SMの世界

静華

文字の大きさ
上 下
27 / 53

27. R18

しおりを挟む
 そんな翔の気持ちを察したのか、有聖の手がさわさわと軽く翔の太ももを撫でた。
「眠くないなら、眠くさせてあげようか?」
 有聖がにこりと微笑む。
「テスト期間中、自分でした?」
 デニムの前立ての辺りに有聖の手を感じて、翔は身じろいだ。
「……っ、し、てない」
「そうなの? 最後にしたのはいつ?」
「お、おぼえて、な、――っ!」
 有聖の手が乱暴にそこを掴んだ。
「やめっ、有聖、さん」
 体を捩るが、肝心なところを掴まれていては逃げられない。
「嘘つき。いつしたの?」
 有聖の力が徐々に強くなる。
「テ、テストの、ふ、二日前に、……一回、だけ」
 白状すると、手の力が緩んだ。翔はほっと息をついた。
「じゃ、もう一週間以上経ってるね」
 勝手にジッパーを下ろそうとする有聖の手を、翔は慌てて掴んだ。
「手伝ってあげる。そんなに溜まってたら良くないよ」
 翔の抵抗など意に介さず、有聖はあっという間にデニムの前をくつろげて、下着ごと無理矢理脱がせてしまった。
 恥ずかしすぎる。
 下半身丸出しにさせられた翔は慌てて身を縮こまらせた。
「翔、ちゃんと脚をひらいて」
 そんなこと言われても無理だ。ぶんぶんと頭を振った。
「自分で脚をひらくのと、縛られるのとどっちがいい?」
 重ねてそんなことを言われても、翔は答えようがなかった。
 そんなのどっちも嫌だ。
「い、いやだ……」
 かすれた声が出た。
「じゃ、縛るのは勘弁してあげるね。上も脱ごうか。汚れたら困るからね」
 翔の抵抗などあってないようなもの。あっという間に素っ裸にされてしまう。
 その上、翔の両手を掴むと、自分の手で膝の裏を抱えるような態勢にさせようとする。
「ゆ、有聖さん! いやだ、こんな格好……」
 ソファに座ってM字開脚で股間をさらすなんて、恥ずかしすぎて死んでしまいそうだ。
「本当に嫌? 翔のここ、ぴくぴくしてるよ」
 翔の正面の床に膝をついた有聖が、ぐっと膝頭を左右に押し広げた。
 むき出しの股間に有聖の吐息を感じて、翔は身を震わせる。
「っ、……」
「気持ちよくしてあげる。そのかわり、手を膝から離したらお仕置きするからね。しっかり掴んでいるんだよ」
 有聖がにこりと微笑んで、おもむろに翔の陰茎を口に含んだ。
「ひっ! や、やだ……、有聖、さん!」
 突然のことに小さな悲鳴が口をつき、反射的に体が逃げをうつ。
「あっ、あぁ……、だ、だめっ」
 敏感な亀頭の溝をねっとりと舐められる。
 久しぶりの刺激と、有聖に口でされているという衝撃に、あっという間に勃起してしまう。
 ゆっくりと舐め回す有聖の顔をどうにかしたいのに、手は有聖のいいつけを守っているのか膝を掴んで離れない。
 翔はうわ言のように、「だめ、やめて」と繰り返した。
「翔、気持ちよくないの? 刺激が足りないのかな?」
 顔を上げた有聖がそんなことを言う。
 刺激が足りないなんて、そんなわけがないのはわかっているくせに。
 イヤな予感がした時にはもう遅かった。
 完全に起ちあがった陰茎をぐいっと握りしめられ、ちょうどカリ首のあたりにある親指が敏感なくびれに爪を立てた。
「い、いや……っ! やだぁぁ!」
 ぐいぐいと爪が食いこみ、あまりの痛さに頭を後ろにそらせて悶絶する。
「素直に気持ちいいって言わないからだよ?」
 有聖が意地悪く微笑んだ。声には愉しささえ滲んでいる。
「や、ごめん、なさい……。ゆる、して」
 ちゃんと言うから、と翔は何度も懇願した。
 散々に爪で痛ぶられて息も絶え絶えになると、今度は有聖の舌がそこを労るように這わされた。
 痛めつけられじんじんと脈うつところを丹念に舐められるたびに、腰が揺れ甘い声が漏れる。
「ああ、ぁ、……いっ、きもちいいっ」
 カリだけでなく、裏筋や亀頭の先端まで丁寧に舐められると、瞬く間に絶頂に上り詰めそうになってしまう。
「ああ、やっ……、ゆ、ゆうせいさん、いっちゃ、う」
 このままだと有聖にかかってしまうと頭の片隅ではわかっていたが、強烈な快感に我慢などできない。
「ああぁ、だめっ! い、く……っ」
 久しぶりの射精で頭の奥が痺れる。びくびくと痙攣を繰り返す体を止められない。
「たくさん出たね。可愛いよ」
 亀頭を覆う有聖の手からどろりと白濁がこぼれ落ちた。
 心地よい満足感に、翔の体が弛緩していく。このまま眠ってしまえそうだと思った。
「……っ、ぁ、ぁ……、ゆうせい、さん」
 達した後も、有聖の手が離れていかない。それどころか、手のひらで亀頭をくるくると撫で回し始める。
「もっと、出るでしょう?」
「や、めっ……、やだっ、も、イった、イった、から!」
 達したのにそこを続けて触られるのはつらい。それなのに、有聖の手は止まらない。
「いや? でも、翔のここ、また勃ってきてるよ?」
 亀頭を弄ぶのとは反対の手の人差し指がゆっくりと裏筋をなぞった。
「ああぁ、やっ……」
 何度も優しく撫でられる。
「気持ちよくないの? もっと強い方が好き?」
 かけられる言葉は優しく聞こえるのに、有聖の手は残酷だった。
「っ、あああっ! ああっ、い、いたっ……!」
 裏筋を柔く撫でていた指がそこに爪を立て強く引っ掻いた。その間も亀頭をぐりぐりときつく撫で回す手は止まらない。
 痛みと気持ちよさが同時に押し寄せて、何も考えられない。
「ああぁ、だ、っ……いぃ、きもち、いいから」
 もうやめて、と身を捩らせる。
「気持ちいいならやめない。もっと気持ちよくなっていいよ」
 これ以上は無理なのに。有聖は許してくれない。
 体中の血液が集まってきているのではないかと思うほど、ペニスがどくどくと脈打つ。全神経がそこに繋がっているような感覚に陥った。
「あ、あ、やっ、でるっ、――あああっ!」
 何かわからないものが強烈に込み上げてくる感覚。怖くて有聖の腕に縋りついた瞬間、我慢できずに勢いよく吹き出してしまった。
「かわいいね、翔。上手に潮が吹けたよ」
 衣服がびしょ濡れになったというのに、有聖は満足そうに微笑む。
「ゆ、ゆうせい、さん……も、だめ」
 今度こそ動けない。体中に力が入らず、翔はだらりと四肢を投げ出した。
「かわいかったよ、翔。綺麗にしてあげるからね」
 耳元で囁かれ、翔はゆっくりと目を閉じた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

サディストの飼主さんに飼われてるマゾの日記。

恋愛
サディストの飼主さんに飼われてるマゾヒストのペット日記。 飼主さんが大好きです。 グロ表現、 性的表現もあります。 行為は「鬼畜系」なので苦手な人は見ないでください。 基本的に苦痛系のみですが 飼主さんとペットの関係は甘々です。 マゾ目線Only。 フィクションです。 ※ノンフィクションの方にアップしてたけど、混乱させそうなので別にしました。

ピアノ教室~先輩の家のお尻たたき~

鞭尻
大衆娯楽
「お尻をたたかれたい」と想い続けてきた理沙。 ある日、憧れの先輩の家が家でお尻をたたかれていること、さらに先輩の家で開かれているピアノ教室では「お尻たたきのお仕置き」があることを知る。 早速、ピアノ教室に通い始めた理沙は、先輩の母親から念願のお尻たたきを受けたり同じくお尻をたたかれている先輩とお尻たたきの話をしたりと「お尻たたきのある日常」を満喫するようになって……

ご主人様に調教される僕

猫又ササ
BL
借金のカタに買われた男の子がご主人様に調教されます。 調教 玩具 排泄管理 射精管理 等 なんでも許せる人向け

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

無理やりお仕置きされちゃうsubの話(短編集)

みたらし団子
BL
Dom/subユニバース ★が多くなるほどえろ重視の作品になっていきます。 ぼちぼち更新

【R18】かわいいペットの躾け方。

春宮ともみ
恋愛
ドS ‪✕ ‬ドM・主従関係カップルの夜事情。 彼氏兼ご主人様の命令を破った彼女がお仕置きに玩具で弄ばれ、ご褒美を貰うまでのお話。  *** ※タグを必ずご確認ください ※作者が読みたいだけの性癖を詰め込んだ書きなぐり短編です ※表紙はpixabay様よりお借りしました

処理中です...