色づく世界の端っこで

星夜るな

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第一章

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「お昼になりました。各自で昼食を取ってください。午後の部は一時半からです。」

という放送が流れみんな家族友達のところへと向かっていく。



どこで食べようかな。


そう考えて中庭に続く道へと行こうとしたとき

「彩人兄!」

ん?聞こえて来ないはずの声が聞こえた。

振り返らずにまたあるき出した。


「彩人兄ってば!」

やっぱり…。


ゆっくりと後ろに振り向く。

「碧。」


「あっ!やっと気付いた。」

なんて言いながらほっぺを膨らましてすねているようだ。

どうして碧がいるんだろう。
「朝から来てたよ。一緒にお弁当食べよう!作ってきたから!あっ。心読んだわけじゃないからね。」

「いいけど。どこで…。」


「こっちこっち。もうみんないるよ。」


みんないるよ…。

みんな……。

いる……よ。


ん?


屋上に連れ出されてびっくりした。顔に出てないけど。

そこには、日比野先輩、和中先輩、香山先輩、夏海くん…。そして、寅田さん。仲野先生までが…。


戸惑っていると


「久しぶりだな!!お邪魔するぞ!」


「はい。お久しぶりです寅田さん。」

元気だな。



「見てみて彩人兄!僕ねみんなの分作ってきたよ。練習したから美味しいかわからないけど一番最初は、彩人兄に食べてほしいな。」


なんて言われたら食べないなんて選択肢はない。

わかってやってる。



「いただきます。」
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