色づく世界の端っこで

星夜るな

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第一章

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でも駄目だ。
父は、周りの目を気にすることなく罵声を浴びせる。

愛紗そう名乗った女は、父の腕の中でニヤニヤしている。

どうすれば…。


「すみません。部外者の方ですよね。この時間帯は、下校する生徒が多いので、あまり目立ったことをしのでいただけますか?」


その声は、仲野先生だった。
悪魔の笑顔で…。

「はあ?部外者!俺は、彩人の父だ。部外者は、お前のほうだろ!」


「いえ。部外者は、あなた方ですよ。ここ一体の道路は、この学校の持ち土地なので。いつもは、普通に使えますが…。警察呼べば、解決しますよ。…ね。」


警察・・という言葉に父が反応した。


もうここは、諦めるしかないと思った父は、最後に僕を睨むと去っていった。



「彩人兄!大丈夫?」

碧が泣きそうな顔で駆け寄ってきた。


「碧帰った…。」

そう聞いた碧は、ぷくーと頬を膨らませて
「もう!あの状況で帰るわけ無いじゃん。帰ったふりして、仲野先生呼びに行ってたの!」


「勝手に入るのだめ。」


「だめ…?そんな場合じゃなかったよ!許可なくじゃない。日比野先輩にあって一緒に呼んできてもらったの!」
僕は、思い出したように。



「仲野先生、日比野先輩ありがとうございました。」


「いえ、無事でなりよりです。詳しいことは、後日話しましょうね。」


話さなきゃいけないのか…。



「気にしないでいいよ。じゃあ帰るね。」

日比野先輩は手をひらひらさせ帰っていった。
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