末っ子は天使時々小悪魔？

１

コンコン。ドアを叩く音がする。
ガチャ。


「快斗起きてる？もう6時だよ。」

「ん……。あと5分。」

「駄目だよ。ほら起きて。」

直人が快斗の掛け布団を剥いだ。
そして、お腹の横をコチョコチョすると

「あっはは。辞めて…起きた。起きたから…。
おはよう直人兄。」

「起きたか。おはよう。ほら早く着替えて降りてきて。もう美兎は、起きて待ってる。」

「はーい。」

直人が出ていくと快斗はせっせと制服に着替えた。今日は、入学式。人見知りである快斗は、少し緊張気味だ。
階段を降りてリビングに入ると

「やっと起きてきた？おはよう。」

「うん。おはよう。美兎兄。今日のご飯は？」

「今日の朝ごはんは、目玉焼きにサラダトーストだよ。」

「「「いただきます。」」」

「どう美味しい？」

美兎が心配そうに聞いてきた。

「うん！美味しい。」

「良かった。快斗少し緊張してたでしょ？」


「え？どうしてわかったの？」

「そりゃ。わかるでしょ。だってさ快斗の双子の兄だよ！それに…。」

「兄弟で何年一緒に暮らしてきたと思ってるんだ。大丈夫だ。学校で困ったことがあれば、美兎にだって、俺の学年の教室に来ればいいんだ。」

その言葉を聞くと安心からか涙が出てきそうだった。鼻声で

「兄ちゃんたちありがとう！
大好き！」

二人は、照れたように笑った。
食事が終わりあと10分で家を出るというとき

「快斗調子悪くないか？」
心配そうな声と顔で聞いてきた。

「大丈夫。」

笑顔でそう答えると。

「途中で体調が悪くなったら周りの人に言うんだよ。」


なんて、言われる

僕のこの笑顔を見てよ。キラキラの……。

「が、頑張る…。」

「「頑張るって…。」」

心配な。兄たちだった。