色づく世界の端っこで

第一章

10 番外編

「あっ。仲野先生起きたの？おはよう。」
と満開の笑みで見つめた。沈黙の二十秒。ある可能性に気がついた。
「もしかしてですが、星井くん寝ぼけてますか。」
「ん。全然。」
もう話しにならない、ということを感じた。
「ねぇねぇ。なんで、仲野先生は仲野友哉ていう名前なの?なんで。なんで。?」
「名前の由来ですか。そうですね。名字が仲野ですので、友と仲がいい。とかの理由でつけられたそうですよ。哉は、父の名前の文字かららしいです。」
「ふふふ。そうなんだ。友情だ。じゃあね。バイバイ。」
もう、意味がわからない。通じてるのかなと考えるほどに、不安になる。もう一つは、ギャプがすごい。星井は、他のターゲットを起こすために、布団を叩こうとしたとき、
「星井くん、起こしちゃだめですよ。ほら、布団に入って寝ましょうね。」
「ぇ。なんでなんで起こしちゃだめなの？」
と無邪気に聞いてくる。
「それはですね。夜中ですよ。起こしたら、その人の眠る時間を削ってしまうので、迷惑をかけたらだめですよ。ね。」
と、優しく注意した。たが、寝ぼける星井には効果がない。ふと、星井を見ると、目に涙をためていた。逆効果だったようだ。どうすればいいのかと思っていると、流石にうるさかったのか、香山が、起きてしまった。
「うるさいですね。仲野先生、星井くん。何を騒いでるんですか。事の次第によっては、許しませんよ。僕の睡眠時間を！」
と文句を言いながら、顔を上げると、泣いてる星井みえた。まさか、泣いてると思わなかったので、二度見してしまった。仲野先生は、あーという顔でこっちを見ていた。
「ど、ど、どうしたんですか。星井くんが泣いてる!?えっ。仲野先生が泣かせた。いや、それより、無表情な星井くんが。」
と混乱していた。
「私が泣かせたわけではなく、寝ぼけている星井くんに、静かにして寝せようとして、注意してしまったら、こうなりました。起こしてしまいすみませんでした。」
と、謝った。当の本人。星井は、泣き止み、次のターゲットをロックインしてしまったようだ。
「あっ。香山先輩、おはよう。ねぇねぇ、なんでなんで…？」