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第一章
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《洗濯物を干すチーム》
夏海と日比野そして碧は、施設の奥の方にある、洗濯物を干すところまで歩いてきた。ここに来るまで会話は一切ない。碧が、足を止めた。
「ここが、場所だから、早く終わらせて帰ろう!」
と笑顔でいうが、夏海と日比野は、背中から悪寒というものが走っていくように感じた。
「そ、そうだね。早く終わらせようか。」
と日比野。
「は、はい。じゃあ俺こっちからします。」
と夏海。
ということで、十五ある物干し竿を三人で五ずつするということになった。
沈黙。
シーン。
沈黙。
バサ。 バサ。
チュン。 チュン。
沈黙……沈……も……く…。
「えっと。」
と耐えきれなくなった日比野。
「どうしたんですか。」
と碧。
「もしかしてだけど、何かに怒っていたり…。」
日比野、夏海は、干す手をやめた。そして、碧を見る。碧は、手を休めないで、
「心当たりあるんですね。たぶん。軽音部に入ったのって、彩人兄の意志じゃないですよね。まあ、そこは、この際いいんですけど。もし、傷つけるような、ことはしないでくださいね。」
と、碧が振り向き、笑った。でも目が笑っていない。
夏海、日比野は、心のなかで、
気をつけよう。絶対、碧くんは、怒らせたらやばい。
と思った。
「「はい。」」
二人して、そう返事すると。普通の笑顔に戻った。
「そういえば、彩人兄って作詞作曲もピアノも弾けるんですよ。知ってました?」
と言った。
「えっ。星井て、作詞作曲は、できるとはなんとなく知ってるけど、ピアノ引けるなんて。あっ。でも、作曲は、ピアの必要か。あーそうか!」
と一人でツッコミをしている。
その横で真剣な顔になった日比野が、
「もしかしてだけど、その、作詞作曲したものって、取ってあったりする?」
「う~んと。取ってあった気がするけどどこだったかな。もしかしていります?」
「うん。欲しいとは思うけど…。」
「じゃあ探しとくんで、みつけたら、学校まで持ってきますね。」
「ほんとに!ありがとう。」
と最初とは、違ういい雰囲気で作業は終わった。
夏海と日比野そして碧は、施設の奥の方にある、洗濯物を干すところまで歩いてきた。ここに来るまで会話は一切ない。碧が、足を止めた。
「ここが、場所だから、早く終わらせて帰ろう!」
と笑顔でいうが、夏海と日比野は、背中から悪寒というものが走っていくように感じた。
「そ、そうだね。早く終わらせようか。」
と日比野。
「は、はい。じゃあ俺こっちからします。」
と夏海。
ということで、十五ある物干し竿を三人で五ずつするということになった。
沈黙。
シーン。
沈黙。
バサ。 バサ。
チュン。 チュン。
沈黙……沈……も……く…。
「えっと。」
と耐えきれなくなった日比野。
「どうしたんですか。」
と碧。
「もしかしてだけど、何かに怒っていたり…。」
日比野、夏海は、干す手をやめた。そして、碧を見る。碧は、手を休めないで、
「心当たりあるんですね。たぶん。軽音部に入ったのって、彩人兄の意志じゃないですよね。まあ、そこは、この際いいんですけど。もし、傷つけるような、ことはしないでくださいね。」
と、碧が振り向き、笑った。でも目が笑っていない。
夏海、日比野は、心のなかで、
気をつけよう。絶対、碧くんは、怒らせたらやばい。
と思った。
「「はい。」」
二人して、そう返事すると。普通の笑顔に戻った。
「そういえば、彩人兄って作詞作曲もピアノも弾けるんですよ。知ってました?」
と言った。
「えっ。星井て、作詞作曲は、できるとはなんとなく知ってるけど、ピアノ引けるなんて。あっ。でも、作曲は、ピアの必要か。あーそうか!」
と一人でツッコミをしている。
その横で真剣な顔になった日比野が、
「もしかしてだけど、その、作詞作曲したものって、取ってあったりする?」
「う~んと。取ってあった気がするけどどこだったかな。もしかしていります?」
「うん。欲しいとは思うけど…。」
「じゃあ探しとくんで、みつけたら、学校まで持ってきますね。」
「ほんとに!ありがとう。」
と最初とは、違ういい雰囲気で作業は終わった。
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