愛されたい少年

1章

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「遅れてすみません。」
謝りながら、ノアが人間の姿で来た。後ろには、誰かがいる。

ノアの態度から余程親しいみたい。

ラオルが口を開く。
「後ろにいるのは誰？」

「あっ。リリイムです。説明不足を補ってくれるので、連れてきました。」

「えっーー。補い要員なの？」

可愛いな。
空気がほわほわする。
不思議な妖精人だな。



「コホン。では、話し始めてくれ。」
陛下がそう言う。




「要約すると、僕は、エーリルに名前をつけられる前には違う名前があり、その名前は、アメトリンです。これは、王族に使われる宝石の名前で、先日妖精の王になったアレキサンドライトと、その弟のタンザナイトの叔父に当たります。エーリルに会うまでは、執務などをしていましたが、ある事情で出来なくなり、その時にあったのが、エーリルです。」


ノアは。今までに見た事がないくらい淡々と述べていた。


「ある事情とはなんですか？」

ファン君が恐る恐る聞いていた。

うん。ファン君も多少緊張しているみたいだ。良かった。僕一人じゃなくて。
ノアじゃなくて、リリイムさんが喋った。
「まあ、これは、国家秘密に相当するから言えないんだよね。」

とんでもないことをサラッとはいた。


国家秘密？！

ヤバいよね。それって普通に。




生きて帰れる？





でも、ノアだから大丈夫だよね？？？