色づく世界の端っこで

星夜るな

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第一章

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チリーーリー。チリーーリー。


先程セットしていた時間になったようだ。

「あっ。もうこんな時間ですね。一緒に来てくれてありがとうございました。」
と、仲野先生言ってくれ、

「ありがとな。」
虎田さんが簡単にお礼を言ってくれた。

「いえ。じゃあ。」
僕も簡単に挨拶して、学校に行くための準備をするため部屋に戻った。


あの黒猫。
可愛かったな。
モフモフしてたし。
毛ツヤツヤ。

んーー。
また会いたいな。



そう。彩人は、動物好きなのである。
そして、動物にも好かれやすい。
ウィンウィンの関係とも言える。
無表情なのに…。
不思議。



少し早めに教室に着き、本を読もう。
と、した時。



「お!おはよう星井!あのさ。同じ軽音部だし。話そう。語ろう。」
夏海くんにそう言われた。

…………。
………。
……。
…。

「え?駄目か?」

と、夏海くんがしょんぼりとした顔でそう言われた。


そんな顔をしていると碧を思い出す。
あー。その仕草そっくりだ。



「いいよ。」



そういう選択しか与えられなかった…。






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