺は一体、どうしたいのだろう。
いとこでまだ付き合っていないから短い時間でいいという気持ちと、この手の握った時の心地良さが好きだからもっと長い時間握っていたいという気持ち。この相反する二つのことを思っていて、紗緒里ちゃんに申し訳ない気持ちになる。
紗緒里ちゃんの方も一瞬残念そうな表情をしていたが、すぐに笑顔に変わっていく。
「それじゃおにいちゃん、また明日。バイバイ」
「うん。また明日。バイバイ」
お互い手を振り合って別れていった。
こうして、明日の正午頃に紗緒里ちゃんが来ることになった。
彼女の負担を考えて、来るまでにある程度はそうじをしておこうと思っていた。
洗濯もしていこうと思っていた。
しかし、彼女は俺の役に立ちたいと繰り返して言っていた。
俺が彼女の来る前に家事を少ししてしまうのは、逆に彼女に対して失礼ではないかと思うようになってきた。
そこで、彼女が家事をするのに時間がかかるようだったら、手伝うことにしようと思った。それなら彼女も納得してくれるだろう。
そう思ったので、俺はいつも午前中にしていた家事を、紗緒里ちゃんに任せることにした。
これで明日の方針が定まったと思った俺は、晩ご飯を食べ、風呂に入った後、最新作のギャルゲーを始めた。
ネットでの評判は良く、俺も期待をしてプレーを始めた。
最初は、夜十二時を過ぎたら、そこでストップしようと思ったのだが、没頭してしまって、寝たのは午前三時頃。
それで、午前九時に一回起きたのだが、眠くてまた寝てしまった。
それにしても、昼前まで寝てしまうとは……。
いくらギャルゲーが好きでも、夜三時過ぎまですることはなかったよなあ。紗緒里ちゃんが来るというのに。
でもこのギャルゲー、キャラクターデザインも声もシナリオも音楽もいいので、ついつい時間を忘れるほどやり込んでしまう。
ただ、寝るのが遅いと、朝どころか昼前に起きることになり、疲れが取れにくい。これはなかなかつらい。
まして、紗緒里ちゃんの前では身支度を整えた姿でいたい。
次の休日は、彼女が正午前から来るかどうかはわからない。彼女が来るとなればもちろんだが、もし昼以降に来ることになっても、疲労のことを考慮すると、次からは、午前一時頃までにしとこうと思う。
俺は紗緒里ちゃんに、
「今日はよろしく」
と頭を下げながら言った。
「よろしくお願いします。わたしが家事をしている間は、おにいちゃんにはくつろいでもらわないと」
と言って紗緒里ちゃんも頭を下げ、そして微笑んだ。
「さて、じゃあ、昼食を作りますね」
紗緒里ちゃんは、エプロン姿になり、買ってきた食材を使って料理を作り始める。
この間の晩ご飯を作っていた時も手際が良かったが、今日もテキパキと進めていく。
エプロン姿を見ていると、どうしても心が高揚してしまう。
こんな風に毎日料理を作ってもらえたらなあ……。
いや、毎日作らなくていいと言ったのは俺だ。彼女の好意に甘えてはいけない。
でも彼女のエプロン姿は素敵だ……。
「できましたよ」
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「おにいちゃんの口に合うかどうかはわかりませんけど」
「いや、紗緒里ちゃんの作ったものだから、きっとおいしいよ」
「まあ、おにいちゃんたら。でもうれしい」
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「どうですか?」
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「今日はおにいちゃんの要望で、軽めのものにしましたが、それでよかったんでしょうか?」
「これで充分。ありがとう」
「喜んでくれてうれしいです」
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そう言って、彼女は笑った。
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