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第3話 【黒】の襲撃
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私の家はいつからこんなに賑やかになったのだか…。もう6人が来てから3日目に
なるけど、一向に密猟者が現れることはない。まぁ、来ない方がいいんだけど…。
「おねえさん、おねえさんはどうして果物を食べないの?」
「私、果物のアレルギーが多い上にアレルギーじゃないやつは苦手で…。最初はみんなに触ってもアレルギー反応が起きるんじゃないかと思ってたんだけど起きてないから今はそう思わないんだけど…」
「あれるぎー?それって?」
「アレルギーっていうのは、一部の食べ物に触ったり食べたりすることで体に異常が起こることなんだけど、最悪死んじゃうんだよ」
「そっか、それで…。じゃあ、おねえさんはわたしたちを触ってもそのアレルギーを引き起こしちゃうの?」
「それは分かんないかも。フルーツガールズって一体何から生まれるの?」
「わたしたちの世界にとってもよりの異世界になるこの世界の果物から生まれるんです。だから、今は大丈夫でもこの中におねえさんのアレルギーのもとになってる果物の娘がいるといつかおねえさんに迷惑をかけちゃうかもしれないです…」
「そ、そんなの気にしなくていいよ!だってみんながここに来たのは山賊が悪いからだし、今のところはアレルギー反応出てないから」
「それでも、もしも【黒】が来たらたいへんです!」
「【黒】って?」
「【黒】はそれぞれのしゅぞくの中からに対するあくいをもつものが魔の力に手をそめて人間と協力しようとするヤツのことです!もし、わたしたちの中にアレルギーが出ちゃう人がいたら【黒】に襲われてその、アナフ…、アネフィラク、…何だっけ?」
「ア・ナ・フィ・ラ・キ・シ・ィ」
「そうそう、アナフィラキシーが発症して死んでしまうかもしれません!」
「そんなおおげさだよ。そもそもその【黒】ってどういう時に来るの?」
噂をすれば、と言うかのように、何者かの声が聞こえた。
「よぉ。久しいな、シナノスイート」
そこには、悪魔の翼を生やした赤黒い色が目立つ服装をしたフルーツガールズらしき少女がいた。
「その声、まさか秋映!?どうしてここが…」
「テレポートした痕跡をたどっただけだ。あれ程の魔力を出すにはお前の魔鉱塊くらいだろうけど、お前らならそんなドジはしねぇからな。そこの人間に教えたんだろ?私たちのことも話したみてぇだが、全貌を知る前に死んでもらうぞ」
「秋映とか言ったっけ?この娘たちは人間の密猟から逃げてきたんだから守ってあげることも含めて私はもっとこの娘たちとの生活を続けていたいの!私はまだ初歩的なことしか君のことは知らないし。それに、何で君は人間側についたの?」
「いつまでも人間に脅かされ、支配され続けるのはもううんざりなんだ!だからあいつらと対等になって向こうが気を緩めたら不意打ちをしかける。そんで私らフルーツガールズの時代を創り上げて二度と人間から脅かされることのない世界を築く基盤を次の世代に託すしかない。私だって、殺された仲間の分まで精いっぱい生き抜かなきゃなんねぇんだ」
「でも、今までに他のフルーツガールズを殺したこともあるんでしょ!?なら、もっと他にやり方はなかったの?」
「これ以上に最善の策があったらこんなところには居ねぇよ!さっさと死んでもらうぞ!」
「そうはさせないわ!秋映、わたしが相手よ!」
「おいおい、魔鉱塊も持たずに無防備な状態でいいのか?」
「おねえさん、早く逃げてください」
「でも、私がみんなを守らなくちゃ…」
「いいから早く!」
私は決めた。この娘たちの為なら強くなろう、頑張ろうと。
「シナノスイートォォォ!!お前もはやく友人のもとまで葬ってやるよ!!」
そう言って秋映は果物装備の槍を振り回しながらこっちまで飛び降りてきた。ああ、おねえさん、そしてみんな。この3日間はとても楽しかった…。
が、わたしがわざと張っていた魔力の壁とわたしの間におねえさんが入ってきた。魔力の壁が感知できてなかったのか、秋映は壁に突っ込み、体勢を崩したまま体当たりする形で壁を突き破ってきて、おねえさんに直撃した。
秋映と距離を取ったあと、私はおねえさんの方を見た。その倒れた姿は、かつて秋映に殺された親友によく似ていた。
「秋映、わたしはぜったいにお前をたおします!」
「へっ、お前にそんなことはできねぇよ…」
こんな時に限っておねえさんのおねえさんが外に出てきてしまった。どうか逃げてほしいな…。
「あ!悪魔っ娘じゃん!!まさかコミケ以外で見ることになるなんて…!?」
「は?おい、お前、何をっ…やめ、やめろ!!」
「いいじゃないか君。それにしても、この翼よくできてるなぁ。こ、この翼動くのか!?すげぇ…」
すると、秋映はおねえさんのおねえさんを振り払って飛んだ
「えー、もう帰っちゃうの?また今度その格好で遊びに来てねー」
「二度と来るか!!」
こうして、予想外の方法で秋映は撃退されたのであった。
*
あれ…?確か今は秋映っていうヤツの攻撃に対してスイートちゃんをかばって…。ってことは、ここは天国かな?
「みんな!!おねえさんの目が覚めた!」
その一言で、私はまだ死んでないということを悟った。
「おねえさん、生きててくれてよかった。これからは無理しすぎないでね」
「わかった。できるだけ無理しないようにするよ」
私は、この可愛い義妹たちの為なら頑張り、その上で生きて帰ることを心のなかで誓った。
続く
なるけど、一向に密猟者が現れることはない。まぁ、来ない方がいいんだけど…。
「おねえさん、おねえさんはどうして果物を食べないの?」
「私、果物のアレルギーが多い上にアレルギーじゃないやつは苦手で…。最初はみんなに触ってもアレルギー反応が起きるんじゃないかと思ってたんだけど起きてないから今はそう思わないんだけど…」
「あれるぎー?それって?」
「アレルギーっていうのは、一部の食べ物に触ったり食べたりすることで体に異常が起こることなんだけど、最悪死んじゃうんだよ」
「そっか、それで…。じゃあ、おねえさんはわたしたちを触ってもそのアレルギーを引き起こしちゃうの?」
「それは分かんないかも。フルーツガールズって一体何から生まれるの?」
「わたしたちの世界にとってもよりの異世界になるこの世界の果物から生まれるんです。だから、今は大丈夫でもこの中におねえさんのアレルギーのもとになってる果物の娘がいるといつかおねえさんに迷惑をかけちゃうかもしれないです…」
「そ、そんなの気にしなくていいよ!だってみんながここに来たのは山賊が悪いからだし、今のところはアレルギー反応出てないから」
「それでも、もしも【黒】が来たらたいへんです!」
「【黒】って?」
「【黒】はそれぞれのしゅぞくの中からに対するあくいをもつものが魔の力に手をそめて人間と協力しようとするヤツのことです!もし、わたしたちの中にアレルギーが出ちゃう人がいたら【黒】に襲われてその、アナフ…、アネフィラク、…何だっけ?」
「ア・ナ・フィ・ラ・キ・シ・ィ」
「そうそう、アナフィラキシーが発症して死んでしまうかもしれません!」
「そんなおおげさだよ。そもそもその【黒】ってどういう時に来るの?」
噂をすれば、と言うかのように、何者かの声が聞こえた。
「よぉ。久しいな、シナノスイート」
そこには、悪魔の翼を生やした赤黒い色が目立つ服装をしたフルーツガールズらしき少女がいた。
「その声、まさか秋映!?どうしてここが…」
「テレポートした痕跡をたどっただけだ。あれ程の魔力を出すにはお前の魔鉱塊くらいだろうけど、お前らならそんなドジはしねぇからな。そこの人間に教えたんだろ?私たちのことも話したみてぇだが、全貌を知る前に死んでもらうぞ」
「秋映とか言ったっけ?この娘たちは人間の密猟から逃げてきたんだから守ってあげることも含めて私はもっとこの娘たちとの生活を続けていたいの!私はまだ初歩的なことしか君のことは知らないし。それに、何で君は人間側についたの?」
「いつまでも人間に脅かされ、支配され続けるのはもううんざりなんだ!だからあいつらと対等になって向こうが気を緩めたら不意打ちをしかける。そんで私らフルーツガールズの時代を創り上げて二度と人間から脅かされることのない世界を築く基盤を次の世代に託すしかない。私だって、殺された仲間の分まで精いっぱい生き抜かなきゃなんねぇんだ」
「でも、今までに他のフルーツガールズを殺したこともあるんでしょ!?なら、もっと他にやり方はなかったの?」
「これ以上に最善の策があったらこんなところには居ねぇよ!さっさと死んでもらうぞ!」
「そうはさせないわ!秋映、わたしが相手よ!」
「おいおい、魔鉱塊も持たずに無防備な状態でいいのか?」
「おねえさん、早く逃げてください」
「でも、私がみんなを守らなくちゃ…」
「いいから早く!」
私は決めた。この娘たちの為なら強くなろう、頑張ろうと。
「シナノスイートォォォ!!お前もはやく友人のもとまで葬ってやるよ!!」
そう言って秋映は果物装備の槍を振り回しながらこっちまで飛び降りてきた。ああ、おねえさん、そしてみんな。この3日間はとても楽しかった…。
が、わたしがわざと張っていた魔力の壁とわたしの間におねえさんが入ってきた。魔力の壁が感知できてなかったのか、秋映は壁に突っ込み、体勢を崩したまま体当たりする形で壁を突き破ってきて、おねえさんに直撃した。
秋映と距離を取ったあと、私はおねえさんの方を見た。その倒れた姿は、かつて秋映に殺された親友によく似ていた。
「秋映、わたしはぜったいにお前をたおします!」
「へっ、お前にそんなことはできねぇよ…」
こんな時に限っておねえさんのおねえさんが外に出てきてしまった。どうか逃げてほしいな…。
「あ!悪魔っ娘じゃん!!まさかコミケ以外で見ることになるなんて…!?」
「は?おい、お前、何をっ…やめ、やめろ!!」
「いいじゃないか君。それにしても、この翼よくできてるなぁ。こ、この翼動くのか!?すげぇ…」
すると、秋映はおねえさんのおねえさんを振り払って飛んだ
「えー、もう帰っちゃうの?また今度その格好で遊びに来てねー」
「二度と来るか!!」
こうして、予想外の方法で秋映は撃退されたのであった。
*
あれ…?確か今は秋映っていうヤツの攻撃に対してスイートちゃんをかばって…。ってことは、ここは天国かな?
「みんな!!おねえさんの目が覚めた!」
その一言で、私はまだ死んでないということを悟った。
「おねえさん、生きててくれてよかった。これからは無理しすぎないでね」
「わかった。できるだけ無理しないようにするよ」
私は、この可愛い義妹たちの為なら頑張り、その上で生きて帰ることを心のなかで誓った。
続く
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