色づく世界の端っこで

星夜るな

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第一章

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そして、何故かふわふわもこもこのぬいぐるみを抱きたくなった。

押入れの奥のダンボールの中に入っている。

もちろん。僕が入れたわけではない。

碧が、ストレス溜まったときに癒やしとして…。と言われて持ってきた。
僕がそういう系のぬいぐるみ手触りが好きだと知っているからだ。
まあ、当時は、それがバレて恥ずかしかった記憶がある。


そんなことを考えながらウトウト来ていると

ガチャ。

部屋の扉が開く音がした。


誰だろう。

自分の部屋の鍵しか渡されない。
のに…。今開いた音がした。

「彩人…。大丈夫?」

夏海くんがいた。その後ろには、日比野先輩が…。


「どうして‥ここに…。」

「いや、碧くんから熱出したって聞いて。」


連絡したのか…。しなくてもいいのに。


「伝染るので。」

「大丈夫。マスクしてる。」

と次は日比野先輩が答えた。
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