叶わずも…

3

「またか…。」
電話をした父にそう言われた。


私もまたか。やっぱり。と思っていた。

「政略的にも使えないなんて…。育てた意味がない。」
とも言われた。


私の家族は、外面だけはいい。
だから、多分誰もいないところで、話しているんだろう。

そう予測が着いた。



さて、家に帰って、荷造りでもしよう。


彼に、本をあげると言ったのは、明日から、違う学校に行くから。

その学校は、全寮なので荷物は、だいたい送ってある。あとは、部屋にある小物類だけ。


小物類と言っても、そんなにない。両手で運べるくらいの小さなもの。



でも、これには、大切なものが入っているから。