愛されたい少年

1章

１

ある日、ルーブル王国のリヴァル男爵夫婦のもとに小さな命が産まれた。二人は、小さな子を抱えながら、愛おしそうに見つめた。しかし、それは、この子が一歳になるときまでの話だった。一年後、弟が産まれると、状況が変わった。みんな、弟にかかりっぱなしになり、僕のことを忘れた。まるでこの世に存在していないように。
僕は、リヴァル男爵の両親を持つエーリル。黒髪に瞳は青と黄色が混ざっている。髪は、サラサラと真っ直ぐに伸びている。
両親は、父のケーティ。時期に三十歳を迎える。領主様だ。髪は、短い茶髪に、瞳は緑だ。誰からも信頼されている優しい人だ。
母ティナッは、二十三歳。癖のある黒髪に瞳が黄色。社交界では、爵位が低いのに三番目に入る人気者だ。人懐こい性格と無邪気さが残ると男女ともに親しい。
弟、ヨン。五歳。肩ぐらいの長さの茶髪に、瞳が黄色だ。両親の持つ色を半分にしたような感じで、年上からも好かれ、頭も剣の腕も素晴らしいと、リヴァル領では、知らない人がいないほど、有名だ。
しかし、僕は、領民と一度も関わったことがない。それは、僕は、家族から嫌われているからだ。日々「目障り。消えろ。みっともない。産みの母と思わないでほしい。視界に入るな。誰も、お前と仲良くしたいと思わない。」などなど言われている。なぜこうなったのか分からないが、随分嫌われているようだ。今年六歳になりやっと理由がわかった。僕は、いつものように馬小屋の端っこで、寝ていると、父と母が話してるのが聞こえた。
「全く、弟よりも出来が悪いし、瞳の色も黄色と青が混ざって気味が悪いわ。それにあと青はお祖父様を思い出して吐きそうになる。」
と、母が父に愚痴をごぼしていた。それに対して父は、
「確かにそうだな。気味が悪い。特に決定的なのは、体の弱さだな。ヨンと比べると全てに劣っている。面倒を見て金をかけるだけ無駄だ。生まれてから何回、医者にかかったか。それにしても、この年まで生きているなんて…。早く死んでもらったほうがいいんだが。」
「ホントだわ。領民に毎回説明するとなると面倒だもの。」
と、クスクスと笑いながら、屋敷に戻っていた。僕は、それをただ見ているだけだった。