甘くてすっぱいフルーツガールズ~私、この子たちの為に頑張ります~

クラプト/松浜神ヰ

文字の大きさ
上 下
8 / 8

第6話 初任務② 守るべきもの

しおりを挟む
※桂川美咲のイラスト追加しました。

私と咲弥は任務で柚子のフルーツガールズの保護の為に徳島県の剣山つるぎざんへ向かい、そこで目的の彼女に出会う。方言を話す彼女に対し、私は勝手に柚子の品種の1つである多田錦タダニシキと命名した。

「多田…錦?何か、それは」
「柚子の品種の1つだよ。どう?」
「悪うないかも。ありがとう」
「君は1人でここに住んでるの?」
「いいや、もう1人おる。うちによう似た緑色のや」
「その娘がどこにいるかとか分かる?」
「うちゃさっきからその娘を探しよるんや。手伝うてくれんか?」
「いいよ。それで、どこを探せばいいの?」
「どこって言われても分からん。だってあの娘は連れ去られたけん」
「何だって!?」

「咲弥、今何て言ったか分かった?」
「少しだけ。でも、助けないといけないってことは分かりました」
「それじゃあ、あれ使って」

私たちは『果実娘探査機フールティルフルクト』を使って錦ちゃんに似た緑色の娘を探した。

しばらく捜索し続けていると、反応のあった山奥の地点に何人かの男に囲まれたそれらしきフルーツガールを見つけた。


「胸こそは大きくはねぇが、エロい体してるなぁ」
「やめて!これ以上は嫌じょ!」
「そうやって聞きなれない語尾使うのもまたいいねぇ。その体で、言葉で、俺たちの財布と欲を満たしてくれよ」
「じゃあ、まずはうちの血ぃ飲んでくれる?」
「なんで血?まぁいい、んじゃあ、遠慮なくいただきます」

そう言って、密猟者らしき男はその娘の指に切り傷をつけ、そこを舐めた。

「!?!?!?!?!?!?ン×ーーーーーーーー!!!」

男の絶叫は、数秒にわたって続いた。

「ハァ…、ハァ…、何でこんなに血がすっぱいんだ!?俺を殺すつもりだったんだろうが、もういい、強制的に連れ帰ってやる!!抵抗すれば無論、殺す」
「そ、そんなぁ…」

それを見ていた錦ちゃんが耐えかねたようだ。

「ねぇお姉ちゃんたち、どうにかならんの?」
「大丈夫、今何とかするから。咲弥…ってあれ?咲弥?」

気づいたときには、彼女はリーダー格らしき男を横から狙っていた。

「咲弥、ダメ!!!」

私の声で自分に気づいたのだろう、目つきが変わった。
そして咲弥は男の鼻筋すれすれに発砲した。弾は狙い通りに鼻筋をかすり、切れた。

「痛っ!?何だ今の…」
「あなたたちは極悪非道なことをしています!!自分で何をしているのか分からないのですか!?」
「その服装は『FJVVフィブ』!?…いや、少し違うか。まぁいい。誰にせよ俺に敵対しようモンなら殺す」
「やれるならやってみてください!!」

そう言いながら咲弥はリロードせずに何十発も発砲した。しかし、それら全ては命中することなく全員の体をすれていき、気づく頃には男たちは全員傷まみれになっていた。

「連行する為にあえて殺しません。しかし、あなたたちのしたことは犯罪であり、決して許されません!」
「ふっ、ふざけるなぁぁぁ!!!」

男の1人が剣を振り回しながら咲弥に向かっていった。私はとっさに発砲してその剣を粉砕した。

「麗華、ナイス!」

「おい、こっちを見ろ!」

リーダー格の男の大声が聞こえ、その方を見るとあの娘の首に剣が突きつけられていた。

「殺されたくなければ、そこのもう1人も渡すことd…」

突然、男の声が消え、男は倒れた。そこを見ると、咲弥が恐ろしい目つきで立っていた。すると、咲弥は軽々と男の胸ぐらをつかんで持ち上げ、心臓があるであろう位置に銃口を突き付けた。

「咲弥、これ以上はダメだよ」

一言で落ち着きを取り戻した咲弥はその男を地面に叩きつけ、そそくさと他のメンバーを縛り上げ始めた。
開放され、緑この人たちは密猟者やないでよ色のが私に近づいてきた。

「助けてくださり、ありがとうがーす」
「いいんだよ。それに、私たちは君たちを保護しに来たんだよ」
「まさか、あんたたちも密猟者か!?」

「すだち、このこの人たちは密猟者やないでよ」
「本当か?疑うてごめんなさい」

「別に、それはしょうがないことだから…。それで、君の名前は?」
「うち?うちゃすだちとしか…」
「そっか。でも、すだちじゃ物足らない気がするから、すだちの品種の『徳島1号』ってどう?」
「徳島…1号…、うん、悪うない!!」

そういって彼女は笑った。私は野良フルーツガールズに命名することに嬉しさを覚えていた。

続く
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

るみえーる
2023.01.02 るみえーる

話の展開が普通の漫画・アニメなみに早くて、物足りない部分もありますけど面白いです。キャラ文芸大賞締め切り設定だった12月末までにもっとまとめて読みたかったところ。
(「第6回キャラ文芸大賞参加作品」から最近更新された順に作品の冒頭数話をとりあえず読みます。「お気に入りに追加」は自身の備忘録です)

解除

あなたにおすすめの小説

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。