愛されたい少年

星夜るな

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1章

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「もしかして、あの時の人ですか?」

そういうと、ヨイの目に涙が・・・


「グスン。兄様・・・どうして、また、僕を悪者にするんですか・・・。」


その響きにゾッとする。


やっぱり、遠目で、ヨイを見るのと、近くてみるのとは違う。


怖い・・・。


そう思った。


でも、僕は、兄様達に心配をかけたくは無い。

だから、怖い・・・という恐怖を悟らせないために、口を開こうとした・・・が。
「エーリル。大丈・・・。」


兄様の一言で遮られた。
そして、その言葉も遮られ



「もしかして、ヨイの兄?ヨイを酷い目に合わせたという?」


と、ヨイの近くにいる人達が騒ぎ立てる。


「あれは、兄弟にすることじゃないよな。」


「そういえば、公爵に養子に入ったんだっけ?」


「あれだけ、酷い目に合わせたのに自分だけ得してさ・・・。ヨイの気持ち考えろ。」

と、罵倒する人まで出てきた。



僕は、何もしていな・・・。


「大丈夫・・・大丈夫・・・。」


と、兄様の声が後ろで聞こえた。

同時に兄様が、背中の後ろに隠してくれた。


僕の横には、ファン君と、ガイ君が・・・。

兄様の隣には、ムイ君が・・・。
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