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番外編
SS 初心者の悩み 2.
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したくなければしなければいい、なんてそんな簡単な問題なんだろうか。翔にもよくわからなかった。祐介と翔、お互いに初心者だが、立場はSとMで違うからだろうか。
祐介も同じように思ったのか、納得がいかないと言うようにむ眉根を寄せた。
「浩大さんは、そういうのが好きだと思うんです」
「だから、してあげたいということですか?」
「……した方がいいのかな、と」
何か腑に落ちないというように、有聖が首を傾げた。
「祐介さんは、何が気がかりなんです? 彼が好きなプレイをしてあげたいけど、できないということですか?」
「できないわけじゃないけど、……なんというか、どうしていいのかわからなくて」
わからないことがわからない。そんな感じで祐介の中でも整理がついていない様子だ。
しばらく考えていた有聖が口を開いた。
「つまり、してあげたい気持ちはあるし、やってみてもいいとは思うけど、何をどうやったら満足のいくプレイになるのか、わからないということですか?」
「たぶん、そういうことなんだと思います。……浩大さんは経験があるから、がっかりしてほしくないというか、俺でいいのかなって」
その気持ちは翔にもよくわかる。立場は違えど、翔と祐介の悩むところは同じだ。自分のパートナーに満足してほしい、というところに尽きる。
「彼はなんて?」
「俺の好きにしていい、と。形にはこだわらないから。でも、それって俺が下手だからですかね?」
「上手いか下手かは関係ないんじゃないですか? 形にはこだわらないというのは本音だと思いますよ」
「でも、浩大さんは、その、……鞭で打たれたり、縄で縛られたり、そういうことも望んでいると思うんです。そういうことをしないなら、SMじゃなくてもいいってことですか?」
「いいんじゃないですか、SMじゃなくても」
事もな気に言うと、戸惑うように祐介が言い募る。
「SMじゃなかったら、何をしたらいいのか、余計にわからない」
途方に暮れたような顔をした祐介が、なんだか可哀想になってきた。
「少し質問を変えましょう。祐介さんはプレイをすることに抵抗がありますか? 鞭で打ったり、緊縛をしたり……。痛めつけ、辱める行為に対して」
「それは、まぁ、抵抗はあります。抵抗がない人なんています?」
「僕は別にありませんよ。僕はそういうプレイが好きですから。でも、翔は違います。翔は鞭が好きでもないし、人前で辱められたり貶められたりすること好きなわけではないです」
有聖に視線を向けられ、翔は神妙に頷いた。
「ある意味で、僕に付き合ってくれているとも言えるでしょうね」
「でも、それはMだから仕方ないというか、そういうものなんじゃ……?」
翔と有聖とを交互に見ながら、祐介が遠慮がちに問い返した。
「あなたのパートナーも、そういうものなんじゃないですか?」
有聖に聞き返されて、祐介がはっと口をつぐんだ。
意に沿わないという点においては翔と浩大は同じようなものだ。
「お二人の間で同意があるなら、基本的には何をしても構わないし、しなくてもいいんです。プレイは好き好きなので、相性はあります。全く一致しないなら別れるしかない。だけど、パートナーはあなたの好きにしていいと言っていて、あなたも僕に直接聞きに来るくらいには真剣に悩んでいる。パートナーとしてうまくやっていきたいとお互いに思っているなら大丈夫ですよ」
にこりと微笑む有聖に、祐介が苦笑いした。
祐介も同じように思ったのか、納得がいかないと言うようにむ眉根を寄せた。
「浩大さんは、そういうのが好きだと思うんです」
「だから、してあげたいということですか?」
「……した方がいいのかな、と」
何か腑に落ちないというように、有聖が首を傾げた。
「祐介さんは、何が気がかりなんです? 彼が好きなプレイをしてあげたいけど、できないということですか?」
「できないわけじゃないけど、……なんというか、どうしていいのかわからなくて」
わからないことがわからない。そんな感じで祐介の中でも整理がついていない様子だ。
しばらく考えていた有聖が口を開いた。
「つまり、してあげたい気持ちはあるし、やってみてもいいとは思うけど、何をどうやったら満足のいくプレイになるのか、わからないということですか?」
「たぶん、そういうことなんだと思います。……浩大さんは経験があるから、がっかりしてほしくないというか、俺でいいのかなって」
その気持ちは翔にもよくわかる。立場は違えど、翔と祐介の悩むところは同じだ。自分のパートナーに満足してほしい、というところに尽きる。
「彼はなんて?」
「俺の好きにしていい、と。形にはこだわらないから。でも、それって俺が下手だからですかね?」
「上手いか下手かは関係ないんじゃないですか? 形にはこだわらないというのは本音だと思いますよ」
「でも、浩大さんは、その、……鞭で打たれたり、縄で縛られたり、そういうことも望んでいると思うんです。そういうことをしないなら、SMじゃなくてもいいってことですか?」
「いいんじゃないですか、SMじゃなくても」
事もな気に言うと、戸惑うように祐介が言い募る。
「SMじゃなかったら、何をしたらいいのか、余計にわからない」
途方に暮れたような顔をした祐介が、なんだか可哀想になってきた。
「少し質問を変えましょう。祐介さんはプレイをすることに抵抗がありますか? 鞭で打ったり、緊縛をしたり……。痛めつけ、辱める行為に対して」
「それは、まぁ、抵抗はあります。抵抗がない人なんています?」
「僕は別にありませんよ。僕はそういうプレイが好きですから。でも、翔は違います。翔は鞭が好きでもないし、人前で辱められたり貶められたりすること好きなわけではないです」
有聖に視線を向けられ、翔は神妙に頷いた。
「ある意味で、僕に付き合ってくれているとも言えるでしょうね」
「でも、それはMだから仕方ないというか、そういうものなんじゃ……?」
翔と有聖とを交互に見ながら、祐介が遠慮がちに問い返した。
「あなたのパートナーも、そういうものなんじゃないですか?」
有聖に聞き返されて、祐介がはっと口をつぐんだ。
意に沿わないという点においては翔と浩大は同じようなものだ。
「お二人の間で同意があるなら、基本的には何をしても構わないし、しなくてもいいんです。プレイは好き好きなので、相性はあります。全く一致しないなら別れるしかない。だけど、パートナーはあなたの好きにしていいと言っていて、あなたも僕に直接聞きに来るくらいには真剣に悩んでいる。パートナーとしてうまくやっていきたいとお互いに思っているなら大丈夫ですよ」
にこりと微笑む有聖に、祐介が苦笑いした。
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