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番外編・青年カインの年上の恋人
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白い壁に橙色の屋根、柵に囲まれた庭のある家がカインの自宅だ。
庭は姉が亡くなってからほとんど手入れしていなかったが、ニーナがハーブを植え始めたため、今では可愛らしい緑色の葉が生い茂っている。
カインは自宅前に着き、家の灯りが消えているのを確認してから柵の鍵を開けると、玄関まで続く石畳の道を忍び足で歩いた。
冒険者の隠密スキルを使おうかと考えたが、ニーナが眠っているのならそこまでする必要は無いなと思い直し、玄関の鍵を開けようとすると勝手に扉が開いた。
「やっぱりカインだ!」
寝巻き姿のニーナが弾んだ声を上げて飛びついて来た。
「ニーナ、起きていたのか」
「うん!」
玄関前でギュウギュウと抱き合い、カインは久々のニーナの温もりを堪能した。
「……あ、ごめん。家の外で」
はっとして離れようとしたニーナをカインはひょいと抱えて家の中に入った。
「情熱的に迎えてくれて嬉しい。ただいま、ニーナ」
「う、うん、おかえり、カイン……」
抱えたニーナを降ろして荷物を扉の横に置くと、ニーナはまたカインをギュウギュウと抱きしめた。
「ふふ……カインの足音だな~っと思って……扉を開けたら本当にそうだったから、嬉しくて」
「そうか……」
「お仕事、早く終わったの?」
「ああ、予定より早くな」
ニーナの耳と尻尾は嬉しそうにピンと立っている。カインはニーナの言葉を聞いているだけで胸がいっぱいになった。
「明日は休みだから、ちょっと……夜更かししようと思ってさ。起きてて良かった」
ニーナの声が不意に色っぽくなったのでカインはゾクリと震えてしまった。
「ね、キスしたい」
「ああ、俺もだ……」
ニーナがこちらを見上げたのでカインは体を屈めて唇を合わせた。ニーナの唇が軽く触れただけで小さな雷が体中を走り回る気がする。
「はぁ……ニーナ……好きだ……」
「ん……んん……オレも……」
触れるだけのキスは酷く甘ったるくて離れ難くなってしまう。カインはニーナと唇を何度も合わせた。
「ふぁ……カイン、ちょっと、待って……」
「ああ、すまない、つい夢中になってしまった」
「うん、オレも同じ気持ち……」
このままずっとキスをしていれば、ニーナに無体を働きかねないのでカインは体を離した。ニーナは自分の体を抱きしめて甘い吐息を漏らしている。カインはニーナを自分の部屋に連れ込みたい衝動に駆られたが堪えた。
「俺は風呂に入って来るから、ニーナはもう眠ると良い。明日の朝、ちゃんと話そう」
「……やだ」
「ニーナ?」
ニーナは拗ねた目でこちらを見つめた。
「カインが折角早く帰って来たのに、寝ちゃうなんて勿体ないよ。ね、お風呂上がったらオレの部屋に来て」
カインの服をギュッと掴み、上目遣いで見つめて来るニーナからは愛らしさと色気が溢れ出ている。甘えたような声色がカインの耳をくすぐった。
「……分かった」
「ちょっとお話してから、一緒に寝たいな」
「ああ……」
「大丈夫、大丈夫、何にもしないから……多分」
クスクスと笑い、カインの襟元をグッと引き寄せて頬にキスをした。
「じゃあ、待ってるね」
ニーナは軽やかに階段を上り二階の部屋に戻って行った。玄関には頬を押さえたカインがポツンと取り残された。
庭は姉が亡くなってからほとんど手入れしていなかったが、ニーナがハーブを植え始めたため、今では可愛らしい緑色の葉が生い茂っている。
カインは自宅前に着き、家の灯りが消えているのを確認してから柵の鍵を開けると、玄関まで続く石畳の道を忍び足で歩いた。
冒険者の隠密スキルを使おうかと考えたが、ニーナが眠っているのならそこまでする必要は無いなと思い直し、玄関の鍵を開けようとすると勝手に扉が開いた。
「やっぱりカインだ!」
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「うん!」
玄関前でギュウギュウと抱き合い、カインは久々のニーナの温もりを堪能した。
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ニーナの耳と尻尾は嬉しそうにピンと立っている。カインはニーナの言葉を聞いているだけで胸がいっぱいになった。
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「はぁ……ニーナ……好きだ……」
「ん……んん……オレも……」
触れるだけのキスは酷く甘ったるくて離れ難くなってしまう。カインはニーナと唇を何度も合わせた。
「ふぁ……カイン、ちょっと、待って……」
「ああ、すまない、つい夢中になってしまった」
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「ニーナ?」
ニーナは拗ねた目でこちらを見つめた。
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ニーナは軽やかに階段を上り二階の部屋に戻って行った。玄関には頬を押さえたカインがポツンと取り残された。
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