愛されたい少年

星夜るな

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1章

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自然に扉に視線が行く。


ジッーと見つめていると目があった。

黒の髪に、黄色い瞳をもつ少年がいた。

「すみません。迷ってしまって…。」


申し訳ないように少年は、言った。

知らない人…。

その事自体が僕の呼吸を浅くする。


もう、大丈夫…。
怖くない…。
普通に接することができる…。

甘い考えだったみたいだ…。







実際には、兄様たち、ノア、ヨイ先生、そして、三人のメイドと、執事の人しか受け付けないようだ。

そういえば、それ以外の人にあったことがない…。



浅くなる呼吸の中でそう考えていた。




「エーリル…!ゆっくり息吐いて!」

そんな声がかすかに聞こえる。


でも、ゆっくり吐くことができない。

それでまた、焦る。

ハァハア…。

次第に視界がぼやけていく。


怖い…。
ゆっくり息を吐かないと…。
怖い…。
ゆっくり…。
怖い…。
怖い…。
怖い。
怖い。





…助けて…。





そう思った瞬間ギュッと誰かに抱きしめられた。


誰…?
怖い…。

「落ち着いて僕だよ。リオだよ。」



誰…?




リ‥オ‥。


リオ…兄…様?







わかった瞬間に体の力だぬける。



ポタ…ポタ…。






安心したからか、涙がこぼれ落ちる。


呼吸がもとに戻る。
普通に息ができる。




「ごめんね。怖かったよね。もう大丈夫だからね。」




僕が落ち着いても兄様は、ずっとギュと抱きしめてくれていた。











「『リオ兄様…。ノア…。もう大丈夫ぶ。ごめんなさい。』」



兄様は、唇をかみしめて、
「謝らなくていいんだよ…。」 


ノアは、眉を下げ笑っていた。


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